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三章 野生児少女と野生の王
休み明けの一時
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少し時が経ち夏休みが終わり四人は教室で授業が始まるまで駄弁っていた。
「あ~…クソだり~。もっと休みて~。」
「レーナさん端ないですわよ。」
「知った事か~。」
「結構すぐ終わったね、休み。」
「楽しい時間は早く感じるからね。」
「真面目にもっと休み伸びねーかな。」
「諦めて、いい加減現実を受け入れて。」
「はぁ~…」
適当な話をしている内にに生徒達が次々教室にやって来て一気に教室内は騒がしくなっていく。そうこうしていると教師がやって来て授業が始まった。
「かの有名な聖騎士【アルトリウス】は今では残虐な殺人者だがそれでもその功績は凄いものだ。過去最悪と称される魔獣にとどめを刺したのもこの人物であり、その他にも多数の魔獣を打ち倒し、英雄、勇者と呼ばれたこともあった。彼は誰よりも前線に立ち、戦い、打ち勝って来た事から“最戦者”の異名を持っていた。」
歴史の授業で嘗ての英雄の話を教師は淡々と語る。ローニャは授業である為一応聞きノートに取って入るが顔には興味の無さが伺えた。
ようやく歴史の授業が終わり教師が教室を出て行った。次の授業は別の場所でする為生徒達は一斉に移動を始めた。
「そういや次移動か。は~あ。」
「面倒くさがらないの、早く行こ。」
四人は他の生徒達の後から教室を出ようとしていた時、ラッシュが羽ペンを落とした。
「あ、おい!ペン落としたぞ!」
レーナが拾い上げラッシュに声を掛ける。ラッシュはそれに気づいて引き返してきて羽ペンを受け取った。
「悪い、助かる。」
「おう。にしても羽ペンって珍しいな。」
「趣味だ。」
そう呟くラッシュは何やら以前よりも弱々しく暗い表情をしていた。
「何だか元気なさそうだったね。」
「休みの間に何かあったんでしょうか。」
ラッシュの様子が少し気に掛かる様だったが四人は気にしない事にして教室を後にした。
それから午前の授業が終わり、四人は廊下を歩いていた。
「お!羽見っけ!ホッホの羽だな。」
「ばっちいですわ、捨てなさい。」
「嫌なこった。」
レーナが床に落ちた羽を一枚広いくるくると回しながら廊下を歩いて。その時はノイマンから声をかけられた。
「あ、お~いそこの四バカガールズ!」
「教師が生徒にバカとはなんですか。」
「その方が早いんだ。生徒らからもそう呼ばれてるらしいしな。まぁ愛称みたなもんだ。それよりお前らもう“夜会”に出るかどうかの紙出したか?」
「え?ああ、学園長の意向で社会勉強の為に生徒が任意で参加できるとかっていう。いえ、まだ後で出すつもりです。」
「そうか、出来るだけ早めにな。…それは?」
ノイマンがレーナに持っている羽を見る。
「さっき拾った。」
「はぁ…寄越せ、捨てとく。」
「ん。」
レーナがノイマンに羽を渡す。
「他にも見つけたら捨てといてくれ、じゃあな。」
「は~い。」
ノイマンは踵を返して去っていった。四人もまたその場を後にした。
学園長室の扉がノックされる。その後すぐにノイマンが部屋に入り校長に話しかける。
「学園長、お呼びでしょうか。」
「ああ、来てくれてありがとう。そこまで重要な事じゃないんだけど色々聞きたい事があってね。」
二人は世間話を混じえた仕事の話をした。数十分間話し終えた時ノイマンが羽についての話題を出した。
「そういえば学園長、校内にその梟の羽が散乱していまして、生徒達が触ると衛生的に宜しくないので注意をお願いします。」
「はぁ…お前な。」
「仕方ないじゃない!生え変わりの時期なの!」
「はぁ…了解した、早急に回収しよう。他に報告することはあるかい?」
「いえ以上です。」
「そうかご苦労。もう言って良いよ。」
「では失礼します。」
ノイマンは部屋を去っていった。彼が去ったあと学園長は梟を鳥籠に入れてから彼女もまた部屋を後にした。
昼食を終えたローニャ達は食事を終え食堂で時間を潰していた。その時は突然声をかけられた。
「お久しぶりです、ローニャさん。」
「あ…ひさ…お久しぶりです。」
それはこの国の王子である【オルガ・レオンハール】であった。全く会う機会がなく数年間疎遠になっていたオルガは見違えるほど大きくイケメンになっていた。
「数年ぶりですね。お元気でしたか?」
「まぁはい。」
「それは良かった、本当は妹も一緒に会いに来たかったんですが彼女は今風邪を引いてまして。」
「そうですか。その…お大事に。」
「伝えておきます。その御三方はお友達ですか?」
何気なく話す二人の横でアリスとマテリアは狼狽えレーナ既に姿を消していた。
「は!お初にお目に掛かります殿下、私はマテリア・コインズと申します。」
「あ…アリス・ルウと言います。」
「二人共ローニャさんの友人です。」
「そうなんですね、オルガ・レオンハールです、以後お見知りおきを。」
「こちらこそ!」
「あれ?さっきもう一人いたように見えたんだけど…。」
「はい…もう一人友人が居ますが彼女は貴族を毛嫌いしておりまして、先程逃げていきました。」
「ははは、まぁ仕方ないですね。」
「あの!つかぬ事をお聞きしますが、お二人はどう言うご関係で?」
「ああ、彼女には以前命を助けて貰った事があって、一方的にではありますが恩人として仲良くさせてもらってるんです。まぁほとんど会ってないですが。」
「そうだったんですね!ローニャちゃんすごい!」
「え?あ、うん。偶々ね。…何かテンション変だよ。」
「そりゃそうでしょ!お、王子様だよ!」
「そう緊張しないで下さい。別にローニャさんの友人なら不敬とか言ったりしませんから。」
「は…はい。」
二人は深呼吸をして再びオルガを見るがまだ緊張は解けなかった。
「それより御三方は今度の夜会には来られるのかな?」
「ええ…行くつもりです。私は一応貴族なのでアリスも行く予定です。」
「ローニャさんは?」
「私はパス。そういう場所は苦手。」
「そうですか。まぁローニャさんの性格なら仕方ありませんね。おっとそろそろ行かないと。話せてよかった。また機会があれば、御機嫌よう。」
「はい!」
三人は去っていくオルガにお辞儀をして見送った。オルガが去るとマテリアは床にへたり込んだ。
「はぁ~…緊張した!まさかローニャさんが王子様と知り合いだったなんて。」
「言ってなかったっけ。」
「聞いてない!はぁ…それにしても素敵方だったな…」
そんな話をしていたらレーナが戻って来た。
「ふぃ~危なかったぜ。」
「あ、一人で逃げた卑怯者。」
「なんだその言い草は、逃げ遅れた奴が悪い。」
「く!」
「そういえばレーナは夜会?ていうのには出るの?」
「あ?出るわけ無いだろ。」
「何言ってますの?貴女は強制ですよ?」
「は!?意味わかんねぇ!無理無理!そもそもドレスとかもってねぇーし!」
「大丈夫!私の差し上げますわ!私とアリスも居るんですし平気平気!」
「私も本当嫌なんだけど。」
「それじゃ私一人になるじゃない!そんなの寂しいですわ!」
「お前は親と一緒に行くんだろうか!」
「友達が来れるんだからその方が良いに決まってます!」
「知るか!ぜってぇ行かね!」
夜会に行く行かないの口論を三人でしているその横でローニャは静かに眺めていた。
同日 昼頃
薄暗い路地裏で男二人が話をしている。内一人はローブを着ており、フードを深く被っているため顔はよく見えない。もう片方は以前冒険者ギルドでローニャを襲った男だった。
「話は聞いてるだろ?早く“ブツ”を寄越せ。」
「焦るな、ちゃんと持って来てる。…ほら。」
ローブ男がポケットから小さな包を渡し、もう一人がそれをひったくった。男はそれを広げ中身を確認する。中身はどうやら丸薬の様だ。
「本当に合ってんのか?騙そうとしてねぇだろうな。」
「安心しろちゃんと“あの方”から頂いた本物だ。そもそも貴様を騙す気も無い。」
「そうか、なら…ほらよ。」
男がローブ男に金を手渡す。
「…ふむ、たしかに受け取った。にしてもまさかそれを欲しがる物が居るとはな、物好きが居たものだ。“あの方”からすれば良い実験体が居てくれるに越した事は無いだろうがな。」
「あっそ、んじゃ俺はおさらばするぜ、あばよ。」
