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古代日本文学ゼミナール  -第4話-

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 仙人のドングリ

を食った俺は、時間を遡って、宇良島神社

に着いた時点に戻った。

 筒川嶼子(つつかわのしまこ)が、海中の嶋の高殿から帰る際に、龜比賣(かめひめ)からもらったとされる玉手箱

を、住職

が見せてくれた。
 住職は、『玉手箱に触るのは、駄目ですが、写真や動画は、自由に撮って下さい』と言った。
 俺は、玉手箱を、離れて見ることにした。
 玉手箱から白い煙が立ち上がることはなく、本堂から客殿への移動もなかった。
 「ドレイク方程式」の話もなかった。
 ほどなく、今回のゼミ旅行が終わり、龍宮町の龍宮大学に戻った。
 古代日本文学ゼミナールの亀島教授には、無難なゼミ旅行レポートを出しておいた。

 『明日、黄金色の「夢の女神像」

が設置されている女神公園で、コスプレ撮影会

が催されるので、一緒に、行きませんか?』と、岬(みさき)さんから、お誘いがあった。
 『私は、コスプレーヤーとして参加するので、あなたは、カメラを持って来て、カメラマンとして参加して下さい。』と言った。

 つぎの日、女神公園へ行くと、以前、セミをとまらせた
 立ち木の下に岬(みさき)さん

が来ていた。
 なんと、岬(みさき)さんは、乙姫のコスプレ姿

であった。

 この女神公園で、遊具、ベンチ、階段、立ち木を利用して、俺は、岬(みさき)さんとコスプレ撮影を行った。
 午後からは、去年の末にリニューアルした中央公園を散策しようということで、向かったが、
 中央公園の散策途中に、急な雷雨に見舞われ、2人とも、ずぶ濡れになってしまった。
 そこで、めしが食え、カラオケやゲームができ、映画が見れ、お風呂も有る、便利な施設(注1)に、駆け込んだ。
            
 雨で濡れた、乙姫のコスプレ衣装が乾くまで、カラオケとゲームで、盛り上がった。
 便利な施設から出る際に、岬(みさき)さんは、『実は、今日は、ovulation phase (注2)にあたるので、あなたとのスターチャイルド

が出来るかもしれません。』と言った。
 『あなたは、ウラシマ適合試験に、裏口で合格できたと思います。学費は免除にならないと思いますが、マイクロカプセルの埋め込みは、無いと思います。』と言った。


注1: ラブホのこと
注2: 排卵期
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