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【前巻上・前話からのあらすじ】

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※簡単なあらすじです。

※アイオライト・カンヴァス 【上】をすでに読了頂いた方は、次頁へお進みください。







ーーー・ーーー・ーーー・ーーー




15歳で出会い、二人でたくさんの時間を紡ぎ歩み過ごしてきた、夕人ゆうと速生はやみ

互いに惹かれ合い、ついに想いを通じ合わせた高校3年の秋。



忌々しい事件の傷跡に苛まれ続けていた夕人のそばに居るため、誰にも言わず進路を変えた速生の行動……その事実を知った夕人は、高校卒業時、別れを決意する。

「自分と一緒にいることは速生を駄目にする」。




上京、美大進学、卒業……
東京の高校へ美術科教師として入職した夕人。




逃げるように速生の元からいなくなったあの涙の別れから、5年。

23歳の夕人は、教職の傍ら、絵画コンクールへ応募する度入賞、功績を残しその才能を評価され画家としても少しずつ有名になっていく。


それでも。
あの時穴が開いてしまった心の中はいつも空っぽで、何の色もなく。
ただ、前を向くことも後ろを振り返ることもできない、血の通わないまるで冷たい人形のように過ごす毎日。



そして、そんな中。

行き慣れない駅、街並み、横断歩道の前。
偶然にも…

大手文具メーカーに就職し上京していた速生と再会する。


抗えない運命に困惑し逃げようとした夕人を引き止め、約束を取り付ける速生。


夜7時。バーで落ち合うふたり。2軒目の、速生行きつけの小料理店。

隣に座りお互いの胸の内を探り合う、実に5年ぶりの、共に過ごす時間。



夕人は速生の横で、揺れる思いに動揺し続けた。



居た堪れなさに飲んだこともない焼酎をやけ酒し泥酔してしまった夕人は、速生に帰宅を促され店の外に出るも、降り頻る強い大雨。

辿々しい足取りを速生に支えられながら駅へ向かうが、
大雨特別警報により電車は運行止めとなっていた。




自宅まで帰る術を無くしてしまった夕人に、

静かに、速生は提案した。






“俺の家、行かない?
ーーーー雨、止むまでの間だけでも………”








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