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第三話
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角型の一人掛け用の机が3脚置かれた手前を、シュエラの一番上の弟であるアルベルトが行ったり来たりしながら歴史書を読み上げる。
「ここまでで、何か質問は?」
切りのいいところで読み上げを止めたアルベルトに、公爵嫡男の付き添いを務める平民出身の商家の娘カチュアが、挙手をして質問した。
「何であたしも勉強しなきゃいけないんですか?」
不満げに尋ねてくるカチュアに、アルベルトは勉強とは関係ないことを質問しないよう注意する代わりに、意外そうに片眉を上げる。
「君、デインと結婚するんだろ? だったら少しは勉強ができたほうがいい」
アルベルトのほぼ断定口調に、カチュアは唖然とする。
「あたしはデインとは結婚しません! なのに何でそんな決めつけるような言い方するんですか!?」
ちょっと憤慨しながら言い返したけれど、アルベルトは淡々と即答する。
「あいつ、こうと決めたら何が何でも実行するから」
デインの兄でもあるから、奴の性格は嫌というほど知っているのだろう。カチュアもわかりきってはいるけれど、ここは引き下がれない。
「あいつに諦めるよう説得してくれる気はないんですか?」
「ないね。あいつが僕の言うことを聞くわけないから、時間の無駄」
残念なことに、カチュアもアルベルトの言う通りだと思う。がっくりきて机に突っ伏しそうになっていると、隣の席に座るグレイスが悪戯っぽく笑って言った。
「ふふふ。よろしくね“お義理姉さま”」
目鼻立ちがくっきりしていて肌の色の濃い、異国風の顔立ちをした十四歳のこの少女は、グラデンヴィッツ帝国皇帝レナードの孫娘だ。
レナードは孫の中でも特に可愛がっていたというグレイスを、一度はシグルドに嫁がせようとした。けれどそれよりもシュエラが王妃になることを後押ししたほうが両国の絆は深くなると判断し、レナードはシュエラの後見におさまった。
それにしても、レナード皇帝は本気でこの子をシグルド陛下の王妃にするつもりだったのかな……?
素直でいい子なんだけど、外見も性格も子どもっぽくて、どうも結婚という言葉に結びつかない。その上グレイスは、シグルドになびく様子をかけらも見せることなく、アルベルトに惚れ込んでしまった。
レナードの名代としてシュエラの戴冠式に参列したグレイスは、祖国の衣裳では北国であるラウシュリッツ王国の寒さをしのげず、式典の合間に一人こっそり寒さに震えていた。それに気付いたアルベルトが上着を貸してくれたというそれだけのことで、恋に落ちてしまったのだというのだ。
夢みる乙女なのか、相当な箱入り娘なのか。紳士なら誰だって、寒さに震えてる女性に上着を貸すくらいするだろうに、それ以来グレイスの目にはアルベルトしか入らなくて、所領の子どもたちに勉強を教えるために王都を離れ実家の所領に戻ったアルベルトを追っていてしまう始末。そしてシグルドから王都に戻れとの連絡を受け取った時、グレイスはアルベルトを“アルベルト自身が平民に勉強を教えるのではなく勉強を教えられる平民を育てる国の仕組みを作るべき”と言って説得し、自分と一緒に王都に戻らせた。
現在は、アルベルト、そして王妃シュエラの父親であるハーネット伯爵ラドクリフが、教育や人材育成を担当する長官となって、民間の教育施設設立に向けて奔走し、アルベルトはその補佐を勤めている。
アルベルトは国王に乞われ、官司としての職務の傍らで帝国皇女と公爵嫡子に歴史を教える役目を引き受けている。高名な歴史学者がいるのに何故アルベルトが抜擢されたかというと、グレイスがアルベルトに教えてもらえなければ勉強しないと駄々をこねたからだ。グレイスのラウシュリッツ王国での後見であるシグルドとしては、我が儘を聞いてやってでも彼女に勉強をさせる義務があるのだろう。
シュエラに劣らず頑固なアルベルトを王都に連れ戻した手口といい、アルベルトを自分の教師にするため駄々をこねたことといい、さすがは政治的駆け引きに長けた皇帝レナードの孫娘といったところか。
一対一ではきっと授業にならないと訴えたアルベルトの考えが汲まれ、セドルとカチュアも授業に参加することになったけれど、初の授業からすでにその内容が勉強から外れていってしまっている。
カチュアのことを“お義理姉さま”と呼んだグレイスに、アルベルトは冷ややかに間違いを指摘した。
「グレイス。“義理妹”の間違いだ。義理の関係は年齢に関係なく、配偶者の家族内序列に準ずる」
「あら嬉しい。わたくしがあなたの妻になることを認めてくださったのね」
グレイスは、そう言ってアルベルトに流し目を寄越す。アルベルトは変なものを呑みこんだように口をつぐむと、目元を赤らめてそっぽを向いた。
身分の違いはともかくとして、十八歳のアルベルトと十四歳のグレイスは、成人すればお似合いの年齢になる。けれど勉強にしか興味がなくて他人に対して冷淡なアルベルトが、恋愛なんかできるのだろうかと思っていた。でも、どうやらいらぬ心配だったらしい。アルベルトは突き放しているようでいて、意外とグレイスを意識している。グレイスが年頃になったら、自然と恋仲になりそうだ。
照れ隠しなのか、アルベルトは軽く咳払いをするとカチュアに話しかけてくる。
「話を戻そう。カチュア、君が貴族令嬢と同等の教養を身につけておかなければならないというのは、国王陛下のお考えでもある。セドル様の付き添いを勤め、時に貴族たちと同席することのある君には、彼らに恥じない教養が求められているんだ。後見を務める国王陛下の顔に泥を塗らないよう、帝国で任務に就いているお父上の恥にならないよう、頑張って勉学に励んでもらいたい」
「う……はい」
こう言われてしまっては、カチュアもしおらしく返事をするしかない。
貴族の血が混じっているわけでもない全くの平民であるカチュアにとって、自国の国王の後見は身に余る名誉どころの話ではない。なのに何故このようなことになったかというと、ラダム公爵嫡子セドルがカチュアを付き添いの侍女として手元に置くことを条件に貴族たちとの面会に応じると言ったからということと、カチュアの父親がシグルド国王から命を受け帝国での商売を許可されたのと同時に、帝国の役人たちとの話し合いの席に着き国家の代理人として通商の取り決めを行う権限を与えられたからだ。
ラウシュリッツ王国で平民にそれほどまでに大きな権限が与えられるなど前代未聞のこと。様々な憶測や揶揄が飛び交ったが、国王としての権威を確立したシグルドに面と向かって意見する者はほとんどいない。
シグルドが国にとって不利なことをするわけがないと思うから何かあるのだろうけど、一介の侍女が教えてもらえるようなことではないし、それに関わる親父や兄貴たちからの手紙にもその件に関しては一切書かれていないから、カチュアは何一つ知りようがない。
「そういえば、カチュアとデインは今一体どうなってるの?」
グレイスのこの言葉に、カチュアは物思いから醒め、気持ちが打ち沈む。
どうなっているのか、一番知りたいのはカチュア自身だ。セドルを守る近衛隊士たちに何度も阻まれているうちにデインは姿を現さなくなり、ここ一カ月余り姿を見ていない。
「グレイス、そういう立ち入ったことを聞くもんじゃない」
「でもわたくしたちが王城から出る前はあんなにしつこくカチュアに迫ってたデインが、今は姿形も見えないなんて変じゃありません?」
ほんの二日前、グレイスはアルベルトと一緒にハーネット伯爵領から戻ってきたばかりだ。だからシュエラの出産の折にも王城にいなかったし、カチュアとデインとの間で起こった“事件”についても知らない。
無邪気な質問を重ねるグレイスに、今までずっと黙っていたセドルが静かに答えた。
「デインは先日近衛隊士になる試験に合格して、実戦配備に着くための猛特訓を受けている最中なんです。今の彼には、女性にうつつを抜かしている暇はありませんよ」
「そうなの? カチュアとの身分違いの恋を捨てて名誉に走るなんて、ちょっと身損なっちゃう」
「勉強外の話はここまでに。質問がないなら先に進みます」
アルベルトが冷たく言い放ち歴史書の読み上げを再開すると、セドルはすぐに羽ペンを持ってアルベルトの話に聞き入る。カチュアもそれに倣うと、不満そうにむくれていたグレイスも黙って、分厚い本を腕に抱えながら読み上げるアルベルトにうっとり見入った。
