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第三話
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「余裕ぶっこいてるつもりも、貴族の特権を軽んじてるつもりもありません。オレ──わたしの望む将来を得るためには、貴族の身分が邪魔だからです。カチュアは、身分差を理由にわたしのプロポーズを断りました。カチュアは貴族に── 一部の貴族を除いてですが、貴族に対して反感を持っています。そんなカチュアを、多くの貴族たちも快く思っていないことも知っています。国王陛下のご威光があれば、カチュアを貴族の妻にすることはできるんだと思います。けれど、貴族たちに囲まれる生活を送るのでは、カチュアはしあわせになれないと思うんです。ヘリオット──様が言ってました。“あの子は市井で子だくさんのおかみさんになって、毎日笑ってるのが似合うと思っているんだ”って。わたしもそう思います。だからわたしは、カチュアがそんな人生を送れるように、平民になって市井で暮らしたいと思っています」
デインが話を終えた後、しばらくの間国王夫妻の談話室の中に沈黙が降りた。
セドルは何だか悔しそうに唇を噛み、シグルドとシュエラはデインのこの考えをあらかじめ聞いていたのか、黙ってカチュアの反応を見つめる。
そしてカチュアは、静かに涙を流していた。
そんなことを考えていてくれたなんて──。
いい加減な奴だと、考えナシな奴だと思ってた。
後先考えない無責任な行動に、大声でわめきたくなるほど腹が立ったこともある。
けれど、デインはデインなりに考えてくれていた。
カチュアが考えもしなかった、本当のしあわせについて。
嬉しさに、涙が止まらない。
ドレスの腰に止めてあったハンカチを取り、涙にぬれる目元や頬を押さえていると、優しげだけどどこか呆れたようなシグルドの声がした。
「カチュアの意見が聞きたかったが、どうやら聞くまでもなさそうだな」
はたとして顔を上げれば、シグルドだけでなくシュエラも微笑ましそうな顔をしてカチュアを見ている。
恥ずかしさのあまり、カチュアの涙も引っ込んだ。
「ち、違うんです! これは、あの」
「カチュア。ここは素直になっておかないと、せっかくの幸運が逃げちゃうわよ?」
シュエラの言い分ももっともで、カチュアは二の句を継げなくなって、下を向いて赤面する。
顔を上げられないカチュアの前で、シグルドとセドルが話を始めた。
「セドル、こういうことになったが、いいか?」
「“いいか?”も何も、僕に口を挟む余地がないことはおわかりでしょう? ──完敗です。僕はフラれただけでなく、カチュアのしあわせを願う一番の者にもなれなかった」
「そんなことないです! セドル様は」
恥ずかしさを忘れてカチュアが顔を上げると、セドルは肩をすくめて苦笑いする。
「強引に迫ってみても同情に訴えても、君をなびかせられなかったんだから、やっぱり完敗だよ。──そういう方法に訴えた段階で負けてたことは、とっくにわかってたんだ」
その言葉に、カチュアはあの日の夕方のセドルの、イメージが違いすぎた理由に気付く。
たばかられたと怒るべきなのか、そこまで欲しがってくれたのに申し訳ないと思うべきなのか、わからなくて困ってしまう。
セドルとの話を終えると、シグルドはすぐにデインのほうを向いた。
「デイン、おまえを平民の身分にすることは可能だ。おまえの父であるハーネット伯爵も“おまえがそれを望むなら止められない”とあきらめているからな。だが、国王として、義理の兄として、おまえの無責任さは容認できない」
「これからはちゃんとします!」
「“これから”ではなく、今のことだ。おまえは衛兵長の推薦を受け、試験に合格して、栄えある近衛隊の隊員になったばかりだ。誰もが羨む地位を得ながら、それを早々に放りだす気か? 実力重視になったとはいえ、平民が近衛隊士になることを余はまだ許可することはできない」
「……その通りです。申し訳ありません」
もっともな指摘を受け悔しそうにうつむくデインに、シグルドはもったいぶって言う。
「──だが、特別任務に就き、その報奨として近衛隊士の栄誉を返上し市井に降りることを望むなら、誰も文句は言うまい。おまえの変人ぶりは、すでに皆の知るところだからな」
「へ? 特別任務って?」
思わぬことを言われ、デインはついつい素の口調を出してしまう。それをシグルドが冷ややかに指摘した。
「言葉遣い」
デインは慌てて姿勢を正して言い直した。
「特別任務とは、一体どのようなものなのでしょう?」
シグルドは満足そうにうなずき、説明を始めた。
「レシュテンの民の受け入れに関しての隠密査察だ」
長年に渡った隣国レシュテンウィッツの内乱は、まだ記憶に新しい。その最終局面で、ラウシュリッツ王国は多くの難民を受け入れた。
「法を制定したものの、国全体で行われている大きな制度のため、行き渡らないこともある。実際、いくつかもめごとの報告も入ってきている。おまえには、レシュテンの民受け入れが円滑順調に行われているか内密に調査することを命じたい。その場その場に素早く溶け込む能力に長け、市井の暮らしも知るおまえなら、しくじることなく公正な調査を行うことができるはずだ。その調査を終えたら、大手を振って市井に下りカチュアと結婚するといい。──それまでは、カチュアはセドル付きの侍女として預からせてもらう。カチュアがセドルに心変わりしないうちに、とっとと任務を終わらせるといい」
「は!」
先ほどの指摘を覚えているからか、デインは胸にこぶしを当てて敬礼の姿勢を取り、はきと返事する。
シグルドは再びセドルに視線を移した。
「貴族たちが、そなたが公爵位を継げないだろうと噂していることは耳に入っている。だが、余も三公爵も、イドリックの裁きの折に定められた取り決めを変更するつもりは一切ない。そなたの母上も、クリフォード公爵、ペレス公爵、そして実質ラダム公爵派をまとめるブレイス侯爵を敵に回すのは得策ではないとわかっているはずだ。血統を重んじる者たちでも、自分たちの地位が誰のおかげで保たれているか、よくわかっているからな。だから安心して公爵になるための勉学に励み、余の治世、そして次の治世もこの国を支えていってもらいたい」
「……身に余るお言葉をいただき、恐悦至極に存じます」
殊勝に頭を下げるセドルに、シグルドは同情の笑みを浮かべる。
「まあ初恋というものは、叶わぬものと相場が決まっている。次に恋しく思う者が現れたら、こっそり教えてくれ。ヘリオットにも協力させて、陰ながら成就に力を貸そう」
「ありがとうございます……」
失恋を決定的なものにしたセドルは複雑な笑みを浮かべて、壁際に移動した二人を残念そうに見つめる。
「あ、あんた平民になるっていうけど、どうやって生活してくつもりよ? 近衛隊士を辞めたあとごくつぶしになられちゃ困るんだからね!」
「カチュアの実家になら、いくらでも仕事があるだろ? 荷物運びでも用心棒でも、何だってするよ」
部屋の隅に寄ってこそこそしてるつもりなんだろうけど、隠れられる場所があるわけでもなく、ましてや他の面々の注目を集めているのではこそこそしても意味がない。
抱きつこうとしてくるデインを両腕で懸命に阻んでいたカチュアは、注目を浴びていることに気付くと奥の手に出た。
「だから、人前でこういうことをしないでって言ってるでしょ!?」
カチュアの肘鉄が、上手い具合にデインの顎に当たる。
デインを撃退できてすっきりした顔で笑うカチュアに、顎に手を当てよろめきながら後退るデインは、痛みをこらえながらにやっと笑った。
「じゃあ人目がなければいいってことだよな?」
「揚げ足を取るんじゃない!」
真っ赤になったカチュアの叫び声は、談話室の外にまで響き渡った。
デインが話を終えた後、しばらくの間国王夫妻の談話室の中に沈黙が降りた。
セドルは何だか悔しそうに唇を噛み、シグルドとシュエラはデインのこの考えをあらかじめ聞いていたのか、黙ってカチュアの反応を見つめる。
そしてカチュアは、静かに涙を流していた。
そんなことを考えていてくれたなんて──。
いい加減な奴だと、考えナシな奴だと思ってた。
後先考えない無責任な行動に、大声でわめきたくなるほど腹が立ったこともある。
けれど、デインはデインなりに考えてくれていた。
カチュアが考えもしなかった、本当のしあわせについて。
嬉しさに、涙が止まらない。
ドレスの腰に止めてあったハンカチを取り、涙にぬれる目元や頬を押さえていると、優しげだけどどこか呆れたようなシグルドの声がした。
「カチュアの意見が聞きたかったが、どうやら聞くまでもなさそうだな」
はたとして顔を上げれば、シグルドだけでなくシュエラも微笑ましそうな顔をしてカチュアを見ている。
恥ずかしさのあまり、カチュアの涙も引っ込んだ。
「ち、違うんです! これは、あの」
「カチュア。ここは素直になっておかないと、せっかくの幸運が逃げちゃうわよ?」
シュエラの言い分ももっともで、カチュアは二の句を継げなくなって、下を向いて赤面する。
顔を上げられないカチュアの前で、シグルドとセドルが話を始めた。
「セドル、こういうことになったが、いいか?」
「“いいか?”も何も、僕に口を挟む余地がないことはおわかりでしょう? ──完敗です。僕はフラれただけでなく、カチュアのしあわせを願う一番の者にもなれなかった」
「そんなことないです! セドル様は」
恥ずかしさを忘れてカチュアが顔を上げると、セドルは肩をすくめて苦笑いする。
「強引に迫ってみても同情に訴えても、君をなびかせられなかったんだから、やっぱり完敗だよ。──そういう方法に訴えた段階で負けてたことは、とっくにわかってたんだ」
その言葉に、カチュアはあの日の夕方のセドルの、イメージが違いすぎた理由に気付く。
たばかられたと怒るべきなのか、そこまで欲しがってくれたのに申し訳ないと思うべきなのか、わからなくて困ってしまう。
セドルとの話を終えると、シグルドはすぐにデインのほうを向いた。
「デイン、おまえを平民の身分にすることは可能だ。おまえの父であるハーネット伯爵も“おまえがそれを望むなら止められない”とあきらめているからな。だが、国王として、義理の兄として、おまえの無責任さは容認できない」
「これからはちゃんとします!」
「“これから”ではなく、今のことだ。おまえは衛兵長の推薦を受け、試験に合格して、栄えある近衛隊の隊員になったばかりだ。誰もが羨む地位を得ながら、それを早々に放りだす気か? 実力重視になったとはいえ、平民が近衛隊士になることを余はまだ許可することはできない」
「……その通りです。申し訳ありません」
もっともな指摘を受け悔しそうにうつむくデインに、シグルドはもったいぶって言う。
「──だが、特別任務に就き、その報奨として近衛隊士の栄誉を返上し市井に降りることを望むなら、誰も文句は言うまい。おまえの変人ぶりは、すでに皆の知るところだからな」
「へ? 特別任務って?」
思わぬことを言われ、デインはついつい素の口調を出してしまう。それをシグルドが冷ややかに指摘した。
「言葉遣い」
デインは慌てて姿勢を正して言い直した。
「特別任務とは、一体どのようなものなのでしょう?」
シグルドは満足そうにうなずき、説明を始めた。
「レシュテンの民の受け入れに関しての隠密査察だ」
長年に渡った隣国レシュテンウィッツの内乱は、まだ記憶に新しい。その最終局面で、ラウシュリッツ王国は多くの難民を受け入れた。
「法を制定したものの、国全体で行われている大きな制度のため、行き渡らないこともある。実際、いくつかもめごとの報告も入ってきている。おまえには、レシュテンの民受け入れが円滑順調に行われているか内密に調査することを命じたい。その場その場に素早く溶け込む能力に長け、市井の暮らしも知るおまえなら、しくじることなく公正な調査を行うことができるはずだ。その調査を終えたら、大手を振って市井に下りカチュアと結婚するといい。──それまでは、カチュアはセドル付きの侍女として預からせてもらう。カチュアがセドルに心変わりしないうちに、とっとと任務を終わらせるといい」
「は!」
先ほどの指摘を覚えているからか、デインは胸にこぶしを当てて敬礼の姿勢を取り、はきと返事する。
シグルドは再びセドルに視線を移した。
「貴族たちが、そなたが公爵位を継げないだろうと噂していることは耳に入っている。だが、余も三公爵も、イドリックの裁きの折に定められた取り決めを変更するつもりは一切ない。そなたの母上も、クリフォード公爵、ペレス公爵、そして実質ラダム公爵派をまとめるブレイス侯爵を敵に回すのは得策ではないとわかっているはずだ。血統を重んじる者たちでも、自分たちの地位が誰のおかげで保たれているか、よくわかっているからな。だから安心して公爵になるための勉学に励み、余の治世、そして次の治世もこの国を支えていってもらいたい」
「……身に余るお言葉をいただき、恐悦至極に存じます」
殊勝に頭を下げるセドルに、シグルドは同情の笑みを浮かべる。
「まあ初恋というものは、叶わぬものと相場が決まっている。次に恋しく思う者が現れたら、こっそり教えてくれ。ヘリオットにも協力させて、陰ながら成就に力を貸そう」
「ありがとうございます……」
失恋を決定的なものにしたセドルは複雑な笑みを浮かべて、壁際に移動した二人を残念そうに見つめる。
「あ、あんた平民になるっていうけど、どうやって生活してくつもりよ? 近衛隊士を辞めたあとごくつぶしになられちゃ困るんだからね!」
「カチュアの実家になら、いくらでも仕事があるだろ? 荷物運びでも用心棒でも、何だってするよ」
部屋の隅に寄ってこそこそしてるつもりなんだろうけど、隠れられる場所があるわけでもなく、ましてや他の面々の注目を集めているのではこそこそしても意味がない。
抱きつこうとしてくるデインを両腕で懸命に阻んでいたカチュアは、注目を浴びていることに気付くと奥の手に出た。
「だから、人前でこういうことをしないでって言ってるでしょ!?」
カチュアの肘鉄が、上手い具合にデインの顎に当たる。
デインを撃退できてすっきりした顔で笑うカチュアに、顎に手を当てよろめきながら後退るデインは、痛みをこらえながらにやっと笑った。
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