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第三話
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今の、何だったの……?
一目散に走りながら、カチュアはぐるぐる考える。
何だったのかと尋ねるまでもない。
キス、しようとした──。
唇と唇が触れ合う直前、カチュアは思わず突き飛ばしていた。
何でいきなりあんなことを……?
ううん、違う。デインはいつだって、言動でそのことを示してきた。カチュアにプロポーズし、いくら断っても諦めなくて。
けど、プロポーズは恥じらいもなく開けっぴろげで、まるで子どものように簡単に抱きついてくるから、とてもじゃないけど本気とは思えなかった。
それがキスされそうになった途端、まるで世界がひっくり返ったかのように状況が変わる。
前からあんなことをしたかったの? 抱きついてきていたのは、その先を望んでいたから?
そのことに気付いたカチュアは、北館の裏口に入ってすぐのところで立ち止り、真っ赤になった頬を両手で押さえる。
デ、デデデ、デインは、ずっとあたしとああいうことをしたかったってコト……!?
ホントに恋愛対象として想われていたなんて、思ってもみなかった。
──好きで好きで、どうしようもないんだよ──。
熱く、切ないささやき。
どうしよう。本気だったなんて──。
デインからもらった黄色いリボンは、洗濯場でアイロンをかけさせてもらって、また左手首に巻いている。
窓辺に寄せた椅子に座って、袖口に隠していたそれをぼんやり眺めていると、部屋の中央に置かれたテーブルで書物を読んでいたセドルに声をかけられた。
「カチュア、一昨日から何だか変だよ。──もしかして、悩ませちゃったのかな?」
「え?」
「僕の申し出」
「あ──」
すっかり忘れていたことに気付いて、カチュアは慌てふためく。
セドルは苦笑いを浮かべながらため息をついた。
「その様子じゃ、考えてもなかったみたいだね」
「す、すみません」
さりげなくリボンを袖口に隠しながら、カチュアはしおしおと謝る。
テーブルの上に広げた書物はそのままに、セドルは席を立ってカチュアに近付いてきた。カチュアも立ち上がり、窓の外を見下ろすセドルの横に並ぶ。
「それで、何を悩んでたの?」
セドルの問いに、すぐには答えられなかった。
カチュアの悩みはセドルへの返事とも関係することで、安易に口にすればセドルを傷つけてしまうことになる。
考え考え、カチュアはぽつぽつと話し出す。
「セドル様があたしにも似合う黄色いドレスを選んでくださったこと、嬉しくなかったわけではないんです。あたしの好みを考えてくださって、とても嬉しかった。でも、やっぱりあたしが好きな黄色は、お日様のように明るい鮮やかな黄色なんです。セドル様のことは好きです。だから、セドル様が選んでくださったドレスも好きです。けど……ごめんなさい。あたしはセドル様の内縁の妻にはなれません」
「……それは、カチュアが手首に巻いてるリボンみたいな黄色しか好きじゃないように、カチュアはデインしか選べないってこと?」
寂しげなセドルの言葉に、カチュアも寂しげに答える。
「……はい。もちろん、デインと結婚できるなんて夢にも思ってません。平民のあたしが上級貴族の、しかも王妃陛下の弟君と結婚だなんて、玉の輿にもほどがありますもん」
言葉の最後をちょっと茶化してセドルのほうを見れば、セドルの悲しげな表情と行き合う。
傷つけないように、なんて無理な話だよね……。
好きな人に拒まれれば、傷つくに決まってる。それがわかってるから、カチュアも辛い。
それでも、けじめをつけなくちゃいけないことなんだ。
「セドル様。あたしは返事を迷いました。でもそれは、セドル様を放っておけないと思ったからで、セドル様を愛しているからじゃなかったんです。セドル様のことは好きです。でも、セドル様の妻になりたいという好きではないんです。──この先もきっと、あたしの心の中にあるセドル様を好きという気持ちの種類は変わりません」
「デインのことが、そんなに好きなの?」
カチュアは素直にうなずく。
うなずいたと同時に涙がこぼれた。
デインと結ばれないことはわかってた。
わかってたのに、気持ちを止めることができなかった。
デインに奪われた心は、この先ずっと戻らないと思う。
「デインと結婚できないってわかってて、それでも僕の申し出を断るの?」
そう言ったセドルの表情にかすかな笑みが宿るのを見て、彼がカチュアの返事をある程度予測していることを察する。
