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全面戦争
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「うわっ…熱っ…」
強烈な熱気を感じたアダマスは大きく後ろに飛び退いた。
「もうっ!いきなりなんなんだよ!」
アダマスは苛立たしげに文句を言う。
しかし、その直後、彼はヴァルカンの姿を見て、動きを止めた。
ヴァルカンの姿はついさっきまでとは全く異なっていた。
具体的に言うと、彼の右半身が炎に包まれており、両手に持っていた剣も、今は右手だけで持っている。
そう、これがヴァルカンの持つ龍の力である。
龍の力は、己の血に宿る力を神器によって増幅させることで使用できる。
そして、ヴァルカンは炎龍の末裔。
即ち、この炎こそが、ヴァルカンの真の力なのだ。
とはいえ、ヴァルカンはまだ血の力を使いこなせていない。
コントロールに失敗すれば、どうなるか分からない。
故に、そこまで大きな力を使う事はできない。
しかし、やらなければならない。
ヴァルカンはもう一度気を引き締め直す。
右半身の炎は、ゆっくりと移動し、やがて剣が炎を纏った。
「あはははっ!君面白いねっ!その程度で僕に勝てると思ってるんだっ!あはははっ!」
アダマスは何故か最初の余裕さを取り戻した。
「…行くよ…」
ヴァルカンは静かにそう呟き、その場で剣を下から上に振り上げた。
その瞬間、アダマスの元へ地面から一直線に炎が噴き出た。
「ええええっ!」
流石のアダマスにも笑っている余裕はなく、その炎を右に飛び退いて避ける。
アダマスが立っていた位置よりもさらに後ろまで発生していたので、もし、後ろに避けていればアダマスは今頃焼け死んでいたはずだ。
炎はすぐに消えてしまったが、ヴァルカンがもう少し力を制御する事が出来れば、炎は出現させたままにする事は可能だ。
しかし、今のヴァルカンにはまだ難しい。
接近戦では分が悪いので、遠距離戦で勝負するしかない。
右半身に纏っている炎は、相手に近付かれない様にするための牽制だ。
これがあれば、仮に近づかれたとしても、炎の熱で後退させる事ができる。
ヴァルカンが勝ちを確信した時,アダマスが口を開いた。
「あはははっ!もしかして遠距離戦なら勝てると思ったっ⁉︎あはははっ!」
アダマスはそう言うと、手にした鎌を勢いよく横に振った。
当然、距離はあるので、刃は当たらない。
ヴァルカンは反射と勘で横に跳ぶ。
次の瞬間、耳元で空を切る音が聞こえた。
まるで、見えない刃が自分のすぐ近くを通り過ぎた様に。
「あはははっ!すごいでしょすごいでしょっ!今のは『斬撃』って言うんだよっ!あはははっ!」
原理は分からないが、どうやら鎌を振るだけで、直線上にあるものにダメージを与えられるようだ。
確かにこれでは遠距離戦でも勝ち目はない。
「…こんな事ならゼウスの言う通りにすれば良かったな…」
ヴァルカンは今更ながらに後悔した。
もし、ヴァルカンが勝手な行動を起こさなければ、今頃五人は安全な場所で隠れる事ができていただろう。
しかし、今それを考えたところでどうしようもない。
過ぎてしまった時間を戻す事はできない。
故に、ゼウスのピンチはもう避けられないものとなってしまった。
強烈な熱気を感じたアダマスは大きく後ろに飛び退いた。
「もうっ!いきなりなんなんだよ!」
アダマスは苛立たしげに文句を言う。
しかし、その直後、彼はヴァルカンの姿を見て、動きを止めた。
ヴァルカンの姿はついさっきまでとは全く異なっていた。
具体的に言うと、彼の右半身が炎に包まれており、両手に持っていた剣も、今は右手だけで持っている。
そう、これがヴァルカンの持つ龍の力である。
龍の力は、己の血に宿る力を神器によって増幅させることで使用できる。
そして、ヴァルカンは炎龍の末裔。
即ち、この炎こそが、ヴァルカンの真の力なのだ。
とはいえ、ヴァルカンはまだ血の力を使いこなせていない。
コントロールに失敗すれば、どうなるか分からない。
故に、そこまで大きな力を使う事はできない。
しかし、やらなければならない。
ヴァルカンはもう一度気を引き締め直す。
右半身の炎は、ゆっくりと移動し、やがて剣が炎を纏った。
「あはははっ!君面白いねっ!その程度で僕に勝てると思ってるんだっ!あはははっ!」
アダマスは何故か最初の余裕さを取り戻した。
「…行くよ…」
ヴァルカンは静かにそう呟き、その場で剣を下から上に振り上げた。
その瞬間、アダマスの元へ地面から一直線に炎が噴き出た。
「ええええっ!」
流石のアダマスにも笑っている余裕はなく、その炎を右に飛び退いて避ける。
アダマスが立っていた位置よりもさらに後ろまで発生していたので、もし、後ろに避けていればアダマスは今頃焼け死んでいたはずだ。
炎はすぐに消えてしまったが、ヴァルカンがもう少し力を制御する事が出来れば、炎は出現させたままにする事は可能だ。
しかし、今のヴァルカンにはまだ難しい。
接近戦では分が悪いので、遠距離戦で勝負するしかない。
右半身に纏っている炎は、相手に近付かれない様にするための牽制だ。
これがあれば、仮に近づかれたとしても、炎の熱で後退させる事ができる。
ヴァルカンが勝ちを確信した時,アダマスが口を開いた。
「あはははっ!もしかして遠距離戦なら勝てると思ったっ⁉︎あはははっ!」
アダマスはそう言うと、手にした鎌を勢いよく横に振った。
当然、距離はあるので、刃は当たらない。
ヴァルカンは反射と勘で横に跳ぶ。
次の瞬間、耳元で空を切る音が聞こえた。
まるで、見えない刃が自分のすぐ近くを通り過ぎた様に。
「あはははっ!すごいでしょすごいでしょっ!今のは『斬撃』って言うんだよっ!あはははっ!」
原理は分からないが、どうやら鎌を振るだけで、直線上にあるものにダメージを与えられるようだ。
確かにこれでは遠距離戦でも勝ち目はない。
「…こんな事ならゼウスの言う通りにすれば良かったな…」
ヴァルカンは今更ながらに後悔した。
もし、ヴァルカンが勝手な行動を起こさなければ、今頃五人は安全な場所で隠れる事ができていただろう。
しかし、今それを考えたところでどうしようもない。
過ぎてしまった時間を戻す事はできない。
故に、ゼウスのピンチはもう避けられないものとなってしまった。
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