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一章 森の少女と獣
冒険者
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冒険者ギルド 応接室
面と向かって座る。ローニャと男と受付嬢が応接室に集まった。そして男が口を開く。
「先ずは自己紹介だ。俺は【カーバッツ・マルクール】、このギルドのギルドマスターだ。でこっちが受付嬢の…」
「【ロザリア・マルクール】ギルドマスターの娘兼受付嬢です。」
と自己紹介をして御辞儀をした。そしてローニャにカーバッツが質問を始めた。
「娘…」
「俺の娘の事は良いとして、質問させてくれ…先ずは…お前さん名前は?」
とカーバッツに質問されるがローニャは沈黙で返した。
「まぁ良い…じゃあお前さん歳は?」
「十…一?」
首を傾げながら言う。
「何だ?分からんのか?まぁ良い…親御さんは?」
「居ない…」
「何故だ?」
がそれに対しては答はしない。
「死んだか…或いは…売られた、捨てられた…か」
カーバッツが小声で何かを言いながら考え事をする。しかし直ぐに質問に戻った。
「まぁ深くは詮索しない、忘れてくれ。それより本題に入ろう。あの動物は何処で狩った?」
「森の中…」
「何処の?」
「此処から…西?の森…」
ローニャがそう答えると男が少し眉間に皺を寄せた。
「どれ位でこの街に付いた?」
「三日?いや…二日くらい…」
そう答えると男が何かを確信した様に言う。
「やっぱりそうか…お前さん【暗い森】から来たのか?」
「くらい…森?」
「知らないのか…じゃあ…森の中で馬車を助けた事は有るか?」
「ある…」
その答えに男は更に確信を深めた。
「やはりそうか…お前さんが…」
ローニャがカーバッツの言葉に?を浮かべる。
「いや…こっちの話だ気にするな…それより嬢ちゃん…で良いよな、一つ提案なんだが、冒険者に成らないか?」
「冒険者…何で?」
「信じ難い事では有るが、もし嬢ちゃんの言ってる事が本当にだとしたら、嬢ちゃんはかなりの手練だ、そんな人間を逃すのはギルド側としてはかなり惜しい。だかららまぁ一応の勧誘だ。勿論任意だ、断ってくれて構わない。」
ローニャは少し悩んだ。が正直な話、断る理由は無かった。この街に暫く住むつもりではあるし、何よりお金がいる。その為カーバッツの提案を受ける事にした。
「うん…やる」
「よし、じゃあテストだな。ロザリア。」
「了解です。」
とカーバッツがロザリア声を掛ける。するとロザリアが部屋を出て行った。しかし直ぐに戻って来た。ロザリアは机の上に見覚えの有る水晶玉を置く。するとカーバッツがローニャに指示する。
「その【鑑定機】に触れてくれ、先ず属性を【鑑定】する。」
と
と言われたがローニャは少し渋っている。それもそのはず、ローニャに取ってはトラウマのある物だったからだ。ローニャは手を震わせながら、ゆっくりと水晶に触れる。しかしやはり光はしたが【無色】だった。だがカーバッツが至極驚いて居た。
「ほう…こりゃかなりの珍しいな。」
あの日も兵士が言って居た言葉をカーバッツも言う。何が珍しいのかと聞こうとする前にカーバッツが口を開いた。
「ああ、済まんな、あまり見ない【適正】だったからな。」
「【適正】?私は適正無いんじゃ…」
「ん?いや…あるぞ…確かに色が無いから適正が無いように思えるが、適性が無い場合は光らないんだ。だから嬢ちゃんは多分【無属性適性】だ。」
ローニャがカーバッツの言葉に驚愕する。今まで自分は適性が無いと思って居たのに実は有ったと言う。事にそして同時にローニャは呆れと怒りを覚えた。自分は恐らく勘違いをされて捨てられたと言う事のなるからだ。
「適性無しも見た事無いが、【無属性】は多分この世に嬢ちゃん一人なんじゃないか?」
カーバッツが何が言っている気がするがブツブツと文句を言い考え事ををして居た為、ローニャは余り聞こえて居なかった。
「…ちゃん…じょ…ちゃん…嬢ちゃん!」
カーバッツに呼ばれはっと我に返る
