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18歳、立春 ー別れー
ごめんね。本当は…
しおりを挟む速生。
ごめん。
嫌いとか、そんなの、嘘だよ。
全部、嘘だよ、嘘に決まってんだろ。
俺だって………
好きだ、大好きなんだ。
速生。
ごめん……嘘ばかりついて。
本当は、一緒にいたかった。ずっと。
離れたいなんて、思うわけなかった。
速生のおかげで、いまの俺があるんだよ。
誰よりも、大切に思ってるんだ。
どこの誰よりも、一番。
だから………ダメなんだよ。
速生には俺がいたら、ダメなんだ。
嘘ついて、ごめん……傷つけて…。
大好きだ。
速生ーーーーー。
「……ふっ……っ……う………っぐすっ……」
いつの間にか列車は動き始めていた。窓の外の景色が流れるように動いていく。
涙で霞んで、何も見えない。
何も見たくない。
ーーーー嫌だ。
ーー離れたくないよ…………
「……は、やみ………っ…うっ………っ…」
周りの目なんて気にならなかった。
溢れてくる止まらない涙を、今はただ流していたかった。
両手で顔を覆って、目を閉じる。
ーーーごめん。
速生。
幸せに、なって。
ありがとう。ずっとーーーーー
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