野生児少女の生存日記

花見酒

文字の大きさ
上 下
9 / 51
一章 森の少女と獣

街での一日

しおりを挟む
 ローニャはギルドテストに無事、合格し冒険者となったその後の事。

「で、これからどうするの?早速依頼受ける?」
「いや…街で何か食べたい…お腹減って死にそう…」

 ローニャはギルドに来る前からお腹を空かせて居た。そのままテストまでした為、もう限界だった。

「此処でも食事は出せるから此処で食べる?」
「此処は酒臭くて無理…」
「そっかぁ…じゃあちょっと待っててね」

 そう言ってロザリアは奥へ入って行った、十分ほど経ちロザリアは何かが詰まった袋を持って出て来て、それをローニャに渡した。

「はいこれ、素材の報酬金、二十万ルーベルです」

 かなりの金額を渡されてローニャは困惑した。

「多くない?」
「そりゃそうだよ、ダッシュボアはB級の生物、スラッシュベアに関してはA級の生物なんだから、素材は相当価値が有るだ、それを複数となるとこの位するよ。」

 階級で言い表されてローニャ何となく納得した、本当に貰って良いのかと困りながら、そのままバッグに入れた。するとロザリアが話しかけて来た。

「それって【マジックバッグ】?珍しいの持ってるね、その剣と言い何処で手に入れたの?」

「貰った物…全部、この剣もこのマントも…誰からかは言わないけど」
「そっか…大事にしてるんだね!」
「うん」

 ローニャは少し嬉しそうに頷いた、そしてローニャはロザリアに別れ言い一旦ギルドを出た。
 
 ギルドを出て少し経ち、ローニャは街を歩いて居る、騒がしい街を進みながら、食事が出来そうな場所を探す。そんな時ローニャはふと気付く、周りから視線を感じる。通り過ぎる人がローニャの姿を通り過ぎ側に見ている、その理由はローニャの格好にあった。全身を黒いボロボロのマントで身を包み、身の丈程の見窄みすぼらしい剣を背負い、一人で歩いている子供が居れば、皆気にもなる、ローニャは気不味くなって早歩きなった。
 あれから少し歩いて居ると、とても良い匂いがして来た、匂いの方向に向かうと一軒の建物に着く、どうやら食堂の様だった。兎に角何か食べたかったローニャは取り敢えずその食堂に入った。
 店に入ると店内はとても広く、そして賑わっていた、少しおどおどして居ると、店員に声をかけられ、そのまま席に案内された。席に着きローニャは店員に【オムライス】なる物を注文した。周りの客に見られて縮こまりながら数分待って居ると、店員が料理を運んで来る、ローニャはとても綺麗な料理に驚く、そしてその料理を一口食べ、更に驚く。今まで食べた事の無い、素晴らしい味に感動しながら、手を止める事無く食べ進める。
 【オムライス】を食べ終わり、まだ足りないと感じたローニャはその後、また違う料理を幾つも注文し、全て平らげた。食事を終え満足して店を出たローニャは次に泊まる場所を探し始めた。
 宿を探して街の中を歩き続けて居るが、どの建物が何の建物なのか全く分からない、日も沈んで来て居た為、仕方無くギルドに戻った。
 ギルドに戻って来て、受付でロザリアに話し掛ける。

「あら、お帰り。もう食事は済んだ?」
「うん…今は泊まれる所を探してる…」
「そうなんだ…もし良ければ宿の場所教えようか?」
「うん…お願い…」

 ロザリアは簡単な地図を作りローニャに渡す。ローニャは礼を言い立ち去ろうとした時、突然男が数人、ローニャの前に立ちはだかった。

「おいガキ、聞いたぜ、お前がダッシュボアとスラッシュベアの素材を持ち込んだらしいな。」
「それが…?」
「はっはっは!こりゃおもしれー冗談だ!こんな小っこいガキがB級以上の動物狩るなんてな!んな訳ねーだろ!何処から盗んで来たか知らねーが、盗んだもんで金稼ぎするなんて、冒険者のする事じゃねーぜ、盗人のガキはさっさと冒険者辞めてママの乳でも吸ってな!そんで稼いだ金、全部俺らに寄こせ、さもないと痛い目見るぜ。」

 威圧的な態度で喋り続ける男に、ローニャは恐れよりも呆れを感じて居た。早く去りたいと思って居るとロザリアが止めに男に注意する。

「ちょっと貴方達、止めなさい!子供に向かって!大人気無いわよ!」

 しかし男は止める気は無かった。

「うるせー!そもそもこんなガキがそんな大金稼いでて怪しいと思わねーのか?」
「それはちゃんとギルドのテストで証明してるわ!」
「は!それもどうせインチキだったんだろ!こんな小っこくて貧弱なガキが冒険者に成る事自体、可笑しい話だ!何だったら俺が証明してやる、このガキがくだらねー嘘つきだってな!」