「大丈夫か?まぁとにかく、【適性属性】はこれで分かった、次は筆記だが…嬢ちゃん、字書けるか?」
「無理…」
ローニャは食い気味に即答した。
「…そうか…じゃあ筆記はパスして…次は実技だな。付いて来てくれ。」
そう言ってカーバッツは立ち上がり部屋を出る。ローニャはカーバッツに付いて行き、ギルドの更に奥に入って行った。そうしてローニャ達はギルドにあるテスト用の闘技場にやって来た。闘技場はそれなりに広く木剣などの幾つかの小道具などが置かれて居た。カーバッツは木剣を手に取り闘技場の真ん中に立った
「よし!じゃあテストするから好きな剣を取って全力で掛かってこい!」
ローニャは少し困惑しながら武器立ての前に立ち、悩んだ。ローニャは石の剣以外の剣を使った事が無かった為、正直どれを使えば良いか分からなかった。悩んだ末ローニャは大剣をを手に取った。ローニャにとっては大きく軽いが、片手剣よりかは丁度良いかもと考えたからだ。
装備を置き闘技場に立つ。ローニャとカーバッツが向かい合い構える。ロザリアが審判として合図を出す。
「それでは私が審判を勤めます。ルールは相手に寸止めするか戦闘不能にした者が勝利と成ります。なお挑戦者が負けても認められれば合格とします。武器はギルドが支給する木剣のみ、魔法の使用は許可します、でもドーピング等のズルは認めません、以上です。試験官は【カーバッツ・マルクール】が努めます。それではこれよりギルドテストを開始します…それではテスト…始め!」
合図と同時にカーバッツがローニャに斬りかかる、ローニャはそれを受け流しカウンターで返す。カーバッツがローニャの反撃を躱し透かさずローニャに攻撃する、ローニャそれを剣で防御する。一秒の鍔迫り合いの後、ローニャはカーバッツの剣を思い切り弾き、よろけている隙に流れる様に一回転してカーバッツの側面に回り込み横斬りをする。カーバッツは瞬時にそれを回避し距離を取った。その時間訳十秒。
(強い…俺が戦って来た中で一番…ふ…少し楽しくなって来たな)
カーバッツが頭の中でそう感想を漏らす
(クソ!軽い!扱いづらい!)
ローニャが剣に対して不満を募らせる。ロザリアはその激しい戦いに驚いて居た。
「お前さん魔法は使ってるか?」
とカーバッツ唐突にローニャに話し掛ける。
「一応…幾つか…身体強化を…」
「そうか…なら悪いがこっちも使わせて貰おう」
そう言うとカーバッツは自身に《身体強化》を掛けた。掛け終わりと同時にカーバッツは一気に距離を詰め、そして、光属性魔法《フラッシュ》で目眩しをして、そして、とてつもなく速い大振りの縦斬りを繰り出した。ローニャは咄嗟に目を覆い光を防いだが、攻撃は避けれ無いと判断し防御の姿勢を取った。ローニャはカーバッツの攻撃を防ぎはしたものの、余りにも重い攻撃に片膝を付いた。鍔迫り合いの最中ローニャはこのままでは勝てないと判断し自身に《身体加速》《感覚加速》を掛け、更に《筋力強化》《怪力付与》《身体能力上昇》を強化した。ローニャはカーバッツの剣を押し返して弾き、高速で背後に回り込み攻撃を繰り出す。カーバッツは突然強く成ったローニャに驚きながら冷静に回避する。カーバッツは大きく後ろに跳び距離を取ったが、ローニャが一瞬で距離を詰め着地の瞬間に攻撃する、カーバッツは咄嗟に防御するが体制を崩し膝を突く、ローニャはそこを逃さず追い討ちを掛ける、大振りの縦の斬りがカーバッツ顔面に当たる寸前でロザリアが終了の合図を出した。
「そこまで!寸止めにより挑戦者の勝利!よってテスト合格!」
ギルドテストはローニャの勝利に終わり、ローニャは疲れて溜め息を吐いた。
試合時間訳二分、この戦いは、このギルドで最も短かった。こうして一人の少女によってギルドテスト最短記録が更新された。
テストが終わってもカーバッツは放心状態だった
(何だ今の…対応し切れなかった、は…はは…本気じゃなかったとは言え…まさか子供に負けるとはな…)
カーバッツは立ち上がりローニャに近寄る。
「合格だ、これでテストは全部だ。これで嬢ちゃんも冒険者の仲間入りだ。おめでとう。」
肩を叩こうとする手をサッと避ける。
