86 / 184
第二部 ダンジョン攻略編
第86話 すごいニャ! 楽だニャ!
しおりを挟む
クレイ 「そう、あれだ、三原則!」
ルル 「なんニャ?」
リリ 「三原則?」
クレイ 「ひとつ、 奴隷は主とその家族や仲間に危害を加えてはならない。 また、その危険を看過することによって、主とその家族や仲間に危害を及ぼしてはならない。
ふたつ、奴隷は主にあたえられた命令に服従しなければならない。
みっつ目、奴隷は前に掲げたふたつの命令に反しない範囲で、自身の身を守らなければならない」
これはクレイが前世で好きだったSF作家が提唱していたロボット三原則を改変したものである。
クレイ 「んー、でも、まぁ、結局は、『奴隷は主の不利益となる行動をしてはならない』でいいような気もするな…。
主やその家族に危害が及ぶのは主の不利益だし。奴隷が命令に服従するのは魔法の力で強制的だしな。それに、奴隷はそれ自身が主人の財産なのだから、それが損なわれるのも主の不利益となるのだから、身を守るのは当然だし」
ただ、何故クレイがこれをわざわざ持ち出して追加したかと言うと、奴隷たちには普段は自由に仕事をさせ、自立させるつもりであったからである。
例えば猫娘二人は冒険者をする事になると思うが、奴隷が冒険者となると、舐めて理不尽な事を言ったりやったりしてくる者がいるかもしれないと想像したのだ。その時にはもちろん、反撃して撃退して構わないのだが、適切に処理して欲しいわけである。
奴隷のしでかした事は主の責任になる。主の不利益となるような行動をされても困るが、それを意識し過ぎて反撃できずに奴隷自身が傷ついても、それは主の不利益となるわけである。そうならないように、最適な対処が求められるわけだ。
難しい事だが、ロボットではない、自分で考えられる人間なので、うまく適切に立ち回ってもらいたい。
ルル 「ロボットってなんニャ?」
クレイ 「ああ、ゴーレムみたいなもんだ。ゴーレムも自立して判断・行動をするが、大部分のゴーレムはそれほど頭が良くないだろう? そのため、あまり複雑な行動はできない。だが、お前達はゴーレムよりは頭が良いはずのヒト種なんだから、自分で考えて最適な行動をとれ、と言う事だ。その時の指針として、『主の不利益にならないように』あるいは『主の利益となるように』考えてみたら分かりやすいんじゃないか? ということだな」
それから、銃の取り扱いについて教える事にしたクレイ。命中率を上げる事、暴発を防ぐ事、そしてフレンドリーファイアを防ぐ事など、意外と注意事項は多いだろう。
ただ、クレイ自身も専門知識があるわけではないので、銃の扱いに関しては手探りである。自身と二人の様子を見ながら随時工夫していくつもりであったが、銃を渡したところ…
ルル 「なんニャこれ?」
ルルが受け取った銃を逆さまにして、いきなり銃口を覗き込んだのでクレイは慌てた。
クレイ 「どうやらかなり初歩的なところから教えなければならないようだな……銃なんて存在していない世界なのだから仕方がないか。
いいか、銃口からは弾丸が出る、当たったら死ぬからな、絶対に覗き込むな、人に向けるな」
使用する時以外はトリガーから指を外しておく、安全装置は撃つ時以外は常に掛けておく癖をつける、など、一応念のため、使う前に素人なりに考えうる基本的な扱いについて指導したクレイ。
クレイは渡した武器に使用制限は掛けず、自由に使わせるつもりだったのだが、やはり慣れるまではクレイの許可なしに撃てないように制限を掛けておく事にした。
まぁとにかく、実戦で使ってみる事にしたクレイ。ペイトティクバの1階層はゴブリンしか出ない階層である。そこで、なるべく他の冒険者が居ない場所を探し、リリとルルにライフルでゴブリンを倒させてみた。
リリ 「これ、すごいニャ」
ルル 「楽だニャ!」
ライフルは接近するまでもなく一撃でゴブリンを倒していく。
クレイ 「なるべく離れた距離で当てられるように練習してみろ」
言われなくとも、ゴブリンの血は臭いのでなるべく離れた距離で倒したい姉妹であった。
ライフルは以前使っていたものと基本的には同じ構造である。亜空間内に砲身を隠し持っており、その中に物体を移動させる魔法陣が大量に刻まれており、中を通る弾丸を加速させて射出する。だが、以前と大幅に変わった点がある。以前の魔法陣ではパワー不足で数グラム程度の重さのモノしか動かせなかったのだ。周囲を取り囲み、さらに重ねる事で卵くらいの重量までは射出できるようにしていたのだが、その一つ一つの魔法陣のパワーが大幅に強化されているのである。それにより、以前よりはるかに短い距離(少ない魔法陣)で弾丸に同じ速度が与えられるようになった。つまり、引き金を引いてから弾丸が射出されるまでのタイムラグは極小、その分、命中精度と連射性能も上がる。
ルル 「三体まとめて倒したニャ!」
弾丸はゴブリンを貫通し、さらに背後にいるゴブリンも貫いていく。うまく当てればまとめて数体倒せる。
クレイ 「背後に何があるかちゃんと確認してから撃てよ。背後に人間が居たり、傷つけてはいけない貴重がモノがあったりする事もあるからな」
ルル 「大丈夫にゃ! 誰も居ないにゃ!」
リリ 「私は四体まとめて倒したニャ」
ルル 「ニャヌ? じゃぁ私はもっとニャ!」
まとめて射撃するのは背後に何があるかを意識するには良い練習かもしれないとクレイも思ったのだが、今度はまとめてたくさん撃ち抜こうと意識し過ぎ、なかなか撃てなくなり、結果的にゴブリンの接近を許してしまった。一応念のため持っていた援護射撃用ライフルを構えるクレイ。慌てて至近距離で一体ずつゴブリンを撃つ姉妹。結局、なんとかクレイの援護はなくとも対処できたのであった。
クレイ 「油断するなよ、欲をかくな。冷静な判断力が必要だ」
そのうち、あらかたゴブリンを倒してしまったので、クレイ達は獲物を求めてさらに下層へと降りていった。
次の階層はコボルトが中心である。
ルル 「なんニャ?」
リリ 「三原則?」
クレイ 「ひとつ、 奴隷は主とその家族や仲間に危害を加えてはならない。 また、その危険を看過することによって、主とその家族や仲間に危害を及ぼしてはならない。
ふたつ、奴隷は主にあたえられた命令に服従しなければならない。
みっつ目、奴隷は前に掲げたふたつの命令に反しない範囲で、自身の身を守らなければならない」
これはクレイが前世で好きだったSF作家が提唱していたロボット三原則を改変したものである。
クレイ 「んー、でも、まぁ、結局は、『奴隷は主の不利益となる行動をしてはならない』でいいような気もするな…。
主やその家族に危害が及ぶのは主の不利益だし。奴隷が命令に服従するのは魔法の力で強制的だしな。それに、奴隷はそれ自身が主人の財産なのだから、それが損なわれるのも主の不利益となるのだから、身を守るのは当然だし」
ただ、何故クレイがこれをわざわざ持ち出して追加したかと言うと、奴隷たちには普段は自由に仕事をさせ、自立させるつもりであったからである。
例えば猫娘二人は冒険者をする事になると思うが、奴隷が冒険者となると、舐めて理不尽な事を言ったりやったりしてくる者がいるかもしれないと想像したのだ。その時にはもちろん、反撃して撃退して構わないのだが、適切に処理して欲しいわけである。
奴隷のしでかした事は主の責任になる。主の不利益となるような行動をされても困るが、それを意識し過ぎて反撃できずに奴隷自身が傷ついても、それは主の不利益となるわけである。そうならないように、最適な対処が求められるわけだ。
難しい事だが、ロボットではない、自分で考えられる人間なので、うまく適切に立ち回ってもらいたい。
ルル 「ロボットってなんニャ?」
