37 / 42
第四話
4
しおりを挟む
少しすると、アルベルトとシュエラの父ハーネット伯爵ラドクリフがやってくる。年齢を重ねた彼は数年前より白髪が増えたが、顔はまだ張りがあって若々しい。アルベルトの発案(そそのかしたのはグレイスだが)で発足した教育推進の部署を司る長官に就任し、現在教師の育成に力を注いでいる。
ラドクリフに続けてシグルドも戻ってきて、全員がソファに座った。
シグルドが先程の話を繰り返すと、ラドクリフがそれに答えた。
「では、アルベルトをハーネット伯爵の後継から降ろさなければなりませんね」
「え……?」
カチュアは思わずつぶやきを漏らしてしまう。カチュアのそんな驚きに、シュエラは優しく答えてくれる。
「アルベルトは、ただグレイスの力になりたいだけじゃなくて、生涯の伴侶になりにいくの。だから」
「あ、すみません。そのことはわかっています。ただ、うっかり忘れていただけで」
ちょっと考えればすぐわかる当たり前のことなのに、何故か嫌な感じがして過剰に反応してしまった。
あたしは、何がそんなに不安なの……?
シュエラとカチュアがしゃべるのをやめると、ラドクリフは話を再開する。
「そうなると、順当に考えればデインがわたしの後継となるところですが」
「え! オレ伯爵になってもいいの!?」
嬉々としたデインの言葉に、カチュアの胸は抉られる。
「おまえ、伯爵になりたかったのか?」
シグルドが呆れて尋ねると、デインはわくわくした様子で答える。
「なれるんならなりたいよ! 伯爵になったら所領でいろんなことができるじゃん?」
「所領は領主が好き放題していい場所じゃないぞ」
デインは興奮して話し始めた。
「わかってるって。たださ、オレ各地を回っていろいろ見てきてるじゃん? そうするとさ、いろいろ思うことがあるんだよ。こここうすればもっと効率が上がるのに、とかさ。でもオレはその土地の領主じゃないし、領民ですらない。口出しするのは職務を逸脱してるかなって思って何とか黙ってるんだ」
「職務逸脱しまくりのくせに、そういうところには気が回るんだな。下手にアドバイスしようものなら、矜持の高い者は逆に反発するだろう」
苦笑しながら言うシグルドに、デインは大きくうなずく。
「そうなんだよ。だからさ、オレが伯爵になれるんならその方法を所領で試してみて、成功したら真似する気になる領主もいるかもしれないだろ? 成功例があれば、しぐしぐも法令にしやすいだろうし」
「デイン、いい加減その名前を口にするのはやめろ。国王陛下に敬意を払えない奴に、父上は爵位を譲ったりしないぞ」
「そうよ、デイン。陛下だって、礼儀をわきまえられない人に爵位を授けることはできないわ」
姉兄に続けざまに言われ、デインはソファに身を沈めてぶすくれる。
「オレだって、わきまえる時はわきまえるよ」
「“わきまえる時は”ではなく、いつでもわきまえていなさい」
ラドクリフがすかさず注意すると、部屋の中にどっと笑いが溢れ、張りつめていた雰囲気も消えて和やかになる。
そんな中、シュエラがふとカチュアに声をかけた。
「どうしたの? カチュア」
シュエラの言葉でカチュアの様子に気付いたデインが、無遠慮に話しかけてくる。
「何急に黙りこくってんだよ。らしくないな。こういうとき、一番笑うのがカチュアじゃんか」
「……侍女であるあたしがこの場で黙っているのは、当然のことでしょ?」
自分を卑下したカチュアの言い方に、デインは怪訝そうに眉をひそめる。
「カチュア?」
二人の微妙な空気に気付かないのか、シグルドは思い出したように話し出した。
「では、デインは爵位を継ぐ意思があるということだな。──それでだ。カチュアも一緒に呼び出したのは、アルベルトが旅立つ前に結婚したらどうかと言いたかったからなのだ。レシュテンに行ったらほとんど帰ってこられないだろうから、次期伯爵の結婚のお披露目はおろそかにできないが、身内だけの簡単なお披露目だけは先にだな」
「あの……ちょっとよろしいでしょうか?」
おずおずと口を差し挟むカチュアに、シグルドは快く応じる。
「どうした?」
「デインが爵位を継ぐなら、平民であるわたくしとの結婚は無理ではないのですか?」
シグルドは意外そうに目をしばたたかせる。
「無理ということはない。そなたの父は帝国から我が国の民を無事引き揚げさせる重要な任務に就いているし、無事任務を終了すれば一代限りであるが叙爵も検討できる。それに、そなたはセドルの付き添い侍女を三年務め、貴族たちのそなたへの反感を好感へと転じさせた。セドルだけでなく余やシュエラの信頼も厚い。デインとの仲は公認であるし、一部の血統至上主義者たち以外はそなたたちの結婚を好意的に受け入れるだろう」
