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II◆17歳・秋分 ーふたりの未来ー
2.進路 -2-
しおりを挟む夕人の固い意思に、担任はふぅ、とため息をつくと頷いた。
「………そうかーーー。
それだけ決まってるなら、これ以上は余計だな。
まあ、だけど、もし気が変わったらいつでも相談するんだぞ?
一般の後、二次募集受付する美大もあるからな」
「はい。
いろいろ気遣っていただいて、ありがとうございますーーー…」
ーーーバタン…
夕人は生徒指導室を後にした。
確かに、大学で美術をもっと学びたいという気持ちがないと言えば嘘になる。
“絵”は、自分の中で唯一誇れるものであり、大切な、幼少期からの支えだった。
もっといろんなことにふれて、見て、聞いてーー…
いろんな世界を知る。
憧れはあった。
だけど………
それでも、夕人の心を揺るがすことのない、確かな想い。
その想いだけのために、夕人は進路を決めていた。
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