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増援~人工神獣~

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「げっ……玄武っ!?」

 よくよく見ると大きさは本家には及ばない物の充分巨大と言えるサイズで、しかも暴走状態の時のような赤黒く刺々しい外見をしており、それは俺の知っている玄武と言っても差し支えない物だった。

「驚いたか? 我ながら面白い物を作り出せたものだ」
「さっさと帰るわよ! ちゃんと核石を手に入れたことを早くロイ様に報告しなきゃ! これで姉さんたちから一歩リードしたわ!!」

 目的の青龍の核石を手に入れて、やたらとご機嫌なカレンが急かすようにドレニクに進言する。

「ご協力ありがとうございました王女様、おかげで無事に目的を果たせました」
「わわっ!?」

 ソニアさんが捕まえていたティアから手を離し、背中を軽く押すと突然のことだったのかティアが躓いて前のめりに転んだ。
 それを見たスチカの顔が怒りに染まる。

「お前ティアになにしてくれとんねん!?」
「これは失礼しました……転ばすつもりはなかったのですが」

 少しも悪びれた様子のない謝罪を聞いたスチカが、魔力銃をソニアさんに構えて引き金を引いた。

「……ふん」

 だが放たれたその弾丸は、ドレニクの張った結界によって防がれてソニアさんには届かなかった。

「貴様らはせいぜいその人工神獣と遊んでおるがいい……では目的も果たしたし帰るとするか」
「このまま逃がすと思ってんのかよ!」

 転移を妨害しようと思い魔力を活性化……させようと思ったが、どういうわけか身体に力が入らず、立っていることも出来ずに床にへたり込んでしまった。
 なんだこれ? どうなってるんだ?

「大丈夫ですかシューイチさん!?」

 床にへたり込んでしまった俺の元にエナが駆け寄って来た。どうしてエナは平気なんだ?

「なんか身体に力が入らなくて……」
「どうやらさっきの拘束魔法、動けなくすると同時に対象の魔力を吸い取る効果もあったみたいですね……私もかなり魔力を吸い取られました」

 ということは、これは魔力切れの症状か!? ……っていうかなんでエナは魔力を吸い取られた割に平然としてんの!? 
 しかし魔力を吸い取られたのか……道理でドレニクが元気になってると思ったよ!

「ではさらばだ……この間の借りは返したぞ小僧?」

 ニヤリと笑ったドレニクがそう言い残し、残りの二人と一緒に転移によってこの場から消えていった。
 今回は完全にしてやられたな……っていうかそっちだってソニアさんの乱入がなかったら負けてただろうが!

「お兄ちゃん大丈夫!?」
「シュウ、平気か?」
「シューイチ!」

 三人も床にへたり込んだ俺を心配して駆け寄って来てくれた。

「ただの魔力切れだから俺なら大丈夫……今は俺のことよりこいつをどうにかしないとな……」

 俺のその言葉を受け、全員が目の前に立ちふさがる人工神獣を見上げた。
 今は特にこれといった動きは見られないが、いつ動き出すかはわからない。さすがにリンデフランデで戦った時ほどの強さはないと思うけど、今いる面子でこいつをどうにかしないといけない。

「まさか人工的に神獣を作り出すとは……カルマ教団は本当に碌なことをしませんね」
「これやっぱり神獣なんか?」

 スチカの疑問に、エナが大きく頷く形で返事を返す。

「どうしよう……テレアたちだけで勝てるかな?」
「ティア、悪いけど青龍を呼び出してくれないか? ちょっと話をしたい」
「少し待っておれ……青龍よ、わらわの呼びかけに答えるのじゃ……!」

 ティアの身体から青い光が生まれ、その光が宙に集まっていきミニサイズの青龍へと変わっていく。

『やあ、中々に大変な状況になっているじゃないか』
「おかげさんでね」
『しかし一部始終はクルスティアを通じて見ていたが、人の手で神獣を作り出すなんてまったくもって業が深いね』

