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「なんていう快晴なんだ!今日はまさにダンジョン日和。今日なら20層に行けるような気がする。そうは思わないか?」
「うん、僕もなんだか調子がいいんだ。なんか体中のマナが騒いで言うというか。今日ならいつも以上の力が出そうだ!」
「そうか、それは私の指揮を1段階引き上げていいということかな?アレン、セーヤ」
3人が仲良さげに談笑している。いや、彼らは本当に仲がいいのだ。その中枢を担っているのが俺という点を除けば非常に好感を持てるのにな。
一般的に人という生物は他人を見下して自分の優位性を保つ。どうにかして自分より下の存在を見つけようとするのが人間という醜い獣なのである。たとえ、それが剣聖の息子や賢者の息子や王女だとしても例外ではない。
ここでいう標的とは無論俺のことである。特に突出した点がない俺は3人にとって格好の的なのだ。
「まぁ、心配事といえば一つ、いや一人いるんだがなぁ」
ほらきた。この流れから三人が一致団結する儀式がやってくる。
「僕も、それ思ってた!どうして、一人だけ役立たずがいるんだろう?」
「おい、お前らよさないか!レイも自分なりに努力しているんだぞ。まったく、お前らは人の心というものがわかっとらん。それに、レイ。お前も言われるがままにせず言い返したらどうだ?」
「.............あぁ、そうだな」
「ふん、言われるがままの男とは情けない。昔のお前はもっとましなはずだったのだがな…」
はぁ、こいつらといると本当に精神面が疲労する。それなりにこのいじめまがいな行動に慣れてるとはいえガラスハートな俺には結構響く。アレンは完璧に俺を使ってストレス発散をしているし、セーヤはまるで純真無垢な子供のふりをしてアレンに便乗している腹黒魔法士だし、エリーは俺をかばうかのような行動をとっているが本心では弱者を悼む自分に酔っているただの倒錯者だ。
なんで俺の周りにはこんなゴミ3銃士が揃っているのだろう。
だれか引き取ってくれないですかね、俺を。
そんないつも通り儀式が終わり俺たちはダンジョンに足を踏み入れた。
ここで一つ彼らを誤解しているかもしれないが、いままでのダンジョン潜りで俺に対し物理的な手段をとってきたことはない。彼らも一応その辺はわかっているのだろう。いや、それよりもダンジョンに意識が向いてて俺への攻撃を忘れているかもしれない。この点だけはダンジョンに感謝だな。
ダンジョン内には元の世界でいうところのモンスターが生息している。スライムを始め多種多様なモンスターが出てくる。俺達が行く階層では特に注意が必要なもんスターはいない。俺からするとこの3人のほうがよっぽどモンスターより怖いが、それは置いといてモンスターの体内には魔石というものがある。この魔石はいわゆる魔物の心臓のようなものでギルドなどで魔石を換金してくれる。他にも、魔石には様々な使い方がある。魔法を扱う際の触媒だったり鍛冶で武器や防具に能力を付加させたり、と使い方は様々である。冒険者ならばモンスターを倒した際には必ず取るように体が染みついている。
そんな習慣があったから俺たちは気づくのが遅れてしまった。
魔石の量が少ないことに。
魔物の量が以前挑戦したときに比べ少なくなっていることに。
「魔物の数が少ないようだな。これは試験官に伝えるべきか」
エリーがパーティーのみんなに問いかけた。
みんなといっても俺には意見を求められてないことは公然の事実だが。
「たしかに少ない気がする。だけど。少ないってことはメリットじゃないか?力を蓄えたままでダンジョンの潜れるなんて滅多にないことだぜ。もしかしたら20層どころか25層まで行けるかもな」
「そうだね、僕らなら25層もいけるんじゃない?」
どうやらみんな魔物の数が少ないことに気が付いていたらしい。アレンとセーヤは特に気にしていない風だが俺としては何か引っかかる。
ダンジョンは良くも悪くも魔物の数が増減することはない。ある程度倒されたらリスポーンする仕組みなはずだ。つまり、どの階層も同じくらいの魔物と出会うのである。
だが、今回のダンジョンでは明らかに魔物とのエンカウントが少ない。これを異常でなうしてなんというのか。
結果は分かってるけど一応言ってみるか。
「ダンジョン内で魔物の数が減少するのはおかしい。これは異常事態だと思う。一回戻って先生たちに報告しないか?」
「おいおい、なんでそうなるんだよ。お前が弱いのはその弱気な精神じゃないのか?それに、いままで、魔物を碌に倒さないのによくそんなことが言えるな。全くお前のその卑しさだけは評価するよ」
「いや、魔物を倒せないのはお前らがすぐに片付けるからだろ」
「おお、言い訳もするとは情けない。それでも本当にグランロードの生まれか?俺だったら恥ずかしくて外も出歩けないね」
ああ、むかつく!!
人が親切にことの異常性を教えてあげてるのに何だこの態度は!?
だれかライフル持ってこい!!今すぐこのゴミをハチの巣にしてやるぜ!!!
「まぁ、レイの言うこともわからんではない。だが、学生の身でダンジョンに潜る機会は多くない。この機会を逃すと次にダンジョンに潜るのは当分先だ。なので私は先に進んでみたいと思うのだがみんだはどうだ?」
「行くにきまってるだろーがよ」
「僕もいきたーい」
「.........................わかったよ」
「よし、ならいつも以上に気を引き締めて先に進むぞ」
はいはい、こうなることはわかってましたよ。どうせ俺の意見なんて誰も耳を貸さないんだ。多数決の原理はんたーい。マイノリティを大切にしろー。
はぁ、大抵こういう場合は何かある前兆なんだがな。
しかもとびっきり悪い方面での。
(これって、バッドエンド一直線じゃないよね?)
(もしかしてだけど、俺死んだりしないよね?)
(あ、これっていわゆる死亡フラグ建てちゃった?)
(え、せっかく転生したのにこんなルート進行はいやだぁぁぁぁ!!!)
レイの心の中での叫びはもちろん誰にも聞こえない。
「うん、僕もなんだか調子がいいんだ。なんか体中のマナが騒いで言うというか。今日ならいつも以上の力が出そうだ!」
「そうか、それは私の指揮を1段階引き上げていいということかな?アレン、セーヤ」
3人が仲良さげに談笑している。いや、彼らは本当に仲がいいのだ。その中枢を担っているのが俺という点を除けば非常に好感を持てるのにな。
一般的に人という生物は他人を見下して自分の優位性を保つ。どうにかして自分より下の存在を見つけようとするのが人間という醜い獣なのである。たとえ、それが剣聖の息子や賢者の息子や王女だとしても例外ではない。
ここでいう標的とは無論俺のことである。特に突出した点がない俺は3人にとって格好の的なのだ。
「まぁ、心配事といえば一つ、いや一人いるんだがなぁ」
ほらきた。この流れから三人が一致団結する儀式がやってくる。
「僕も、それ思ってた!どうして、一人だけ役立たずがいるんだろう?」
「おい、お前らよさないか!レイも自分なりに努力しているんだぞ。まったく、お前らは人の心というものがわかっとらん。それに、レイ。お前も言われるがままにせず言い返したらどうだ?」
「.............あぁ、そうだな」
「ふん、言われるがままの男とは情けない。昔のお前はもっとましなはずだったのだがな…」
はぁ、こいつらといると本当に精神面が疲労する。それなりにこのいじめまがいな行動に慣れてるとはいえガラスハートな俺には結構響く。アレンは完璧に俺を使ってストレス発散をしているし、セーヤはまるで純真無垢な子供のふりをしてアレンに便乗している腹黒魔法士だし、エリーは俺をかばうかのような行動をとっているが本心では弱者を悼む自分に酔っているただの倒錯者だ。
なんで俺の周りにはこんなゴミ3銃士が揃っているのだろう。
だれか引き取ってくれないですかね、俺を。
そんないつも通り儀式が終わり俺たちはダンジョンに足を踏み入れた。
ここで一つ彼らを誤解しているかもしれないが、いままでのダンジョン潜りで俺に対し物理的な手段をとってきたことはない。彼らも一応その辺はわかっているのだろう。いや、それよりもダンジョンに意識が向いてて俺への攻撃を忘れているかもしれない。この点だけはダンジョンに感謝だな。
ダンジョン内には元の世界でいうところのモンスターが生息している。スライムを始め多種多様なモンスターが出てくる。俺達が行く階層では特に注意が必要なもんスターはいない。俺からするとこの3人のほうがよっぽどモンスターより怖いが、それは置いといてモンスターの体内には魔石というものがある。この魔石はいわゆる魔物の心臓のようなものでギルドなどで魔石を換金してくれる。他にも、魔石には様々な使い方がある。魔法を扱う際の触媒だったり鍛冶で武器や防具に能力を付加させたり、と使い方は様々である。冒険者ならばモンスターを倒した際には必ず取るように体が染みついている。
そんな習慣があったから俺たちは気づくのが遅れてしまった。
魔石の量が少ないことに。
魔物の量が以前挑戦したときに比べ少なくなっていることに。
「魔物の数が少ないようだな。これは試験官に伝えるべきか」
エリーがパーティーのみんなに問いかけた。
みんなといっても俺には意見を求められてないことは公然の事実だが。
「たしかに少ない気がする。だけど。少ないってことはメリットじゃないか?力を蓄えたままでダンジョンの潜れるなんて滅多にないことだぜ。もしかしたら20層どころか25層まで行けるかもな」
「そうだね、僕らなら25層もいけるんじゃない?」
どうやらみんな魔物の数が少ないことに気が付いていたらしい。アレンとセーヤは特に気にしていない風だが俺としては何か引っかかる。
ダンジョンは良くも悪くも魔物の数が増減することはない。ある程度倒されたらリスポーンする仕組みなはずだ。つまり、どの階層も同じくらいの魔物と出会うのである。
だが、今回のダンジョンでは明らかに魔物とのエンカウントが少ない。これを異常でなうしてなんというのか。
結果は分かってるけど一応言ってみるか。
「ダンジョン内で魔物の数が減少するのはおかしい。これは異常事態だと思う。一回戻って先生たちに報告しないか?」
「おいおい、なんでそうなるんだよ。お前が弱いのはその弱気な精神じゃないのか?それに、いままで、魔物を碌に倒さないのによくそんなことが言えるな。全くお前のその卑しさだけは評価するよ」
「いや、魔物を倒せないのはお前らがすぐに片付けるからだろ」
「おお、言い訳もするとは情けない。それでも本当にグランロードの生まれか?俺だったら恥ずかしくて外も出歩けないね」
ああ、むかつく!!
人が親切にことの異常性を教えてあげてるのに何だこの態度は!?
だれかライフル持ってこい!!今すぐこのゴミをハチの巣にしてやるぜ!!!
「まぁ、レイの言うこともわからんではない。だが、学生の身でダンジョンに潜る機会は多くない。この機会を逃すと次にダンジョンに潜るのは当分先だ。なので私は先に進んでみたいと思うのだがみんだはどうだ?」
「行くにきまってるだろーがよ」
「僕もいきたーい」
「.........................わかったよ」
「よし、ならいつも以上に気を引き締めて先に進むぞ」
はいはい、こうなることはわかってましたよ。どうせ俺の意見なんて誰も耳を貸さないんだ。多数決の原理はんたーい。マイノリティを大切にしろー。
はぁ、大抵こういう場合は何かある前兆なんだがな。
しかもとびっきり悪い方面での。
(これって、バッドエンド一直線じゃないよね?)
(もしかしてだけど、俺死んだりしないよね?)
(あ、これっていわゆる死亡フラグ建てちゃった?)
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