王子様の裏の顔

先生

あの後誠くんから呼び出されて何故か一緒に中庭でご飯を食べる事に。
頼まれたもの渡したら帰るはずだったのに。
だけど意外にもなにもなく、一緒にご飯を食べて他愛ない話をするだけだった。

ご飯を食べ終えて屋上に向かう。
もちろん私1人。
少ししか会えないけど、先生と2人きりになれる大切な時間。
屋上の扉を開けると、早めにきたのか先生が既に待っていてくれた。
「ねぇ。聞きたいことが鈴ちゃんにあるんだけどいいかな？」
先生がこんな切り出し方をするとは珍しい。
どうしたのかと思い聞き返す。
「どうしたの？なんでもいって？」
「いや、学校の王子様って言われている誠くんと鈴ちゃんが付き合ってるって噂を聞いたから。」
言いにくそうにしながら話す先生。
やっぱり誤解させてしまった。
「全然違うよ！私が付き合ってるのは先生だよ。誠くんは最近ちょっと話す機会が多かっただけで。」
「そっか。安心したよ。でも、高校生だしちゃんと青春楽しみたいだろうし、高校生らしい恋愛したくなったらいつでも言うんだよ？」
なんでそんなこと言うの？
そんな悲しいこと言わないでよ。
「私には先生だけだよ。」
「そっか。ごめん。」
なんで謝るんだろう。
先生はなにも悪くないのに。
その日はモヤモヤしておわってしまった。