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18歳、立春 ー別れー
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しおりを挟む『ヴーッヴーッヴーッ…』
マナーモードにした携帯が鳴る。
上着ポケットから出して画面を見た夕人は、目を見開いた。
『着信
玖賀 速生』
「………………………っ」
ーーーどうして……、いま………
指が震える。
“応答”のボタンを押そうとしてしまう……いや、ダメだとわかってる。
だけど、最後でいい。
もし、許されるなら…声が聞きたい。
『ヴーッ、ヴーッ、ヴーッ…』
だけど……
たぶん今電話に出たら、俺は言ってしまう。
速生に、本当のことを…………。
『…ただいま電話に出られません、発信音の後に、メッセージを…』
電子音が流れる。
『ピーーーーーー……』
震える手で、携帯電話の受話口を耳にあてた。
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