男は取引が終わるとさっさとその場を離れた。ローブ男も「フン」と言ってその場を去って行った。
「良い結果を期待しているぞ。」
「あ~…クソだり~。もっと休みて~。」
「レーナさん端ないですわよ。」
「知った事か~。」
「結構すぐ終わったね、休み。」
「楽しい時間は早く感じるからね。」
「真面目にもっと休み伸びねーかな。」
「諦めて、いい加減現実を受け入れて。」
「はぁ~…」
適当な話をしている内にに生徒達が次々教室にやって来て一気に教室内は騒がしくなっていく。そうこうしていると教師がやって来て授業が始まった。
「かの有名な聖騎士【アルトリウス】は今では残虐な殺人者だがそれでもその功績は凄いものだ。過去最悪と称される魔獣にとどめを刺したのもこの人物であり、その他にも多数の魔獣を打ち倒し、英雄、勇者と呼ばれたこともあった。彼は誰よりも前線に立ち、戦い、打ち勝って来た事から“最戦者”の異名を持っていた。」
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ようやく歴史の授業が終わり教師が教室を出て行った。次の授業は別の場所でする為生徒達は一斉に移動を始めた。
「そういや次移動か。は~あ。」
「面倒くさがらないの、早く行こ。」
四人は他の生徒達の後から教室を出ようとしていた時、ラッシュが羽ペンを落とした。
「あ、おい!ペン落としたぞ!」
レーナが拾い上げラッシュに声を掛ける。ラッシュはそれに気づいて引き返してきて羽ペンを受け取った。
「悪い、助かる。」
「おう。にしても羽ペンって珍しいな。」
「趣味だ。」
そう呟くラッシュは何やら以前よりも弱々しく暗い表情をしていた。
「何だか元気なさそうだったね。」
「休みの間に何かあったんでしょうか。」
ラッシュの様子が少し気に掛かる様だったが四人は気にしない事にして教室を後にした。
それから午前の授業が終わり、四人は廊下を歩いていた。
「お!羽見っけ!ホッホの羽だな。」
「ばっちいですわ、捨てなさい。」
「嫌なこった。」
レーナが床に落ちた羽を一枚広いくるくると回しながら廊下を歩いて。その時はノイマンから声をかけられた。
「あ、お~いそこの四バカガールズ!」
「教師が生徒にバカとはなんですか。」
「その方が早いんだ。生徒らからもそう呼ばれてるらしいしな。まぁ愛称みたなもんだ。それよりお前らもう“夜会”に出るかどうかの紙出したか?」
「え?ああ、学園長の意向で社会勉強の為に生徒が任意で参加できるとかっていう。いえ、まだ後で出すつもりです。」
「そうか、出来るだけ早めにな。…それは?」
ノイマンがレーナに持っている羽を見る。
「さっき拾った。」
「はぁ…寄越せ、捨てとく。」
「ん。」
レーナがノイマンに羽を渡す。
「他にも見つけたら捨てといてくれ、じゃあな。」
「は~い。」
ノイマンは踵を返して去っていった。四人もまたその場を後にした。
学園長室の扉がノックされる。その後すぐにノイマンが部屋に入り校長に話しかける。
「学園長、お呼びでしょうか。」
「ああ、来てくれてありがとう。そこまで重要な事じゃないんだけど色々聞きたい事があってね。」
二人は世間話を混じえた仕事の話をした。数十分間話し終えた時ノイマンが羽についての話題を出した。
「そういえば学園長、校内にその梟の羽が散乱していまして、生徒達が触ると衛生的に宜しくないので注意をお願いします。」
「はぁ…お前な。」
「仕方ないじゃない!生え変わりの時期なの!」
「はぁ…了解した、早急に回収しよう。他に報告することはあるかい?」
「いえ以上です。」
「そうかご苦労。もう言って良いよ。」
「では失礼します。」
ノイマンは部屋を去っていった。彼が去ったあと学園長は梟を鳥籠に入れてから彼女もまた部屋を後にした。
昼食を終えたローニャ達は食事を終え食堂で時間を潰していた。その時は突然声をかけられた。
「お久しぶりです、ローニャさん。」
「あ…ひさ…お久しぶりです。」
それはこの国の王子である【オルガ・レオンハール】であった。全く会う機会がなく数年間疎遠になっていたオルガは見違えるほど大きくイケメンになっていた。
「数年ぶりですね。お元気でしたか?」
「まぁはい。」
「それは良かった、本当は妹も一緒に会いに来たかったんですが彼女は今風邪を引いてまして。」
「そうですか。その…お大事に。」
「伝えておきます。その御三方はお友達ですか?」
何気なく話す二人の横でアリスとマテリアは狼狽えレーナ既に姿を消していた。
「は!お初にお目に掛かります殿下、私はマテリア・コインズと申します。」
「あ…アリス・ルウと言います。」
「二人共ローニャさんの友人です。」
「そうなんですね、オルガ・レオンハールです、以後お見知りおきを。」
「こちらこそ!」
「あれ?さっきもう一人いたように見えたんだけど…。」
「はい…もう一人友人が居ますが彼女は貴族を毛嫌いしておりまして、先程逃げていきました。」
「ははは、まぁ仕方ないですね。」
「あの!つかぬ事をお聞きしますが、お二人はどう言うご関係で?」
「ああ、彼女には以前命を助けて貰った事があって、一方的にではありますが恩人として仲良くさせてもらってるんです。まぁほとんど会ってないですが。」
「そうだったんですね!ローニャちゃんすごい!」
「え?あ、うん。偶々ね。…何かテンション変だよ。」
「そりゃそうでしょ!お、王子様だよ!」
「そう緊張しないで下さい。別にローニャさんの友人なら不敬とか言ったりしませんから。」
「は…はい。」
二人は深呼吸をして再びオルガを見るがまだ緊張は解けなかった。
「それより御三方は今度の夜会には来られるのかな?」
「ええ…行くつもりです。私は一応貴族なのでアリスも行く予定です。」
「ローニャさんは?」
「私はパス。そういう場所は苦手。」
「そうですか。まぁローニャさんの性格なら仕方ありませんね。おっとそろそろ行かないと。話せてよかった。また機会があれば、御機嫌よう。」
「はい!」
三人は去っていくオルガにお辞儀をして見送った。オルガが去るとマテリアは床にへたり込んだ。
「はぁ~…緊張した!まさかローニャさんが王子様と知り合いだったなんて。」
「言ってなかったっけ。」
「聞いてない!はぁ…それにしても素敵方だったな…」
そんな話をしていたらレーナが戻って来た。
「ふぃ~危なかったぜ。」
「あ、一人で逃げた卑怯者。」
「なんだその言い草は、逃げ遅れた奴が悪い。」
「く!」
「そういえばレーナは夜会?ていうのには出るの?」
「あ?出るわけ無いだろ。」
「何言ってますの?貴女は強制ですよ?」
「は!?意味わかんねぇ!無理無理!そもそもドレスとかもってねぇーし!」
「大丈夫!私の差し上げますわ!私とアリスも居るんですし平気平気!」
「私も本当嫌なんだけど。」
「それじゃ私一人になるじゃない!そんなの寂しいですわ!」
「お前は親と一緒に行くんだろうか!」
「友達が来れるんだからその方が良いに決まってます!」
「知るか!ぜってぇ行かね!」
夜会に行く行かないの口論を三人でしているその横でローニャは静かに眺めていた。
同日 昼頃
薄暗い路地裏で男二人が話をしている。内一人はローブを着ており、フードを深く被っているため顔はよく見えない。もう片方は以前冒険者ギルドでローニャを襲った男だった。
「話は聞いてるだろ?早く“ブツ”を寄越せ。」
「焦るな、ちゃんと持って来てる。…ほら。」
ローブ男がポケットから小さな包を渡し、もう一人がそれをひったくった。男はそれを広げ中身を確認する。中身はどうやら丸薬の様だ。
「本当に合ってんのか?騙そうとしてねぇだろうな。」
「安心しろちゃんと“あの方”から頂いた本物だ。そもそも貴様を騙す気も無い。」
「そうか、なら…ほらよ。」
男がローブ男に金を手渡す。
「…ふむ、たしかに受け取った。にしてもまさかそれを欲しがる物が居るとはな、物好きが居たものだ。“あの方”からすれば良い実験体が居てくれるに越した事は無いだろうがな。」
「あっそ、んじゃ俺はおさらばするぜ、あばよ。」
男は取引が終わるとさっさとその場を離れた。ローブ男も「フン」と言ってその場を去って行った。
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