「あ…済まない、癖だ…ライセンスの発行はロザリアに任せてる、受付に行け。じゃあ俺はこれで失礼するぞ!じゃあな。」
冒険者ギルド 受付
テストが終わり現在はローニャとは受付でライセンスの発行を待って居る。
「はい!これにサインして…あ…字…書け無いんだっけ…」
ローニャはペンを受け取りサインをする。書き終えるとローニャは我ながら思う、字が汚い。森で文字を書く事はほぼ無い。それが三年も続けばそうなるのは必然と言えるだろう。
「えっと~ロ…ロー…ニャちゃん…ね、はい。これでライセンスが出来ました。これで貴女も晴れて冒険者です!」
明るい笑顔で元気よく言う。ローニャは見事ライセンスを手に入れた。
ライセンスを受け取るとローニャある事が気になった。
「そういえば…素材は?」
「ああ、それは今精査してるからもうちょっと待ってね。今のうちに冒険者の仕事を教えて置くね。先ず其処に有るクエストボードに、色々な依頼書が貼って有るから、それを受付に持って来て。それが適正のランクだった場合、依頼を受理される。君の場合は【F】ランク迄の依頼ね。で依頼を達成したら依頼に必要な素材を此処に持って来て。ちゃんと合ってれば依頼達成、期限が過ぎたり、内容と違って居たりすると失敗になって、ペナルティーが課せられるから注意してね。あ…討伐依頼の場合は素材が証拠になるから、ちゃんと持って来てね。それとライセンスには一応期限があって、長い期間依頼を受けなかった場合、ランク降格か、最悪剥奪になるから定期的に依頼は受けるように。まー大体この辺かな。何か聞きたい事はある?」
「ランク?」
「ああそうか!言い忘れてた、冒険者には実力によってその人のランクが変わるの、下から順に【F】【E】【D】【C】【B】【A】【S】の順番位ランクが高くなって行く。君は本当は【D】【C】辺りにしたんだけどギルドの決まりとして、必ず新人は【F】からなの…ごめんね。とりあえずランクについてはこの位かな…ああ…後問題を起こしたり、犯罪をした場合も降格…或いはライセンスを剥奪になるの。前に永久剥奪された人も居るからね。以上!多分…他に聞きたい事有る?」
「いや…無い」
「そっかじゃあ…頑張ってね!あ!そうそう」
と突然ロザリアが小声になる
「(冒険者って気性の荒い人少なく無いから気を付けてね)それでは良い冒険者ライフを!」
そうしてローニャは冒険者と成って新しい生活を手に入れたのだった。
面と向かって座る。ローニャと男と受付嬢が応接室に集まった。そして男が口を開く。
「先ずは自己紹介だ。俺は【カーバッツ・マルクール】、このギルドのギルドマスターだ。でこっちが受付嬢の…」
「【ロザリア・マルクール】ギルドマスターの娘兼受付嬢です。」
と自己紹介をして御辞儀をした。そしてローニャにカーバッツが質問を始めた。
「娘…」
「俺の娘の事は良いとして、質問させてくれ…先ずは…お前さん名前は?」
とカーバッツに質問されるがローニャは沈黙で返した。
「まぁ良い…じゃあお前さん歳は?」
「十…一?」
首を傾げながら言う。
「何だ?分からんのか?まぁ良い…親御さんは?」
「居ない…」
「何故だ?」
がそれに対しては答はしない。
「死んだか…或いは…売られた、捨てられた…か」
カーバッツが小声で何かを言いながら考え事をする。しかし直ぐに質問に戻った。
「まぁ深くは詮索しない、忘れてくれ。それより本題に入ろう。あの動物は何処で狩った?」
「森の中…」
「何処の?」
「此処から…西?の森…」
ローニャがそう答えると男が少し眉間に皺を寄せた。
「どれ位でこの街に付いた?」
「三日?いや…二日くらい…」
そう答えると男が何かを確信した様に言う。
「やっぱりそうか…お前さん【暗い森】から来たのか?」
「くらい…森?」
「知らないのか…じゃあ…森の中で馬車を助けた事は有るか?」
「ある…」
その答えに男は更に確信を深めた。
「やはりそうか…お前さんが…」
ローニャがカーバッツの言葉に?を浮かべる。
「いや…こっちの話だ気にするな…それより嬢ちゃん…で良いよな、一つ提案なんだが、冒険者に成らないか?」
「冒険者…何で?」
