異世界転生したプログラマー、魔法は使えないけれど魔法陣プログラミングで無双する?(ベータ版)

田中寿郎

文字の大きさ
上 下
30 / 184
第一部 転生編

第30話 再会

しおりを挟む
ヴァレット子爵の屋敷に行くことにしたクレイ達。

ヴィオレの乗ってきた馬車は横転したときに壊れてしまったので、別の馬車をレンタルした。(ヴィオレ達は着の身着のままで飛び出してきてしまったのでレンタル代はクレイが立て替えた。)
 

馬車に乗るのはヴィオレとケイト、御者は二人と共に逃げてきたカイト。クレイとアレン達は歩いて領主の屋敷へと向かう。ヴィオレも歩くと言ったが、さすがに貴族の令嬢を歩かせるわけには行かないのであった。

トニー 「俺、領主様の屋敷なんて来たの初めてだ」

パティ 「私もよ」

トニー 「門前払いされないかな?」

クレイ 「大丈夫だよ」

屋敷の前まで来たところで、まずはクレイが門番に近づき声を掛けた。

門番 「何者だ、何かよう……は! クレイ坊ちゃん!」

アレン 「ぼっちゃん???」

クレイ 「もう二十歳になったんだ、坊っちゃんはやめてくれよ…」

だがそんなクレイの言葉を聞かずに門番は慌てて屋敷の中に駆け込んでしまう。そしてすぐに屋敷から執事セバスが飛び出してきた。

セバス 「クレイ坊っちゃん! お久しゅうございます! お元気そうで何よりでございます!」

クレイ 「セバスも元気そうで何より。それで…

…ヴァレット閣下はご在宅でしょうか?」

セバス 「そんな、他人行儀な呼び方を……」

クレイ 「俺はもう平民なんだ、線引きはキチンとしないと。

今日は客人を連れてきました、隣町のラーズ子爵家のご令嬢です。ちょっと訳アリで、子爵閣下にお目通りを願いたく、お伝え頂けますか?」

馬車から降りてきたヴィオレとケイトを見てセバスが驚く。

セバス 「おおこれは! ようこそおいで下さいました。すぐに主に伝えて参りますので、どうぞこちらでお待ち下さい」

――――――――――――――――

――――――――

――――

――



-






-



――

――――

――――――――

――――――――――――――――

応接室へ通され、領主であるヴァレット子爵が来るのを待つ一行。

アレン 「まさかクレイが領主様の息子だったとはな」

ノウズ 「俺は分かっていたぞ、どこか上品な気品が在ると思ってたんだよ」

トニー 「よく言うぜ」

パティ 「クレイは貴族だったのね」

クレイ 「違うよ。俺は家を出て平民になったんだ。もうヴァレット家とは関係ないよ」

ブランド 「そんな寂しいことを言うなクレイ。ここがお前の実家である事は変わりない、いつでも遊びに来ればいい」

クレイの父、ブランドがそう言いながら部屋に入ってきた。

クレイ 「父上、ご無沙汰しております」

ブランド 「うむ、息災か?」

クレイ 「はい、今日、冒険者に登録致しました」

ブランド 「ほう、ついにか。もっと早くにするのかと思っていたのだがな。で、こちらはお前の仲間の冒険者達ということかな?」

クレイ 「いや、今日たまたま出会っただけで、仲間ではないよ」

アレン 「クレイには仲間になって欲しいと思っています。私はパーティ “黄金の風” のリーダー、アレンです、初めてお目にかかります」

クレイ 「それよりこちらの二人の紹介を…」

冒険者の紹介より、貴族令嬢が先であろうとラーズ子爵令嬢を紹介しようとしたクレイであったが、それを制するようにヴィオレは手を挙げると、スッと立ち上がり、きれいなカーテシーをしてみせた。

ヴィオレ 「お久しぶりでございます、ヴァレット閣下」

ケイトも姉を見習い慌てて立ち上がるとぎこちなくカーテシーをした。

ブランド 「確か、ヴィオレとケイトであったな。大きくなったな。それで、二人だけで、一体何があった?」

ヴィオレ 「実はカクカクシカジカで…」



しおりを挟む
感想 98

あなたにおすすめの小説

捨てられた転生幼女は無自重無双する

紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。 アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。 ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。 アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。 去ろうとしている人物は父と母だった。 ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。 朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。 クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。 しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。 アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。 王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。 アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。 ※諸事情によりしばらく連載休止致します。 ※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
小説家になろうでジャンル別日間ランキング入り!  世界最強の剣聖――エルフォ・エルドエルは戦場で死に、なんと赤子に転生してしまう。  美少女のように見える少年――アル・バーナモントに転生した彼の身体には、一切の魔力が宿っていなかった。  忌み子として家族からも見捨てられ、地元の有力貴族へ売られるアル。  そこでひどい仕打ちを受けることになる。  しかし自力で貴族の屋敷を脱出し、なんとか森へ逃れることに成功する。  魔力ゼロのアルであったが、剣聖として磨いた剣の腕だけは、転生しても健在であった。  彼はその剣の技術を駆使して、ゴブリンや盗賊を次々にやっつけ、とある村を救うことになる。  感謝されたアルは、ミュレットという少女とその母ミレーユと共に、新たな生活を手に入れる。  深く愛され、本当の家族を知ることになるのだ。  一方で、アルを追いだした実家の面々は、だんだんと歯車が狂い始める。  さらに、アルを捕えていた貴族、カイベルヘルト家も例外ではなかった。  彼らはどん底へと沈んでいく……。 フルタイトル《文字数の関係でアルファポリスでは略してます》 魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります~父が老弱して家が潰れそうなので戻ってこいと言われてももう遅い~新しい家族と幸せに暮らしてます こちらの作品は「小説家になろう」にて先行して公開された内容を転載したものです。 こちらの作品は「小説家になろう」さま「カクヨム」さま「アルファポリス」さまに同時掲載させていただいております。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

処理中です...