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追憶の檻
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それから夢幻樹なるものについてさらに詳細な説明がアンドリューからあった。
本来自ら囚われに行くものだが、成長しても自ら囚われにくるものが現れなかったため、ちょうど食虫植物が甘い香りで獲物を誘うのと同じく人を幻惑する香りを放っておびき寄せるように、セントラルパークの個体が独自の進化を遂げていたこと。
また、取り込んだ人間を餓死させないように、周辺の土壌の微生物や通りがかった昆虫動物の類を取り込んでタンパク源として与えているといったことだ。
「こいつに取り込まれて真に恐ろしい所はそこにある。
死なないのではなく、なかなか死ねないということだ」
彼の説明が終わり内容を反芻してから私は言った。
「で、どうする?つまりはあの中に入って内側からぶち破らなきゃならないわけだ。
あんたか、私が」
この件についてはパトリックを頭数に入れない方がいい。
私やアンドリューが失敗したら神秘に対する抵抗力がいささか以上に劣る彼がやってもどうなるか――結果は明らかだ。
彼はいかにも残念そうに言った。
「やはりそうなってしまうか」
「なってしまうね。で、いつにする?」
やらなければならないならさっさと済ませてしまうのが一番だ。
――それが気の進まないものであればあるほど。
彼の言葉に従い私達はその足でセントラルパークのザ・レイクに向かった。
真冬のニューヨークの日没は早い。
まだ16時前にも関わらず陽が傾き始めていた。
ミッドタウンの北端にあるホテルから現場には徒歩で向かう。
南側の東端出入り口からパークに入る。
昨晩降り積もった雪に夕陽が差し込む光景はこのような状況でなければ美しいと言えなくもなかった。
"ザ・ポンド"を臨みながら上り坂を行く、石造りの案内所"デアリー"を通り過ぎる。
"ザ・モール"を抜けると、べセスダ噴水の前には"ザ・レイク"が見えてきた。
そしてその先、目的のボウブリッジに向けて私たちは歩みを続けた。
「レディーファーストだ。君が先に行け」
「あんた、自分が先に行きたくないだけだろ」
どちらが先に行くかで私とアンドリューの意見が対立した。
「では、公平にコイントスで決めよう」
そう言うとアンドリューは懐から1ポンド硬貨を取り出した。
「方法には依存ないけど……パトリック、あんたがやってくれ」
私の提案にパトリックが疑問を呈する。
「いいけどよ、なんでだ?」
「こいつ絶対コインに何か細工してる」
私の言葉を聞くと、アンドリューは明らかに動揺した表情を見せた。
……バレバレなんだよ。
「じゃ、やるぞ」
パトリックはそう告げると25¢クォーター硬化を親指で強く弾く。
コインは高く上がり、手に落ちてくる。
コインの持ち主、パトリックが言った。
「Heads or tails?(どっちだ?)」
「表」
私が表を選んだので自動的にアンドリューは逆を選んだ。
「裏だ」
パトリックの手が開かれる。
私の目に入ってきたのはジョージ・ワシントンの横顔ではなく翼を広げた鷲だった。(※1)
「友人を疑った罰だぞ。ミス・ロセッテイ」
アンドリューが勝ち誇った顔で私を見ていた。
クソッやはりこいつがいると、どうも調子狂うな。
夢幻樹への入り方は実に簡単な物だった。
「力を抜いて、手で幹に触れれば良い」
私がそれを実行する前に、アンドリューは私にこう言った。
「もし、君が30分待って戻ってこないようなら僕も行くことにする。
だができればここで観戦してるだけで済む事を祈るよ。それと――」
彼はそこまでをいつもの皮肉なニヤケ顔で言うと
急に真顔になってこう続けた。
「心を強く持て。君は強い女性だ、肉体的にも精神的にもな。
……ではbon voyage<良い旅を>」
その言葉に頷くと、私は目の前の気色悪い幹に手を触れた。
蔦が生き物のように動き私の体に絡み付く。
そして、そのまま私の意識は深く落ちていった。
まるで真っ暗闇に落ちていくように……。
目が覚めると私はどこか見覚えのある部屋にいた。
いつも見ている光景。
ロウアーイーストサイドの我が家だ。
だが、いつもと何かが違う。
天井を見る。
私と父、愛煙家2人が暮らすこの部屋は、タバコの煙で天井が変色している。
だが、いつも見ている黄色く変色した天井はなぜか白かった。
自分がどこにいるのかを改めて確認してみる。
傷だらけのダイニングテーブル――私がいたずらして付けたものだ――。
私はその座り心地が最悪なテーブルとおそろいのチェアに腰かけていた。