 ミニ青龍が人工神獣を見上げて少し怒った様子で吐き捨てた。

『見たところ玄武の魔力をもとに作られたみたいだ……本家には遠く及ばないだろうけど、今のみんなの状態で相手をするのはいささか厳しい相手だね』
「この前にみたいに、テレアに青龍さんの力を貸してもらえないかな……?」
『あれは特例中の特例だよ、適性がないのに二度も三度も力を与えたら君の体だって無事では済まない』

 青龍のその言葉に何やら心当たりがあるのか、テレアが押し黙ってしまう。
 こうなるとまた俺が全裸になるしかないのかなぁ……かくいう俺も魔力切れのせいで指一本動かすのですらしんどいだけど。
 こうなってくるとレリスとフリルを連れてこなかったのは失敗だったな……。

「とにかく、今は現状でやれるだけやるしかありませんよ!」
「せやな! それにもう少し待ってれば増援がくるかもしれんしな」

 増援? そういや城までの道中、スチカが誰かと通信機で連絡を取ってたみたいだけど、それのことを言ってるのか?
 そんなことを考えていると、人工神獣の魔力が膨れ上がっていき全身に例の黒い霧を纏い始めた。

「呑気に話してる場合じゃなさそうだな……ティアはなるべくここから急いで離れてくれ! テレアとエナの二人で協力して……!?」

 俺が全員に指示を出していると、不意に背後に人の気配を感じ全員がそちらに振り返った。

「随分と面白そうなことになってるじゃないか」

 そこには長いダークブラウンの髪をポニーテールにし、鋭い目つきをした一人の女性が立っていた。
 なんだ? 今度は誰が出てきたんだ!?

「おおっ、来てくれたんかメイシャ!」
「突然呼び出されたから来たものの、城に変な魔法が掛かってたから入るに入れなかったんだが……これはどういうことなんだスチカ?」

 この人がメイシャさんなのか? スチカの言っていた増援ってのはもしかしてこの人なのか!?

「早速で悪いけど、ちょっと手伝ってくれんか? 今マジでピンチやねん」
「貸しがあるからと言って、人を便利屋かなにかと勘違いしてるんじゃないのか?」

 二人がそんなことを話している最中にも、人工神獣の纏った黒い霧が雷を帯電していき、今にもあの無差別全方位攻撃が始まろうとしていた。
 こんなところであの攻撃をされたら無事じゃすまないぞ!?

「まあいい、久々に少し歯ごたえのある戦いが出来そうだしな……そいつをなんとかすればいいのか?」
「そや! 早いとこ頼むで!」

 メイシャさんが両拳を胸のあたりでごつんとぶつけると、メイシャさんの身体が薄く発光し始める。
 なんだこれ……魔力じゃない?

「お兄ちゃん! 来るよ!!」

 人工神獣の様子を観察していたテレアが攻撃の予兆を感じ取り叫んだので、俺も目線をメイシャさんから外し人工神獣へと向けると、周囲を纏う黒い霧がスパークし始めていた。
 防げるかどうかわからないが、エナのプロテクションでなんとかしてもらおうと指示を出そうとしたその瞬間、何かが物凄い勢いで俺たちの横を通り過ぎて行った。

「はあっ!!」

 気が付くとメイシャさんが一瞬にして人工神獣に飛びかかりその顔面に拳を突き刺すと、たったそれだけで人工神獣が吹き飛んで壁に激突して大きな振動を起こした。
 素手であの巨体を殴り飛ばした……? そんな滅茶苦茶な!!

「それなりに堅いな」
『ルオオオオオオ!!!』

 壁に叩きつけられた人工神獣がメイシャさんに狙いを定めると、帯電する黒い霧をひと纏めにしていき、そこからもはやビームと言っても差支えのない特大の電撃が放たれた。

「まずい! エナ、プロテクションを……」
「ふんっ!」

 突如メイシャさんの周りに結界のような物が張られ、人工神獣の特大電撃ビームを真っ向から受け止める。
 5秒ほど放たれたその電撃ビームだったが、メイシャさんの結界を突き破ることができないまま消えてしまった。

「……凄い」

 その光景を見ていたテレアが思わず言葉を漏らす。
 ほんとそれな? もう凄いという感想しか出てこないな?

「まさか今のが最大の攻撃とか言わないよな? だとしたら拍子抜けもいいところだぞ」

 そう言い終わったメイシャさんが、再び物凄い勢いで人工神獣へと飛びかかっていき顔面をフックで殴りつけると、それだけで相手が横に大きくよろめいた。
 反撃の隙を与えないとばかりにメイシャさんがアッパーで追撃をすると、今度は人工神獣が大きく宙に浮きあがった。
 浮き上がった人工神獣を視界に捕らえたまま、メイシャさんが右手に謎の光を集めていく。

「くらえっ!!」

 そしてその右手を宙に浮いた人工神獣に向けると、そこから光線が放たれ……光線っ!?
 その光線は人工神獣の腹を突き破り、そのまま地下室の天井をも突き破っていった。

『ルオオォォォ……』

 光線に腹を貫かれた人工神獣は、そのまま光と共に消えていった。
 終わってみてればまさに圧倒的だった……ルカーナさんが「単純な戦闘力なら俺と互角だ」と言っていた意味が今なら良くわかる。

「……見た目以上に歯ごたえがなかったな」
「いやー助かったわ! 相変わらず鬼のような強さやな!」

 スチカが笑いながらメイシャさんへと駆け寄っていくが、そんなスチカをなにやら呆れたような目でメイシャさんが見ていた。
 何だったんだろう今のは……圧倒的大ピンチな状況だったのにも関わらず、あれよあれよといううちに助かってしまった。
 見ればエアもテレアも、俺と同じように目の前で起こった出来事が信じられないとばかりに、放心してしまっている。

「こんな雑魚の為にいちいち私を呼ぶな」
「いやいや、今の亀については全くの偶然やで? 実際さっきまで……」
「まあいい。ところでそいつらはなんだ?」

 話を遮ったメイシャさんが、俺たちを指さしスチカに尋ねた。

「そいつらはうちの仲間や!」
「そうか……まあ別にどうでも……ん?」

 俺たちを興味なさげに見回したメイシャさんの視線が、ある一点で止まった。
 そのままその視線の先へとメイシャさんが歩いて行くと、ほどなくして「その子」の目の前まで来て立ち止まった。

「……ほう?」
「えっと……テレアに何か用……ですか?」

 なにやら興味津々な感じでテレアを見降ろすメイシャさんに、少し怯えた様子で恐る恐るテレアが訪ねる。

「お前、名前は?」
「えっと……テレア=シルクス……です」
「シルクスというと、あの二人の娘か?」
「はい……お父さんたちのこと知ってるんですか?」

 自分の両親のことを知っていることに少し安心したのか、テレアの警戒心が薄れたようだ。

「昔少しばかりな……そうかだからか……」

 なにやら納得したようにメイシャさんが頷く様子を、不思議そうな顔しながらテレアが見上げていた。

「えっと……助けてくれてありがとうございました」

 ようやく少し回復したので、エナの助けを借りてなんとか立ち上がりながら、メイシャさんに助けてくれたお礼をした。
 なにやら思案にふけっていたメイシャさんが、俺の声に反応してこちらを振り返った。

「まあ気にするな、私はスチカに呼ばれてきただけだからな。礼ならスチカに言っておけばいい」
「それから……ぶしつけなんですが、ルカーナさんという人に心当たりはありませんか?」
「ルカーナ……? もしかしてルカーナ=スタンテッドか?」
「はい、そのルカーナさんです」
「あの忌々しいキザ男……」

 なんか散々な言われようですよルカーナさん?
 どうにもあの人は各方面からの扱いがあまりよくないイメージがあるな?

「詳しくは後で話しますが、俺たちはルカーナさんに言われてあなたに会うつもりだったんですよ」
「そうなのか?」

 なんか面倒くさそうな表情でメイシャさんがそう言った。ルカーナさん自身がライバルと言っていたくらいだし、もしかしたらあまり仲が良くないのかもしれないな。

「しかし……一応の危機は回避できましたが、終わってみれば非常にまずいことになりましたね」
「たしかにな……王様になんて説明しようか」

 そう……俺たちはメイシャさんのおかげで無事だったものの、ドレニクたちに青龍の核石を奪われてしまったのだ。
 完全に俺たちの完敗だな……。
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