今になってわかった。カチュアの父の出世も、カチュアがセドルの付き添いを務めることになったことも、カチュアを、いずれ爵位を継ぐことになるだろうデインに見合う花嫁にするためだったのだ。もちろん、そのためだけではなかったのだろうけど。
「うん。そういうわけだから、気にしないでお嫁に来るといいよ」
デインが調子に乗った言い方をしながら、カチュアの肩を抱き寄せる。それを見て、シュエラが眉を吊り上げた。
「デイン、ちょっとよしなさい。──カチュア、本当にどうしたの? 言いたいことがあるなら、遠慮なく言っていいのよ?」
気遣わしげに声をかけてくれるシュエラに勇気づけられて、カチュアは思ったことを口にした。
「はい……じゃあ、お言葉に甘えて。──この話、少しの間考えさせてください」
昔のカチュアだったら、その場でわめいて文句を言っていただろう。けれど、二十歳を過ぎ大人になったカチュアには、それが賢い選択ではないことが痛いくらいによくわかる。
デインは不満そうだったが、アルベルトの話がデインをなだめた。
──出だしでつまずくと、後々まで響くぞ。
──けど……。
渋るデインに、アルベルトが声をかける。
──おまえは別に僕の祝福などいらないだろう? だったら彼女に時間をあげるべきだ。おまえはいつだって、家族のこともお構いなしに好き勝手してるけど、伴侶になるカチュアのことまでおろそかにするなよ。
あれから一カ月近く。アルベルトは話し合いのあった日の二日後にはレシュテンに向けて旅立ち、グレイスは同行を希望する者たちとの調整もあって時間がかかったが、あと数日で旅立つレシュテンに向かう予定になっていた。
旅支度の手伝いのために帝国宮殿を訪れていたカチュアは、グレイスから心配そうな声をかけられた。
「カチュア。デインと上手くいっていないのは、わたくしのせい?」
デインとは、あれからろくに話をしていない。
連日のように結婚の承諾を求めてくるけれど、カチュアは何だかんだ言ってはぐらかし、返答を避けていた。
愛する祖父が亡くなり、大きな国の未来を背負わなくてはならないグレイスと比べたら、カチュアたちの問題は瑣末事だ。なのに私事で迷惑をかけたと思っているのか、言いにくそうに謝ってくる。
「わたくしの事情にあなたたちを巻き込んでごめんなさい。あなたも二十歳を超えてそろそろ結婚を焦るでしょうに、とんだ邪魔でしたね」
グレイスまで言うかと苦笑しながら、カチュアは明るく答えた。
「そういう話は言わないのがお約束ですよ。邪魔なんてとんでもない。グレイス様やお兄さんの一大事だっていうのに、自分の結婚にうつつを抜かしてられるデインの神経がどうかしてるっていうんです。もちろん、自分のこともちゃんとします。グレイス様が無事旅立ってからね」
冗談めかして言ってみたけれど、グレイスの気持ちを和らげることにはならなかった。
「カチュアたちの結婚を、アルベルトと一緒に祝いたかったな」
そう言いながら泣きそうになったグレイスに、カチュア申し訳なく思いながら言う。
「……ごめんなさい。話があった時に結論を出せなくて」
グレイスは顔を上げ、無理に微笑んだ。
「いいのよ。カチュアも急に伯爵夫人と言われて驚いたでしょうし。結婚は乙女の一大事なんだから。そう簡単に結論を出してはなりません。結婚を祝いたかったというのはわたくしの勝手な都合だから、気にしないで。……レシュテンの地でも、故国に帰っても、あなたたちのしあわせを願っています」
「──ありがとう」
カチュアも泣きそうになりながら、微笑みを返した。
ラドクリフに続けてシグルドも戻ってきて、全員がソファに座った。
シグルドが先程の話を繰り返すと、ラドクリフがそれに答えた。
「では、アルベルトをハーネット伯爵の後継から降ろさなければなりませんね」
「え……?」
カチュアは思わずつぶやきを漏らしてしまう。カチュアのそんな驚きに、シュエラは優しく答えてくれる。
「アルベルトは、ただグレイスの力になりたいだけじゃなくて、生涯の伴侶になりにいくの。だから」
「あ、すみません。そのことはわかっています。ただ、うっかり忘れていただけで」
ちょっと考えればすぐわかる当たり前のことなのに、何故か嫌な感じがして過剰に反応してしまった。
あたしは、何がそんなに不安なの……?
シュエラとカチュアがしゃべるのをやめると、ラドクリフは話を再開する。
「そうなると、順当に考えればデインがわたしの後継となるところですが」
「え! オレ伯爵になってもいいの!?」
嬉々としたデインの言葉に、カチュアの胸は抉られる。
「おまえ、伯爵になりたかったのか?」
シグルドが呆れて尋ねると、デインはわくわくした様子で答える。
「なれるんならなりたいよ! 伯爵になったら所領でいろんなことができるじゃん?」
「所領は領主が好き放題していい場所じゃないぞ」
デインは興奮して話し始めた。
「わかってるって。たださ、オレ各地を回っていろいろ見てきてるじゃん? そうするとさ、いろいろ思うことがあるんだよ。こここうすればもっと効率が上がるのに、とかさ。でもオレはその土地の領主じゃないし、領民ですらない。口出しするのは職務を逸脱してるかなって思って何とか黙ってるんだ」
「職務逸脱しまくりのくせに、そういうところには気が回るんだな。下手にアドバイスしようものなら、矜持の高い者は逆に反発するだろう」
苦笑しながら言うシグルドに、デインは大きくうなずく。
「そうなんだよ。だからさ、オレが伯爵になれるんならその方法を所領で試してみて、成功したら真似する気になる領主もいるかもしれないだろ? 成功例があれば、しぐしぐも法令にしやすいだろうし」
「デイン、いい加減その名前を口にするのはやめろ。国王陛下に敬意を払えない奴に、父上は爵位を譲ったりしないぞ」
「そうよ、デイン。陛下だって、礼儀をわきまえられない人に爵位を授けることはできないわ」
姉兄に続けざまに言われ、デインはソファに身を沈めてぶすくれる。
「オレだって、わきまえる時はわきまえるよ」
「“わきまえる時は”ではなく、いつでもわきまえていなさい」
ラドクリフがすかさず注意すると、部屋の中にどっと笑いが溢れ、張りつめていた雰囲気も消えて和やかになる。
そんな中、シュエラがふとカチュアに声をかけた。
「どうしたの? カチュア」
シュエラの言葉でカチュアの様子に気付いたデインが、無遠慮に話しかけてくる。
「何急に黙りこくってんだよ。らしくないな。こういうとき、一番笑うのがカチュアじゃんか」
「……侍女であるあたしがこの場で黙っているのは、当然のことでしょ?」
自分を卑下したカチュアの言い方に、デインは怪訝そうに眉をひそめる。
「カチュア?」
二人の微妙な空気に気付かないのか、シグルドは思い出したように話し出した。
「では、デインは爵位を継ぐ意思があるということだな。──それでだ。カチュアも一緒に呼び出したのは、アルベルトが旅立つ前に結婚したらどうかと言いたかったからなのだ。レシュテンに行ったらほとんど帰ってこられないだろうから、次期伯爵の結婚のお披露目はおろそかにできないが、身内だけの簡単なお披露目だけは先にだな」
「あの……ちょっとよろしいでしょうか?」
おずおずと口を差し挟むカチュアに、シグルドは快く応じる。
「どうした?」
「デインが爵位を継ぐなら、平民であるわたくしとの結婚は無理ではないのですか?」
シグルドは意外そうに目をしばたたかせる。
「無理ということはない。そなたの父は帝国から我が国の民を無事引き揚げさせる重要な任務に就いているし、無事任務を終了すれば一代限りであるが叙爵も検討できる。それに、そなたはセドルの付き添い侍女を三年務め、貴族たちのそなたへの反感を好感へと転じさせた。セドルだけでなく余やシュエラの信頼も厚い。デインとの仲は公認であるし、一部の血統至上主義者たち以外はそなたたちの結婚を好意的に受け入れるだろう」
今になってわかった。カチュアの父の出世も、カチュアがセドルの付き添いを務めることになったことも、カチュアを、いずれ爵位を継ぐことになるだろうデインに見合う花嫁にするためだったのだ。もちろん、そのためだけではなかったのだろうけど。
「うん。そういうわけだから、気にしないでお嫁に来るといいよ」