だからカチュアは、晴れやかな笑顔で答えた。
「デインを忘れられないまま妻になったりしたら、セドル様に悪いですもん。──あたし、セドル様のこと好きです。でもそれは恋愛感情じゃない。セドル様もそうだと思うんです。今はただ、爵位についての噂に動揺して、心細いから誰かにずっと側にいてほしいって思ってるだけで。だから、セドル様が王城を去ることになった時、あたしにもついてこいとおっしゃるのでしたら、内縁の妻としてではなく使用人としてついていきたいと思います」
思い返せば、プロポーズされたあの日から、デインに惹かれていたように思う。
“公衆の面前で何寝言ほざいてるんだ”と腹は立ったけれど、認めようとしなくてもデインとの掛け合いは楽しくて、いつの間にか失恋の痛手は和らいでいた。
それが同情からくるものだと知ってがっかりして、少し心が痛んだ。
“もう大丈夫だから”と言っても言い寄ってくるデインをうっとおしく思いながらも、ちょっとは嬉しかったし、姿を現すのを心待ちにしていたようにも思う。
あのことがあって、シュエラやシグルド、セドルの気遣いでデインが引き離されてからは、毎日が寂しくて。
この寂しい思いが消える日が来るとは思えない。
結ばれなくても、きっと一生デインのことを想い続ける。
結婚相手を見つけてこいと言って王城にカチュアを送り込んだ父親も、事情を話せば結婚しなくても許してくれるだろう。実家には、カチュアにもできる仕事がごまんとある。いつかセドルがカチュアを必要としなくなり、カチュア自身も王城を去るべき日が来たら、実家に戻って仕事を手伝おう。
そう覚悟を決めた翌日、カチュアはセドルに連れられて、国王夫妻の談話室を訪れた。
談話室ではシグルドとシュエラと、そして何故かデインの姿もある。
今までデインの話題すら避けてたのに、どうして……?
「カチュア……」「デイン、君も呼ばれたのか?」
デインとセドルの言葉が重なる。
カチュアは、何と言ったらいいのかわからなかった。何故この面子が集められたのか、さっぱりわからなくて。
「セドル、デイン、カチュア」
シュエラと一緒にテーブルに着いていたシグルドは、名前を呼ぶことで三人を自分の前に並ばせた。
使用人であり、平民出身であることをわきまえて、カチュアが二人より一歩下がったところに控えると、シグルドは三人の顔をゆっくりと見回してから口を開いた。
「まずは、セドルの申し入れについての話からしよう。──デインと、カチュアの結婚を認めてほしいということだったな?」
「え……えええ!?」
一瞬呆然とした後、カチュアは思わず大声を上げてしまう。
「カチュア、とりあえず静かに話を聞いて?」
シュエラに穏やかにたしなめられて、カチュアは自分の両手で口をふさぐ。はしたないのはわかってるけど、そうでもしなきゃまた叫んでしまいそうだ。
セドル様、一体何を考えてるの……!?
カチュアが静かになったところで、セドルはシグルドの問いに答える。
「はい。カチュアの父親は、現在国の重要な務めに就いています。その働きは、叙爵という形で讃えられてもいいほどのものです。それにカチュアには、国王陛下というこの国一番の後見人についてもらっている。しかもデインは伯爵家の二男で、爵位を継ぐ義務もない。国王陛下がお認めになれば、結婚にさほどの障害はないかと思うのです」
聞き終えたシグルドは、今度はデインに質問を向ける。
「それでデイン、おまえは元王妃エミリアのように、貴族の身分はく奪を望むのだったな?」
「ちょ……! あんたホントの馬鹿!?」
これにはさすがに黙っていられず、カチュアはセドルを挟んだ向こう側にいるデインに詰め寄り胸倉を掴んで締め上げる。
「平民が何で娘を差し出してでも貴族と縁故を結びたいと思うのか、わかってるの!? 貴族は平民が喉から手が出るほど欲しがる特権を持ってるからなのよ! その特権を簡単に放棄するなんて言わないで! その余裕ぶっこいた態度がムカつくから!」
「カチュアが怒る理由はよくわかったわ。だけどデインの言い分も聞かせてもらっていいかしら?」
シグルドとセドルが唖然として一言も口をきけない中、シュエラがくすくす笑って仲裁に入る。そのおっとりした様子に毒気を抜かれて、カチュアがデインの胸倉から手を離すと、デインは服の裾を引っ張って整え、それからシグルドのほうに向きなおって話し始めた。
一目散に走りながら、カチュアはぐるぐる考える。
何だったのかと尋ねるまでもない。
キス、しようとした──。
唇と唇が触れ合う直前、カチュアは思わず突き飛ばしていた。
何でいきなりあんなことを……?
