2個目のドングリ
を食べた猿は、時をさかのぼって、再び、ゴボウ掘りの時点に戻った。
農夫が、畑でゴボウ掘りをやっていたが、全く掘れないので、嘆いていた。
猿は、何か褒美をくれたら、代りにゴボウを掘ってやろうと、農夫に提案した。
農夫は、ゴボウを代りに掘ってくれたら、おれの三人の娘の誰かを嫁にやろうと言った。そうすると、猿は、「ほんとうにくれるかね。3日たったら来るよ」と言った。
また、猿は、「丈夫で長くて軽いロープを用意しておくように」と言った。
また、猿は、「ロープを持っていくので、臼等は、持っていけない」と、釘を差した。
猿は、ゴボウを残らず掘り出し、「3日後に、娘をもらいに来るよ」と言って、山へ帰っていった。
3日が経過して、猿が娘
をもらいにやって来た。
そして、猿は、ロープを持ち、娘を連れて、桜が咲いている山道を登って行った。
一番上に咲いている桜の枝を取りにいくときは、
ロープを置いて取りにいった。
今回も、滝壺付近で、娘が足を滑らせて川に落ちてしまった。
猿は、ロープの一端を素早く木に固定し、ロープの他端を持って、谷川へ飛び込み、流されている娘にたどりつき、何とか、岸へ引き上げた。
娘は、息を吹き返し、泣きながら猿に感謝し、「身も心もあなたのものです」と言い、猿の嫁になった。
しかし、猿と人間とでは、夫婦生活に支障が生じたので、猿
と娘
は、仙人
に相談しに行った。
そして、仙人は、娘がメス猿になるか、猿のお前が人間になるかを選べと、提案した。
猿は、娘と相談し、猿が人間になる方を選んだ。