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6章 宇宙を司る株式会社
6-10. 懲役千年
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シアンはホールを元の地球に戻し、空には夕焼け空が戻ってきた。
ヴィーナはビキニアーマーの女の子を宮殿に合流させ、
「これで片付いたかしら?」
と周りを見回した
するとドアが開いた。
「旦那様~! 姐さ~ん!」
アバドンが走ってくる。
「おぉ、アバド~ン!」
俺もアバドンの方へ駆けて行って、思いっきり抱き着いた。
「ありがとう! おかげで解決したよ!」
「え? 私、まだ何もやってないんですが……」
ドロシーも駆け寄ってきたアバドンに抱き着き、泣き出した。
「アバドンさ~ん! うわぁぁん!」
「あ、姐さん、ご無事ですか?」
アバドンは困惑気味に聞く。
「うんうん……。ありがとう……、うっうっうっ……」
どういうことか分からず、首をひねっているアバドンに、俺は言った。
「俺たちは未来のお前に救われたんだ」
「未来の私……?」
「そう、カッコよかったぞ! 後でゆっくり説明するよ」
「本当にすごかったのよ!」
二人に熱く褒められて、照れるアバドン。
「あ、そ、そうなんですね。よ、良かった。グフフフ……」
◇
ヴィーナはレヴィアに言った。
「さて、お前の不始末をどうするかだな……」
「ヒェッ! どうかお手柔らかに……」
レヴィアは、ひどくおびえた様子で縮こまった。
「ヌチ・ギの女狂いを報告もせず、街は発展せず、ダメダメなのよね、お前……」
「いや、これには深い訳が……」
「言い訳は見苦しいわよ!」
ヴィーナの鋭い視線がレヴィアを射抜く。
俺はレヴィアがかわいそうになった。
「ヴィーナ様、彼女なりに頑張ったんです。何とか情状酌量の余地を……」
「お前は黙ってな!」
ヴィーナの鋭い目に射抜かれ、ゾッとした。こ、怖い……。
「さて、処分を申し渡す!」
目をつぶり、縮こまるレヴィア。
「この星は消去! レヴィアは懲役千年!」
「そ、そんなぁ……」
涙目のレヴィア。
「ヴィーナ様! 消去だけは勘弁してください! たくさんの大切な人達がいるんです!」
俺は手を合わせ、懇願する。
「最後まで聞きな」
俺をギロっとにらむヴィーナ。
「ただし……。優秀な管理者候補がいるのであれば、執行猶予を付けるが……。レヴィア、いるのかい?」
ニヤッと笑ってレヴィアを見るヴィーナ。
「こ、候補……ですか?」
レヴィアは俺を見る。
「お主……、やるか?」
「えっ!? 私が管理者ですか!?」
「そうじゃ、素質もありそうじゃしな」
管理者として万能な権能を持ち、この星を統べて、大きく伸ばしていく……。それはすごいやりがいのありそうな仕事だった。
「ぜひ、やらせてください!」
俺は笑顔で言った。
レヴィアはにこやかにうなずくと、
「この男を推薦させてください」
と、ヴィーナに言った。
ヴィーナはニヤッと笑うと、
「ゲームのやりすぎで間抜けに死んだ男がねぇ……」
そう言って俺の目をのぞきこんだ。
「あの頃の自分とは違います! いろいろな試練を乗り越え、今や妻も仲間もいます。ぜひ、やらせてください!」
「お前は管理者って何やるか知ってるのかい?」
ヴィーナは眉間にしわを寄せる
「文明文化を発達させるんですよね?」
「ただ発達させるだけじゃダメよ。オリジナルな文明文化でないと意味ないわ」
「オリジナル……?」
「そうよ、日本の劣化コピー作られても評価はできないわ」
ヴィーナは厳しい目で俺を見る。
「そんなの一体どうやったら……」
「ヌチ・ギはファンタジーな魔法システムを作り込む事でチャレンジしたけど、失敗したわ。あなたならどうする?」
なるほど、ヌチ・ギはヌチ・ギなりに必死に考え頑張っていたのだ。では、俺ならどうするか……。要はみんなが生き生きと活力ある状態をキープすればいいだけなんだが……。
「うーん……。魔法そのものは良かったと思います。ただ、貴族たちによる独裁が市民の活力を奪ってしまったのが悪かったかなと」
「ふぅん……、分かってるじゃない」
ヴィーナはうれしそうに笑った。
「私も王様に指名手配されたので……」
俺はうなだれた。
ヴィーナは目をつぶり、しばらく何かを考え、言った。
「まぁいいわ。すぐに答えが出るような簡単な話じゃないし、少しやってみなさい。ダメだったらその時は……、この星消すわよ。覚悟はいい?」
消すという言葉に一瞬ひるんだが、何度も死線をくぐり抜けてきた俺にはそれなりの自信が芽生えていた。
「大丈夫です。ヴィーナ様がビックリするような成果、上げて見せます!」
「分かったわ。では、研修するから田町のオフィスに来なさい」
「え? これからですか?」
「明日からでいいわ。今晩は東京のホテルで休みなさい」
そう言って、女神のほほえみを浮かべた。
ヴィーナはビキニアーマーの女の子を宮殿に合流させ、
「これで片付いたかしら?」
と周りを見回した
するとドアが開いた。
「旦那様~! 姐さ~ん!」
アバドンが走ってくる。
「おぉ、アバド~ン!」
俺もアバドンの方へ駆けて行って、思いっきり抱き着いた。
「ありがとう! おかげで解決したよ!」
「え? 私、まだ何もやってないんですが……」
ドロシーも駆け寄ってきたアバドンに抱き着き、泣き出した。
「アバドンさ~ん! うわぁぁん!」
「あ、姐さん、ご無事ですか?」
アバドンは困惑気味に聞く。
「うんうん……。ありがとう……、うっうっうっ……」
どういうことか分からず、首をひねっているアバドンに、俺は言った。
「俺たちは未来のお前に救われたんだ」
「未来の私……?」
「そう、カッコよかったぞ! 後でゆっくり説明するよ」
「本当にすごかったのよ!」
二人に熱く褒められて、照れるアバドン。
「あ、そ、そうなんですね。よ、良かった。グフフフ……」
◇
ヴィーナはレヴィアに言った。
「さて、お前の不始末をどうするかだな……」
「ヒェッ! どうかお手柔らかに……」
レヴィアは、ひどくおびえた様子で縮こまった。
「ヌチ・ギの女狂いを報告もせず、街は発展せず、ダメダメなのよね、お前……」
「いや、これには深い訳が……」
「言い訳は見苦しいわよ!」
ヴィーナの鋭い視線がレヴィアを射抜く。
俺はレヴィアがかわいそうになった。
「ヴィーナ様、彼女なりに頑張ったんです。何とか情状酌量の余地を……」
「お前は黙ってな!」
ヴィーナの鋭い目に射抜かれ、ゾッとした。こ、怖い……。
「さて、処分を申し渡す!」
目をつぶり、縮こまるレヴィア。
「この星は消去! レヴィアは懲役千年!」
「そ、そんなぁ……」
涙目のレヴィア。
「ヴィーナ様! 消去だけは勘弁してください! たくさんの大切な人達がいるんです!」
俺は手を合わせ、懇願する。
「最後まで聞きな」
俺をギロっとにらむヴィーナ。
「ただし……。優秀な管理者候補がいるのであれば、執行猶予を付けるが……。レヴィア、いるのかい?」
ニヤッと笑ってレヴィアを見るヴィーナ。
「こ、候補……ですか?」
レヴィアは俺を見る。
「お主……、やるか?」
「えっ!? 私が管理者ですか!?」
「そうじゃ、素質もありそうじゃしな」
管理者として万能な権能を持ち、この星を統べて、大きく伸ばしていく……。それはすごいやりがいのありそうな仕事だった。
「ぜひ、やらせてください!」
俺は笑顔で言った。
レヴィアはにこやかにうなずくと、
「この男を推薦させてください」
と、ヴィーナに言った。
ヴィーナはニヤッと笑うと、
「ゲームのやりすぎで間抜けに死んだ男がねぇ……」
そう言って俺の目をのぞきこんだ。
「あの頃の自分とは違います! いろいろな試練を乗り越え、今や妻も仲間もいます。ぜひ、やらせてください!」
「お前は管理者って何やるか知ってるのかい?」
ヴィーナは眉間にしわを寄せる
「文明文化を発達させるんですよね?」
「ただ発達させるだけじゃダメよ。オリジナルな文明文化でないと意味ないわ」
「オリジナル……?」
「そうよ、日本の劣化コピー作られても評価はできないわ」
ヴィーナは厳しい目で俺を見る。
「そんなの一体どうやったら……」
「ヌチ・ギはファンタジーな魔法システムを作り込む事でチャレンジしたけど、失敗したわ。あなたならどうする?」
なるほど、ヌチ・ギはヌチ・ギなりに必死に考え頑張っていたのだ。では、俺ならどうするか……。要はみんなが生き生きと活力ある状態をキープすればいいだけなんだが……。
「うーん……。魔法そのものは良かったと思います。ただ、貴族たちによる独裁が市民の活力を奪ってしまったのが悪かったかなと」
「ふぅん……、分かってるじゃない」
ヴィーナはうれしそうに笑った。
「私も王様に指名手配されたので……」
俺はうなだれた。
ヴィーナは目をつぶり、しばらく何かを考え、言った。
「まぁいいわ。すぐに答えが出るような簡単な話じゃないし、少しやってみなさい。ダメだったらその時は……、この星消すわよ。覚悟はいい?」
消すという言葉に一瞬ひるんだが、何度も死線をくぐり抜けてきた俺にはそれなりの自信が芽生えていた。
「大丈夫です。ヴィーナ様がビックリするような成果、上げて見せます!」
「分かったわ。では、研修するから田町のオフィスに来なさい」
「え? これからですか?」
「明日からでいいわ。今晩は東京のホテルで休みなさい」
そう言って、女神のほほえみを浮かべた。
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