ううん、違う。デインはいつだって、言動でそのことを示してきた。カチュアにプロポーズし、いくら断っても諦めなくて。
けど、プロポーズは恥じらいもなく開けっぴろげで、まるで子どものように簡単に抱きついてくるから、とてもじゃないけど本気とは思えなかった。
それがキスされそうになった途端、まるで世界がひっくり返ったかのように状況が変わる。
前からあんなことをしたかったの? 抱きついてきていたのは、その先を望んでいたから?
そのことに気付いたカチュアは、北館の裏口に入ってすぐのところで立ち止り、真っ赤になった頬を両手で押さえる。
デ、デデデ、デインは、ずっとあたしとああいうことをしたかったってコト……!?
ホントに恋愛対象として想われていたなんて、思ってもみなかった。
──好きで好きで、どうしようもないんだよ──。
熱く、切ないささやき。
どうしよう。本気だったなんて──。
デインからもらった黄色いリボンは、洗濯場でアイロンをかけさせてもらって、また左手首に巻いている。
窓辺に寄せた椅子に座って、袖口に隠していたそれをぼんやり眺めていると、部屋の中央に置かれたテーブルで書物を読んでいたセドルに声をかけられた。
「カチュア、一昨日から何だか変だよ。──もしかして、悩ませちゃったのかな?」
「え?」
「僕の申し出」
「あ──」
すっかり忘れていたことに気付いて、カチュアは慌てふためく。
セドルは苦笑いを浮かべながらため息をついた。
「その様子じゃ、考えてもなかったみたいだね」
「す、すみません」
さりげなくリボンを袖口に隠しながら、カチュアはしおしおと謝る。
テーブルの上に広げた書物はそのままに、セドルは席を立ってカチュアに近付いてきた。カチュアも立ち上がり、窓の外を見下ろすセドルの横に並ぶ。
「それで、何を悩んでたの?」
セドルの問いに、すぐには答えられなかった。
カチュアの悩みはセドルへの返事とも関係することで、安易に口にすればセドルを傷つけてしまうことになる。
考え考え、カチュアはぽつぽつと話し出す。
「セドル様があたしにも似合う黄色いドレスを選んでくださったこと、嬉しくなかったわけではないんです。あたしの好みを考えてくださって、とても嬉しかった。でも、やっぱりあたしが好きな黄色は、お日様のように明るい鮮やかな黄色なんです。セドル様のことは好きです。だから、セドル様が選んでくださったドレスも好きです。けど……ごめんなさい。あたしはセドル様の内縁の妻にはなれません」
「……それは、カチュアが手首に巻いてるリボンみたいな黄色しか好きじゃないように、カチュアはデインしか選べないってこと?」
寂しげなセドルの言葉に、カチュアも寂しげに答える。
「……はい。もちろん、デインと結婚できるなんて夢にも思ってません。平民のあたしが上級貴族の、しかも王妃陛下の弟君と結婚だなんて、玉の輿にもほどがありますもん」
言葉の最後をちょっと茶化してセドルのほうを見れば、セドルの悲しげな表情と行き合う。
傷つけないように、なんて無理な話だよね……。
好きな人に拒まれれば、傷つくに決まってる。それがわかってるから、カチュアも辛い。
それでも、けじめをつけなくちゃいけないことなんだ。
「セドル様。あたしは返事を迷いました。でもそれは、セドル様を放っておけないと思ったからで、セドル様を愛しているからじゃなかったんです。セドル様のことは好きです。でも、セドル様の妻になりたいという好きではないんです。──この先もきっと、あたしの心の中にあるセドル様を好きという気持ちの種類は変わりません」
「デインのことが、そんなに好きなの?」
カチュアは素直にうなずく。
うなずいたと同時に涙がこぼれた。
デインと結ばれないことはわかってた。
わかってたのに、気持ちを止めることができなかった。
デインに奪われた心は、この先ずっと戻らないと思う。
「デインと結婚できないってわかってて、それでも僕の申し出を断るの?」
そう言ったセドルの表情にかすかな笑みが宿るのを見て、彼がカチュアの返事をある程度予測していることを察する。
だからカチュアは、晴れやかな笑顔で答えた。