クレイ 「ああ、ゴーレムみたいなもんだ。ゴーレムも自立して判断・行動をするが、大部分のゴーレムはそれほど頭が良くないだろう? そのため、あまり複雑な行動はできない。だが、お前達はゴーレムよりは頭が良いはずのヒト種なんだから、自分で考えて最適な行動をとれ、と言う事だ。その時の指針として、『主の不利益にならないように』あるいは『主の利益となるように』考えてみたら分かりやすいんじゃないか? ということだな」
それから、銃の取り扱いについて教える事にしたクレイ。命中率を上げる事、暴発を防ぐ事、そしてフレンドリーファイアを防ぐ事など、意外と注意事項は多いだろう。
ただ、クレイ自身も専門知識があるわけではないので、銃の扱いに関しては手探りである。自身と二人の様子を見ながら随時工夫していくつもりであったが、銃を渡したところ…
ルル 「なんニャこれ?」
ルルが受け取った銃を逆さまにして、いきなり銃口を覗き込んだのでクレイは慌てた。
クレイ 「どうやらかなり初歩的なところから教えなければならないようだな……銃なんて存在していない世界なのだから仕方がないか。
いいか、銃口からは弾丸が出る、当たったら死ぬからな、絶対に覗き込むな、人に向けるな」
使用する時以外はトリガーから指を外しておく、安全装置は撃つ時以外は常に掛けておく癖をつける、など、一応念のため、使う前に素人なりに考えうる基本的な扱いについて指導したクレイ。
クレイは渡した武器に使用制限は掛けず、自由に使わせるつもりだったのだが、やはり慣れるまではクレイの許可なしに撃てないように制限を掛けておく事にした。
まぁとにかく、実戦で使ってみる事にしたクレイ。ペイトティクバの1階層はゴブリンしか出ない階層である。そこで、なるべく他の冒険者が居ない場所を探し、リリとルルにライフルでゴブリンを倒させてみた。
リリ 「これ、すごいニャ」
ルル 「楽だニャ!」
ライフルは接近するまでもなく一撃でゴブリンを倒していく。
クレイ 「なるべく離れた距離で当てられるように練習してみろ」
言われなくとも、ゴブリンの血は臭いのでなるべく離れた距離で倒したい姉妹であった。
ライフルは以前使っていたものと基本的には同じ構造である。亜空間内に砲身を隠し持っており、その中に物体を移動させる魔法陣が大量に刻まれており、中を通る弾丸を加速させて射出する。だが、以前と大幅に変わった点がある。以前の魔法陣ではパワー不足で数グラム程度の重さのモノしか動かせなかったのだ。周囲を取り囲み、さらに重ねる事で卵くらいの重量までは射出できるようにしていたのだが、その一つ一つの魔法陣のパワーが大幅に強化されているのである。それにより、以前よりはるかに短い距離(少ない魔法陣)で弾丸に同じ速度が与えられるようになった。つまり、引き金を引いてから弾丸が射出されるまでのタイムラグは極小、その分、命中精度と連射性能も上がる。
ルル 「三体まとめて倒したニャ!」
弾丸はゴブリンを貫通し、さらに背後にいるゴブリンも貫いていく。うまく当てればまとめて数体倒せる。
クレイ 「背後に何があるかちゃんと確認してから撃てよ。背後に人間が居たり、傷つけてはいけない貴重がモノがあったりする事もあるからな」
ルル 「大丈夫にゃ! 誰も居ないにゃ!」
リリ 「私は四体まとめて倒したニャ」
ルル 「ニャヌ? じゃぁ私はもっとニャ!」
まとめて射撃するのは背後に何があるかを意識するには良い練習かもしれないとクレイも思ったのだが、今度はまとめてたくさん撃ち抜こうと意識し過ぎ、なかなか撃てなくなり、結果的にゴブリンの接近を許してしまった。一応念のため持っていた援護射撃用ライフルを構えるクレイ。慌てて至近距離で一体ずつゴブリンを撃つ姉妹。結局、なんとかクレイの援護はなくとも対処できたのであった。
クレイ 「油断するなよ、欲をかくな。冷静な判断力が必要だ」
そのうち、あらかたゴブリンを倒してしまったので、クレイ達は獲物を求めてさらに下層へと降りていった。
次の階層はコボルトが中心である。
12
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる