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第二話
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シュエラは、人払いをして寝室に閉じこもっていた。
今はまだ昼下がりで、マタニティドレスを着たまま寝室の隅にあるソファに座り、膨らんだお腹の上で両手を強く握り合わせる。
デインがあんなことをするなんて……。
セシールの報告では、直接見てはいないけれど、どうやらデインが強引にカチュアを庭園の小道に連れ込もうとして、それに怯えたカチュアが悲鳴を上げたのだろうということだった。
デインの強引さは今に始まったことじゃない。それでもカチュアがあんな悲鳴を上げたからには、きっと何か事情があるはずだ。
あんな悲鳴──。
気丈なカチュアが、あんなに恐怖した絶叫を上げるなんて。
カチュアの悲鳴は、この寝室にまで届いた。
耳にした途端、それがカチュアのものだとわかった。
シュエラの他にも、あの悲鳴を聞きつけた者は大勢いるだろう。そして中には、シュエラと同じように、カチュアのものだと気付いた者がいるに違いない。
こんなことが噂になったら、カチュアは──。
嫌な考えが脳裏をよぎり、シュエラは強く頭を振って考えを散らす。
今はそんなことより、カチュアの様子が心配だ。
セシールが駆けつけた時、カチュアは真っ青になってガタガタ震えていたという。
マントノンに頼んで付き添ってもらっているけれど、シュエラ自身は様子を見にいくことができない。
王妃である自分が、特定の侍女を下手に贔屓するわけにはいかないからだ。
ただでさえやっかみを受けているカチュアをシュエラがこれ以上特別扱いすれば、カチュアはさらにやっかみを受けて一層苦しい立場に追いやられてしまう。
王妃になれば様々な制約を受けることになるのは承知の上だった。
けれど、大切な友達が苦しんでいる時に、そばにいてあげられないなんて──。
扉が静かに開き、シュエラははっと顔を上げる。
遠慮がちに顔をのぞかせたのは、シグルドだった。
待ちわびていたように立ち上がろうとするシュエラを見て、シグルドはほっと表情をゆるめ、中に入って扉を閉める。
シグルドは大股に近寄ってシュエラの肩に手を置き、座り直させると自らもシュエラの隣に腰を下ろした。
「シグルド様、申し訳ありません。愚弟がまた不始末をいたしまして……」
シュエラは申し訳なさを通り越して、泣きそうな顔をする。そんなシュエラに、シグルドは労りのこもった笑みを向けた。
「おまえが謝ることはない。今回のことを防ぎきれなかったのは、俺も同じだからな。── 一応現場に駆け付けた者たちは口止めをしたが、本館三階にまで聞こえるほどだったからな。噂が広まるのを止めることはできないだろう。カチュアの名前はすぐには広まらなかったとしても、デインが拘束されたことから容易に推測できるだろうから……」
シグルドも、今回の件が広まることがカチュアによくないとわかっている。
カチュアは王城内で、とりわけ貴族の間でよく思われていない。今回のことをカチュアの責任のように言って、侍女を辞めさせることを強く要求する者は必ず現れる。
だからといって事実を公表したところで、人は信じたい話しか信じない。カチュアを貶めたい者たちはまことしやかに悪い噂をばらまき、事実は悪い噂の陰に掻き消えカチュアの名誉が傷つけられる危険性がある。そして、平民のカチュアの名誉を守るために貴族であるデインを矢面に立たせれば、それもまたカチュアが非難の的になる要因になりかねないのだ。
カチュアが侍女を続けられるようにと頑張ってくれていたのに、それをデインが台無しにしてしまった。
今の段階でカチュアを実家に帰せば、これから広まるだろうカチュアの悪い噂を肯定する材料にされかねない。けれどこのまま王城にとどまれば、カチュアは今まで以上に苦しむことになる。
こんなことになる前に実家に帰してあげればよかった。
カチュアの思うようにさせてあげたいとか、いつまでもカチュアにそばにいてほしいと望んだりせずに。
今さら悔やんでも遅い。
カチュアのためにいい方法がないか、考えても考えても、悪いことばかり思い浮かんでしまう。
もう、どうしたらいいかわからない──。
シュエラの目尻から涙が落ちそうになったその時、シグルドの腕がシュエラの頭を抱きかかえるように包み込んだ。
「シュエラ、あまり悩むな。お腹の子に障る」
「でも……」
「カチュアを守る手立てが一つだけある」
「……え?」
シュエラは驚いてシグルドから少し離れ、まじまじとシグルドを見る。
弱ったような笑みを浮かべて、シグルドは話し始めた。
「あまり気が進まないかもしれないが……」
カチュアは呆然としながら繰り返した。
「え……? わたくしがセドル様の侍女に、ですか?」
「普通の侍女としてではなく、話し相手としてそばについて差し上げてほしいの」
夜遅くにカチュアを私室に呼び出し、マントノン以外人払いをしたシュエラは、申し訳なさそうな笑みを浮かべる。
マントノンが、シュエラに代わって説明をした。
「少し前に、セドル様からいただいたご要望です。検討していたのですが、今回の出来事が起きてしまったので、あなたのために早急に進めるべきという話になりました。あなたは北館内にある使用人部屋をたまわり、セドル様が出席なさる場へ同行することになります」
「セドルさんが、カチュアが一緒にいてくれるなら、公の場に出てもいいと言ってくれたの。急にご家族と引き離されて寂しくて心細いのはわかるのだけど、セドルさんの立場を考えたら、そろそろ貴族の方々とのお付き合いを始めないといけないから、カチュアがセドルさんの心の支えになってくれたら、とてもありがたいの」
熱心に語りかけてくるシュエラに、カチュアはまごつく。
「ですが、わたくしには身分が……」
「公の場に出るのに必要な、あなたの立場を用意する手はずは整っているわ。このお話は、カチュアにとっても、悪くない話だと思うの。……今の状況からすると、わたくしの侍女のままでいるのは、何かと辛いでしょう?」
辛くたっていいです。シュエラ様のおそばにいられるなら。
そう言いたいのを、カチュアはこらえた。
シュエラには、すでにたくさんの迷惑をかけてしまっている。
妊娠という大事な時期にどれだけ心配をかけてしまったかと思うと、申し訳なさで心の中がいっぱいになる。
これ以上は迷惑をかけられない。
これでもう、会えなくなってしまう訳でもない。
カチュアは自分にそう言い聞かせて、シュエラに笑顔を向けた。
「……わかりました。セドル様の侍女になります」
安心してもらいたくて笑ったのに、上手くいかなかったのだろう。シュエラは泣きそうにくしゃっと顔を歪めた。
カチュアの部屋は、すぐに移された。
一度も侍女棟に戻ることなく私物が運ばれてきて、北館二階のセドルの部屋の隣にある子守りの部屋で休むことになる。王族の子守りともなると身分の高い女性が選ばれるからか、とても使用人部屋とは思えない贅沢な部屋だった。
落ち着かずなかなか寝付けなくて、少し寝不足のまま一夜を明かすと、翌日は朝早くから驚きの連続だった。
セドルと一緒に食事をとるように言われ、食事が終わると運び込まれたドレスを次々試着していくよう言い渡される。
「な、何で侍女のあたしにドレスですか!?」
「カチュアは侍女でも、ただの侍女じゃないよ。僕と一緒に公の場に出るんだから、それなりの装いをしないとね」
「ですが、あたしには身分が……」
「あれ? 聞いてない? カチュアの父上と、他に何人かの商人たちに重要な任務が与えられることになっていて、その任務遂行のために平民初の上級官司に任命するかどうか、今議会で話し合われてる最中なんだ」
「え……あたし、そんなの知らないんですけど……」
「まだ公には伏せられてる話だからね。カチュアに関係する話だから、国王陛下は僕にはこっそり教えてくださったけど。正式な発表があるまで、カチュアも内緒にしてね」
「は、はぁ……」
親父が上級官司……?
にわかに信じがたい。
「貴族の称号までは与えられないそうだけど、父上は一目置かれる存在になるだろうし、娘であるカチュアのことも、みんな粗略に扱えなくなるよ。それに、国王陛下がカチュアの後見になってくださるそうだよ」
「そうなんですか……って、はぁ!? あたしに国王陛下の後見!?」
カチュアは目をむいて驚くのに、セドルは全然気にした様子なく、部屋一面を埋め尽くすドレスから次の試着を選んでいる。
「僕の付き添い専任の侍女になるからってことで、それくらい箔をつけておいたほうがいいんじゃないかって、陛下が。それに、カチュアが次期公爵の付き添いをしてるってことになると、カチュアの父上が任務を果たすのにも有利になるみたいだよ」
一着のドレスを抱えると、セドルはカチュアに渡した。
「カチュアの好きな、黄色のドレスだよ。カチュアは自分に黄色は似合わないって言ってたけど、このくらい濃い黄色だったら、カチュアの鮮やかな赤毛に映えていいんじゃないかな?」
「はぁ……」
赤色と言ったほうがいいくらいの色合いの濃い黄色のドレスを受け取って、カチュアは途方に暮れ呆けた返事をした。
今はまだ昼下がりで、マタニティドレスを着たまま寝室の隅にあるソファに座り、膨らんだお腹の上で両手を強く握り合わせる。
デインがあんなことをするなんて……。
セシールの報告では、直接見てはいないけれど、どうやらデインが強引にカチュアを庭園の小道に連れ込もうとして、それに怯えたカチュアが悲鳴を上げたのだろうということだった。
デインの強引さは今に始まったことじゃない。それでもカチュアがあんな悲鳴を上げたからには、きっと何か事情があるはずだ。
あんな悲鳴──。
気丈なカチュアが、あんなに恐怖した絶叫を上げるなんて。
カチュアの悲鳴は、この寝室にまで届いた。
耳にした途端、それがカチュアのものだとわかった。
シュエラの他にも、あの悲鳴を聞きつけた者は大勢いるだろう。そして中には、シュエラと同じように、カチュアのものだと気付いた者がいるに違いない。
こんなことが噂になったら、カチュアは──。
嫌な考えが脳裏をよぎり、シュエラは強く頭を振って考えを散らす。
今はそんなことより、カチュアの様子が心配だ。
セシールが駆けつけた時、カチュアは真っ青になってガタガタ震えていたという。
マントノンに頼んで付き添ってもらっているけれど、シュエラ自身は様子を見にいくことができない。
王妃である自分が、特定の侍女を下手に贔屓するわけにはいかないからだ。
ただでさえやっかみを受けているカチュアをシュエラがこれ以上特別扱いすれば、カチュアはさらにやっかみを受けて一層苦しい立場に追いやられてしまう。
王妃になれば様々な制約を受けることになるのは承知の上だった。
けれど、大切な友達が苦しんでいる時に、そばにいてあげられないなんて──。
扉が静かに開き、シュエラははっと顔を上げる。
遠慮がちに顔をのぞかせたのは、シグルドだった。
待ちわびていたように立ち上がろうとするシュエラを見て、シグルドはほっと表情をゆるめ、中に入って扉を閉める。
シグルドは大股に近寄ってシュエラの肩に手を置き、座り直させると自らもシュエラの隣に腰を下ろした。
「シグルド様、申し訳ありません。愚弟がまた不始末をいたしまして……」
シュエラは申し訳なさを通り越して、泣きそうな顔をする。そんなシュエラに、シグルドは労りのこもった笑みを向けた。
「おまえが謝ることはない。今回のことを防ぎきれなかったのは、俺も同じだからな。── 一応現場に駆け付けた者たちは口止めをしたが、本館三階にまで聞こえるほどだったからな。噂が広まるのを止めることはできないだろう。カチュアの名前はすぐには広まらなかったとしても、デインが拘束されたことから容易に推測できるだろうから……」
シグルドも、今回の件が広まることがカチュアによくないとわかっている。
カチュアは王城内で、とりわけ貴族の間でよく思われていない。今回のことをカチュアの責任のように言って、侍女を辞めさせることを強く要求する者は必ず現れる。
だからといって事実を公表したところで、人は信じたい話しか信じない。カチュアを貶めたい者たちはまことしやかに悪い噂をばらまき、事実は悪い噂の陰に掻き消えカチュアの名誉が傷つけられる危険性がある。そして、平民のカチュアの名誉を守るために貴族であるデインを矢面に立たせれば、それもまたカチュアが非難の的になる要因になりかねないのだ。
カチュアが侍女を続けられるようにと頑張ってくれていたのに、それをデインが台無しにしてしまった。
今の段階でカチュアを実家に帰せば、これから広まるだろうカチュアの悪い噂を肯定する材料にされかねない。けれどこのまま王城にとどまれば、カチュアは今まで以上に苦しむことになる。
こんなことになる前に実家に帰してあげればよかった。
カチュアの思うようにさせてあげたいとか、いつまでもカチュアにそばにいてほしいと望んだりせずに。
今さら悔やんでも遅い。
カチュアのためにいい方法がないか、考えても考えても、悪いことばかり思い浮かんでしまう。
もう、どうしたらいいかわからない──。
シュエラの目尻から涙が落ちそうになったその時、シグルドの腕がシュエラの頭を抱きかかえるように包み込んだ。
「シュエラ、あまり悩むな。お腹の子に障る」
「でも……」
「カチュアを守る手立てが一つだけある」
「……え?」
シュエラは驚いてシグルドから少し離れ、まじまじとシグルドを見る。
弱ったような笑みを浮かべて、シグルドは話し始めた。
「あまり気が進まないかもしれないが……」
カチュアは呆然としながら繰り返した。
「え……? わたくしがセドル様の侍女に、ですか?」
「普通の侍女としてではなく、話し相手としてそばについて差し上げてほしいの」
夜遅くにカチュアを私室に呼び出し、マントノン以外人払いをしたシュエラは、申し訳なさそうな笑みを浮かべる。
マントノンが、シュエラに代わって説明をした。
「少し前に、セドル様からいただいたご要望です。検討していたのですが、今回の出来事が起きてしまったので、あなたのために早急に進めるべきという話になりました。あなたは北館内にある使用人部屋をたまわり、セドル様が出席なさる場へ同行することになります」
「セドルさんが、カチュアが一緒にいてくれるなら、公の場に出てもいいと言ってくれたの。急にご家族と引き離されて寂しくて心細いのはわかるのだけど、セドルさんの立場を考えたら、そろそろ貴族の方々とのお付き合いを始めないといけないから、カチュアがセドルさんの心の支えになってくれたら、とてもありがたいの」
熱心に語りかけてくるシュエラに、カチュアはまごつく。
「ですが、わたくしには身分が……」
「公の場に出るのに必要な、あなたの立場を用意する手はずは整っているわ。このお話は、カチュアにとっても、悪くない話だと思うの。……今の状況からすると、わたくしの侍女のままでいるのは、何かと辛いでしょう?」
辛くたっていいです。シュエラ様のおそばにいられるなら。
そう言いたいのを、カチュアはこらえた。
シュエラには、すでにたくさんの迷惑をかけてしまっている。
妊娠という大事な時期にどれだけ心配をかけてしまったかと思うと、申し訳なさで心の中がいっぱいになる。
これ以上は迷惑をかけられない。
これでもう、会えなくなってしまう訳でもない。
カチュアは自分にそう言い聞かせて、シュエラに笑顔を向けた。
「……わかりました。セドル様の侍女になります」
安心してもらいたくて笑ったのに、上手くいかなかったのだろう。シュエラは泣きそうにくしゃっと顔を歪めた。
カチュアの部屋は、すぐに移された。
一度も侍女棟に戻ることなく私物が運ばれてきて、北館二階のセドルの部屋の隣にある子守りの部屋で休むことになる。王族の子守りともなると身分の高い女性が選ばれるからか、とても使用人部屋とは思えない贅沢な部屋だった。
落ち着かずなかなか寝付けなくて、少し寝不足のまま一夜を明かすと、翌日は朝早くから驚きの連続だった。
セドルと一緒に食事をとるように言われ、食事が終わると運び込まれたドレスを次々試着していくよう言い渡される。
「な、何で侍女のあたしにドレスですか!?」
「カチュアは侍女でも、ただの侍女じゃないよ。僕と一緒に公の場に出るんだから、それなりの装いをしないとね」
「ですが、あたしには身分が……」
「あれ? 聞いてない? カチュアの父上と、他に何人かの商人たちに重要な任務が与えられることになっていて、その任務遂行のために平民初の上級官司に任命するかどうか、今議会で話し合われてる最中なんだ」
「え……あたし、そんなの知らないんですけど……」
「まだ公には伏せられてる話だからね。カチュアに関係する話だから、国王陛下は僕にはこっそり教えてくださったけど。正式な発表があるまで、カチュアも内緒にしてね」
「は、はぁ……」
親父が上級官司……?
にわかに信じがたい。
「貴族の称号までは与えられないそうだけど、父上は一目置かれる存在になるだろうし、娘であるカチュアのことも、みんな粗略に扱えなくなるよ。それに、国王陛下がカチュアの後見になってくださるそうだよ」
「そうなんですか……って、はぁ!? あたしに国王陛下の後見!?」
カチュアは目をむいて驚くのに、セドルは全然気にした様子なく、部屋一面を埋め尽くすドレスから次の試着を選んでいる。
「僕の付き添い専任の侍女になるからってことで、それくらい箔をつけておいたほうがいいんじゃないかって、陛下が。それに、カチュアが次期公爵の付き添いをしてるってことになると、カチュアの父上が任務を果たすのにも有利になるみたいだよ」
一着のドレスを抱えると、セドルはカチュアに渡した。
「カチュアの好きな、黄色のドレスだよ。カチュアは自分に黄色は似合わないって言ってたけど、このくらい濃い黄色だったら、カチュアの鮮やかな赤毛に映えていいんじゃないかな?」
「はぁ……」
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