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連絡~まるでただの酔っぱらいのような~

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 新たにフリルを加えた俺たちは早速エルサイム向けて出発!……とはいかず、旅をしていく上でどうしても足りなくなっていく消耗品やら食料やらを補充したり、リンデフランデ王の推薦状や今回の依頼を達成したギルド報酬を受け取らねばならないため、出発は3日後となった。
 まあそれらは建前的な理由であり、本当の理由はフリルがルーデンス旅芸人の最後の公演でどうしても歌いたいというものである。
 別に急ぐ旅ではないのでそれならば……ということでフリルの意志を尊重する形で、俺たちは後3日間この国に滞在することとなった。
 だがそれは完全に俺たちの都合であり、エルサイムで俺たちの到着を待ってくれているというルカーナさんという人にとっては関係ない話でもある。
 とりあえずヤクトさんに連絡をいれてルカーナさんに到着が遅れると旨を伝えてもらおうと思って、ギルドに行こうと思ったところで、王様からもらった通信機の存在を思い出した。

「しっかし見れば見るほど携帯電話なんだよなぁ」

 散歩も兼ねて通信機を手に街中を歩いていると、噴水広場みたいなところに出たので噴水を囲むような形で設置されているベンチに腰かける。
 ここは風の通りもよく涼しげな感じなので、この広場でのんびりしながらこの通信機の使い方を覚えよう。
 念のためにともって来た取扱説明書を広げてざっと読んでみると、俺の知っている携帯電話と使い方がさほど変わらないようだった。

「なんか部分部分の名称がまんま和製英語っぽいの凄い気になるんだけど、これ本当にこの世界の人が作った物なのか?」

 液晶ディスプレイとか通話ボタンとか……俺のような転生して来た日本人を釣るためにわざとそうしてるのかと疑いたくなる。
 「スチカ=リコレット」か……名前からしてこの世界の人間なんだろうが、俺はそいつが俺と同じ世界から来たか、もしくは何らかの関りがあるのではないかと思っているのだけど……。

「まあ、実際に会わないとそんなことはわかんないか」

 どうせ俺はエルサイムに着いたら、今度はアーデンハイツとやらに行くつもりなのだ。
 王様にも口利きしてもらえるらしいからぜひとも行かねばなるまいて。

「えっと電源を入れて……」

 電源ボタンを押すとほどなくしてディスプレイに映像が表示される。
 思わず画面をタップしようとしてこれはスマホではなかったことを思い出し、カーソルキーを駆使して何ができるのかを探っていく。
 スマホに慣れすぎてしまっているせいで、ボタンによる操作にわずらわしさを感じてしまう。

「通話とメール……余分な機能は入ってない感じだな」

 ゲームが入ってなかったことに落胆したものの、まさかメールまで出来ることに驚いてしまった。
 早速誰かに電話してみたいと思ったものの、よく考えたら相手の通信機の番号がわからない。
 どうしたものかと思いポチポチとボタンを押していくと、「通話相手一覧」の項目を発見したのでカーソルをそこに合わせる。

「マグリドの冒険者ギルドにリンデフランデのギルド……あとはリンデフランデ王宮……」

 まじでこの国の王様と連絡取れるんだなこの通信機で。
 あとは見知らぬ連絡先番号があったが、多分もう一台の通信機の番号だろうな。後で確認しないと。
 どうやら俺の知ってる範囲の連絡先をあらかじめ登録しておいてくれたみたいだ。

「とりあえずヤクトさんに連絡したいから、マグリドの冒険者ギルドかな……」

 しかしこちらから友達でもない相手に電話するのって凄い緊張するよな……。
 何で異世界に来てまでそんな気分にならなければいけないのかと思いながら、通話ボタンをプッシュした。
 スピーカーに耳を当てると、これまた聞きなれたコール音が聞こえてきて、どこまで電話を再現してんだよ……と半分呆れてしまった。

「はい、こちらマグリドの冒険者ギルドです」

 そんなことを思っていたら、突然女性の声がスピーカーから聞こえてきて思わず通信機を手から落としそうになった。

「もしもし……?」
「あっえっと!おれ……わたくしゃはハヤマ=シューイチといいましゅて!」

 恐ろしいまでの台詞のカミカミ具合だった。

「ああっ!あなたがハヤマ=シューイチ様ですか!私はマグリド国の冒険者ギルドの受付嬢をさせていただいておりますカスミと申します!リンデフランデのギルドマスター様から近日中にそちらに連絡が行くだろうとの言伝をもらっておりました」
「あっそうなんですね」

 クエスさん手回しいいなぁ……まあおかげで面倒な手続きとかしなくてよさそうだけども。

「えっと……そちらに連絡すればヤクトさんに繋いでもらえるんじゃないかと思って」
「そうですね……今すぐにお繋ぐことはできませんので、あくまでも言伝をお預かりすることなら可能ですが、いかがいたしましょうか?」
「じゃあそれでいいんでお願いできますか?」
「はい承りました。それでは言伝をどうぞ」

 俺はエルサイムに到着するのが大幅に遅れるのでそれをルカーナさんに伝えてもらえないかという内容をヤクトさんに伝えてほしいとカスミさんにお願いして通話を切った。

「あー緊張した!」

 しかし本当に通話できるんだなこれ……疑ってたわけではなかったけど素直に感動した。
 俺たちの手元にはもう一台あるし、これで別行動をするときなどに連絡する際、わざわざシエルを介する必要もなくなったわけだな!もうシエル必要ねえな!

「おっ?シューイチじゃないか!こんなところでなにやってんだ?」

 そんなことを考えていると、紙袋を抱えたラフタさんが声を掛けてきた。

「ラフタさんこんにちはー!ちょっと散歩してて」
「なんだなんだ暇そうじゃないか?なら後で会場修復するの手伝ってくれよ?」
「午後から向かうつもりでしたよ」

 神獣に壊された公演会場の修復も大分進んだとはいえ、まだまだ破損個所は多い。
 一座総出で修復作業を進めているものの、公演最終日に間に合うかどうかはかなりギリギリらしい。

「アタシも少し休憩しようかな……隣いいかい?」
「どうぞどうぞ」

 俺の返事を受けてラフタさんが隣に豪快に腰を下ろす。
 見た目も行動もほんと豪快な人だよなぁ……この人。

「そういやフリルのことありがとな?一度こうしてちゃんと礼を言わないといけないと思っててさ」
「気にしないでいいですよ!俺だって今回の神獣の一件ではフリルに助けられてるようなものですから!」

 フリルの歌魔法がなければ、一座のテントだけでなく被害はもっと拡大していただろうし、なによりみんな死んでしまっていたかもしれないのだ。
 その裏にはシエルの貢献もあるにはあるのだが、普段が普段だけにあんまりありがとうと言う気持ちが湧いてこないんだよね。

「あんたはホントに謙虚だねぇ……もう少し威張り散らしてもいいんじゃないか?」
「そんな度胸ありませんからね俺」
「まあアンタがそんな奴なら、フリルがアンタの誘いに首を縦に振るはずないか!」

 豪快に笑うラフタさんに、道行く通行人たちが驚いて顔を向けていく。
 公演でも司会進行を努めていただけあって、この人の声はよく通るんだよなぁ。

「しかしあの気難しいフリルをあっという間に手懐けるなんて……どんなマジックを使ったんだい?」
「適切な会話と真摯な対応で一発ですよ」
「それだけであのフリルを手懐けられるならアタシだって苦労しないよ」

 だってそれくらいのことしかしてないしなぁ……。
 そりゃあその辺にいる他人なんかよりもよっぽど気にかけ優しくした覚えはあるけども。

「ラフタさんの前でこんなこと言うのもなんですけど、フリルって変わった子ですよね?」
「一座のみんながそう思ってるよ」
「思ってんのかい!」
「座長だってフリルは変わってるとよく愚痴をこぼすしな」
「ルーデンスさんもかよ!?」

 基本無口なのに一度口を開けばエキセントリックな発言が飛び出してくるかなあの子。

「……あーなんとなくわかったわ」
「なにがですか?」

 ラフタさんが半目で見ながらもなにやら納得した表情をして俺を見ている。

「フリルが妙にシューイチのことを気に入ってる理由がな」
「え?なんですかそれ教えてくださいよ?教えてくれるなら俺だけが知ってるエナの秘密を教えますから」
「あの子の秘密知ったってどうしようもないだろう……ってそういうところだよ」
「?」

 そういうところと言われても、脳内には疑問符しか浮かばないぞ?

