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17歳・霜降 ー交わされるきみへの想いー
2.ふれたい想い -2-
しおりを挟む(ちょっと、今日は夕人のこと、いろいろ困らせすぎたかな………)
速生は体育館前を1人で歩きながら、今朝からこれまでのやりとりを思い出し、少し反省をする。
自分の出すちょっかいに対し照れ隠しで怒る夕人の反応が、あまりにも初々しく、愛らしくて仕方なくて。
ダメだとわかっていてもつい、好きな子をからかういじめっ子のように続けてしまう。
(これでも、結構我慢してる方なんだけどな……)
だけど本当はもっと、近くで夕人の顔を見て、手を握ったり、柔らかい髪に触れたりーー…
頬、耳、首、唇ーー………
すべてにくちづけて、この腕の中で、まるで自分だけのもののように……どうにかしてしまいたい。
想いを伝えた次の日の、初めてキスをしたあの時の夕人を思い出す。
“ーーーーはやみっ………”
今でもはっきりと、思い出せる。
夕人の、抵抗しながらも、戸惑いながら少しずつ、受け入れるような。
嫌がる口ぶりのわりに、ちっとも、嫌そうではないーー…あの熱くて、甘い、溶けそうなほどに濃い時間。
(俺ーーー……やばいな。こんなところでこんなこと考えて、マジで変態じゃん…)
こんなことでは、このままでは嫌われてしまうかもーー…と、不安に駆られる。
(けど、触れたくて、仕方ないんだよーーー
…)
そう思いに耽っていた時だった。
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