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第一部 転生編
第4話 ハイテク? いやそれ魔法です…
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赤ん坊の身では周囲を観察する事しかできないが、徐々に、自分の想像・推測とは違う現実が見えてきた。
部屋(建物)は石と木でできている。そして、電化製品の類は一切ない。
服装も、素朴でどこかファンタジックな中世のようなデザインであった。
電化製品がないのは自分の居る部屋だけかと思ったが、やがてハイハイができるようになると、他の部屋にも一切電化製品の類が存在しない事が確認できた。
家の外にも出られるようになってみれば、馬や牛、ロバが居て、馬車が走っており、内燃機関やモーターを使った近代的な道具や乗り物は存在していないようである。
……過去に戻った?
時間を遡って過去の世界に生まれ変わる事があるのか?
いや、もしかしたら、どこか特殊な地域なのではないか?
場所によっては、文明の発展を否定し、伝統的な衣装を着て古式ゆかしい生活を守っている地域が地球にはあったと記憶している。
いや、あるいは……
奏が死んだ後、文明は一度滅びてしまい、大きく後退してしまったという可能性もあるか。
だが、やがて奏もこの世界が地球ではない事に気づく。
電化製品や内燃機関などは一切なく、文明レベルは地球の中世以前という感じである。だが、生活はそれほど不便ではなかったのだ。むしろ地球よりもある意味快適であった。なぜなら、この世界には、電化製品がない代わりに魔法が在ったからである。
魔法が存在する事を認識して、やっと奏は自分が居るのは地球ではないのではないかと考え始めた。
いや! もしかしたら、地球のどこかに魔法が存在していて、自分がそれを知らなかっただけで、死んで自分は魔法がある地域に生まれ変わったのかも?
……などと考えてもみたが、まぁその可能性は低いだろうと結論した。
奏は、生まれ変わった世界が、地球ではないどこか別の世界なのではないかとやっと考え始めた。学生時代に読んだ事があるラノベに “異世界転生” などという言葉があったのを奏は思いだしたのであった。
奏は、魔法の存在に気づくのに少し時間がかかってしまったが、その不可思議な現象それ自体はすぐに経験していた。
それは、奏に生理現象が起きた時である。
母親の乳を飲んでは寝ているだけの赤ん坊。当然、飲んで眠って時間が経てば、今度は排泄したくなる。
だが、自力でトイレになど行かせて貰えないし、そもそも立ち上がる筋力がない。
これは、早く自力でトイレに行けるようにならなければならない、そのためにも筋トレを始めようと奏は考えたが、一朝一夕でどうにかなるものでもない。筋トレは、今そこにある尿意の解決法としては妥当ではない。
とりあえず、オムツらしきものはしているようだ。その中にそのままするしかない。奏はたまり続ける尿意にとうとう敗北した。
だが、奏があてがわれていたのは地球にあったような高性能な使い捨てオムツではなく、ただの布オムツであった。素速く吸収しベタつかずサラサラ感触に、などなるわけもなく、非常に不快なのであった。元々きれい好きだった奏には耐え難かった。
ここで、赤ん坊なら泣いて知らせるのだろうが、大人の意識が目覚めてしまった、実質三十歳のサラリーマンの自我が主たる意識となっている奏にとって、赤子のように泣きわめくというのはなかなかハードルが高いのであった。
仕方なく、母親やお手伝いさんが近くに来た時に、拙い言葉と身振り手振りで必死でアピールした。
日本語で話しかけてもよいが、いくら通じない言語であるとはいえ、何かしらの言語を赤子が喋ったら不気味に思われるだろうと奏は心配になった。
そこで、ダァとかバブゥとか赤ん坊っぽい叫び(ただし棒読み)とともに、単語をいくつかおりまぜて叫ぶ事にした。単語は日本語だが、赤ん坊なので単発なら意味不明な言葉を喋っても不思議には思われないだろう。
幸いにも、奏が訴えている事はすぐに理解してもらえた。言葉は通じないが、手をつかってオムツを叩くゼスチャーをして訴えたからである。ボディランゲージは共通であった。
だが、そこで驚くべき体験を奏はする事になった。
てっきりオムツを交換してくれるものだと思ったのだが、そうではなく、お手伝いさんは何かの言葉を唱えただけで行ってしまったのである。確かに自分が言ってる事の意味は通じた、手応えはあったはずのだが。もしかして虐待か? と奏は一瞬思ったが……
汚れたはずのオムツから不快な感触がなくなっている事に気付いた。そう、メイドは【クリーン】の魔法を掛けていったのである。
何度かそういう事を繰り返し、どうやら何らかの言葉を唱えるとオムツの不快感が消えるということが奏にも理解できた。オムツだけではない。汗をかいたりして汚れた体も、同じように一瞬でキレイになってしまうのだ。
ただ、その段階でも今だ奏は魔法の存在に考えが至らなかった。奏はオムツを『すごいハイテクだ!』と思ってしまったのだ。
もしかして、文明が遅れているようにみえるのは見せかけだけ、実はテクノロジーは見えないように隠されているのかも? と考えた。
地球でも、家電製品を家具と一体化させて存在感を隠すようなデザインが進んでいた。何も無いように見えたが、実はちゃんとテクノロジーが存在していたのだ! そんな風に勘違いしてしまったのだ。
そのため、魔法の存在に気づくのにかなり時間がかかってしまったのであった…。現実的な性格だった奏は、魔法があるとは夢にも思っていなかったのだから仕方がないだろう。
部屋(建物)は石と木でできている。そして、電化製品の類は一切ない。
服装も、素朴でどこかファンタジックな中世のようなデザインであった。
電化製品がないのは自分の居る部屋だけかと思ったが、やがてハイハイができるようになると、他の部屋にも一切電化製品の類が存在しない事が確認できた。
家の外にも出られるようになってみれば、馬や牛、ロバが居て、馬車が走っており、内燃機関やモーターを使った近代的な道具や乗り物は存在していないようである。
……過去に戻った?
時間を遡って過去の世界に生まれ変わる事があるのか?
いや、もしかしたら、どこか特殊な地域なのではないか?
場所によっては、文明の発展を否定し、伝統的な衣装を着て古式ゆかしい生活を守っている地域が地球にはあったと記憶している。
いや、あるいは……
奏が死んだ後、文明は一度滅びてしまい、大きく後退してしまったという可能性もあるか。
だが、やがて奏もこの世界が地球ではない事に気づく。
電化製品や内燃機関などは一切なく、文明レベルは地球の中世以前という感じである。だが、生活はそれほど不便ではなかったのだ。むしろ地球よりもある意味快適であった。なぜなら、この世界には、電化製品がない代わりに魔法が在ったからである。
魔法が存在する事を認識して、やっと奏は自分が居るのは地球ではないのではないかと考え始めた。
いや! もしかしたら、地球のどこかに魔法が存在していて、自分がそれを知らなかっただけで、死んで自分は魔法がある地域に生まれ変わったのかも?
……などと考えてもみたが、まぁその可能性は低いだろうと結論した。
奏は、生まれ変わった世界が、地球ではないどこか別の世界なのではないかとやっと考え始めた。学生時代に読んだ事があるラノベに “異世界転生” などという言葉があったのを奏は思いだしたのであった。
奏は、魔法の存在に気づくのに少し時間がかかってしまったが、その不可思議な現象それ自体はすぐに経験していた。
それは、奏に生理現象が起きた時である。
母親の乳を飲んでは寝ているだけの赤ん坊。当然、飲んで眠って時間が経てば、今度は排泄したくなる。
だが、自力でトイレになど行かせて貰えないし、そもそも立ち上がる筋力がない。
これは、早く自力でトイレに行けるようにならなければならない、そのためにも筋トレを始めようと奏は考えたが、一朝一夕でどうにかなるものでもない。筋トレは、今そこにある尿意の解決法としては妥当ではない。
とりあえず、オムツらしきものはしているようだ。その中にそのままするしかない。奏はたまり続ける尿意にとうとう敗北した。
だが、奏があてがわれていたのは地球にあったような高性能な使い捨てオムツではなく、ただの布オムツであった。素速く吸収しベタつかずサラサラ感触に、などなるわけもなく、非常に不快なのであった。元々きれい好きだった奏には耐え難かった。
ここで、赤ん坊なら泣いて知らせるのだろうが、大人の意識が目覚めてしまった、実質三十歳のサラリーマンの自我が主たる意識となっている奏にとって、赤子のように泣きわめくというのはなかなかハードルが高いのであった。
仕方なく、母親やお手伝いさんが近くに来た時に、拙い言葉と身振り手振りで必死でアピールした。
日本語で話しかけてもよいが、いくら通じない言語であるとはいえ、何かしらの言語を赤子が喋ったら不気味に思われるだろうと奏は心配になった。
そこで、ダァとかバブゥとか赤ん坊っぽい叫び(ただし棒読み)とともに、単語をいくつかおりまぜて叫ぶ事にした。単語は日本語だが、赤ん坊なので単発なら意味不明な言葉を喋っても不思議には思われないだろう。
幸いにも、奏が訴えている事はすぐに理解してもらえた。言葉は通じないが、手をつかってオムツを叩くゼスチャーをして訴えたからである。ボディランゲージは共通であった。
だが、そこで驚くべき体験を奏はする事になった。
てっきりオムツを交換してくれるものだと思ったのだが、そうではなく、お手伝いさんは何かの言葉を唱えただけで行ってしまったのである。確かに自分が言ってる事の意味は通じた、手応えはあったはずのだが。もしかして虐待か? と奏は一瞬思ったが……
汚れたはずのオムツから不快な感触がなくなっている事に気付いた。そう、メイドは【クリーン】の魔法を掛けていったのである。
何度かそういう事を繰り返し、どうやら何らかの言葉を唱えるとオムツの不快感が消えるということが奏にも理解できた。オムツだけではない。汗をかいたりして汚れた体も、同じように一瞬でキレイになってしまうのだ。
ただ、その段階でも今だ奏は魔法の存在に考えが至らなかった。奏はオムツを『すごいハイテクだ!』と思ってしまったのだ。
もしかして、文明が遅れているようにみえるのは見せかけだけ、実はテクノロジーは見えないように隠されているのかも? と考えた。
地球でも、家電製品を家具と一体化させて存在感を隠すようなデザインが進んでいた。何も無いように見えたが、実はちゃんとテクノロジーが存在していたのだ! そんな風に勘違いしてしまったのだ。
そのため、魔法の存在に気づくのにかなり時間がかかってしまったのであった…。現実的な性格だった奏は、魔法があるとは夢にも思っていなかったのだから仕方がないだろう。
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