 そう言いながら男はローニャに掴み掛かろうとした。しかしローニャはその手を掴み、指を思いっきり外側に曲げた。

「いいだだだだ!何だこのガキ!力強えー!いででで!折れる折れる!お前らこのガキ何とかしろ!」

 男の指示で今まで後ろでくすくすと笑って居ただけの取り巻きらしき男数人が、ローニャに向かって襲い掛かる。そこに掴んで居た男の腹を思い切り蹴り、襲って来た取り巻き達を壁へ蹴り飛ばす

「ぐあーー!」

 リーダーの男は立ち上がり腰にぶら下げて居た剣を抜いた、それと同時にローニャも鞘の留め具を外し剣を抜けるようにした。

「このクソガキ、調子乗ってんじゃねーぞ!」

 剣を振り上げローニャに襲い掛かる、剣を振り下ろした瞬間ローニャは、男の剣を横に躱し、剣に蹴りを入れた。魔法で足を強化して居た為、男の剣は真っ二つになった。剣先が床に突き刺さる。男は一瞬何が起こったのか理解出来ず停止する。しかし直ぐに正気に戻り、情け無い声を上げながら尻餅を着く、ローニャはそんな状態の男にゆっくり近付き、思いっきり剣を振り上げる。男は悲鳴を上げながら一目散に逃げて行き、それを追い掛ける様に取り巻き達も外へ出て行った。
 剣を仕舞い溜め息を吐いて居るとロザリアが申し訳な無さそうに話し掛けて来た。

「大丈夫?怪我とかない?」
「いや…別に無い…」
「よかったー、本当にごめんね冒険者ってああ言うの多いのよ初心者にちょっかい掛けたり、自分より弱い人に命令や失敗を押し付けたりとか。多分今の奴らも君を恨み持って復讐に来たりするかもだから気を付けてね。」

「問題無い…また来たらその時も返り討ちにすれば良いし…あんな感じで強がって私に挑んで来た奴を返り討ちにした、事何度もあるし…」
「え、あるの?」
「うん…ゴブリンとか…」
「ゴブリンかー…あはは…でもやっぱり気を付けてね?」
「わかった…そうする…」

 一波乱有ったもののローニャはロザリアに教えて貰った近い宿に無事辿り着き、部屋を借りれた。

 その日の夜
 この街に来てから初めての事ばかりだった、今まで森の中だけで過ごして居た日々とは違う騒がしい一日を過ごした。最初は不安だった街も、トラブルは有ったものの、今は少しだけ楽しいと感じている。ローニャは街での一日を振り返りながら眠りの着いた。

 夜 ギルド長室 
 その日の夜、ギルドのギルド長室でカーバッツが何かを待って居た。すると扉がノックされる。

「ギルドマスター殿、失礼致します。」

 と丁寧な挨拶をして部屋に騎士が三人程入って来た。

「ギルドマスター殿、御報告致します。貴方に依頼された通り、【暗い森】を捜索して参りました。残念ながら、我々では浅い場所までしか捜索出来ませんでしたが。その上で、子供らしき人物もその親らしき人物も現れませんでした。森から一日程の距離の集落等を回って、情報を探って見ましたが。森に子供が居るのを知っているかと訪ねた所。との事でした。以上です。では我々はこれで。」
「ああ、助かったよ、報告ありがとう。報酬については帰る時に受付嬢から受け取ってくれ。」

 騎士達はカーバッツに御辞儀をして部屋を出て行った。

「…森の近くの集落で知らないとなると…森から遠いこの街や村から行く事も無いだろう……だとするならば…【帝国】側の人間か…これ以上首を突っ込めんな…俺に出来るのは見守る事だけか…」

 カーバッツは窓の外を見ながら一人で呟いていた。
 

 翌日 早朝六時
 ローニャはいつも通り時間に起きた。寝起きの頭で自分がもう森には居ない事を思い出す。顔を洗う為に一階の食堂に向かう、食堂に入ると店主の女性に元気よく挨拶をされた

「おはよう!」
「お…おはようございます…?」

 朝の挨拶など数年ぶりでローニャは少し戸惑った

「食事はもう少し待ってね!その間、店の裏に井戸があるから、其処で顔でも洗って来な!」

 ローニャは言われた通りに井戸で顔を洗い、また食堂に戻った。席に座り食事を待つ、待って居ると次々と宿泊して居た客達が降りて来る、次第に食堂は賑やかになっていた。数十分待って居ると店主が食事を運んで来た。

「あいよ!アンタのは少し多めにしといたからね!沢山食べな!」
「あ…ありがとうございます…」

 ローニャは小さくお礼を言い食事を初める。
 朝食を食べ終わり立ち上がる。宿屋を出ようとしたドアノブに手を掛けようとした時、妙な視線を感じた。しかし敵意は感じ無かった為、警戒しつつ宿屋を出た。
 ギルドに向かう道中も何故かその視線の主が付いて来て居る様に感じ、ローニャはかなり早歩きでギルドへ向かった。
 ギルドに到着し、ローニャはクエストボードで依頼を見て居た。その間も視線を感じて居た。だがやはり敵意は感じられない為、ローニャは一度気にしない様にして見た。
 視線を気にしない様にクエストボードを眺める。しかし、ローニャの身長では上の方は見えはするものの、取れなかった為、下の方にあった部分だけ見て居た。そんな時、後ろからローニャを呼ぶ声が聞こえて来た。その声に反応して振り返る。振り返った視線の先に、ロザリアが手を振って居た。ローニャはロザリアの居るカウンターへ行き、話を聞く。

「何?」
「いきなりごめんね…実は昨日忘れてた事が有って。」
「?」
「ローニャちゃん、昨日スラッシュベアとダッシュボアの素材を持ち込んだでしょ。本当はあれで、ランク昇格出来る筈だったんだけど。私が言い忘れてて…ごめんね…昇格は任意だからローニャが決めて。」

 ローニャは少し考える、が考える間でも無い。ランクが高い方が受けれる依頼も報酬も多く成る。【E】位なら、成ってもデメリットは無い。なので一分も考える事無く返答した。

「うん…」
「了解しました…では、ライセンスをお預かりしますね。」

 突然仕事モードに成りライセンスを受け取るロザリア。ギルドの奥へ入って行き。そして少しして戻って来て、そしてライセンスを渡して来た。

「はい、これで貴女は【E】ランクです。」
「ありがとう…」

 ライセンスを受け取り、御礼を言い再びクエストボードの前に戻った。

 再びクエストボードを眺める。下の方にある依頼は取り尽くされて居るのか、低いランクの依頼が少ない。己のランクに合ったランクの依頼が無いかと探して居ると。一枚の埋れた依頼書を見付ける。その依頼書を手に取るとランクは【E】で内容はローニャの得意な討伐。相手はゴブリンの群れだそうだ。ローニャは、その依頼を受ける事にし、ロザリアの元に持って行った。
 カウンターに依頼書を置く。ロザリアはそれを見て残念そうな顔をする。

「ローニャちゃん…これ…パーティ推奨の奴何だ…ローニャは受けるのは止めた方が…」

 とロザリアは言うがローニャは受けるつもりだった。

「問題無い…何度も倒してるから慣れてる…それにそれ以外私が受けれる奴無い…」
「うーん…そうかもだけど…」

 心配そうにするロザリアに対しローニャは自信満々だった。ロザリアはあまり納得しては居なかったがローニャの言葉を信じて受理した。

「これで受理されました。場所はかくかくしかじか……気を付けてね…危なくなったらすぐに逃げるのよ…」

 受理した後も心配し続けるロザリアに、ローニャは強気に言う。

「大丈夫…ゴブリンなんかに負ける程…弱くないから…」

 そう言ってローニャはギルドを後にした。

 街の東門から街の外に出る。ローニャは自身に《身体加速・改》《脚力強化》の魔法を掛け、勢いよく走り出した。
しおりを挟む
感想 66

あなたにおすすめの小説

異世界でお取り寄せ生活

マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。 突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。 貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。 意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。 貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!? そんな感じの話です。  のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。 ※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。

精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない

よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。 魔力があっても普通の魔法が使えない俺。 そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ! 因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。 任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。 極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ! そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。 そんなある日転機が訪れる。 いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。 昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。 そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。 精霊曰く御礼だってさ。 どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。 何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ? どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。 俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。 そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。 そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。 ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。 そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。 そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ? 何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。 因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。 流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。 俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。 因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー
 日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。  呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。  乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。 #不定期更新 #物語の進み具合のんびり #カクヨムさんでも掲載しています

余命半年のはずが?異世界生活始めます

ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明… 不運が重なり、途方に暮れていると… 確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

妖精族を統べる者

暇野無学
ファンタジー
目覚めた時は死の寸前であり、二人の意識が混ざり合う。母親の死後村を捨てて森に入るが、そこで出会ったのが小さな友人達。

処理中です...