デインが調子に乗った言い方をしながら、カチュアの肩を抱き寄せる。それを見て、シュエラが眉を吊り上げた。
「デイン、ちょっとよしなさい。──カチュア、本当にどうしたの? 言いたいことがあるなら、遠慮なく言っていいのよ?」
気遣わしげに声をかけてくれるシュエラに勇気づけられて、カチュアは思ったことを口にした。
「はい……じゃあ、お言葉に甘えて。──この話、少しの間考えさせてください」
昔のカチュアだったら、その場でわめいて文句を言っていただろう。けれど、二十歳を過ぎ大人になったカチュアには、それが賢い選択ではないことが痛いくらいによくわかる。
デインは不満そうだったが、アルベルトの話がデインをなだめた。
──出だしでつまずくと、後々まで響くぞ。
──けど……。
渋るデインに、アルベルトが声をかける。
──おまえは別に僕の祝福などいらないだろう? だったら彼女に時間をあげるべきだ。おまえはいつだって、家族のこともお構いなしに好き勝手してるけど、伴侶になるカチュアのことまでおろそかにするなよ。
あれから一カ月近く。アルベルトは話し合いのあった日の二日後にはレシュテンに向けて旅立ち、グレイスは同行を希望する者たちとの調整もあって時間がかかったが、あと数日で旅立つレシュテンに向かう予定になっていた。
旅支度の手伝いのために帝国宮殿を訪れていたカチュアは、グレイスから心配そうな声をかけられた。
「カチュア。デインと上手くいっていないのは、わたくしのせい?」
デインとは、あれからろくに話をしていない。
連日のように結婚の承諾を求めてくるけれど、カチュアは何だかんだ言ってはぐらかし、返答を避けていた。
愛する祖父が亡くなり、大きな国の未来を背負わなくてはならないグレイスと比べたら、カチュアたちの問題は瑣末事だ。なのに私事で迷惑をかけたと思っているのか、言いにくそうに謝ってくる。
「わたくしの事情にあなたたちを巻き込んでごめんなさい。あなたも二十歳を超えてそろそろ結婚を焦るでしょうに、とんだ邪魔でしたね」
グレイスまで言うかと苦笑しながら、カチュアは明るく答えた。
「そういう話は言わないのがお約束ですよ。邪魔なんてとんでもない。グレイス様やお兄さんの一大事だっていうのに、自分の結婚にうつつを抜かしてられるデインの神経がどうかしてるっていうんです。もちろん、自分のこともちゃんとします。グレイス様が無事旅立ってからね」
冗談めかして言ってみたけれど、グレイスの気持ちを和らげることにはならなかった。
「カチュアたちの結婚を、アルベルトと一緒に祝いたかったな」
そう言いながら泣きそうになったグレイスに、カチュア申し訳なく思いながら言う。
「……ごめんなさい。話があった時に結論を出せなくて」
グレイスは顔を上げ、無理に微笑んだ。
「いいのよ。カチュアも急に伯爵夫人と言われて驚いたでしょうし。結婚は乙女の一大事なんだから。そう簡単に結論を出してはなりません。結婚を祝いたかったというのはわたくしの勝手な都合だから、気にしないで。……レシュテンの地でも、故国に帰っても、あなたたちのしあわせを願っています」
「──ありがとう」
カチュアも泣きそうになりながら、微笑みを返した。
0
お気に入りに追加
490
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
らっきー♪
市尾彩佳
恋愛
公爵家の下働きをしているアネットと、その公爵の息子であるケヴィン。同じ邸で育ちながら、出会ったのはケヴィン16歳の年。しかもふかふかなベッドの中。
意思の疎通の食い違いから“知り合い”になった二人。互いに結ばれることがないとわかっているからこそ、頑なに距離を保ち続けていたはずが──。「これがわたしの旦那さま」の過去編です。本編をお読みでなくても大丈夫な書き方を目指しました。「小説家になろう」さんでも公開しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる