野生児少女の生存日記

花見酒

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二章 学園少女と遺物

新たな目標

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 あれから時が経ち季節きせつは夏、ローニャは時々森に帰ってはいるものの、すっかり野生味は薄れ、街に染まっていた。しかしそんなローニャだが魔獣討伐以来、少しだけ悩み事が出来ていた。
 ローニャはいつものように宿で食事をし、そしてギルドに向かった。ギルドに入りクエストボードを眺めていると見知らぬ冒険者が声を掛けて来た。

「ねぇ…君魔獣を倒したって噂の子だよね、もし良かったら僕達のパーティに入らないか?」
「え?あ…ごめん…そういうのはちょっと…」
「そ…そっか…ごめんね突然、気が変わったら何時でも言ってね。」

 冒険者はそう言うと仲間達の元へ行き、ギルドを出て行った。
 そう、ローニャは魔獣討伐以来、冒険者や一部の者から注目され始めていたのだ。
 その後も何度かパーティに誘われ、その度に断り、そろそろ疲れて来た為早くクエストを決めようとした時、再び声を掛けられる。溜め息を吐きながら振り返るとそこにはローニャと同じくらいの少女が立っていた。そしてローニャが少女を見ると少女が口を開いた。
 
「あの…間違ってたらごめんなさい…貴女は魔獣を倒したと噂の人ですよね?」
「そうだけど…」
「やっぱり!あの…もし良ければ私達の依頼を手伝って頂けませんか?」
「依頼?私が?」
「はい…私も一応冒険者をしていて…依頼を仲間と受けているんですが…その…念の為強い人に協力をお願いしたくて…でも大人に頼むと騙されるかも知れないので同い年くらいの貴女協力していただけたらなって…」
「…依頼の内容は?」
「あ…えっと…鉱山の魔物退治です。」
「…」

 ローニャは他の者と同様に断ろうとした。しかし少女の話を聞いていると、どうやら少女の仲間に大人は居ないと思えてくる。もしそうならば、自分が断って何かあれば寝覚めが悪い。そう思い、何より何でもいいから依頼を受けたいと思っていた為、手伝う事にした。

「分かった…手伝う…」
「本当ですか!じゃあ早速私の仲間を紹介しますね!あ!私【アリス・ルウ】って言います!」
「ローニャ…」
「よろしくお願いします。じゃあこっち来てください。」

 そう言われアリスに付いて行く。そして一つのテーブルに案内された。そしてそこには同い年くらいの二人の少女が座っていた。

「二人とも!手伝ってくれるって!」

 嬉しいそう話すアリスに貴族の様な喋り方をする少女も嬉しそうにする。

「まぁ!アリス、流石ですわ!では今回の依頼は楽勝という事ですわね!」
「そうかもだけど、頼り過ぎは駄目だよ。」

 二人が仲良さそうに話す光景をローニャが黙って眺める。それに気付いたアリス達がローニャに向き直す。

「あ、ごめんなさい。この子達は私の友達で同じ冒険者の仲間なんです。」
「初めまして、私は【マテリア・コインズ】ですわ。」
「ローニャ…」
「宜しくですわ!」
「マテリアちゃんは伯爵家のご令嬢さんなの。で、こっちの子が…」
「【ミレオレーナ】だ…一応言っとくが俺は冒険者じゃねぇ…ただの鍛冶師見習いだ。後、一応名乗ったが俺の事は【レーナ】と呼べ。この名前は嫌いなんだ。」
「えっと…レーナちゃんは今回依頼で素材を取りに同行するの。ていうか今回そっちがメインで、依頼はついでみたいな物なんだけどね。」
「あ…そう…」
「じゃあ…準備が出来たら早速行こっか!」

 それぞれの自己紹介が終わり、ローニャは準備を済ませ三人と共に馬車に乗り街を出た。 
 その道中の事。ローニャは気になる事があり、アリスに話し掛けた。

「気になったんだけど…三人はどういう関係?」
「えっと…私は平民ではあるんだけど、マテリアちゃんとは小さい頃から友達で毎日遊んでたんだ。それで、レーナちゃんは学園に入学してから知り合ったんだ。」
「学園…」
「ローニャさんは学園には通わないのですか?」
「人が多い所は苦手…」
「そうですか…確かに人は多いですけど、良いところですよ!」
「そっか…ありがとう…」
「はい!」

 ローニャは会話を終えると、外を眺めながら呟いた。

「学園…か…」

 
 そう呟き、ローニャ達は目的地へ向かった。
 
 目的地の近くに到着し馬車を降りる、それから少し歩くと一行は鉱山に辿り着いた。
 鉱山の入り口で作業員が作業をしている。そこへアリスが作業員の一人に話し掛けた。少し離れた場所からその光景を眺める。少しするとアリスが戻って来てローニャ達に話し掛ける。

「付いて来いだって。」

 アリスにそう言われ作業員に付いて行く。少し歩くと小さく簡易的な作業場に着き、そこに居た責任者らしき男に作業員が何かを話す。
 話し終えると責任者がやって来て、話し始めた。

「話しは聞いた。依頼を受けて来たんだってな。感謝する。だが子供だけというのは少し心許無いな…誰か大人は居ないのか?」

 責任者の質問にアリスが前に出て答える。

「ごめんなさい、大人の人は居ないんです。でも仕事はしっかりこなすので安心してください。」
「そうは言ってもな…」

 責任者がそう言いながら悩み始めると、一人の作業員が責任者に耳打ちを始めた。

「それは本当か!?」

 作業員が責任者の言葉に頷くと責任者がローニャに話し掛けた。

「そこの君、君は魔獣を倒したって噂の子供か?」
「多分そうだけど…こんな所まで広がってるの?」
「そりゃそうさ。子供が魔獣を倒したなんて話しがあれば、すぐに広まるさ。それはともかく魔獣を倒せる実力がある奴が居るなら安心だな。」
「頼んで良かったですわね。」
「う~ん…いいのかな…」
「早速依頼を頼もうか!」

 責任者がそう言うと一行は作業場に案内され、依頼内容を説明された。 
 今回の依頼は鉱山の内部に現れた魔物【ゴブリン】と【トロール】数匹の退治である。

〈【トロール】とは大柄な人型の魔物である。他の魔物同様、凶暴で人を襲う。ゴブリン等と徒党を組む事もあれば一匹だけで生きる個体もいる。〉

「前までは居なかったんだがな…ある日鉱山の中に入ったら、いつの間にか居たんだ。アレのせいで作業が滞ってる…諦める事も出来るが、この山にはまだ資源が残ってるんだ、討伐じゃなくても、撃退でもしてくれると助かる。」
「わかりました、引き受けましょう。」
「ありがたい。」

 責任者にトロールが居る位置を教えてもらい、出発しようとした時、レーナが口を開いた。

「依頼を受けるのはいいですが、少し条件を付け足していいです?」
「え?あ…ああ」
「じゃあ成功した場合はここで採掘した鉱石を少し分けてください。」
「鉱石を?ま…まぁ良いだろう…相手は魔物だしな…」
「ありがとうございます、じゃあ行こうか。」

 レーナは満足そうに言いながら封鎖された坑道の入り口に向かった。
 松明の明かりで薄暗く、土や鉄の臭いが充満した坑道を地図の通りに進む。そして辿り着いた先にトロールとゴブリンの群れを発見した。
 寝息を立て無防備に眠っているトロール達を岩陰から武器を構えて様子を窺う一行。

「ローニャさん、お願い出来ますか?」

 アリスにそう言われるとローニャは頷きゆっくりとトロールに近付き、トロールの首元に立つ。そして剣を大きく振りかぶり、トロールの首を叩き切った。
 その音で寝ていたトロールとゴブリンが飛び起きた。トロール達はローニャを見るなり襲いかかる。そこへゴブリンの眉間へ的確にアリスが矢を当てる。ローニャはゴブリンの間をすり抜けトロールを狙う。ローニャを追い掛けようと振り返ったゴブリンの後ろからレーナがダガーで喉を切る。その後からマテリアが炎を放ちゴブリンを燃やす。三人がゴブリンの相手をしている間にローニャはトロールを一匹仕留めた。即座に残り一人のトロールを仕留めようとトロールの方向を向くと、いつの間にか移動していたレーナがトロールの頭にしがみ付き、首を切っていた。ゴブリンも既に片付いており三人は喜び合っていた。ローニャが三人を少し離れて眺めているとアリスが近寄って来た。

「ローニャさん!本当にありがとう!」
「あ…うん…三人も強いんだね…」
「私はそんなに、レーナちゃんがとっても強いんだ。」

 二人が会話をしていた時レーナが声を掛ける。

「早く素材を回収してくれ~」
「あ、ごめ~ん」

 それから四人は魔物の素材を回収し坑道を出た。外で待っていた作業員達に報告をすると皆とても喜び賞賛言葉を掛けた。
 帰り際にレーナは報酬として鉱石を少し貰い、満足そうにしていた。

 冒険者ギルド

 ギルドへ戻り依頼達成の報告をする。アリスが報酬を受け取るとアリスは報酬の半分以上を渡して来た。

「はいこれ。ローニャさんには多めにあげる。無理言って手伝ってもらったから。」
「あ…ありがとう…」
「こちらこそありがとう。それと…もし良ければ今後も仲良くしてくれたら嬉しいな。」
「まぁ…良いけど…」
「本当!ありがとう!」

 アリスが嬉しそうにローニャの手を取る。

「私もローニャさんとお友達になれると嬉しいですわ!」

 ローニャは二人の嬉しそうな表情を見て少し微笑んだ。
 それから帰り際の事。

「それじゃあ私達は帰るね。今日は本当にありがとう。また会おうね!」
「私達は今は夏休みなので街で会う事も多くなると思います。ギルドで会ったらまた一緒にお仕事しましょう!」

 そう言いって、三人は去って行った。そしてローニャもまた宿へ帰った。

 それからというもの、ギルドで三人と会う事が増え、時々依頼を手伝う事も増えた。その際三人から学園の事を聞かされた。最初の内は話し半分に聞いていたが、話を聞いている内に段々と興味が湧いて来ていた。そしてある日の夜。部屋の窓から街を眺め、考える。

 (学園…か…人…多いんだろうな…でもこのまま依頼い受けてばっかりって言うのもな…)

 人の多い場所は正直好きではない。しかし何時までも同じ事をしていてもいずれは飽きて違う事をしたくなる。いっそ違う国に行くのも悪くはない。だが違う街で今と同じ生活が出来るのか不安に思える。ローニャはベッドに横たわり深く考え込む。

 (明日ギルマスに聞いてみて、それから考えよう。)

 ローニャはそう考えながら何時の間にか寝てしまっていた。

 翌日 冒険者ギルド

 ローニャはギルドのカウンターでロザリアに話し掛けた。

「ギルマス居る?」
「ギルマス?居るけど…何で?」
「用がある。」

 ロザリアは不思議そうにしながらギルドの奥へ入って行った。少ししてカーバッツが現れた。

「よ!何だ?用って。」
「ギルマス、学園に入るのってどうすればいいか知ってる?」
「は?学園?何で俺に?ていうかいきなりどうした?何だ?入りたいのか?」
「興味があるだけ…」
「う~ん別に学園に入学申請すれば良いだけがから難しくは無いが、お前の歳からだと、どうだろうな…一度学園長に聞いてみようか?」
「うん…」
「んじゃあ学園長と話しとくから明日またギルドに来い。」
「分かった。」

 ローニャはそう言ってクエストを受けてその場を去った。
 その日の夕方頃
 カーバッツが自分の邸で誰かを待っている。そこへ扉が叩かれ使用人が入って来た。

「旦那様、学園長様がお見えになられました。」
「そうか、通してくれ。」
「はい。どうぞ。」

 使用人が扉の前に居た少女を部屋に招く。少女は部屋に入りソファーに座った。

「すまんな、忙しいのに呼び立てて。」
「ホントだよ、私にだって色々とやる事あるんだから、手短にね。」
「ああ…実は聞きたい事があってな。」
「ああ、途中入学の件だろ?別に良いよ。むしろ大歓迎さ。」
「本当か?」
「うん!その子にだって事情があるだろうし、何より初めてって訳じゃ無いしね。」
「そうか…ならあいつが入学を希望したら受け入れてくれるんだな?」
「勿論だよ。まぁ入学は来年の春からになるけど。」
「ありがとな。それから入学を希望した際にちょっと制服に手を加えたいんだが、いいか?」
「ん?別に良いよ?ていうかこっちで手配するよ。どうするんだい?」
「ああ、あいつはフードが無いと外での活動が辛いらしくてな、制服にフードを付けてやりたいんだ、まぁ入学を望むならの話だが。」
「成る程…分かった、注文しとくよ。」
「助かる。それと話は変わるんだが、は今どんな感じた?」
「ああ、別に変わった事は無いよ、大人しくしてる。」
「そうか…そいつは良かった。だが油断はしない方が良い、しっかり見張っておけ。」
「分かってるって。私を誰だと思ってるのさ。」
「そうだな、天下の大賢者様だったな。」

 二人はその後、ちょっとした近況報告をして解散した。

 翌日ローニャはギルドでカーバッツに呼ばれ応接室に居た。

「昨日学園長と話したが…入学しても良いそうだ。どうする?」
「そっか…」

 ローニャは考えた。気になって聞いて見たは良いが、どうするかはまだ決まっていなかった。人混みを嫌うローニャにとって学園は苦手な場所になる。しかしそれ以上に学園に対する好奇心があった。ローニャは深く深く悩み込み。そして決断した。

「入る…入ってみたい。」
「そうか、なら学園長にそう伝えておこう。それとお前旅人としてこの街に来ただろ?だから住民権は無いよな。」
「そういえば。」
「それが無いと学園には入学出来ないから先ずはそれからだな。これから発行しに行くぞ。」
「今から?」
「ああ、今からだ。」

 そうして二人は直ぐにギルドを出て役所に向かった。
 役所でカーバッツが職員と話し職員が数枚の書類を出した。

「こちらにお名前と生年月日をご記入下さい。」

 ローニャは言われた通りに書類に記入した。

「え~と…ロ…ローニャ…さん?ですね、はい。えっと苗字は?」
「ない…」
「えっと記入頂かないと困るのですが。」

 そこへカーバッツが入る。

「ああ…申し訳ない、こいつは捨て子なんだ。孤児とし登録して欲しい。」
「はぁ…それだと、色々と厄介事が有るかも知れませんが、そう言う事にしておきます。」

 職員が書類に文字を書いたり判子を押す等して無事登録を終わらせた。
 二人が帰ろうとした時職員が突然話しかけて来た。

「あの、これは個人的な提案なのですが、マルクール様がその子を養子にするというのはどうですか?マルクール様は貴族の家系ですから、難しくはないと思うのですが。」
「あ?あ~…どうなんだろうな…なあローニャ。」

 カーバッツがそう言ってローニャを見るとローニャは首を横に降った。

「だそうだ。」
「そうですか…すみません変な事言って、忘れてください。」

 そうして二人は役所を後にした。
 役所を出るとカーバッツがローニャに話し掛けた。

「良し、これでお前は晴れて王国民、学園に入れるな。」
「ありがと…」
「おう!そんじゃ入学は来年の春からだから、それまで勉強とかしとかないとな、図書館の場所を教えるからそこで勉強するといい。」
「図書なんてあるんだ…」
「そりゃあるだろ、王都だからな。お前は勉強とか嫌いか?」
「ううん…別に…むしろ好きかな…本を読むのが好きだらか…」
「そうか、まぁ時間はたっぷりある、ゆっくりやるといい。どうする?今から行くか?」
「うん…」
「んじゃ…付いて来い。」

 そう言って歩き出すカーバッツに付いて行った。
 一時間程歩くと二人はひときは大きな建物にやって来た。

「ここが王立大図書館だ。」

 カーバッツがそう紹介しながら中に入る。
 中に入るととても広く、そして目を疑うような高さと量の本棚とそこに並べられている本があった。ローニャは建物を見上げるように眺めながら歩く、受付の前に着くとカーバッツが話し始めた来。

「ここが受付だ、本を借りる時はここで手続きする。そのくらいだな、基本的に本を無くしたりとかルールを破らなければ、基本的には自由だ。んじゃ俺は帰るな、勉強頑張れよ。」
「ありがとう…」

 二人は手を降ってその場で別れた。カーバッツが居なくなると受付の男性が声を掛けてきた。

「学生さんですか?」
「へ?えっと…まだです…」
「まだという事は来年には学生さんという事ですね。勉強をなさるのでしたら、学生さんがよく読む本などをご紹介できますよ。」
「えっと…お願いします…」
「ではこちらに。」

 男性はスッと立ち上がりローニャを案内し始めた。男性に本棚を幾つか案内され、本棚に置いてある本を眺める。本には確かに魔法や数学等の勉強に役立つ内容の本が並べられていた。ローニャは必要そうな本を複数取って本を読めるスペースに向かった。そして椅子に座り、本を開き読み始めた。
 
 あれから何時間も本読み続けているとトントンとローニャの肩を誰かが叩いた。ローニャはそれに少し驚きを振り返ると見知らぬ女性が立っていた。そして女性は口を開いた。

「もう閉館時間ですのでそろそろ。」
「え?何時の間に?」

 ローニャは少なくとも五時間以上も本を読み続けていた事になる。ローニャは慌てて本を片付けようとすると職員が話し掛けて来た。

「あ、私が片付けておきますので。」
「あ…はい…」

 ローニャはそう言って職員に任せ図書館を立ち去った。
 外は既に暗く成っており、人通りも少なくなっていた。ローニャは急いで宿に帰った。

 翌日ローニャはギルドではなく真先に図書館へ向かった。昨日とは違う本を手に取り、そして席に座り本を読もうとした時、声を掛けられた。

「あ!ローニャさん!珍しいですわねこんな所で会うなんて」

 それはあの三人組だった。

「マテリアちゃんしー!声が大きいよ!」

 アリスが小声でマテリアに言う。マテリアは、はっと気付いて口を手で塞いだ。ローニャは三人に図書館に来た理由を話した。

「そっか!じゃあ来年からローニャさんも私達と同級生になるんだね。」
「では私達と一緒にお勉強するのはどうですか?」

 いつものローニャなら一人でやるところだが、既に入学している三人に何を勉強すべきかを教わる為にあえて一緒にする事にした。

「うん…」
「それじゃあ本を取ってくるから待っててね。」

 そう言って三人は本を取りに向かった。少しして三人が戻り、四人で勉強を始めた。数時間勉強をし三人が帰った後も閉館時間まで本を読み、その後帰った。そしてその次の日も、またその次の日も、図書館で勉強を続けた。
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