「シューイチってツッコミ気質だよな?」
「どちらかと言えば」

 なにせ初対面のシエルにすらツッコミ入れたくらいだからな俺は。

「フリルって口を開けばわけのわからないこと言うだろ?そのフリルに咄嗟にツッコミをできる団員ってのがうちにはいないんだよ」
「お笑い芸人としては失格ですね」
「うちはお笑い一座じゃないよ」

 ラフタさんのツッコミも中々だと思うんだがこれ如何に。

「フリルって無口な上にたまに口を開いたらアレだろ?だからフリルの独特の会話のリズムについて来れられる奴ってホント珍しいんだよ」

 なんかラフタさんの言いたいことがわかって来たぞ。

「つまり俺はその珍しい人間であると?」
「そういうこと。座長には言ってたらしいけど、フリルの奴ずっと自分のボケにツッコミ入れられる奴をスカウトしてきてくれって頼んでたらしくてさ」

 何なのあの子?お笑い芸人でも目指してるの?

「そこで現れたのがシューイチってわけだ。そりゃフリルからしたらほっとくわけがないわな」
「なにそれ怖い」

 言われてみれば初めて会った時、フリルの台詞にツッコミ入れたら妙に目を輝かせていたのは、そういう理由だったのか……。
 あの頃から俺はフリルに目をつけられていたというのか……まあ別にいいんだけどね。

「まあ掴みどころのないフリルだけどさ、アタシたち一座の大事な家族だ!これからもよろしくしてやってくれ!」
「まあちゃんと年相応なところがあるのは知ってるし、優しくて人をよく見てる子なのはわかってますから大丈夫ですよ」
「シューイチ……よしアタシが許す!アンタにならフリルと結婚してもいいぞ!」

 なんか嫁入り前の娘を溺愛する父親みたいなこと言いだした。
 つか、まーたこの手の話題かよ!

「いやそれはちょっと……」
「あ?なんだ?アタシらの可愛いフリルじゃダメってのかい?」
「そうじゃなくて!歳の問題と言うか……」
「じゃあフリルが大人になったらもらってくれればいいじゃん?何か問題あるのか?」
「俺の気持ちももうちょっと考えてもらえないかなーっと」
「フリルのこと好きだから一緒に旅に連れてってくれるんだろ?」
「待って待って!極端すぎる!極端!」

 もう何なのこの人酔っ払いなの!?

「あっラフタねーちゃん!こんなところで油売ってやがったのか!みんな待ってんだから……ってシューイチにーちゃん?」

 そこに、ラフタさんを探していたらしいダックスが現れた。
 正直今の俺にはダックスが救世主に見える。 

「おっす!ダックス!」

 いいところに来たぞダックス!
 早くこの酔っぱらいを連れて帰ってくれ!

「聞いてくれよダックス!シューイチの奴うちのフリルじゃ嫁には出来ないとかぬかしやがるんだ!」
「そんなこと言ってないからね!?」

 ラフタさんのその言葉を受けて、ダックスの顔が急に強張った。

「なんだって……?おいシューイチにーちゃん!フリルの何が駄目なんだよ!?ことと次第によっては許さねーぞ!」
「お前もかよっ!?」

 救世主どころかとんだ敵増援じゃねーか!
 もうやだこいつら!!

 そんなこんなで、フリルのいいところを熱弁する二人に挟まれつつも「フリルは愛されてるなぁ」と思いながら、それでもこの状況に少しうんざりしてしまう俺なのであった。
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