「ここまでで、何か質問は?」
切りのいいところで読み上げを止めたアルベルトに、公爵嫡男の付き添いを務める平民出身の商家の娘カチュアが、挙手をして質問した。
「何であたしも勉強しなきゃいけないんですか?」
不満げに尋ねてくるカチュアに、アルベルトは勉強とは関係ないことを質問しないよう注意する代わりに、意外そうに片眉を上げる。
「君、デインと結婚するんだろ? だったら少しは勉強ができたほうがいい」
アルベルトのほぼ断定口調に、カチュアは唖然とする。
「あたしはデインとは結婚しません! なのに何でそんな決めつけるような言い方するんですか!?」
ちょっと憤慨しながら言い返したけれど、アルベルトは淡々と即答する。
「あいつ、こうと決めたら何が何でも実行するから」
デインの兄でもあるから、奴の性格は嫌というほど知っているのだろう。カチュアもわかりきってはいるけれど、ここは引き下がれない。
「あいつに諦めるよう説得してくれる気はないんですか?」
「ないね。あいつが僕の言うことを聞くわけないから、時間の無駄」
残念なことに、カチュアもアルベルトの言う通りだと思う。がっくりきて机に突っ伏しそうになっていると、隣の席に座るグレイスが悪戯っぽく笑って言った。
「ふふふ。よろしくね“お義理姉さま”」
目鼻立ちがくっきりしていて肌の色の濃い、異国風の顔立ちをした十四歳のこの少女は、グラデンヴィッツ帝国皇帝レナードの孫娘だ。
レナードは孫の中でも特に可愛がっていたというグレイスを、一度はシグルドに嫁がせようとした。けれどそれよりもシュエラが王妃になることを後押ししたほうが両国の絆は深くなると判断し、レナードはシュエラの後見におさまった。
それにしても、レナード皇帝は本気でこの子をシグルド陛下の王妃にするつもりだったのかな……?
素直でいい子なんだけど、外見も性格も子どもっぽくて、どうも結婚という言葉に結びつかない。その上グレイスは、シグルドになびく様子をかけらも見せることなく、アルベルトに惚れ込んでしまった。
レナードの名代としてシュエラの戴冠式に参列したグレイスは、祖国の衣裳では北国であるラウシュリッツ王国の寒さをしのげず、式典の合間に一人こっそり寒さに震えていた。それに気付いたアルベルトが上着を貸してくれたというそれだけのことで、恋に落ちてしまったのだというのだ。
夢みる乙女なのか、相当な箱入り娘なのか。紳士なら誰だって、寒さに震えてる女性に上着を貸すくらいするだろうに、それ以来グレイスの目にはアルベルトしか入らなくて、所領の子どもたちに勉強を教えるために王都を離れ実家の所領に戻ったアルベルトを追っていてしまう始末。そしてシグルドから王都に戻れとの連絡を受け取った時、グレイスはアルベルトを“アルベルト自身が平民に勉強を教えるのではなく勉強を教えられる平民を育てる国の仕組みを作るべき”と言って説得し、自分と一緒に王都に戻らせた。
現在は、アルベルト、そして王妃シュエラの父親であるハーネット伯爵ラドクリフが、教育や人材育成を担当する長官となって、民間の教育施設設立に向けて奔走し、アルベルトはその補佐を勤めている。
アルベルトは国王に乞われ、官司としての職務の傍らで帝国皇女と公爵嫡子に歴史を教える役目を引き受けている。高名な歴史学者がいるのに何故アルベルトが抜擢されたかというと、グレイスがアルベルトに教えてもらえなければ勉強しないと駄々をこねたからだ。グレイスのラウシュリッツ王国での後見であるシグルドとしては、我が儘を聞いてやってでも彼女に勉強をさせる義務があるのだろう。
シュエラに劣らず頑固なアルベルトを王都に連れ戻した手口といい、アルベルトを自分の教師にするため駄々をこねたことといい、さすがは政治的駆け引きに長けた皇帝レナードの孫娘といったところか。
一対一ではきっと授業にならないと訴えたアルベルトの考えが汲まれ、セドルとカチュアも授業に参加することになったけれど、初の授業からすでにその内容が勉強から外れていってしまっている。
カチュアのことを“お義理姉さま”と呼んだグレイスに、アルベルトは冷ややかに間違いを指摘した。
「グレイス。“義理妹”の間違いだ。義理の関係は年齢に関係なく、配偶者の家族内序列に準ずる」
「あら嬉しい。わたくしがあなたの妻になることを認めてくださったのね」
グレイスは、そう言ってアルベルトに流し目を寄越す。アルベルトは変なものを呑みこんだように口をつぐむと、目元を赤らめてそっぽを向いた。
身分の違いはともかくとして、十八歳のアルベルトと十四歳のグレイスは、成人すればお似合いの年齢になる。けれど勉強にしか興味がなくて他人に対して冷淡なアルベルトが、恋愛なんかできるのだろうかと思っていた。でも、どうやらいらぬ心配だったらしい。アルベルトは突き放しているようでいて、意外とグレイスを意識している。グレイスが年頃になったら、自然と恋仲になりそうだ。
照れ隠しなのか、アルベルトは軽く咳払いをするとカチュアに話しかけてくる。
「話を戻そう。カチュア、君が貴族令嬢と同等の教養を身につけておかなければならないというのは、国王陛下のお考えでもある。セドル様の付き添いを勤め、時に貴族たちと同席することのある君には、彼らに恥じない教養が求められているんだ。後見を務める国王陛下の顔に泥を塗らないよう、帝国で任務に就いているお父上の恥にならないよう、頑張って勉学に励んでもらいたい」
「う……はい」
こう言われてしまっては、カチュアもしおらしく返事をするしかない。
貴族の血が混じっているわけでもない全くの平民であるカチュアにとって、自国の国王の後見は身に余る名誉どころの話ではない。なのに何故このようなことになったかというと、ラダム公爵嫡子セドルがカチュアを付き添いの侍女として手元に置くことを条件に貴族たちとの面会に応じると言ったからということと、カチュアの父親がシグルド国王から命を受け帝国での商売を許可されたのと同時に、帝国の役人たちとの話し合いの席に着き国家の代理人として通商の取り決めを行う権限を与えられたからだ。
ラウシュリッツ王国で平民にそれほどまでに大きな権限が与えられるなど前代未聞のこと。様々な憶測や揶揄が飛び交ったが、国王としての権威を確立したシグルドに面と向かって意見する者はほとんどいない。
シグルドが国にとって不利なことをするわけがないと思うから何かあるのだろうけど、一介の侍女が教えてもらえるようなことではないし、それに関わる親父や兄貴たちからの手紙にもその件に関しては一切書かれていないから、カチュアは何一つ知りようがない。
「そういえば、カチュアとデインは今一体どうなってるの?」
グレイスのこの言葉に、カチュアは物思いから醒め、気持ちが打ち沈む。
どうなっているのか、一番知りたいのはカチュア自身だ。セドルを守る近衛隊士たちに何度も阻まれているうちにデインは姿を現さなくなり、ここ一カ月余り姿を見ていない。
「グレイス、そういう立ち入ったことを聞くもんじゃない」
「でもわたくしたちが王城から出る前はあんなにしつこくカチュアに迫ってたデインが、今は姿形も見えないなんて変じゃありません?」
ほんの二日前、グレイスはアルベルトと一緒にハーネット伯爵領から戻ってきたばかりだ。だからシュエラの出産の折にも王城にいなかったし、カチュアとデインとの間で起こった“事件”についても知らない。
無邪気な質問を重ねるグレイスに、今までずっと黙っていたセドルが静かに答えた。
「デインは先日近衛隊士になる試験に合格して、実戦配備に着くための猛特訓を受けている最中なんです。今の彼には、女性にうつつを抜かしている暇はありませんよ」
「そうなの? カチュアとの身分違いの恋を捨てて名誉に走るなんて、ちょっと身損なっちゃう」
「勉強外の話はここまでに。質問がないなら先に進みます」
アルベルトが冷たく言い放ち歴史書の読み上げを再開すると、セドルはすぐに羽ペンを持ってアルベルトの話に聞き入る。カチュアもそれに倣うと、不満そうにむくれていたグレイスも黙って、分厚い本を腕に抱えながら読み上げるアルベルトにうっとり見入った。
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