古代日本文学ゼミナール  

 与謝郡伊根町の宇良島神社に着くと、筒川嶼子(つつかわのしまこ)が、海中の嶋の高殿から帰る際に、
龜比賣(かめひめ)からもらったとされる玉手箱を、住職が見せてくれた。
 住職は、『玉手箱に触るのは、駄目ですが、写真や動画は、自由に撮って下さい』
と言った。
 俺は、1眼レフカメラのレンズをマクロレンズに取り替え、フラッシュを作動させて、玉手箱の外側および内部を、至近距離で撮影した。 
 すると、突然、玉手箱の内部から白い煙が立ち上り、俺の顔に掛かった。
 白い煙を吸って、俺は、気を失った。
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