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一章 森の少女と獣
森の生活
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ローニャは手帳を読み終え、家の中を探索し始めた。
ローニャがまず最初に見つけたのは食糧だった。
「やった!これ食べ物だよね!」
と喜んだが、死体がある所で食事など出来ず、何より死体は白骨化していた為、かなり放置されて居たと考えられる。その為、食料が食べられる状態かも怪しかった。なのでローニャは空腹ではあるものの先に土を掘り起こせる道具類を探した。
そんなこんなで家の中を散策して行き、その中で見つけた物は、生活できる程の家具類、数々の本が棚に列べられた小さな書斎、森で暮らす為の道具類が置いて有る物置部屋、そして食べれるかどうか分からない食糧が少量ある食糧箱、小さな寝室やキッチンなんかもあった。
「この家、外から見たときよりひろいような。」
と不思議に思ったが、考えても仕様が無いので今は置いておく事にした。
そうして家の散策が終わり、ローニャが最初に行ったのは、死体の埋葬だった。
自分より大きなシャベルを物置から持ち出し、小さく、何より、空腹と疲労で弱った体で一生懸命家の側の少し開けた場所に穴を掘る。
「私がこの家をもらったんだ、がんばらないと。」
そうして人が入れる程の穴を掘り、其処に先程の死体を持ってくる。
「うー、くさい…」
そう愚痴を溢しながら慎重に運び入れた。骨を穴に入れ、そして穴を埋め、もう一度お礼を述べた。
「ほんとうにありがとう。この森を出るかはわかんないけど、ぜったい生きてみせるから。」
そう言ってローニャは墓を後にした。それからローニャは先程の食料を調べた。
「これ、だいじょうぶかなぁ?」
そう考えるや否や『ぐうぅぅー』とお腹から音が鳴る、かなり空腹だったが、箱の中の食料は諦めて仕方なく近くにあった低木の実を食べる事にした。匂いを嗅ぎ、意を決して木の実を食べる
どうやらローニャが食べたのは、安全な木の実のようだった。
「おいしくない…」
そう言い、久しぶりの食糧に涙を溢しながら、掻き集めた実をゆっくりと食べた。
食事を終え、奇跡的に先程とは違う水路が近くにあったので、そこで喉を潤した後、何をしようか考えていた。ふと書斎が在る事を思い出す。眠りたいが、まだやる事があるような気がして眠れない為、まず本を漁る事にする。
「よくわかんない。」
難しい本が並ぶ。そんな中、幾つか気になる本があったので手に取った。その内の二冊は手帳の様な本で、表紙も手書きだった。
『サバイバルのすゝめ』『エイプでも分かる魔法本』二冊目は何故かムカっとしたが、取り敢えずボロボロの椅子に座って読む事にした。
数時間後 サバイバル本は今後生きて行く為に必要な技術が幾つも載っていたので、とても為になった。
魔法本は【無色】のローニャには殆ど読んでも意味は無かったが数ページはローニャにとっては重要な物だった。それは、【無属性魔法】だった。
【無属性魔法】とは、他の【属性魔法】とは違い、適性が無くとも簡単に使える。
【無属性魔法】に攻撃系の魔法は無く、肉体を強化する【身体強化】だけであり。通常、【属性魔法】を扱える者は、自身の属性を中心に鍛える為【無属性魔法】は、おまけ程度、有れば便利程度の物、しかし、森で暮らす上で【身体強化】は必須の魔法だった。
「よし!あしたは魔法のれんしゅうしよう」
そう決意してローニャは椅子に座ったまま眠ってしまった。
翌日
「んんー、なんかひさしぶりにねた気がする」
昨日よりも回復したローニャは軽く伸びをし、魔法の特訓を始めた。
「えっと、まずは」
本を読みながらその通りに進める。
「魔法をつかう前にじしんの魔力りょうをはかるってかいてるけど」
無理である。本には専用の道具が載っている為、自身で測る事は出来なかった。
「むりだし、とばそ」
まず《身体能力上昇》を覚える事にした。
あれから数時間、最初は中々コツが掴めなかったものの、何とかイメージする事が出来た。
「『あとは慣れ』か…」
そして同時にある事に気づく、
「私って魔力多い?」
何故そう思ったのかと言うと、本には『なお、【無属性魔法】は【属性魔法】よりも魔力の消費が多い為十歳以下の子供は三回までが限界と思われる。』と書いてある。
あれから数時間ずっと特訓して居た。ローニャはもう十回以上は魔法を発動しているが、多少の疲れはあるものの、倒れる程では無い。自分は本当は凄いのでは?と思いつつも、少し怖くなったので、その日の練習はそこで終了した。
練習は終わったが、まだ昼時、やる事は無いかと考える。すると「ぐうぅー」と小さくお腹が鳴る。
その日は朝は何も食べて居なかった為、唐突に空腹が襲う。
「おなかすいた…」
そう言いながら周りを見渡す、が、前に食べた様な実は多くは無く、見た事の無い実ばかり。かと言って同じ実ばかり食べる訳にも行かない。
「食べ物をあつめないと」
そうは言ったものの、狩りなどした事が無い。仕方なく。同じ実を少しだけ食べた。食べている最中高い木を見上げる。そこに所々生えている実を見つけふと思った。
「魔法をつかえばいけるかな」
先ほど練習した《身体能力上昇》の魔法を使えば木を簡単に登れるだろうか、そう思い、練習通りに魔法を発動する。
「なんか体がかるい」
そう感じた。そして木によじ登る。すると
「すごい」
想像以上に簡単に上へと登る事が出来た。魔法に感動しながら、目的の木の実を取って行く。
そして次々と同じ方法で色々な木の実を手に入れた。
「思ってたよりいっぱいとれた」
と喜びながら少しずつ家に持ち帰った。
食糧となる木の実は取れたものの、問題が有った、それは、その木の実が食べて良い物かどうかだ。
というのも此処は森の中、毒の木の実も当然有るだろう、その為、ローニャはまず、どの木の実が食べられるのか、そうで無いのかを本で調べる事にした。
本を漁る。しかし木の実について載ってそうな本中々見当たらなかった。長いこと探していると、一冊だけ植物に関する本があった。ローニャはその本を手に取り読む事にした。
難しい言葉が多く、分からない所も有ったが。幾つかは調べが付いた。そしてある程度読み進めて、木の実の項目を読み終わり、先程取った木の実の仕分けを始めた。
仕分けが終わった。それなりに木の実は残り、後の残りはサバイバル本の通り、罠や撒き餌に使うことにした。
そうこうして、食糧問題は一時的に解決した。
「よし、つぎは狩りだ。」
ローニャは次の目標を決めた
ローニャがまず最初に見つけたのは食糧だった。
「やった!これ食べ物だよね!」
と喜んだが、死体がある所で食事など出来ず、何より死体は白骨化していた為、かなり放置されて居たと考えられる。その為、食料が食べられる状態かも怪しかった。なのでローニャは空腹ではあるものの先に土を掘り起こせる道具類を探した。
そんなこんなで家の中を散策して行き、その中で見つけた物は、生活できる程の家具類、数々の本が棚に列べられた小さな書斎、森で暮らす為の道具類が置いて有る物置部屋、そして食べれるかどうか分からない食糧が少量ある食糧箱、小さな寝室やキッチンなんかもあった。
「この家、外から見たときよりひろいような。」
と不思議に思ったが、考えても仕様が無いので今は置いておく事にした。
そうして家の散策が終わり、ローニャが最初に行ったのは、死体の埋葬だった。
自分より大きなシャベルを物置から持ち出し、小さく、何より、空腹と疲労で弱った体で一生懸命家の側の少し開けた場所に穴を掘る。
「私がこの家をもらったんだ、がんばらないと。」
そうして人が入れる程の穴を掘り、其処に先程の死体を持ってくる。
「うー、くさい…」
そう愚痴を溢しながら慎重に運び入れた。骨を穴に入れ、そして穴を埋め、もう一度お礼を述べた。
「ほんとうにありがとう。この森を出るかはわかんないけど、ぜったい生きてみせるから。」
そう言ってローニャは墓を後にした。それからローニャは先程の食料を調べた。
「これ、だいじょうぶかなぁ?」
そう考えるや否や『ぐうぅぅー』とお腹から音が鳴る、かなり空腹だったが、箱の中の食料は諦めて仕方なく近くにあった低木の実を食べる事にした。匂いを嗅ぎ、意を決して木の実を食べる
どうやらローニャが食べたのは、安全な木の実のようだった。
「おいしくない…」
そう言い、久しぶりの食糧に涙を溢しながら、掻き集めた実をゆっくりと食べた。
食事を終え、奇跡的に先程とは違う水路が近くにあったので、そこで喉を潤した後、何をしようか考えていた。ふと書斎が在る事を思い出す。眠りたいが、まだやる事があるような気がして眠れない為、まず本を漁る事にする。
