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姉妹~現れた当事者~

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 レリスの感じる違和感を乗せたまま、馬車は順調に進んでいき、30分ほどで目的地であるエレニカ財閥の敷地内へと到着した。
 結局どれだけ考えてもレリスの感じている違和感についての正体はわからなかったので、とりあえずそれは保留とし目の前の問題に向かい合うべき気を引き締める。
 
「大丈夫かな?馬車を降りた途端いきなり大量のドーベルマンに襲われたりないよな?」
「シューイチ様はわたくしの実家をなんだと思っていらっしゃるのですか?」

 俺なりのパーティーギャグだったが、あまり効果はなかったようだ。
 レリスの表情がまだ重苦しいようだったから気を紛らわせようとしたんだが……うん、余計なことはやめておこう。
 呆れたようなレリスの視線を受けながら、俺たちは馬車から降り立った。

「しかし広いですねぇ……この辺一帯がエレニカ財閥の敷地なんですか?」
「財閥のグループとして所属している企業なども敷地内にありますから、そこそこの大きさだと思いますわね」
「一応うちの管轄でもある機械開発部門もあるで?」

 どうやらこの敷地内にある建物全てがエレニカ財閥関連の建物らしい。
 どこの世界でも金持ちがやたら広い面積を使いたがるのは変わらないんだな。
 馬車の中で王様からの通信で聞いたのだが、敷地内に入った俺たちを迎えに行ってもらうように財閥へ連絡を入れておいてくれたらしい。
 馬車も用意してくれたし、何から何まで頭が下がる思いだ。

「ここで待ってればいいのかな?」
「明確にどの場所で待てばいいとは言われてませんからねぇ……とはいえ動かずに待っていたほうが無難だと思いますけど」

 そんなことを思いながら敷地内をきょろきょろと見回していると、俺たちの乗って来たのとは違う馬車がこちらへ向かってくるのが見えた。
 程なくして馬車が俺たちの目の前で停まったかと思うと、荷台の扉を開けて二人の小さな子供が飛び出してきた。

「「レリスお姉様!!」」

 二人の子供うちの一人がレリスに向かって一直線に飛びかかった。
 その勢いに倒されそうになるものの、何とか耐えきったレリスが飛びかかってきた女の子をゆっくり地面に下してから、少し怒った顔をしながらその少女を窘める。

「ルミス!危ないから飛びかかるのはおやめなさいと何度も言ってるでしょう?」
「ルミ、お姉様に久しぶり会えて嬉しいのです!だから飛びかかるのは仕方ないのですよー!」

 そんな元気いっぱいのルミスと呼ばれた女の子とは対照的に、もう一人の子がゆっくりとレリスの足元へと歩いて行き、その足に身体ごと抱き着いた。

「レリスお姉様……」
「ルミア……元気にしてましたか?」

 レリスがルミアと呼ばれた子の頭を撫でながら優しい声色で話しかけると、その子は顔を赤らめながらこくりと頷いた。
 こっちの子はどうやら恥ずかしがりやなようだ。

「あー!スチカちゃんなのですー!こんにちはなのです!」
「おう、相変わらずルミスは元気やな」

 どうやらスチカはこの二人とは顔見知りのようだ。
 レリスとも以前から知り合いだったみたいだし、レリスの姉妹であるらしいこの二人とも顔見知りでも不思議じゃないよな。

「ルミス、ルミア?こちらの二人に自己紹介を」

 レリスがそう促すと、二人が俺とエナに向き直って、ビシッと背筋を伸ばした。

「ルミはルミス=エレニカなのですー!」
「ルミア=エレニカです……」

 二人がしっかりとお辞儀をしながら自己紹介をしてきた。
 背丈は全く同じで、二人ともブラウンの髪を短く切り揃えている上に顔立ちもそっくりだ。
 唯一違うのは目つきであり、ルミスの方は元気いっぱいといった感じに爛々と見開かれてるのに対し、ルミアのほうはなんだか眠たげな眼をしている。
 しかし二人ともそっくりだけど、ここまでの流れで全く性格が正反対なのが良くわかる。

「俺は葉山宗一だ」
「エナ=アーディスです。よろしくお願いしますね?」

 互いに自己紹介を済ませたところで、俺はレリスへと向き直った。

「この二人が以前に言ってた双子の?」
「はい、わたくしの双子の妹と弟ですわ」
「妹と」
「弟……?」

 レリスの言葉を受けて、俺とエナが再び勢いよく双子に振り返る。
 妹と弟って言ったよな?どっちが妹でどっちが弟なんだ!?

「ルミがお姉ちゃんで、ミアが弟なのですよー!」
「この子男の子だったのか……」

 俺もエナも信じられないと言った表情でルミアを見ると、恥ずかしいのかルミスの後ろに隠れてしまった。
 この見た目でかつこの仕草……この子のがよっぽど女の子に見えるんだけどな……。

「ミア、この人たちは別に危なくないですよー?食べたりしないのです」
「本当……?」

 なんか人を猛獣か何かみたいな扱いをしてくるな……。

「申し訳ありません、ルミアはこの通り恥ずかしがりなので……」
「まあ別に気にしてないから大丈夫だよ」

 しかし見れば見るほどそっくりだ……姉であるレリスはこの二人を見間違えたりしないのだろうか?
 俺とレリスがそんな会話をしていると、ルミスがレリスの足にしがみ付いてきた。

「お姉様急にいなくなって、ルミもミアも寂しかったのですー!」
「寂しかった……」
「ごめんなさい二人とも……」
「でもこうして帰ってきてくれたのですー!もうどこにも行かないでほしいのですよー!」

 ルミスのその言葉に、レリスが苦虫を噛みつぶしたような顔になる。
 レリスが戻って来たのはこの家に帰ってくる為じゃないからなぁ……恐らく今のレリスの胸中は複雑だろうな。

「それよりも、二人だけでここに来たのですか?」
「ううん、ケニス様に連れてきてもらった……」
「ケニス様に!?」

 レリスの驚いた声を合図にするように荷馬車の扉が開かれて、そこから身なりの整った金髪の爽やかイケメンが降りてきて、俺たちの元へとやってきた。

「やあレリス、久しぶりだね」
「ケ……ケニス様!?」

 この人が件のケニスか?
 レリスの姉であるティニアさんの婚約者……そして今回の事件に最も関りがあるんじゃないかと俺たちが疑っている男……。
 俺はつい険しい表情で身構えてしまうが、そんな俺の様子など関係ないとばかりにケニスさんは俺たちに向き直って手を差し出してきた。

「僕はケニス=グウレシアだ。君たちの噂はいろんなところから聞いてるよ!君がハヤマ=シューイチ君だね?」
「えっ?……はい、俺が葉山宗一です」

 にっこりと手を差し出しているケニスさんの手を取り、握手を交わしながら自己紹介をした。
 なんだろう、なんか調子が狂うな……。もっとあくどいことを考えてるような男を想像してたのになんだか拍子抜けだ。
 そして直接握手して分かったことだけどこの人もしかして……?

「そして君がエナ=アーディス君だね?よろしく」
「あっはい!よろしくお願いします」

 俺から手を離すとこちらと同じように呆気に取られていたエナに向けて、ケニスが握手を求めてきたので、毒気を抜かれたような表情でエナがそれに応じた。
 手を取った瞬間、エナの表情が何かに気が付いたようにピクリと動いた。
 どうやらエナも俺と同じように気が付いたようだ。

「ところでどうしてケニス様がここに?」
「丁度僕がいるときに、アーデンハイツ王から君たちが来るから出迎えてあげてほしいと連絡がきたんだ。ティニアは今手が離せないから代わりに僕が迎えに行くと言ったら、この子たちも付いてきてしまってね」

 そう言って少し困った顔をしながら、ケニスさんが双子に視線を向ける。
 その視線に気が付いたルミスがにへーっと笑い、ルミアがそんなルミスの後ろへと身を隠してしまった。
 つくづく対照的な二人だ。

「あんたがグウレシア家の次期当主ケニス=グウレシアやな? うちはスチカ=リコレットや」
「あなたがあのスチカ=リコレットさんですか!ご噂はかねがね……お会いできて光栄です! あなたの作る機会は我がグウレシア家でも役立っておりますよ!」

 そう言って握手を交わす二人を見ながら俺は考える。
 グウレシア家の人間だから、俺たちに対する情報は伝わってるはずなのに、この人からは全く俺たちを警戒する気配が感じられない。
 むしろ噂になっている俺たちに実際に会うことが出来て感無量だ!……と言った感情しか伝わってこないのだ。
 なんだろう……もしかしてこの人グウレシア家とカルマ教団の問題とか知らないんじゃないんだろうな? でも当事者のはずだしそれはないはずだ。
 いやもしかしたら、当事者だからこそある意味で何も知らされていないのかもしれない。

 なにはともあれ今日この場で会うことが出来たのはラッキーだったな。出来る限りこちらが有利に動けるような情報を引き出さないと。

「それはそうとケニス様……この度はお姉様とのご結婚おめでとうございます」
「ありがとうレリス!なんだかようやくって感じだよ」
「お二人とも昔から仲が良かったですものね……いつかはこういう日が来るとは思っておりましたわ」
「そうだね……でもまだまだこれからだよ!僕とティニアの二人でグウレシア家とエレニカ財閥をもっともっと大きくしていかないといけないからね!」

 レリスとの受け答えも終始笑顔であり、まったく怪しさを感じられない。
 ……ちょっと危険だけど少し揺さぶりをかけてみるか?

「しかし随分と結婚を急ぐんですね? 普通はもっと準備に時間をかけると思うんですけど?」

 ある意味で今回の事件の発端ともなっているこの二人の結婚までの期間についての疑問をあえてぶつけてみた。
 エナとレリスがそんな俺とケニスさんの様子を固唾を飲んで見守る。

「そうか君たちはそのことを知っているんだね?いやはや参ったよ……僕の両親が僕とティニアとの結婚にある意味僕たちよりも乗り気になっていてね……色々な準備を急ピッチに進めてしまっているんだ」

 「困ったものだよ」と小さく笑いながら、俺の質問に対して慌てることもなく返してきた。
 ……これはどう判断するべきなんだ?
 楽観的な考え方をするなら、この人は当事者でありながら何も知らされずに、周りの計画に巻き込まれているだけのようにも見える。
 でも今俺たちに見せているこの態度がまるっと演技だとしたら、相当な狸ということになるが……。

「こんなところで立ち話もなんだ、ティニアもレリスと会いたがっているし屋敷へと行こう!みんなは自分たちの乗って来た馬車に乗って僕たちの馬車に後についてきてくれないかな?」

 結局ケニスさんのその言葉を皮切りに、この場での会話は打ち切られることとなった。



「どう思う?」

 少しばかり重苦しい空気の漂う馬車の中、俺は先ほどのケニスさんについてみんなに問いかける。

「……判断が難しいですね」
「ええ、あれはわたくしの知っているケニス様と何も変わりませんわ」
「エナはなんかわからんの?魔法で操られてるかもーとか?」
「その線はないですね、断言してもいいです」

 やはりエナは俺と同じようにケニスさんの『体質』について気が付いていたようで、スチカの意見を小さく首を横に振ることで否定した。

「俺も同じだな。だってあの人スチカと同じだし」
「うちと同じ……?」
「あの人スチカと同じで魔力を持たない体質なんだよ」

 俺の言葉に、スチカが驚いた表情をしながら目を見開いた。
 俺も魔力の扱いについて割とこなれてきた関係で、触れることで相手の魔力の質がわかるようになってきた。エナやレリスなんかは触れなくてもある程度わかるらしいが……。
 だがあのケニスさんからは全くと言っていいほど魔力を感じられなかったのだ。

「やはりお二人は気が付きましたのね」
「はい。スチカちゃんと同じ体質ならば魔力に反応する罠が無効なのと同じように、対象の魔力に干渉して洗脳する魔法なんかは当然効果はありません」
「まあそれ以外の方法で洗脳されている可能性もあるだろうけど、なんかそんな感じしないんだよなあの人」

 隠しきれない善人オーラが滲みでてるんだよなぁ……まったく怪しくなさそうなのが返って怪しくも見える。
 なにはともあれ、早計な判断はしないように十分気を付けないといけないな……。
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