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風邪~ちょっとした悪戯~

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「え?エナが起きてこない?」

 基本的にうちのパーティーの暗黙の方針として、朝と夜だけは全員で食事を取るというものが存在している。
 誰が言い出したわけでもないし、俺が決めたわけでもないのに、なぜか気が付いたらそうなっていた。
 そうして今日も朝食を皆で取るために全員が揃うのを待っていたところ、シエルが心配そうに俺に言ってきたのだ。

「何度もノックしたんですけど反応がなくて」
「……エナっちが寝坊なんて珍しい」
「そうだよね、いつもは一番に起きてくるのに」
「昨日一緒にギルドに仕事しに行ったときは特に変わったことはございませんでしたが……」

 皆が口々にエナの安否を心配する。
 たしかに心配だな……。

「ちょっと様子を見に行ってみるよ。一応シエルも一緒に来てくれ」
「了解です!」

 そんなわけでシエルを伴い、エナの部屋の前まできた。
 扉をノックしたが、中からの反応は何もない。

「おーい!エナー?」

 割と大きめの声で呼びかけてみるもこれまた無反応である。
 一体どうしたというのだろう?

「しょうがない緊急事態だ!責任は俺が取るからエナの部屋に入っていいぞシエル」
「わっかりました!それじゃあ失礼しますね~」

 許可を出すと俺に向けてシエルが敬礼をしてから、そっと扉を開けて中を覗いていく。

「うわっ」
「どうしたんだ?」
「ちょっと本当に緊急事態なので宗一さんもちょっと手伝ってください」

 シエルに袖を引っ張られ部屋の中にはいると、エナがパジャマのまま床に倒れていた。
 って、マジで緊急事態じゃん!エマージェンシーじゃん!!

「大丈夫かエナ!?」
「宗一さん、静かにー」
「あっ……ごめん」

 シエルが口に人差し指を当てて、静かにしろとジェスチャーしてきたので、慌てて両手で口を塞いだ。
 なるべく足音を立てないよう倒れているエナの元へと近づいていき。、シエルがしゃがみ込みエナに声を掛けながら静かに呼びかける。

「エナさーん?大丈夫ですかー?」
「うぅ……」

 どうやら意識自体はあるようで、ほっと胸をなでおろした。
 なんとか起き上がろうとするエナだったが、身体に力が入らないらしくもぞもぞと蠢くだけだった。

「ちょっと失礼しますねー……うわっ、凄い熱ですよ」
「ひょっとして風邪か?」

 そう言えば昨日雨降ったよな……?
 時間的にそのときエナはレリスと一緒にギルド依頼をこなすために待ちの外に行っていたはず……。
 帰ってきたときに「雨に降られてしまって大変でしたよー!」ってぼやいてたもんな。
 すぐに風呂に入って身体を温めろと言ったが、どうしても読みたい本があるとかでそれを後回しにしてたから、こりゃそのツケが回って来たな。

「宗一さん、エナさんをベッドに寝かせますから手伝ってもらっていいですか?」
「あいよ!任せろ!」

 シエルと協力して、エナをベッドにそっと寝かせて布団を被せた。
 その時、中々戻ってこない俺たちを心配したテレアたちがやって来た。

「エナさん、大丈夫ですか?」
「……エナっちダウン?」
「えっ?大丈夫なのかな?」

 全員がエナを覗き込み声を掛けるも、肝心のエナは小さくうめくだけで起き上がる気力もないようだ。

「医者を呼んでこないと……私ちょっと行ってきますから皆さんは先にご飯食べておいてください」
「じゃあわたくしが朝食の準備をいたしますわ」

 そう言ってシエルとレリスが部屋を出ていった。

「エナのことは俺が見てるから、二人は朝飯食べてきな?」
「うっうん……」
「……テレア、行こう」

 後ろ髪引かれる感じのテレアだったが、フリルに手を引かれて部屋を出ていった。
 こういうとき、良くも悪くもフリルのドライな部分は助かるなぁ。

「とりあえずシエルが戻ってくる前に、最低限のことはしておくか」

 濡れタオルと氷枕の調達のため、しばしエナの部屋を後にする俺だった。



 その後、シエルの連れてきた医者の診察によると、ただの風邪だそうな。
 一日二日安静にしていれば問題なく治ると聞いて、俺たちは胸をなでおろした。
 帰っていく医者を見送った後、俺たちはリビングへと集まる。

「薬も処方されたし、エナはしばらくお休みだな」
「ですわね……エナさんがいないのは少しばかり心細いですわね」

 エナの持つ幅広い知識は、ギルドの仕事をしていく上で非常に頼りになる。
 正直これがあるのとないのでは、依頼の攻略難度が劇的に変化するのだ。

「とはいえ、仕事には行かないとだよな……今日は俺とテレアとフリルの三人でギルドに行ってくるから、レリスはシエルと一緒にエナのこと見ててあげてくれないかな?」
「わかりましたわ。エナさんのことはお任せください」

 まあただの風邪らしいし、レリスとシエルが見ててくれるなら大丈夫だろう。
 全員が家に残っていても仕方ないし、それはそれでエナの負担になりそうだ。

「もしなにかあったら通信機で連絡してくれ、すぐに帰ってくるから」
「かしこまりました……シューイチ様たちもお気をつけて」

 後のことを二人に任せた俺たち三人は、拠点を後にしギルドへと向かうのだった。
 結果だけいうと、結局この日エナは起き上がってこず、一日を部屋の中で過ごすことになった。



 明けて翌日。
 再びシエルと共にエナの部屋へと赴き、ドアを軽くノックし呼びかけ反応を確かめる。

「エナー?大丈夫かー?」
「……はい、なんとか」

 まだ弱々しい物の、昨日よりも全然ましな声が扉の奥から聞こえてきた。
 扉を開けて部屋を覗き込むと、エナが上半身だけを起こしながらこちらを見ていた。

「起き上がっても大丈夫なのか?」
「はい、おかげさまで……心配をかけてしまったようで……」
「いいんですよそんなこと!それよりも食欲はあります?」
「昨日よりは全然あります……あんまり食べられそうにありませんけど」
「じゃあ軽く食べられるものを用意してきます。宗一さん、エナさんのこと少しの間よろしくお願いします」
「あいよ」

 キッチンへと向かうシエルを見送った俺は、部屋にある椅子を持っていきエナのベッドのそばに腰を掛ける。
 改めてエナの表情を見ると、昨日よりも血色がよくなっているようでひと安心だ。

「昨日は迷惑を掛けてしまって、ごめんなさい」
「何言ってんだよ?困った時はお互い様だって」
「昨日の記憶がほとんどないんですよね……久しぶりにあんなに酷い風邪引きました」
「雨に濡れてたのにすぐに風呂入って身体を温めなかったからだぞ?反省しなさい」
「はい……面目ないです」

 風邪で気が弱っているのだろうか、冗談めかした俺の言い方に対し素直に頭を下げてきた。
 むう……そこまで真剣に取られても困るんだけどなぁ。

「お待たせしましたー!サンドイッチ作ってきましたので、これを食べたら薬飲んでまた安静にしててくださいねー?」

 そんな話をしていると、トレイにサンドイッチを乗せたシエルがやって来たので俺は席を立つ。

「俺は今日ずっと家にいるから、また後で様子見に来るな?」
「はい、ありがとうございます」

 エナのお礼を受けた後、俺は朝食を取るためにエナの部屋を出てダイニングへ向かうのだった。


 ギルドへ行く皆を見送った後、俺は日課であるトレーニングを一通り済ませてリビングのソファーで休憩していた。

「お疲れ様です宗一さん」

 とそこへ飲み物を持ったシエルがやって来た。
 ここ数日ですっかり給仕係が板についたおかげか、こうした細かい気配りまで出来るようになってきた。
 実はこの子神様見習いなんかよりも、給仕係のほうが天職なんではなかろうか?

「あんがとシエル。……エナの様子どう?」
「朝よりも大分元気になってますよ?さっき見に行ったときは本読んでました」

 エナも大概本の虫だよな。
 この拠点に来るまではあんまりそういう姿を見かけなかったんだけど、こうして拠点内で自分の部屋を持てた途端、どこに隠していたのか部屋に大量の本を持ち込んでちょっとした図書館みたいな風体にしてしまったからなぁ。
 なんでも旅をしている間は収納魔法で本を持ち歩いていたらしい。
 ダンジョンの中で全裸になった時に俺も収納魔法を使ったんだが、今の俺では全裸状態じゃないと魔力消費がでかすぎて石ころ一つ保存するのが限界なのだが、エナに至っては50冊以上の本を収納してもまだ余裕があるとのこと。
 エナの謎が深まるばかりである。

「お昼ご飯作ったんで、エナさんに持って行ってあげてもらえませんかね?」
「いいよ。俺もエナの様子に見にいきたかったしな」

 シエルからお粥のようなものをトレイごと渡された俺は、エナの部屋の前へやってきた。

「エナー?入ってもいいかー?」
「どうぞー」

 部屋の主の了承を得られたので、扉を開けて部屋に入りベッドの傍に置かれている椅子に腰かける。

「昼飯持ってきたら食べな?」
「丁度お腹空いてきたところだったんですよ!いただきますね!」

 もうすっかり元気だな。
 朝は少し弱々しい感じがしていたけど、今は大分平常時に近いみたいだ。
 お粥を受け取ったエナが早速食べようとしてスプーンを持ったところで、何を思ったのか手を止めて俺をじっと見つめてきた。

「え?なに?」
「なんか急に身体が怠くなってきたので、食べさせてくれませんか?」
「は?全然一人で食べれそうじゃん!?」
「えー?食べさせてくださいよー!私病人なんですよー?」

 自分のことを病人だと主張してくる病人ほど信じられない物はないぞ?
 しかしエナがこんなことを言ってくるとは……一体どうしたと言うんだ?

「食べさせてくれないと風邪が悪化してしまう気がします」
「どんな風邪だよおっかねえな」

 呆れてため息を吐く物の、まあ病人だしこのくらいのわがままくらいはいいかと思い、俺はエナからお粥を受け取り、スプーンで掬った。

「ほれ、口を開けろ」
「こういう時は「あーん」って言うのが最低限のマナーですよ?」

 待て、それはさすがに難易度が高い。
 どうしようかと思いエナを見ると、なんだか餌を前に「待て」をされている犬のような表情をして俺を見ていた。
 ……ええい、ままよ!!

「あっ……あ~ん?」
「あーん!」

 恥ずかしさを噛み殺しながら、お粥の乗ったスプーンをエナの口に運んでいく。
 満足そうな顔でお粥を咀嚼し飲み込んだエナが、再び物欲しそうな目で俺を見てきた。
 一回では物足りぬと申されるか!?
 ……ここまで来たら一回も二回も同じか。

「ほら、あーん」
「あーん!」

 そんな感じで、結局お粥が空になるまでそれは続いた。
 大層ご満悦なエナと打って変わり、俺は恥ずかしさで消えてしまいたい気分だった。

「ごちそうさまでした!いや~人から食べさせてもらうご飯は格別ですね~!」
「そりゃようございましたね……」
「そんなに拗ねないでくださいよ?今度シューイチさんが風邪引いて寝込んだときは、私が食べさせてあげますから」
「嫌だよ恥ずかしい!」

 もうなんなんだよ!俺を辱めてそんなの楽しいのかよ!こっちとら耳まで真っ赤だよ!!

「ごめんなさい、最近のシューイチさんの状況を知ってしまったので、少し悪戯したくなっちゃいました」

 最近の俺の状況?
 ……まさかとは思うけど、エナのやつレリスから何か聞いたんじゃないだろうな?
 問いただしたいところだけど、この前それでシエルにカマ掛けられたばかりだから迂闊なことは出来ない。

「えっと……もしかして私やりすぎちゃいましたか?」

 俺が黙ってしまったので、エナが不安そうな顔で聞いてきた。

「いや別に怒ってるわけじゃなくて……どこまで知ってるのかなーっと」
「ん~……一応の決着がつくまでは私は何も知らない体で行きたいので」

 爆弾をぶち込んできたくせに良く言うよ……。

「まあそれについては近いうちにちゃんとするから……さ」
「本当ですか?頼みますよー?」

 しかしエナに知られてるとなると、これ以上先延ばしにするわけにはいかないな……するつもりもないけど。

「一つだけ……シューイチさんがどう結論を出したとしても、色々と覚悟はしておいた方がいいですよ?」
「覚悟?」

 なんだろう……俺刺されたりするのかな?

「それじゃあ私は薬飲んで休みますね。今日中に治してしまいたいですから」
「そっか……じゃあ後でまた様子見に来るからな?」

 そう言って立ち上がり、俺はエナに背を向けて扉へと歩いて行く。

「……そろそろ潮時かなぁ……」

 後々大きな騒動の発端となるエナのその呟きは、扉を閉める音と被さり俺の耳に届くことはなかった。
 


 翌日、エナはすっかり快復し、またいつものように元気な姿を取り戻していた。
 安心する皆を横目に、俺は決断の時が迫っていることを感じ、密かに決意を固めていた。
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