「デインを忘れられないまま妻になったりしたら、セドル様に悪いですもん。──あたし、セドル様のこと好きです。でもそれは恋愛感情じゃない。セドル様もそうだと思うんです。今はただ、爵位についての噂に動揺して、心細いから誰かにずっと側にいてほしいって思ってるだけで。だから、セドル様が王城を去ることになった時、あたしにもついてこいとおっしゃるのでしたら、内縁の妻としてではなく使用人としてついていきたいと思います」
思い返せば、プロポーズされたあの日から、デインに惹かれていたように思う。
“公衆の面前で何寝言ほざいてるんだ”と腹は立ったけれど、認めようとしなくてもデインとの掛け合いは楽しくて、いつの間にか失恋の痛手は和らいでいた。
それが同情からくるものだと知ってがっかりして、少し心が痛んだ。
“もう大丈夫だから”と言っても言い寄ってくるデインをうっとおしく思いながらも、ちょっとは嬉しかったし、姿を現すのを心待ちにしていたようにも思う。
あのことがあって、シュエラやシグルド、セドルの気遣いでデインが引き離されてからは、毎日が寂しくて。
この寂しい思いが消える日が来るとは思えない。
結ばれなくても、きっと一生デインのことを想い続ける。
結婚相手を見つけてこいと言って王城にカチュアを送り込んだ父親も、事情を話せば結婚しなくても許してくれるだろう。実家には、カチュアにもできる仕事がごまんとある。いつかセドルがカチュアを必要としなくなり、カチュア自身も王城を去るべき日が来たら、実家に戻って仕事を手伝おう。
そう覚悟を決めた翌日、カチュアはセドルに連れられて、国王夫妻の談話室を訪れた。
談話室ではシグルドとシュエラと、そして何故かデインの姿もある。
今までデインの話題すら避けてたのに、どうして……?
「カチュア……」「デイン、君も呼ばれたのか?」
デインとセドルの言葉が重なる。
カチュアは、何と言ったらいいのかわからなかった。何故この面子が集められたのか、さっぱりわからなくて。
「セドル、デイン、カチュア」
シュエラと一緒にテーブルに着いていたシグルドは、名前を呼ぶことで三人を自分の前に並ばせた。
使用人であり、平民出身であることをわきまえて、カチュアが二人より一歩下がったところに控えると、シグルドは三人の顔をゆっくりと見回してから口を開いた。
「まずは、セドルの申し入れについての話からしよう。──デインと、カチュアの結婚を認めてほしいということだったな?」
「え……えええ!?」
一瞬呆然とした後、カチュアは思わず大声を上げてしまう。
「カチュア、とりあえず静かに話を聞いて?」
シュエラに穏やかにたしなめられて、カチュアは自分の両手で口をふさぐ。はしたないのはわかってるけど、そうでもしなきゃまた叫んでしまいそうだ。
セドル様、一体何を考えてるの……!?
カチュアが静かになったところで、セドルはシグルドの問いに答える。
「はい。カチュアの父親は、現在国の重要な務めに就いています。その働きは、叙爵という形で讃えられてもいいほどのものです。それにカチュアには、国王陛下というこの国一番の後見人についてもらっている。しかもデインは伯爵家の二男で、爵位を継ぐ義務もない。国王陛下がお認めになれば、結婚にさほどの障害はないかと思うのです」
聞き終えたシグルドは、今度はデインに質問を向ける。
「それでデイン、おまえは元王妃エミリアのように、貴族の身分はく奪を望むのだったな?」
「ちょ……! あんたホントの馬鹿!?」
これにはさすがに黙っていられず、カチュアはセドルを挟んだ向こう側にいるデインに詰め寄り胸倉を掴んで締め上げる。
「平民が何で娘を差し出してでも貴族と縁故を結びたいと思うのか、わかってるの!? 貴族は平民が喉から手が出るほど欲しがる特権を持ってるからなのよ! その特権を簡単に放棄するなんて言わないで! その余裕ぶっこいた態度がムカつくから!」
「カチュアが怒る理由はよくわかったわ。だけどデインの言い分も聞かせてもらっていいかしら?」
シグルドとセドルが唖然として一言も口をきけない中、シュエラがくすくす笑って仲裁に入る。そのおっとりした様子に毒気を抜かれて、カチュアがデインの胸倉から手を離すと、デインは服の裾を引っ張って整え、それからシグルドのほうに向きなおって話し始めた。
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