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しおりを挟む三人で食堂の机を陣取る。志津希はカレーライスが乗った盆を置いた。
「なんかいつもより疲れた…」
暁美の顔が脳内にちらつく。暁美は凪都のそばにいる志津希が気に入らないらしく学園内ですれ違うだけで睨みを利かせてくる。そして見せつけるように毎回昼休みに凪都のもとにやってくるのだ。隣のクラスの志津希は嫌でもその姿を見ていた。
「え、志津希体調悪いの?」
呟いた言葉を拾った凪都が心配そうに志津希を向く。志津希は苦笑いを浮かべながら首を振った。
「なんでもないよ。」
「ははっ、ふ…」
我慢できなくなった稲瀬が吹き出して笑う。志津希はぎっと稲瀬を睨む。お願いだから凪都に余計なことを言わないでほしい。志津希への関心を無くして欲しい。本当に嫌だ。
「んで?今日はなんの用事だったんだ?」
少し笑みを残しながら稲瀬は凪都に聞く。確か昨日は中庭のオープンセレモニーお疲れ様だった。志津希は気にしないふりをしながらスプーンを口に運ぶ。
「中庭の件でちょっと。」
「まだなにかあるのか?」
「いや、問題はないけど用務員の仕事にするか生徒に世話をさせるか先生方が迷ってるみたいで。放課後呼び出された。」
それはわざわざ暁美が報告しに来なければいけないことなんだろうか。いや、絶対しなくていい。いくら昼休みだからって離れている寮生の校舎に来る必要なんかない。志津希はもやもやと頭の中で考えてしまう。いちいち暁美のことを気にしてしまう自分が鬱陶しい。こんなの志津希はもう認めてしまっているようなものじゃないかと自分に悪態をついた。暁美の志津希に対する挑発にまんまと乗せられている。気にしなくていい、放っておけばいいと志津希は自分に言い聞かせた。
「ふーん…影山もマメだな。」
「なんだよ、それ。」
「いいや?なんでもないよ。」
凪都は暁美の気持ちを知っているんだろうか。知っていて断らないのか触れないのか志津希にはわからない。でも凪都は二日前のよる志津希にはっきりと告げたのだ。好きだとそして志津希に早く気付けと言った。もしかして…からかわれてる?不穏な妄想がさらに志津希をぞっとさせた。
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