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第二章 街へ
第18話 どんな怪我でもポーションで治る?
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これからは自分ではなるべく戦わず、テイマーとしてマロに頼ろうと誓ったばかりだが・・・
考えてみれば、マロを守るのも自分の役目でもあろう。まだ子供のマロに一方的に頼るのは何か違う、マロがいくら強いといっても、一緒に戦う姿勢は必要だろう。
仕方ない。
『ここは自分でやってみる。もし俺がピンチになったら応援頼むよ』
マロとコジローは声に出さずとも意思疎通が可能である。マロにそう伝えるとコジローは短剣を抜き、八相に構えた。
刀身が伸びて長剣と変化していく。
「ほ、ほう、面白いモン持ってるじゃねぇか・・・」
次元剣を見ても、高そうな剣だ、打ちのめしてその剣を巻き上げてやろうとしかドジルは思わない。相当腕に自信があるのだろう。舐めて掛かると大変な事になるかも知れない。
コジローは一瞬「峰打ち」にしようかとも思ったのだが───試したことはないが、次元剣は片刃の日本刀のような形に変化して片刃になっているので「峰打ち」は可能だろうと想像していた────しかし。
「どうせ怪我は治るのだったら、斬ってしまっても構わないか」
と思い直した。
加速 は既に発動している、現在は4倍速にパワーアップしている。
コジローは、自信があるわけではないのだ、リエとの対決で、自分程度の腕ではこの世界では通用しない事を思い知ったばかりだ。
この連中がどれほどの腕なのかは分からないが、そもそも、魔法を使わない素の実力では間違いなく自分より上だろう、手加減などする余裕はない・・・死にものぐるいでやるしかない!!
そう決意したコジローは、いきなり転移を発動し、ドジルの前から姿を消した。
転移はなるべく人に見せなたくないと思っていたが、そんな事を言っている余裕は、コジローの精神状態ではなかったのである。
三人の後方に出現したコジロー。
剣を一閃、二閃。
手下A・Bの腕が斬り落とされる。小手打ち狙いである。
コジローが突然消えて戸惑っているドジル。
次の瞬間には、ドジルの斜め後方に出現したコジローによって、ドジルの手首も斬り落とされていた。
転移しながらの斬撃「転移斬」の練習の成果が出ている。
「そこまで!!」
そこに突然、リエの声が響いた。
遅れて、三人の悲鳴があがる。次元剣の切れ味が良すぎて、斬られたことにしばらく気付いていなかったようだ。
「腕が、おれの腕がぁ・・・」
膝をつき、泣き叫ぶドジル。
「自業自得だ!」
と吐き捨てるように言ったリエだったが、内心では失敗したと思っていた。まさかコジローがいきなりそこまでやるとは思っていなかったのである。
物陰から様子を見ていたリエだったが、コジローがどうするのか少し様子を見ようと思い、止めるのが遅れてしまった。慌ててリエが飛び出した時にはもう、コジローが三人の腕を斬り落とした後だった。
考えてみれば、森から出たことがないコジローは、常識が少し欠落している印象があった。それに、あの "死霊の森の魔術師" の弟子である・・・むしろ、コジローが三人を殺さないでくれて良かったと思うべきかもしれない。
さすがに殺してしまったら、正当防衛とはいえ、かばうのが難しくなってくる。
三人が戦意喪失したのを見てコジローは剣を納めた。
カランとレベルアップ音がコジローの脳内に響く。
もしかして、必死で戦うとレベルが上がりやすいのか?ゼフトがいろいろな経験を詰めといったのはそういう事もあるのかも知れない・・・。
コジローはリエにむかって少し肩をすくめ、ポーションの瓶を拾い上げてドジルに渡してやろうとする。しかし片手では瓶の蓋が開けられない事に気付いて、蓋を開けてやった。
泣きながら斬られた手首を差し出すドジル。傷口にポーションを掛けてやると煙が少し出て血は止まったが、斬られた手首が生えてくるということはなかった。
コジローは手首を拾い上げ、くっつけた状態でポーションをかけてやるが、手首はつかない。
あれ?ポーションを掛ける前にくっつけとかなきゃいけなかったのか???
焦っている様子のコジローにリエが言った。。。
「そんな安物のポーションでは斬られた腕はくっつかないわよ・・・」
考えてみれば、マロを守るのも自分の役目でもあろう。まだ子供のマロに一方的に頼るのは何か違う、マロがいくら強いといっても、一緒に戦う姿勢は必要だろう。
仕方ない。
『ここは自分でやってみる。もし俺がピンチになったら応援頼むよ』
マロとコジローは声に出さずとも意思疎通が可能である。マロにそう伝えるとコジローは短剣を抜き、八相に構えた。
刀身が伸びて長剣と変化していく。
「ほ、ほう、面白いモン持ってるじゃねぇか・・・」
次元剣を見ても、高そうな剣だ、打ちのめしてその剣を巻き上げてやろうとしかドジルは思わない。相当腕に自信があるのだろう。舐めて掛かると大変な事になるかも知れない。
コジローは一瞬「峰打ち」にしようかとも思ったのだが───試したことはないが、次元剣は片刃の日本刀のような形に変化して片刃になっているので「峰打ち」は可能だろうと想像していた────しかし。
「どうせ怪我は治るのだったら、斬ってしまっても構わないか」
と思い直した。
加速 は既に発動している、現在は4倍速にパワーアップしている。
コジローは、自信があるわけではないのだ、リエとの対決で、自分程度の腕ではこの世界では通用しない事を思い知ったばかりだ。
この連中がどれほどの腕なのかは分からないが、そもそも、魔法を使わない素の実力では間違いなく自分より上だろう、手加減などする余裕はない・・・死にものぐるいでやるしかない!!
そう決意したコジローは、いきなり転移を発動し、ドジルの前から姿を消した。
転移はなるべく人に見せなたくないと思っていたが、そんな事を言っている余裕は、コジローの精神状態ではなかったのである。
三人の後方に出現したコジロー。
剣を一閃、二閃。
手下A・Bの腕が斬り落とされる。小手打ち狙いである。
コジローが突然消えて戸惑っているドジル。
次の瞬間には、ドジルの斜め後方に出現したコジローによって、ドジルの手首も斬り落とされていた。
転移しながらの斬撃「転移斬」の練習の成果が出ている。
「そこまで!!」
そこに突然、リエの声が響いた。
遅れて、三人の悲鳴があがる。次元剣の切れ味が良すぎて、斬られたことにしばらく気付いていなかったようだ。
「腕が、おれの腕がぁ・・・」
膝をつき、泣き叫ぶドジル。
「自業自得だ!」
と吐き捨てるように言ったリエだったが、内心では失敗したと思っていた。まさかコジローがいきなりそこまでやるとは思っていなかったのである。
物陰から様子を見ていたリエだったが、コジローがどうするのか少し様子を見ようと思い、止めるのが遅れてしまった。慌ててリエが飛び出した時にはもう、コジローが三人の腕を斬り落とした後だった。
考えてみれば、森から出たことがないコジローは、常識が少し欠落している印象があった。それに、あの "死霊の森の魔術師" の弟子である・・・むしろ、コジローが三人を殺さないでくれて良かったと思うべきかもしれない。
さすがに殺してしまったら、正当防衛とはいえ、かばうのが難しくなってくる。
三人が戦意喪失したのを見てコジローは剣を納めた。
カランとレベルアップ音がコジローの脳内に響く。
もしかして、必死で戦うとレベルが上がりやすいのか?ゼフトがいろいろな経験を詰めといったのはそういう事もあるのかも知れない・・・。
コジローはリエにむかって少し肩をすくめ、ポーションの瓶を拾い上げてドジルに渡してやろうとする。しかし片手では瓶の蓋が開けられない事に気付いて、蓋を開けてやった。
泣きながら斬られた手首を差し出すドジル。傷口にポーションを掛けてやると煙が少し出て血は止まったが、斬られた手首が生えてくるということはなかった。
コジローは手首を拾い上げ、くっつけた状態でポーションをかけてやるが、手首はつかない。
あれ?ポーションを掛ける前にくっつけとかなきゃいけなかったのか???
焦っている様子のコジローにリエが言った。。。
「そんな安物のポーションでは斬られた腕はくっつかないわよ・・・」
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