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――自由を見るために 天へ発つ――

かつてこの大空には
秘境と呼ばれる島があった。

それは大地に根付くことなく
雲の上に浮かび
100人にも満たない人数で構成されていた。

そこには最初で最後の支配者ヴィッキと
その弟レダがいたとされ
その地を “ベベル” と名付けたのも彼らだと言われている。

彼らがベベルに上陸してから
およそ50年あまり。

ヴィッキとレダはお互いの才能や力を認め合いながら
地上とは勝手の違う空飛ぶ島での生活を順調に送っていた。

だが惨いことに
ベベルの崩壊は2人の兄弟争いが原因で滅びることとなる。

その始まりは400年以上も前に終わりを迎え
こうして争いに負けた私たちの祖先

――つまり、弟レダの敗北――

は“罪人” というレッテルとともに
地中深くへ沈められた。

幸いにも
身に備えていた知識や技術があったおかげで
土の中に大きな地下空間をつくることが出来た。

けれど
この身体に刻まれた遺伝子というのはどうしようもなく

陽に当たらない私たちの身体は
日が増すごとに
白く、細く、脆くなっていった。

それでも私たちは夢に見る。

外の世界や
太陽の眩しさがどれほどのものなのかを。

ここ Underground に逃げ込んで

私たちは
何かに怯えながら生きている。

ちゃんとした理由付けもないまま
ずっと陽の当たらない闇の世界を生きていくのは耐えられない。


だから――……。


地底の現王レグルスの娘である三姫
長女のヴィータ、次女のイヴ、三女のウィニーは

誰よりも貪欲で
誰よりも行動力のある有能な姉妹。

彼女らは
いち王族の娘として
想定されうるこの国の未来を懸念する。

「変えよう。私たちの未来を」

イヴが高々と拳を掲げる。

ヴィータもウィニーもやる気に満ちた瞳をしていた。


その行く末は――。



続きは本編にてお楽しみください♡
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