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17歳・霜降 ー交わされるきみへの想いー
1.口づけ -1-
しおりを挟む「………なぁ。俺の胸の音、聞こえる?」
そう言って速生は、夕人の頭に手を添えてその耳に自分の胸を当てた。
ーーードクッドクッドクッドクッ…
とても速く波打つ鼓動が聞こえる。
それを聞いて、こんなにも動揺してしまっているのは……自分だけじゃないんだ、と思う。
「もう、心臓バクバクで破裂しそう。夕人のせいだぞ。ーーー死んだら、責任取れよ?」
「な、……何言って……」
こっちだってそれどころじゃない、そう思いながら、速生の顔を見上げた。
すぐ傍の、自分の腕の中にいる上目遣いになった夕人を見て、速生は思わず問いかける。
「ーーーーーキス、していい?」
「なっ……!?
だ、ダメ………ーーーーーー!」
ーーーチュッ
顎を掴み引き寄せられ、突然口付けられた。
目を閉じた速生の顔を、こんなに近くで見たことがない。
渇いた唇の感触に、驚きと、恥じらいでーー…頭の中が追いつかない。
「は……っ…」
「やばっ……しちゃった……。
ああ、俺、もう無理……。
夕人、マジで、めっちゃ好き……」
「ちょっ………と待っ!……」
また口づけ。唇を吸われて、んっ、と変な声が出てしまう。
ーーギシッ、ギシ……
軋むベッド。壁際に背中が当たってしまいそうになるほどに、激しく唇を求められる。
「んっ……!ぅ………っ……ふっ…」
鼻と鼻がぶつかりそうで、何だか怖いと思う。
どうしたらいいか考えるも、自分は今一体何をしているのか、されているのか、わからなくなってくる。
「んっ……!は、はや………っ、んぅ………
……やめ…っ………………んっ…」
速生の肩に手を押し当て抵抗しようとするが、すぐにまた強い力で引き寄せられる。
後頭部に手を回し、口づけをやめようとしない速生は、夕人の抵抗する声も、何も聞こえなくなるほどにただ、気持ちが昂っていた。
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