「よくわかんない。」
難しい本が並ぶ。そんな中、幾つか気になる本があったので手に取った。その内の二冊は手帳の様な本で、表紙も手書きだった。
『サバイバルのすゝめ』『エイプでも分かる魔法本』二冊目は何故かムカっとしたが、取り敢えずボロボロの椅子に座って読む事にした。
数時間後 サバイバル本は今後生きて行く為に必要な技術が幾つも載っていたので、とても為になった。
魔法本は【無色】のローニャには殆ど読んでも意味は無かったが数ページはローニャにとっては重要な物だった。それは、【無属性魔法】だった。
【無属性魔法】とは、他の【属性魔法】とは違い、適性が無くとも簡単に使える。
【無属性魔法】に攻撃系の魔法は無く、肉体を強化する【身体強化】だけであり。通常、【属性魔法】を扱える者は、自身の属性を中心に鍛える為【無属性魔法】は、おまけ程度、有れば便利程度の物、しかし、森で暮らす上で【身体強化】は必須の魔法だった。
「よし!あしたは魔法のれんしゅうしよう」
そう決意してローニャは椅子に座ったまま眠ってしまった。
翌日
「んんー、なんかひさしぶりにねた気がする」
昨日よりも回復したローニャは軽く伸びをし、魔法の特訓を始めた。
「えっと、まずは」
本を読みながらその通りに進める。
「魔法をつかう前にじしんの魔力りょうをはかるってかいてるけど」
無理である。本には専用の道具が載っている為、自身で測る事は出来なかった。
「むりだし、とばそ」
まず《身体能力上昇》を覚える事にした。
あれから数時間、最初は中々コツが掴めなかったものの、何とかイメージする事が出来た。
「『あとは慣れ』か…」
そして同時にある事に気づく、
「私って魔力多い?」
何故そう思ったのかと言うと、本には『なお、【無属性魔法】は【属性魔法】よりも魔力の消費が多い為十歳以下の子供は三回までが限界と思われる。』と書いてある。
あれから数時間ずっと特訓して居た。ローニャはもう十回以上は魔法を発動しているが、多少の疲れはあるものの、倒れる程では無い。自分は本当は凄いのでは?と思いつつも、少し怖くなったので、その日の練習はそこで終了した。
練習は終わったが、まだ昼時、やる事は無いかと考える。すると「ぐうぅー」と小さくお腹が鳴る。
その日は朝は何も食べて居なかった為、唐突に空腹が襲う。
「おなかすいた…」
そう言いながら周りを見渡す、が、前に食べた様な実は多くは無く、見た事の無い実ばかり。かと言って同じ実ばかり食べる訳にも行かない。
「食べ物をあつめないと」
そうは言ったものの、狩りなどした事が無い。仕方なく。同じ実を少しだけ食べた。食べている最中高い木を見上げる。そこに所々生えている実を見つけふと思った。
「魔法をつかえばいけるかな」
先ほど練習した《身体能力上昇》の魔法を使えば木を簡単に登れるだろうか、そう思い、練習通りに魔法を発動する。
「なんか体がかるい」
そう感じた。そして木によじ登る。すると
「すごい」
想像以上に簡単に上へと登る事が出来た。魔法に感動しながら、目的の木の実を取って行く。
そして次々と同じ方法で色々な木の実を手に入れた。
「思ってたよりいっぱいとれた」
と喜びながら少しずつ家に持ち帰った。
食糧となる木の実は取れたものの、問題が有った、それは、その木の実が食べて良い物かどうかだ。
というのも此処は森の中、毒の木の実も当然有るだろう、その為、ローニャはまず、どの木の実が食べられるのか、そうで無いのかを本で調べる事にした。
本を漁る。しかし木の実について載ってそうな本中々見当たらなかった。長いこと探していると、一冊だけ植物に関する本があった。ローニャはその本を手に取り読む事にした。
難しい言葉が多く、分からない所も有ったが。幾つかは調べが付いた。そしてある程度読み進めて、木の実の項目を読み終わり、先程取った木の実の仕分けを始めた。
仕分けが終わった。それなりに木の実は残り、後の残りはサバイバル本の通り、罠や撒き餌に使うことにした。
そうこうして、食糧問題は一時的に解決した。
「よし、つぎは狩りだ。」
ローニャは次の目標を決めた
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