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第三話
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授業が終わって部屋に戻る最中、セドルが申し訳なさそうに言った。
「ごめん。授業中にデインの話なんて聞かせて」
「何謝ってらっしゃるんですか。あたし、全然気にしてませんよ?」
「でも、授業に集中できてなかったでしょう?」
図星を指され、ギクッとする。
「あんなことがあっても、やっぱりデインと会いたいの?」
遠慮がちに尋ねてくるセドルに、カチュアはわざと明るく元気な声で言う。
「そんなことあるわけないじゃないですか! 姿が見えなくなって清々してたんですから!」
そう強がりを言ったものの、実際は授業に集中している振りをしながら、心の片隅で考えていた。
デインが近衛隊に再入隊したなんて……。
みんな、カチュアのことを気遣ってデインの話をしないけれど、知らなかったことにカチュアは大きな衝撃を受けていた。
自分の実力で近衛隊に入り直すとは聞いていた。けど、何でこのタイミングで?
奇妙な期待が湧いてくるのを感じ、カチュアは慌ててそれを打ち消そうとする。
グレイス様も言ったように、あたしを捨てて名誉に走ることにしたの……?
変な期待をするより、そう思っていたほうが気が楽だ。
近衛隊の通常の仕事の割り振りは、一週間に一回、その時間の当番以外全員が集まったところで言い渡される。
新米近衛隊士のデインは、近衛隊長補佐の話が終わり解散したところで、近衛隊舎に向かって歩いている補佐を追いかけていった。
「何だ?」
呼び止められた壮年の男は、振り返って威厳ある口ぶりでデインの発言を許可する。
「オ──わたしには今週もまた、当番の割り振りがありませんでしたが、いつになったら配備していただけるのでしょう?」
胸にこぶしを当てて敬礼をし、今だ慣れない丁寧口調で礼儀正しく尋ねるが、それでも補佐は眉根を寄せて不快感を表す。
「近衛隊士の役目は、隊士に任じられたからといってすぐに務められるものではない。武術の技はもちろんのこと、王家の方々を始めとする高貴な方々の前での適切な振る舞いを身につけることも重要だ。デイン、おまえには特に忍耐力を教え込むよう、国王陛下とヘリオット様より重々申しつかっている。少なくとも半年は、役目につけるなとのお達しだ」
言ってしまってから、口止めされていたことを思い出したのだろう。補佐は“しまった”というように表情を歪め、デインに背を向けてこの場を立ち去ろうとする。
しかし、デインの耳に入った言葉は取り消すことができなかった。デインは誰に言うともなく悪態をつく。
「何だよ、それ……!? 近衛隊士になったらカチュアに会えるかもしれないって言ったのはあいつらじゃないか!」
「口を慎め!!!」
補佐の怒号に、デインは我に返りその場に直立する。うっかり口を滑らせたことには気付いたが、それに対し謝罪する意思がないことを見て取って、近衛隊長補佐はうんざりしたようなため息をついた。
「デイン、おまえは感情的になり過ぎる。だからお達しがなくとも、近衛隊長もわたしも、現時点ではおまえを配備することはできない。……なあ、あれほどの騒ぎを起こしておきながら、おまえはまだ反省が足らないのか?」
他人の耳を憚って言葉を濁す補佐に、デインは唇を噛みしめるばかりで反論の一つもできない。
デインが黙りこんだのを確認すると、補佐は何事もなかったように再び近衛隊舎に向かって歩き出した。
──いやーーー!!
あの時のカチュアの絶叫が、今もまだ頭の中でこだまする。
正直デインには、カチュアが受けた恐怖や屈辱のすべてを理解し切れたわけじゃない。
だが、謝らなくてはならないと思った。誠心誠意を込めて、許してもらえるまで何度でも。
しかしそれも、会えなくては叶わない。
正面切って会いに行けば、騒ぎになってカチュアに余計迷惑をかけることになるのだと気付いてやめた。それでシグルドに直談判に行けば、近衛隊士になれば任務の関係でカチュアに会えるかもしれないとそそのかされ、隊士になるために必要な礼儀作法を両親や衛兵仲間たちに叩きこまれて試験に合格した。
それなのに、まだダメだっていうのか……?
こうまでして阻まれてしまうと、自分のしでかしたことはそれほどまでに罪深いことなのかと尋ねたくなる。
だが、尋ねるまでもなくそうなのだ。
ラダム公爵嫡子セドルと一緒にいたカチュアは、デインを拒むように背を向けた。
まるで、デインの存在そのものを彼女の心から閉めだすかのように。
それまでのカチュアは、デインに対してどんなに怒ろうが、邪魔者扱いしようが、逃げ出そうが、彼女の心の中には常にデインの居場所があるように感じていた。
カチュアはオレを無視できない。
そのことに望みをかけてカチュアにプロポーズをし続けてきたけれど、今はもう、そんな自信はかけらもない。
カチュア、おまえの心の中に、オレの居場所はもうないのか……?
胸を裂かれるような思いを抱えながら、デインは青空を背にした北館を見上げる。
王女誕生の次にもたらされた慶事は、それから3カ月後のことだった。
人々は祝いの言葉を口にしながら、指折り数える。
自分の子どもを連れて遊戯室を訪れたヘリオットも、その例に漏れなかった。
「えっと、出産予定日から逆算すると、ご懐妊なさったのはラベンナ様ご出産から二カ月足らずということになりますか」
ラベンナとは、シグルドの生母の名前だ。孫の誕生に立ち会えなかった彼女を偲んで、シグルドとシュエラ、二人で最初の我が子の名と決めた。今はベビーベッドの中ですやすやと眠っている。
真っ赤になって顔も上げられないシュエラの横で、シグルドは目元を赤らめながらも言い返す。
「こっちは世継ぎをもうけることも仕事のうちだからな。そっちはどうなんだ? 一カ月早かったんだから、そろそろ次ができてもいい頃だろう?」
「シ、シグルド様っ!」
シュエラは慌てて止めようとし、自分の子どもをあやしていたセシールは、動揺して子どもから手を滑らせてしまいそうになる。
ヘリオットは、セシールの腕から息子を抱き上げながら言った。
「女官が仕事を休みがちになるのはマズいでしょう。気を付けてますから安心してください」
「ヘリオット様!!!」
セシールが慌てるあまり大声を上げると、ヘリオットの腕の中の子どもは泣き出し、ベビーベッドのラベンナはぐずりだす。
「も、申し訳ありません……」
「いいのよ。悪いのはヘリオットだわ。あまりへ…変なことをおっしゃらないでください」
シュエラとセシールが二人揃ってベビーベッドに近寄ると、高い高いして子どもをあやし始めたヘリオットは、呆れたように笑う。
「子どもができることしてるってのに、初々しいことで」
「ヘリオット!」「ヘリオット様!」
シュエラとセシールが同時に怒鳴ると、ラベンナは本格的に泣き出した。
シュエラがラベンナを抱っこして椅子に座りあやしていると、遊戯室の扉がノックされてケヴィンが顔を出した。
「陛下、本日の面談の予定が」
「キャンセルしろ。どうせ今日は、誰も彼もが祝いの言葉を並べたてて仕事にはならん」
ぞんざいに言うシグルドに、ケヴィンはずばり核心を突く。
「明日に先延ばししたところで、決まり悪さは変わらないと思いますが」
シグルドはぐっと喉を詰まらせる。息子をセシールの腕に戻したヘリオットが思わず噴き出すと、シグルドはじろっと睨みつけた。
その傍らで、シュエラとラベンナに視線を向けつつケヴィンは言う。
「……この分ですと、ウチの人数を追い越すのも、さほど先の話ではなさそうですね」
ラベンナより三カ月前に生まれたケヴィンの息子は、ケヴィンの内縁の妻アネットとの間に生まれた第二子で、第一子である長女が生まれたのはその四年前だったことから、すぐに次の子が授かるとは限らない。
シュエラが再び真っ赤になってうつむくと、シグルドはケヴィンを見上げて唸った。
「ケヴィン、からかう気がないなら、そういうこと言うなよ……」
「何をおっしゃっておいでかわかりませんが、本日よからぬ噂を耳にいたしましたのでお耳に入れたく」
「──“よからぬ噂”?」
シグルドが表情を引き締め椅子の背もたれから体を起こすと、ケヴィンも無表情ながら険しい目をして報告する。
「“国王陛下と王妃陛下の御子は、今度こそ男児だろう。となると、世継ぎにもなれず公爵位も継げないセドル様のお立場はどうなるのか”と」
「ごめん。授業中にデインの話なんて聞かせて」
「何謝ってらっしゃるんですか。あたし、全然気にしてませんよ?」
「でも、授業に集中できてなかったでしょう?」
図星を指され、ギクッとする。
「あんなことがあっても、やっぱりデインと会いたいの?」
遠慮がちに尋ねてくるセドルに、カチュアはわざと明るく元気な声で言う。
「そんなことあるわけないじゃないですか! 姿が見えなくなって清々してたんですから!」
そう強がりを言ったものの、実際は授業に集中している振りをしながら、心の片隅で考えていた。
デインが近衛隊に再入隊したなんて……。
みんな、カチュアのことを気遣ってデインの話をしないけれど、知らなかったことにカチュアは大きな衝撃を受けていた。
自分の実力で近衛隊に入り直すとは聞いていた。けど、何でこのタイミングで?
奇妙な期待が湧いてくるのを感じ、カチュアは慌ててそれを打ち消そうとする。
グレイス様も言ったように、あたしを捨てて名誉に走ることにしたの……?
変な期待をするより、そう思っていたほうが気が楽だ。
近衛隊の通常の仕事の割り振りは、一週間に一回、その時間の当番以外全員が集まったところで言い渡される。
新米近衛隊士のデインは、近衛隊長補佐の話が終わり解散したところで、近衛隊舎に向かって歩いている補佐を追いかけていった。
「何だ?」
呼び止められた壮年の男は、振り返って威厳ある口ぶりでデインの発言を許可する。
「オ──わたしには今週もまた、当番の割り振りがありませんでしたが、いつになったら配備していただけるのでしょう?」
胸にこぶしを当てて敬礼をし、今だ慣れない丁寧口調で礼儀正しく尋ねるが、それでも補佐は眉根を寄せて不快感を表す。
「近衛隊士の役目は、隊士に任じられたからといってすぐに務められるものではない。武術の技はもちろんのこと、王家の方々を始めとする高貴な方々の前での適切な振る舞いを身につけることも重要だ。デイン、おまえには特に忍耐力を教え込むよう、国王陛下とヘリオット様より重々申しつかっている。少なくとも半年は、役目につけるなとのお達しだ」
言ってしまってから、口止めされていたことを思い出したのだろう。補佐は“しまった”というように表情を歪め、デインに背を向けてこの場を立ち去ろうとする。
しかし、デインの耳に入った言葉は取り消すことができなかった。デインは誰に言うともなく悪態をつく。
「何だよ、それ……!? 近衛隊士になったらカチュアに会えるかもしれないって言ったのはあいつらじゃないか!」
「口を慎め!!!」
補佐の怒号に、デインは我に返りその場に直立する。うっかり口を滑らせたことには気付いたが、それに対し謝罪する意思がないことを見て取って、近衛隊長補佐はうんざりしたようなため息をついた。
「デイン、おまえは感情的になり過ぎる。だからお達しがなくとも、近衛隊長もわたしも、現時点ではおまえを配備することはできない。……なあ、あれほどの騒ぎを起こしておきながら、おまえはまだ反省が足らないのか?」
他人の耳を憚って言葉を濁す補佐に、デインは唇を噛みしめるばかりで反論の一つもできない。
デインが黙りこんだのを確認すると、補佐は何事もなかったように再び近衛隊舎に向かって歩き出した。
──いやーーー!!
あの時のカチュアの絶叫が、今もまだ頭の中でこだまする。
正直デインには、カチュアが受けた恐怖や屈辱のすべてを理解し切れたわけじゃない。
だが、謝らなくてはならないと思った。誠心誠意を込めて、許してもらえるまで何度でも。
しかしそれも、会えなくては叶わない。
正面切って会いに行けば、騒ぎになってカチュアに余計迷惑をかけることになるのだと気付いてやめた。それでシグルドに直談判に行けば、近衛隊士になれば任務の関係でカチュアに会えるかもしれないとそそのかされ、隊士になるために必要な礼儀作法を両親や衛兵仲間たちに叩きこまれて試験に合格した。
それなのに、まだダメだっていうのか……?
こうまでして阻まれてしまうと、自分のしでかしたことはそれほどまでに罪深いことなのかと尋ねたくなる。
だが、尋ねるまでもなくそうなのだ。
ラダム公爵嫡子セドルと一緒にいたカチュアは、デインを拒むように背を向けた。
まるで、デインの存在そのものを彼女の心から閉めだすかのように。
それまでのカチュアは、デインに対してどんなに怒ろうが、邪魔者扱いしようが、逃げ出そうが、彼女の心の中には常にデインの居場所があるように感じていた。
カチュアはオレを無視できない。
そのことに望みをかけてカチュアにプロポーズをし続けてきたけれど、今はもう、そんな自信はかけらもない。
カチュア、おまえの心の中に、オレの居場所はもうないのか……?
胸を裂かれるような思いを抱えながら、デインは青空を背にした北館を見上げる。
王女誕生の次にもたらされた慶事は、それから3カ月後のことだった。
人々は祝いの言葉を口にしながら、指折り数える。
自分の子どもを連れて遊戯室を訪れたヘリオットも、その例に漏れなかった。
「えっと、出産予定日から逆算すると、ご懐妊なさったのはラベンナ様ご出産から二カ月足らずということになりますか」
ラベンナとは、シグルドの生母の名前だ。孫の誕生に立ち会えなかった彼女を偲んで、シグルドとシュエラ、二人で最初の我が子の名と決めた。今はベビーベッドの中ですやすやと眠っている。
真っ赤になって顔も上げられないシュエラの横で、シグルドは目元を赤らめながらも言い返す。
「こっちは世継ぎをもうけることも仕事のうちだからな。そっちはどうなんだ? 一カ月早かったんだから、そろそろ次ができてもいい頃だろう?」
「シ、シグルド様っ!」
シュエラは慌てて止めようとし、自分の子どもをあやしていたセシールは、動揺して子どもから手を滑らせてしまいそうになる。
ヘリオットは、セシールの腕から息子を抱き上げながら言った。
「女官が仕事を休みがちになるのはマズいでしょう。気を付けてますから安心してください」
「ヘリオット様!!!」
セシールが慌てるあまり大声を上げると、ヘリオットの腕の中の子どもは泣き出し、ベビーベッドのラベンナはぐずりだす。
「も、申し訳ありません……」
「いいのよ。悪いのはヘリオットだわ。あまりへ…変なことをおっしゃらないでください」
シュエラとセシールが二人揃ってベビーベッドに近寄ると、高い高いして子どもをあやし始めたヘリオットは、呆れたように笑う。
「子どもができることしてるってのに、初々しいことで」
「ヘリオット!」「ヘリオット様!」
シュエラとセシールが同時に怒鳴ると、ラベンナは本格的に泣き出した。
シュエラがラベンナを抱っこして椅子に座りあやしていると、遊戯室の扉がノックされてケヴィンが顔を出した。
「陛下、本日の面談の予定が」
「キャンセルしろ。どうせ今日は、誰も彼もが祝いの言葉を並べたてて仕事にはならん」
ぞんざいに言うシグルドに、ケヴィンはずばり核心を突く。
「明日に先延ばししたところで、決まり悪さは変わらないと思いますが」
シグルドはぐっと喉を詰まらせる。息子をセシールの腕に戻したヘリオットが思わず噴き出すと、シグルドはじろっと睨みつけた。
その傍らで、シュエラとラベンナに視線を向けつつケヴィンは言う。
「……この分ですと、ウチの人数を追い越すのも、さほど先の話ではなさそうですね」
ラベンナより三カ月前に生まれたケヴィンの息子は、ケヴィンの内縁の妻アネットとの間に生まれた第二子で、第一子である長女が生まれたのはその四年前だったことから、すぐに次の子が授かるとは限らない。
シュエラが再び真っ赤になってうつむくと、シグルドはケヴィンを見上げて唸った。
「ケヴィン、からかう気がないなら、そういうこと言うなよ……」
「何をおっしゃっておいでかわかりませんが、本日よからぬ噂を耳にいたしましたのでお耳に入れたく」
「──“よからぬ噂”?」
シグルドが表情を引き締め椅子の背もたれから体を起こすと、ケヴィンも無表情ながら険しい目をして報告する。
「“国王陛下と王妃陛下の御子は、今度こそ男児だろう。となると、世継ぎにもなれず公爵位も継げないセドル様のお立場はどうなるのか”と」
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