「信じ難い事では有るが、もし嬢ちゃんの言ってる事が本当にだとしたら、嬢ちゃんはかなりの手練だ、そんな人間を逃すのはギルド側としてはかなり惜しい。だかららまぁ一応の勧誘だ。勿論任意だ、断ってくれて構わない。」
ローニャは少し悩んだ。が正直な話、断る理由は無かった。この街に暫く住むつもりではあるし、何よりお金がいる。その為カーバッツの提案を受ける事にした。
「うん…やる」
「よし、じゃあテストだな。ロザリア。」
「了解です。」
とカーバッツがロザリア声を掛ける。するとロザリアが部屋を出て行った。しかし直ぐに戻って来た。ロザリアは机の上に見覚えの有る水晶玉を置く。するとカーバッツがローニャに指示する。
「その【鑑定機】に触れてくれ、先ず属性を【鑑定】する。」
と
と言われたがローニャは少し渋っている。それもそのはず、ローニャに取ってはトラウマのある物だったからだ。ローニャは手を震わせながら、ゆっくりと水晶に触れる。しかしやはり光はしたが【無色】だった。だがカーバッツが至極驚いて居た。
「ほう…こりゃかなりの珍しいな。」
あの日も兵士が言って居た言葉をカーバッツも言う。何が珍しいのかと聞こうとする前にカーバッツが口を開いた。
「ああ、済まんな、あまり見ない【適正】だったからな。」
「【適正】?私は適正無いんじゃ…」
「ん?いや…あるぞ…確かに色が無いから適正が無いように思えるが、適性が無い場合は光らないんだ。だから嬢ちゃんは多分【無属性適性】だ。」
ローニャがカーバッツの言葉に驚愕する。今まで自分は適性が無いと思って居たのに実は有ったと言う。事にそして同時にローニャは呆れと怒りを覚えた。自分は恐らく勘違いをされて捨てられたと言う事のなるからだ。
「適性無しも見た事無いが、【無属性】は多分この世に嬢ちゃん一人なんじゃないか?」
カーバッツが何が言っている気がするがブツブツと文句を言い考え事ををして居た為、ローニャは余り聞こえて居なかった。
「…ちゃん…じょ…ちゃん…嬢ちゃん!」
カーバッツに呼ばれはっと我に返る
「大丈夫か?まぁとにかく、【適性属性】はこれで分かった、次は筆記だが…嬢ちゃん、字書けるか?」
「無理…」
ローニャは食い気味に即答した。
「…そうか…じゃあ筆記はパスして…次は実技だな。付いて来てくれ。」
そう言ってカーバッツは立ち上がり部屋を出る。ローニャはカーバッツに付いて行き、ギルドの更に奥に入って行った。そうしてローニャ達はギルドにあるテスト用の闘技場にやって来た。闘技場はそれなりに広く木剣などの幾つかの小道具などが置かれて居た。カーバッツは木剣を手に取り闘技場の真ん中に立った
「よし!じゃあテストするから好きな剣を取って全力で掛かってこい!」
ローニャは少し困惑しながら武器立ての前に立ち、悩んだ。ローニャは石の剣以外の剣を使った事が無かった為、正直どれを使えば良いか分からなかった。悩んだ末ローニャは大剣をを手に取った。ローニャにとっては大きく軽いが、片手剣よりかは丁度良いかもと考えたからだ。
装備を置き闘技場に立つ。ローニャとカーバッツが向かい合い構える。ロザリアが審判として合図を出す。
「それでは私が審判を勤めます。ルールは相手に寸止めするか戦闘不能にした者が勝利と成ります。なお挑戦者が負けても認められれば合格とします。武器はギルドが支給する木剣のみ、魔法の使用は許可します、でもドーピング等のズルは認めません、以上です。試験官は【カーバッツ・マルクール】が努めます。それではこれよりギルドテストを開始します…それではテスト…始め!」
合図と同時にカーバッツがローニャに斬りかかる、ローニャはそれを受け流しカウンターで返す。カーバッツがローニャの反撃を躱し透かさずローニャに攻撃する、ローニャそれを剣で防御する。一秒の鍔迫り合いの後、ローニャはカーバッツの剣を思い切り弾き、よろけている隙に流れる様に一回転してカーバッツの側面に回り込み横斬りをする。カーバッツは瞬時にそれを回避し距離を取った。その時間訳十秒。
(強い…俺が戦って来た中で一番…ふ…少し楽しくなって来たな)
カーバッツが頭の中でそう感想を漏らす
(クソ!軽い!扱いづらい!)
ローニャが剣に対して不満を募らせる。ロザリアはその激しい戦いに驚いて居た。
「お前さん魔法は使ってるか?」
とカーバッツ唐突にローニャに話し掛ける。
「一応…幾つか…身体強化を…」
「そうか…なら悪いがこっちも使わせて貰おう」
そう言うとカーバッツは自身に《身体強化》を掛けた。掛け終わりと同時にカーバッツは一気に距離を詰め、そして、光属性魔法《フラッシュ》で目眩しをして、そして、とてつもなく速い大振りの縦斬りを繰り出した。ローニャは咄嗟に目を覆い光を防いだが、攻撃は避けれ無いと判断し防御の姿勢を取った。ローニャはカーバッツの攻撃を防ぎはしたものの、余りにも重い攻撃に片膝を付いた。鍔迫り合いの最中ローニャはこのままでは勝てないと判断し自身に《身体加速》《感覚加速》を掛け、更に《筋力強化》《怪力付与》《身体能力上昇》を強化した。ローニャはカーバッツの剣を押し返して弾き、高速で背後に回り込み攻撃を繰り出す。カーバッツは突然強く成ったローニャに驚きながら冷静に回避する。カーバッツは大きく後ろに跳び距離を取ったが、ローニャが一瞬で距離を詰め着地の瞬間に攻撃する、カーバッツは咄嗟に防御するが体制を崩し膝を突く、ローニャはそこを逃さず追い討ちを掛ける、大振りの縦の斬りがカーバッツ顔面に当たる寸前でロザリアが終了の合図を出した。
「そこまで!寸止めにより挑戦者の勝利!よってテスト合格!」
ギルドテストはローニャの勝利に終わり、ローニャは疲れて溜め息を吐いた。
試合時間訳二分、この戦いは、このギルドで最も短かった。こうして一人の少女によってギルドテスト最短記録が更新された。
テストが終わってもカーバッツは放心状態だった
(何だ今の…対応し切れなかった、は…はは…本気じゃなかったとは言え…まさか子供に負けるとはな…)
カーバッツは立ち上がりローニャに近寄る。
「合格だ、これでテストは全部だ。これで嬢ちゃんも冒険者の仲間入りだ。おめでとう。」
肩を叩こうとする手をサッと避ける。
「あ…済まない、癖だ…ライセンスの発行はロザリアに任せてる、受付に行け。じゃあ俺はこれで失礼するぞ!じゃあな。」
冒険者ギルド 受付
テストが終わり現在はローニャとは受付でライセンスの発行を待って居る。
「はい!これにサインして…あ…字…書け無いんだっけ…」
ローニャはペンを受け取りサインをする。書き終えるとローニャは我ながら思う、字が汚い。森で文字を書く事はほぼ無い。それが三年も続けばそうなるのは必然と言えるだろう。
「えっと~ロ…ロー…ニャちゃん…ね、はい。これでライセンスが出来ました。これで貴女も晴れて冒険者です!」
明るい笑顔で元気よく言う。ローニャは見事ライセンスを手に入れた。
ライセンスを受け取るとローニャある事が気になった。
「そういえば…素材は?」
「ああ、それは今精査してるからもうちょっと待ってね。今のうちに冒険者の仕事を教えて置くね。先ず其処に有るクエストボードに、色々な依頼書が貼って有るから、それを受付に持って来て。それが適正のランクだった場合、依頼を受理される。君の場合は【F】ランク迄の依頼ね。で依頼を達成したら依頼に必要な素材を此処に持って来て。ちゃんと合ってれば依頼達成、期限が過ぎたり、内容と違って居たりすると失敗になって、ペナルティーが課せられるから注意してね。あ…討伐依頼の場合は素材が証拠になるから、ちゃんと持って来てね。それとライセンスには一応期限があって、長い期間依頼を受けなかった場合、ランク降格か、最悪剥奪になるから定期的に依頼は受けるように。まー大体この辺かな。何か聞きたい事はある?」
「ランク?」
「ああそうか!言い忘れてた、冒険者には実力によってその人のランクが変わるの、下から順に【F】【E】【D】【C】【B】【A】【S】の順番位ランクが高くなって行く。君は本当は【D】【C】辺りにしたんだけどギルドの決まりとして、必ず新人は【F】からなの…ごめんね。とりあえずランクについてはこの位かな…ああ…後問題を起こしたり、犯罪をした場合も降格…或いはライセンスを剥奪になるの。前に永久剥奪された人も居るからね。以上!多分…他に聞きたい事有る?」
「いや…無い」
「そっかじゃあ…頑張ってね!あ!そうそう」
と突然ロザリアが小声になる
「(冒険者って気性の荒い人少なく無いから気を付けてね)それでは良い冒険者ライフを!」
そうしてローニャは冒険者と成って新しい生活を手に入れたのだった。
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