「どうしたの、アンナ?」
懐かしい声がする。
私はその懐かしい声のするほうに顔を向ける。
そこには私の亡き母、モリーがいた。
「悪い夢を見ていたの。でももう大丈夫よ」
私の口から出た言葉は私が言うべきと思っていたものとは全くの別物だった。
また、私は自分の声が随分と若くいや正確には幼くなっている事に気が付いた。
何を言うべきか思い出せないまま、私は言葉に続いて母を安心させるためにっこりと笑った。
母は私の頭に手を置いて優しく髪をすいた。
懐かしい手触りに胸がいっぱいになる。
母に髪を梳かれながら、観察を続ける。
部屋の隅には、簡素な飾り付けがされたクリスマスツリーがあった。
きっと今キッチンでは父がクリスマスディナーのために腕をふるっている。
料理は父、料理が苦手な母が掃除と洗濯。
我が家ではずっとその役割分担が続けられていた。
ローストビーフにホースラディッシュのソース
マッシュポテト、インゲンのソテー。
毎年私は父の料理が楽しみだった。
それに父のセンスのズレたプレゼント。
10歳の年のプレゼントはバーニー・ウィリアムスのボブルヘッド首振り人形だった。
なぜ10歳の少女がニューヨークヤンキースのスタープレーヤーの
悪趣味な首振り人形を欲しがると思ったのか未だにわからない。
それでも私は父のプレゼントが嬉しかった。
父がローストビーフを持ってダイニングにやってくる。
香ばしく焼けたそれをテーブルに置くと
私を挟むように母と反対側に腰かけた。
父は私に笑いかけると、その大きな手を優しく私の頭に置いた。
触れられた手が暖かい。
――小さい頃、こうして頭を撫でてもらうととても安心した事を思い出す。
――何をするべきだったのか。
――私は何をしようとしていたのか。
私の心は完全に満たされていた。
ずっとこのままこの安らぐ場所にいたい。
何をするべきだったのか、何をしようとしていたのかなど私にとってもはや問題ではなかった。
誰かが与えてくれたこの時間を甘受しよう。
その時、私の停止した思考を揺り動かす言葉が飛び込んできた。
「まったく」
声の方に視線を向ける。
戸口には皮肉めいた笑みを浮かべた男が立っていた。
「まさか鋼鉄の女、野生のメスゴリラの君にこんなセンチメンタルな一面があったとはな。
君も一応レディーだったわけだ」
男はこれ以上ないシリアスな表情を浮かべると、こちらに黒光りする銃口を向けてこう続けた。
「目を覚ましたまえ、ミス・ロセッテイ。君はここにいるべき人間じゃない」
そして――アパートの部屋に2発の乾いた銃声が響いた。
目を覚まして、最初に視界に飛び込んできたのは、真冬のニューヨークのくすんだ夜空と相棒パトリックの心配そうな表情だった。
首を動かし、周囲の状況を確認する。
私はどうやらボウブリッジに寝かされているようだ。
しかし、背中に直接橋の固い感触は感じなかった。
そして、私はパトリックが自分のモッズコートを地面に敷いた上に私を寝かせてくれている事に気が付いた。
「アンナ、大丈夫か? 俺がわかるか?」
私は頷き、起き上がるために彼に手を差し出した。
彼は左手で私の手を握り、背中を残った右手で支えて起きあがらせてくれた。
手に彼の体温を直に感じる。
「……温かいな」
体を起こし終わると私はそう一人ごちた。
私の様子を見てパトリックが言った。
「アンナ、確認のためだ。いくつか質問するぞ」
彼の発言に頷く。
「君は何者だ? 名前は? 普段は何をしてる?」
「アンナ・ロセッティ。ニューヨークいち麗しい魔術使い」
私の答えにホッとした表情を浮かべ、パトリックが続ける。
「じゃあ、あそこの男は誰だ?」
彼はボウブリッジから身を乗り出し干からびた夢幻樹を観察しているアンドリューを指さして言った。
「アンドリュー・マクナイト。自称ロンドンいちハンサムな魔術使い。
実際はニヤケ顔で皮肉屋のmild thingフニャチン野郎」
その言葉を聞いて、アンドリューは"やれやれ"とでもいうように大きく肩をすくめた。
パトリックが笑って言う。
「じゃあ、最後の質問だ。合衆国の現大統領は誰だ?」
「大統領はラルフ・ネーダー(※2)、それに副大統領はマイケル・ムーアだ。常識だろ?」
--------------------------------------------------------------------------------------------------
※1…現在米国で流通している25セント通貨は表がジョージ・ワシントン、裏が鷲のデザインになっている。
※2…アメリカの弁護士。2000年、2004年、2008年の3回大統領選に出馬して選挙費用の公費援助が受けられる5パーセント以下の得票率に終わった。
2000年の大統領選では社会派ドキュメンタリー作品で知られる映画監督のマイケル・ムーアが支持を表明していた。
本来自ら囚われに行くものだが、成長しても自ら囚われにくるものが現れなかったため、ちょうど食虫植物が甘い香りで獲物を誘うのと同じく人を幻惑する香りを放っておびき寄せるように、セントラルパークの個体が独自の進化を遂げていたこと。
また、取り込んだ人間を餓死させないように、周辺の土壌の微生物や通りがかった昆虫動物の類を取り込んでタンパク源として与えているといったことだ。
「こいつに取り込まれて真に恐ろしい所はそこにある。
死なないのではなく、なかなか死ねないということだ」
彼の説明が終わり内容を反芻してから私は言った。
「で、どうする?つまりはあの中に入って内側からぶち破らなきゃならないわけだ。
あんたか、私が」
この件についてはパトリックを頭数に入れない方がいい。
私やアンドリューが失敗したら神秘に対する抵抗力がいささか以上に劣る彼がやってもどうなるか――結果は明らかだ。
彼はいかにも残念そうに言った。
「やはりそうなってしまうか」
「なってしまうね。で、いつにする?」
やらなければならないならさっさと済ませてしまうのが一番だ。
――それが気の進まないものであればあるほど。
彼の言葉に従い私達はその足でセントラルパークのザ・レイクに向かった。
真冬のニューヨークの日没は早い。
まだ16時前にも関わらず陽が傾き始めていた。
ミッドタウンの北端にあるホテルから現場には徒歩で向かう。
南側の東端出入り口からパークに入る。
昨晩降り積もった雪に夕陽が差し込む光景はこのような状況でなければ美しいと言えなくもなかった。
"ザ・ポンド"を臨みながら上り坂を行く、石造りの案内所"デアリー"を通り過ぎる。
"ザ・モール"を抜けると、べセスダ噴水の前には"ザ・レイク"が見えてきた。
そしてその先、目的のボウブリッジに向けて私たちは歩みを続けた。
「レディーファーストだ。君が先に行け」
「あんた、自分が先に行きたくないだけだろ」
どちらが先に行くかで私とアンドリューの意見が対立した。
「では、公平にコイントスで決めよう」
そう言うとアンドリューは懐から1ポンド硬貨を取り出した。
「方法には依存ないけど……パトリック、あんたがやってくれ」
私の提案にパトリックが疑問を呈する。
「いいけどよ、なんでだ?」
「こいつ絶対コインに何か細工してる」
私の言葉を聞くと、アンドリューは明らかに動揺した表情を見せた。
……バレバレなんだよ。
「じゃ、やるぞ」
パトリックはそう告げると25¢クォーター硬化を親指で強く弾く。
コインは高く上がり、手に落ちてくる。
コインの持ち主、パトリックが言った。
「Heads or tails?(どっちだ?)」
「表」
私が表を選んだので自動的にアンドリューは逆を選んだ。
「裏だ」
パトリックの手が開かれる。
私の目に入ってきたのはジョージ・ワシントンの横顔ではなく翼を広げた鷲だった。(※1)
「友人を疑った罰だぞ。ミス・ロセッテイ」
アンドリューが勝ち誇った顔で私を見ていた。
クソッやはりこいつがいると、どうも調子狂うな。
夢幻樹への入り方は実に簡単な物だった。
「力を抜いて、手で幹に触れれば良い」
私がそれを実行する前に、アンドリューは私にこう言った。
「もし、君が30分待って戻ってこないようなら僕も行くことにする。
だができればここで観戦してるだけで済む事を祈るよ。それと――」
彼はそこまでをいつもの皮肉なニヤケ顔で言うと
急に真顔になってこう続けた。
「心を強く持て。君は強い女性だ、肉体的にも精神的にもな。
……ではbon voyage<良い旅を>」
その言葉に頷くと、私は目の前の気色悪い幹に手を触れた。
蔦が生き物のように動き私の体に絡み付く。
そして、そのまま私の意識は深く落ちていった。
まるで真っ暗闇に落ちていくように……。
目が覚めると私はどこか見覚えのある部屋にいた。
いつも見ている光景。
ロウアーイーストサイドの我が家だ。
だが、いつもと何かが違う。
天井を見る。
私と父、愛煙家2人が暮らすこの部屋は、タバコの煙で天井が変色している。
だが、いつも見ている黄色く変色した天井はなぜか白かった。
自分がどこにいるのかを改めて確認してみる。
傷だらけのダイニングテーブル――私がいたずらして付けたものだ――。
私はその座り心地が最悪なテーブルとおそろいのチェアに腰かけていた。
「どうしたの、アンナ?」
懐かしい声がする。
私はその懐かしい声のするほうに顔を向ける。
そこには私の亡き母、モリーがいた。
「悪い夢を見ていたの。でももう大丈夫よ」
私の口から出た言葉は私が言うべきと思っていたものとは全くの別物だった。
また、私は自分の声が随分と若くいや正確には幼くなっている事に気が付いた。
何を言うべきか思い出せないまま、私は言葉に続いて母を安心させるためにっこりと笑った。
母は私の頭に手を置いて優しく髪をすいた。
懐かしい手触りに胸がいっぱいになる。
母に髪を梳かれながら、観察を続ける。
部屋の隅には、簡素な飾り付けがされたクリスマスツリーがあった。
きっと今キッチンでは父がクリスマスディナーのために腕をふるっている。
料理は父、料理が苦手な母が掃除と洗濯。
我が家ではずっとその役割分担が続けられていた。
ローストビーフにホースラディッシュのソース
マッシュポテト、インゲンのソテー。
毎年私は父の料理が楽しみだった。
それに父のセンスのズレたプレゼント。
10歳の年のプレゼントはバーニー・ウィリアムスのボブルヘッド首振り人形だった。
なぜ10歳の少女がニューヨークヤンキースのスタープレーヤーの
悪趣味な首振り人形を欲しがると思ったのか未だにわからない。
それでも私は父のプレゼントが嬉しかった。
父がローストビーフを持ってダイニングにやってくる。
香ばしく焼けたそれをテーブルに置くと
私を挟むように母と反対側に腰かけた。
父は私に笑いかけると、その大きな手を優しく私の頭に置いた。
触れられた手が暖かい。
――小さい頃、こうして頭を撫でてもらうととても安心した事を思い出す。
――何をするべきだったのか。
――私は何をしようとしていたのか。
私の心は完全に満たされていた。
ずっとこのままこの安らぐ場所にいたい。
何をするべきだったのか、何をしようとしていたのかなど私にとってもはや問題ではなかった。
誰かが与えてくれたこの時間を甘受しよう。
その時、私の停止した思考を揺り動かす言葉が飛び込んできた。
「まったく」
声の方に視線を向ける。
戸口には皮肉めいた笑みを浮かべた男が立っていた。
「まさか鋼鉄の女、野生のメスゴリラの君にこんなセンチメンタルな一面があったとはな。
君も一応レディーだったわけだ」
男はこれ以上ないシリアスな表情を浮かべると、こちらに黒光りする銃口を向けてこう続けた。
「目を覚ましたまえ、ミス・ロセッテイ。君はここにいるべき人間じゃない」
そして――アパートの部屋に2発の乾いた銃声が響いた。
目を覚まして、最初に視界に飛び込んできたのは、真冬のニューヨークのくすんだ夜空と相棒パトリックの心配そうな表情だった。
首を動かし、周囲の状況を確認する。
私はどうやらボウブリッジに寝かされているようだ。
しかし、背中に直接橋の固い感触は感じなかった。
そして、私はパトリックが自分のモッズコートを地面に敷いた上に私を寝かせてくれている事に気が付いた。
「アンナ、大丈夫か? 俺がわかるか?」
私は頷き、起き上がるために彼に手を差し出した。
彼は左手で私の手を握り、背中を残った右手で支えて起きあがらせてくれた。
手に彼の体温を直に感じる。
「……温かいな」
体を起こし終わると私はそう一人ごちた。
私の様子を見てパトリックが言った。
「アンナ、確認のためだ。いくつか質問するぞ」
彼の発言に頷く。
「君は何者だ? 名前は? 普段は何をしてる?」
「アンナ・ロセッティ。ニューヨークいち麗しい魔術使い」
私の答えにホッとした表情を浮かべ、パトリックが続ける。
「じゃあ、あそこの男は誰だ?」
彼はボウブリッジから身を乗り出し干からびた夢幻樹を観察しているアンドリューを指さして言った。
「アンドリュー・マクナイト。自称ロンドンいちハンサムな魔術使い。
実際はニヤケ顔で皮肉屋のmild thingフニャチン野郎」
その言葉を聞いて、アンドリューは"やれやれ"とでもいうように大きく肩をすくめた。
パトリックが笑って言う。
「じゃあ、最後の質問だ。合衆国の現大統領は誰だ?」
「大統領はラルフ・ネーダー(※2)、それに副大統領はマイケル・ムーアだ。常識だろ?」
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※1…現在米国で流通している25セント通貨は表がジョージ・ワシントン、裏が鷲のデザインになっている。
※2…アメリカの弁護士。2000年、2004年、2008年の3回大統領選に出馬して選挙費用の公費援助が受けられる5パーセント以下の得票率に終わった。
2000年の大統領選では社会派ドキュメンタリー作品で知られる映画監督のマイケル・ムーアが支持を表明していた。
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