72 / 115
第四章 マドネリ村
第72話 撃退2
しおりを挟む
サイクロプスやギガンテスの体から採れる素材は、倒したコジローのものという事になるが、ネビルの街で解体と買取を行ってもらい、その金は街の復興費として寄付すると言ったのだが、それは無欲過ぎてかえって怪しまれるとリエに助言され、また、ネビルのギルドマスター・ヘデナも、魔物を退治してもらっただけで十分、何もお礼ができないと固辞されてしまったので、金だけ受け取ることにした。
ただ、サイクロプスもギガンテスも、1つ目の目玉が錬金術に使用できる非常に高い素材であったのだと知って、コジローは恰好つけて頭頂から真っ二つにしてしまった事を後悔したのであった。
魔物の頭部には使える素材が非常に多いので、頭はなるべく斬らないほうがいいと、初めて知ったのであった・・・。
金は、解体・買取が終了したらギルドの自分の口座に振り込んでくれるよう頼んでおいた。
実はギルドが銀行のような業務もしており、金を預かってくれるのでそれを利用している。
ただ、基本的にはコジローは、所持金の何割かはギルド銀行に預けているが、大半は現金(貨幣)でもらい、自分の収納魔法で持ち歩くようにしている。
ギルドカードを銀行のキャッシュカードのように使って、キャッシュレスで決済などもできるのであるが、ギルドで金が下ろせない(現金がギルドにない)とか、システム不具合でキャッシュレス決済が使えない、または、自分のギルドの口座が停止され理由できなくなるというケースを想像して不安があったからである。理由もなく貴族の命令で簡単に住民を逮捕・処刑ができてしまう世界である、やはり、何があるか分からないとコジローは考えていた。
コジローの収納魔法は、コジロー自身の時空間魔法によって生成されており、コジローにしか在り処が分からず、コジローにしか開閉できない。(もしかしたらゼフトならできるかも知れないが・・・)
マジックポーチなどの空間魔法が掛けられた収納袋に入れて持ち歩いている人は居るが、その場合はその袋を盗まれてしまうという可能性があるが、モノに依存しない空間魔法を使える人間は現状この世界にはほとんど存在しないので、そもそも金を持っている事が他人からは分からないのであった。
唯一問題があるとすれば、コジローが意識不明、または死亡したときに、そのままその金は亜空間に保管されたまま、誰にも知られずに忘れられてしまう事になるということだろうか。
その後、偵察隊によって持たされていた情報により、トロールの集落の追撃戦が行われたが、追撃隊が集落に到着したときには、すぐに白旗が掲げられ無抵抗の意志を示して来たため、戦闘は起きなかった。
なんと、トロールの集落の中には、先の戦闘でいち早く逃亡していたのだろう、トロールキングが隠れていた。
キングがいち早く逃亡するというのもどうなのかと思うが・・・
非常に拙い片言ではあるが、トロールキングは若干言葉が通じる。
捕らえて話を聞き出したところ、どうやら何者かにそそのかされ、サイクロプスやギガンテスを貸し出されたということらしい。
結局、トロールは二度と人間を襲わないと約束したので、破ったら全滅させると脅した上で許されることになった。トロール達は約束を守り、その後、ネビルの街で従魔として使役されるトロールが見られるようになるのであった。
トロールキングから断片的に聞き出せた情報から、バネダス共和国という名前が浮上した。バネダス共和国は、ウィモア領の北に隣接する国で、ウィルモア領とは山脈によって隔てられた隣国である。
バネダス共和国は、以前、代官への恨みからアルテミルの街にスタンピードを起こそうとしたべブルの居た国である。どうも、バネダス共和国では魔獣を使った攻撃方法を研究しており、また、ウィルモア領を侵略したがっているようである。
これは当然、ウィルモア辺境伯より国王に報告がなされたが、国が動くという事はない。
そもそも辺境伯というのは、隣国との国境や魔物から国を守る役割を与えられている。それ故に、高い地位と非常に強い権限も与えられているのである。
いざ、侵略を受けたとなれば、辺境伯は王の判断を仰ぐことなく挙兵し戦争に突入する権限も与えられている。
辺境伯が対応できないような侵略が始まったとなれば、国としても軍隊を送り対処するということになるだろう。だが、辺境伯が対応できないほどの事態と言うことは、国の存亡を掛けたような大事という事になるが。
明確に戦争をする気がない、所謂「冷戦状態」であれば、小競り合いであれば領地を統べる領主の裁量で対処する事になるのであった。
ただ、サイクロプスもギガンテスも、1つ目の目玉が錬金術に使用できる非常に高い素材であったのだと知って、コジローは恰好つけて頭頂から真っ二つにしてしまった事を後悔したのであった。
魔物の頭部には使える素材が非常に多いので、頭はなるべく斬らないほうがいいと、初めて知ったのであった・・・。
金は、解体・買取が終了したらギルドの自分の口座に振り込んでくれるよう頼んでおいた。
実はギルドが銀行のような業務もしており、金を預かってくれるのでそれを利用している。
ただ、基本的にはコジローは、所持金の何割かはギルド銀行に預けているが、大半は現金(貨幣)でもらい、自分の収納魔法で持ち歩くようにしている。
ギルドカードを銀行のキャッシュカードのように使って、キャッシュレスで決済などもできるのであるが、ギルドで金が下ろせない(現金がギルドにない)とか、システム不具合でキャッシュレス決済が使えない、または、自分のギルドの口座が停止され理由できなくなるというケースを想像して不安があったからである。理由もなく貴族の命令で簡単に住民を逮捕・処刑ができてしまう世界である、やはり、何があるか分からないとコジローは考えていた。
コジローの収納魔法は、コジロー自身の時空間魔法によって生成されており、コジローにしか在り処が分からず、コジローにしか開閉できない。(もしかしたらゼフトならできるかも知れないが・・・)
マジックポーチなどの空間魔法が掛けられた収納袋に入れて持ち歩いている人は居るが、その場合はその袋を盗まれてしまうという可能性があるが、モノに依存しない空間魔法を使える人間は現状この世界にはほとんど存在しないので、そもそも金を持っている事が他人からは分からないのであった。
唯一問題があるとすれば、コジローが意識不明、または死亡したときに、そのままその金は亜空間に保管されたまま、誰にも知られずに忘れられてしまう事になるということだろうか。
その後、偵察隊によって持たされていた情報により、トロールの集落の追撃戦が行われたが、追撃隊が集落に到着したときには、すぐに白旗が掲げられ無抵抗の意志を示して来たため、戦闘は起きなかった。
なんと、トロールの集落の中には、先の戦闘でいち早く逃亡していたのだろう、トロールキングが隠れていた。
キングがいち早く逃亡するというのもどうなのかと思うが・・・
非常に拙い片言ではあるが、トロールキングは若干言葉が通じる。
捕らえて話を聞き出したところ、どうやら何者かにそそのかされ、サイクロプスやギガンテスを貸し出されたということらしい。
結局、トロールは二度と人間を襲わないと約束したので、破ったら全滅させると脅した上で許されることになった。トロール達は約束を守り、その後、ネビルの街で従魔として使役されるトロールが見られるようになるのであった。
トロールキングから断片的に聞き出せた情報から、バネダス共和国という名前が浮上した。バネダス共和国は、ウィモア領の北に隣接する国で、ウィルモア領とは山脈によって隔てられた隣国である。
バネダス共和国は、以前、代官への恨みからアルテミルの街にスタンピードを起こそうとしたべブルの居た国である。どうも、バネダス共和国では魔獣を使った攻撃方法を研究しており、また、ウィルモア領を侵略したがっているようである。
これは当然、ウィルモア辺境伯より国王に報告がなされたが、国が動くという事はない。
そもそも辺境伯というのは、隣国との国境や魔物から国を守る役割を与えられている。それ故に、高い地位と非常に強い権限も与えられているのである。
いざ、侵略を受けたとなれば、辺境伯は王の判断を仰ぐことなく挙兵し戦争に突入する権限も与えられている。
辺境伯が対応できないような侵略が始まったとなれば、国としても軍隊を送り対処するということになるだろう。だが、辺境伯が対応できないほどの事態と言うことは、国の存亡を掛けたような大事という事になるが。
明確に戦争をする気がない、所謂「冷戦状態」であれば、小競り合いであれば領地を統べる領主の裁量で対処する事になるのであった。
0
お気に入りに追加
238
あなたにおすすめの小説

豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで220万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。

3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜
I.G
ファンタジー
神様と名乗るおじいさんに転生させられること3521回。
レベル、ステータス、その他もろもろ
最強の力を身につけてきた服部隼人いう名の転生者がいた。
彼の役目は異世界の危機を救うこと。
異世界の危機を救っては、また別の異世界へと転生を繰り返す日々を送っていた。
彼はそんな人生で何よりも
人との別れの連続が辛かった。
だから彼は誰とも仲良くならないように、目立たない回復職で、ほそぼそと異世界を救おうと決意する。
しかし、彼は自分の強さを強すぎる
が故に、隠しきることができない。
そしてまた、この異世界でも、
服部隼人の強さが人々にばれていく
のだった。
制服エプロン。
みゆみゆ
ファンタジー
3回目の大学1年生を迎えた市ヶ谷慧太。20歳。履修登録でミスをおかし、早くも4回目への道が拓けてしまった日、異世界から転生してきたと主張するJK(女子高生)松輪野けーこに再会するのだった。
料理を作ってもらう話です。
さしすせそ、を使っていろいろ作ってもらいます。よろしくお願いします。

転生しても山あり谷あり!
tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」
兎にも角にも今世は
“おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!”
を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。

大地魔法使いの産業革命~S級クラス魔法使いの俺だが、彼女が強すぎる上にカリスマすぎる!
倉紙たかみ
ファンタジー
突然変異クラスのS級大地魔法使いとして生を受けた伯爵子息リーク。
彼の家では、十六歳になると他家へと奉公(修行)する決まりがあった。
奉公先のシルバリオル家の領主は、最近代替わりしたテスラという女性なのだが、彼女はドラゴンを素手で屠るほど強い上に、凄まじいカリスマを持ち合わせていた。
リークの才能を見抜いたテスラ。戦闘面でも内政面でも無理難題を押しつけてくるのでそれらを次々にこなしてみせるリーク。
テスラの町は、瞬く間に繁栄を遂げる。だが、それに嫉妬する近隣諸侯の貴族たちが彼女の躍進を妨害をするのであった。
果たして、S級大地魔法使いのリークは彼女を守ることができるのか? そもそも、守る必要があるのか?
カリスマ女領主と一緒に町を反映させる物語。
バトルあり内政あり。女の子たちと一緒に領主道を突き進む!
――――――――――――――――――――――――――
作品が面白かったらブックマークや感想、レビューをいただけると嬉しいです。
たかみが小躍りして喜びます。感想などは、お気軽にどうぞ。一言でもめっちゃ嬉しいです。
楽しい時間を過ごしていただけたら幸いです。

魔法省魔道具研究員クロエ
大森蜜柑
ファンタジー
8歳のクロエは魔物討伐で利き腕を無くした父のために、独学で「自分の意思で動かせる義手」製作に挑む。
その功績から、平民ながら貴族の通う魔法学園に入学し、卒業後は魔法省の魔道具研究所へ。
エリート街道を進むクロエにその邪魔をする人物の登場。
人生を変える大事故の後、クロエは奇跡の生還をとげる。
大好きな人のためにした事は、全て自分の幸せとして返ってくる。健気に頑張るクロエの恋と奇跡の物語りです。
本編終了ですが、おまけ話を気まぐれに追加します。
小説家になろうにも掲載してます。
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる