アビス・プレデター 〜深淵に凄む終末の獣、無自覚な異世界転生者につき〜

 ―――それは、深く昏き深淵より、音もなく汝の背後に迫り来る―――


『ああ…腹が減った』

 気がつけば、辺りは何一つ見る事ができない闇の中だった。
 わかることといえば、自分が以前とは異なる怪物の姿をしている事と、自分が何者だったのか全く覚えていないこと、そして何より―――恐ろしいほどに空腹であること。
 様々な疑問を抱えたまま、腹の底から湧き上がる衝動に突き動かされ、上へと向かって泳ぎだす。
 やがて〝それ〟は、「暴食」の名のままにあらゆる獲物を求めて動き出す……。

 異世界ファンタジー×モンスターパニック、開幕―――
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