87 / 189
17歳・霜降 ー告白ー
2.ただ、聞いて -2-
しおりを挟むーーーコンコンコン
「ーーーーーー!」
ノック音の直後、スライドドアが開いた。
「失礼しますー、玖賀さーん、お変わりないですか?
……あら、お友達が来てくれたのね?いいわねぇ」
若い女性の看護師が、笑顔で様子をうかがいながら病室へと入ってきた。
「…………………」
すぐさま身体を離し、気まずそうに目を逸らしている二人を見て、不思議そうにたずねる。
「あら、玖賀さん立って大丈夫?足、痛まないですか?」
「あ…………いえ…………」
夕人は看護師のにこやかな視線に気づいて、気まずそうに軽く会釈をした。
「玖賀さん、さっきご家族さんに連絡つきましたからね。
これから来てもらって、交通事故の保険手続きなどしていただいてから帰っていただくことになりますので、まずはーーー……」
看護師が説明をする横で、夕人はどうしていいかわからず…………「俺、帰ります」と一言呟いた。
「あっ!……ゆう……………っ…」
引き止めようとした速生の声を振り切って、夕人は足早に病室を出た。
応援ありがとうございます!
20
お気に入りに追加
157
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる