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10.カップ増し増し
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夕方になり、シアンの研修を受けに田町のオフィスに行くと、彩夏はすでに来ていてソファーでコーヒーを飲んでいた。
「も、もう来てたのか、早いね」
涼真がぎこちなく声をかけると、彩夏はプイっと向こうを向いて、
「知らない!」
と、ご機嫌斜めだった。
涼真はふぅとため息をつきながら隣に座る。
そこにシアンがコーヒーを持って現れる。
「コーヒーでも飲んで。最初は座学からね」
そう言いながら、前かがみにコーヒーを涼真の前のローテーブルに置いた。
豊満な胸の谷間が目の前に来ると、男は自然と目がそこに行くようにできている。
「スケベ! エッチ!」
彩夏はそんな涼真を目ざとく見つけ、バシバシと叩いた。
「えっ!? いや、これは……」
「大きいのが好きなんでしょ? エッチ!」
プリプリと怒る彩夏にシアンは、
「何? 涼真が胸見てたって? 男なんてみんなそうよ」
と、ケラケラと笑った。
「いや、男のサガなんで許してください……」
涼真は真っ赤になってうなだれる。
彩夏は涼真を鋭い目でにらんだ。そして、大きく息をつくと、
「私もシアン様みたいになりたい……」
と、ボソっとつぶやく。
「ん? 胸大きくしたいの?」
シアンが聞く。
「それは……そう、みたいなんですよね……」
彩夏は自分の胸を押さえながら、ジト目で涼真を見る。
「じゃあ、大きくしてあげるよ。何カップがいいの?」
シアンは事も無げにニコニコしながら言う。
「えっ!? 大きくできるんですか!?」
「だって、この世界はデータでできてるだけだからね」
シアンはそう言うと、彩夏の胸にタッチして巨乳に変えた。
「うわぁ!」
驚く彩夏。
いきなり豊満になってしまった彩夏は、自分で持ち上げてその重みに感激する。
「す、すごい……。やっ、やったぁ! キャハッ!」
「大きいと重いからね。あんまりお勧めしないよ」
シアンはそう言ってドサッとソファーに腰かけると、コーヒーをすすった。
「涼ちゃんはどのくらいが……いいのよ?」
彩夏は真っ赤になって聞く。
「ど、どのくらい?」
いきなり聞かれて涼真は迷う。男としては谷間ができるような方がやはり魅力は感じるものの、性的魅力のために胸のサイズを変えることには抵抗があったのだ。
「ほら、見て! 立派よ!」
彩夏はうれしそうに両腕で胸の谷間を作り、見せつける。
そんな様子を見ながら涼真は言った。
「彩夏はサイズを変える必要なんてないよ」
「え?」
キョトンとする彩夏。
「自然なままが一番いい」
涼真は微笑んで言った。
「え? だって朝はボリュームが足りないって……」
「あ、あれは言葉のアヤだよ。傷つけるようなこと言ってゴメン」
涼真は頭を下げる。
「そう……。じゃ、止めるわ」
「あ、いや、それは俺個人の意見だからね。他の男に聞いたらまた違うだろう」
「いいの。涼ちゃんが自然なままでいいって言うなら、そうするわ」
彩夏はつきものが落ちたかのように微笑んで言った。
「分かったよ。じゃあ戻しておくね」
シアンはそう言って彩夏の胸を元に戻した。
「あっ!」
涼真はすぐに元に戻されてしまったことに、つい声を上げてしまう。
「ん? どした?」
「な、な、な、何でもないです!」
冷や汗を浮かべる涼真。彩夏の手前格好をつけたものの、写真くらいは撮っておきたかったと思ってしまい、とは言えそんな事にこだわる自分が情けなくもあり、混乱する中、しばらくうなだれていた。
◇
研修は熾烈を極めた。
座学は情報理論を詰め込まれて、情報エントロピーの計算をやらされ、実技ではこの世界のシステムをツールで操作していく事を叩きこまれた。仮想現実世界のデータをいじるという事は、水を金に変え、物をコピーし、空を飛び、ワープするという事。それは夢のようでもあり、一歩間違えれば世界を滅ぼしかねない緊張感をともなってもいた。
最後はテロリスト制圧を想定した模擬戦闘。お互い、相手の身体のコントロールを奪うように、黒い弾丸のようなハッキングツールを撃ち込みあうわけだが、シアンは歴戦の猛者であり、二人とも一太刀も入れることができなかった。
攻撃に失敗する度に黒焦げにされ、炭のようになって転がされるので、二人ともどんよりとしてしまう。
そんな二人を見てシアンは、
「あー、まぁ、テロリスト相手には僕がやるから、二人はあくまでも対テロリスト戦がどういうものか知っておくだけでいいよ」
と、フォローする。
すると、彩夏はパンパンと自分の頬を叩き、
「もうちょっとで何かがつかめそうな気がするんです! もう一回お願いします!」
と、真剣なまなざしでシアンに言った。
「そう? じゃあ、かかっておいで」
ニヤリとするシアン。
「行きます!」
気合を入れてツールを展開する彩夏。
直後、彩夏はボンと音を立ててまた黒焦げにされて転がされた。
「も、もう来てたのか、早いね」
涼真がぎこちなく声をかけると、彩夏はプイっと向こうを向いて、
「知らない!」
と、ご機嫌斜めだった。
涼真はふぅとため息をつきながら隣に座る。
そこにシアンがコーヒーを持って現れる。
「コーヒーでも飲んで。最初は座学からね」
そう言いながら、前かがみにコーヒーを涼真の前のローテーブルに置いた。
豊満な胸の谷間が目の前に来ると、男は自然と目がそこに行くようにできている。
「スケベ! エッチ!」
彩夏はそんな涼真を目ざとく見つけ、バシバシと叩いた。
「えっ!? いや、これは……」
「大きいのが好きなんでしょ? エッチ!」
プリプリと怒る彩夏にシアンは、
「何? 涼真が胸見てたって? 男なんてみんなそうよ」
と、ケラケラと笑った。
「いや、男のサガなんで許してください……」
涼真は真っ赤になってうなだれる。
彩夏は涼真を鋭い目でにらんだ。そして、大きく息をつくと、
「私もシアン様みたいになりたい……」
と、ボソっとつぶやく。
「ん? 胸大きくしたいの?」
シアンが聞く。
「それは……そう、みたいなんですよね……」
彩夏は自分の胸を押さえながら、ジト目で涼真を見る。
「じゃあ、大きくしてあげるよ。何カップがいいの?」
シアンは事も無げにニコニコしながら言う。
「えっ!? 大きくできるんですか!?」
「だって、この世界はデータでできてるだけだからね」
シアンはそう言うと、彩夏の胸にタッチして巨乳に変えた。
「うわぁ!」
驚く彩夏。
いきなり豊満になってしまった彩夏は、自分で持ち上げてその重みに感激する。
「す、すごい……。やっ、やったぁ! キャハッ!」
「大きいと重いからね。あんまりお勧めしないよ」
シアンはそう言ってドサッとソファーに腰かけると、コーヒーをすすった。
「涼ちゃんはどのくらいが……いいのよ?」
彩夏は真っ赤になって聞く。
「ど、どのくらい?」
いきなり聞かれて涼真は迷う。男としては谷間ができるような方がやはり魅力は感じるものの、性的魅力のために胸のサイズを変えることには抵抗があったのだ。
「ほら、見て! 立派よ!」
彩夏はうれしそうに両腕で胸の谷間を作り、見せつける。
そんな様子を見ながら涼真は言った。
「彩夏はサイズを変える必要なんてないよ」
「え?」
キョトンとする彩夏。
「自然なままが一番いい」
涼真は微笑んで言った。
「え? だって朝はボリュームが足りないって……」
「あ、あれは言葉のアヤだよ。傷つけるようなこと言ってゴメン」
涼真は頭を下げる。
「そう……。じゃ、止めるわ」
「あ、いや、それは俺個人の意見だからね。他の男に聞いたらまた違うだろう」
「いいの。涼ちゃんが自然なままでいいって言うなら、そうするわ」
彩夏はつきものが落ちたかのように微笑んで言った。
「分かったよ。じゃあ戻しておくね」
シアンはそう言って彩夏の胸を元に戻した。
「あっ!」
涼真はすぐに元に戻されてしまったことに、つい声を上げてしまう。
「ん? どした?」
「な、な、な、何でもないです!」
冷や汗を浮かべる涼真。彩夏の手前格好をつけたものの、写真くらいは撮っておきたかったと思ってしまい、とは言えそんな事にこだわる自分が情けなくもあり、混乱する中、しばらくうなだれていた。
◇
研修は熾烈を極めた。
座学は情報理論を詰め込まれて、情報エントロピーの計算をやらされ、実技ではこの世界のシステムをツールで操作していく事を叩きこまれた。仮想現実世界のデータをいじるという事は、水を金に変え、物をコピーし、空を飛び、ワープするという事。それは夢のようでもあり、一歩間違えれば世界を滅ぼしかねない緊張感をともなってもいた。
最後はテロリスト制圧を想定した模擬戦闘。お互い、相手の身体のコントロールを奪うように、黒い弾丸のようなハッキングツールを撃ち込みあうわけだが、シアンは歴戦の猛者であり、二人とも一太刀も入れることができなかった。
攻撃に失敗する度に黒焦げにされ、炭のようになって転がされるので、二人ともどんよりとしてしまう。
そんな二人を見てシアンは、
「あー、まぁ、テロリスト相手には僕がやるから、二人はあくまでも対テロリスト戦がどういうものか知っておくだけでいいよ」
と、フォローする。
すると、彩夏はパンパンと自分の頬を叩き、
「もうちょっとで何かがつかめそうな気がするんです! もう一回お願いします!」
と、真剣なまなざしでシアンに言った。
「そう? じゃあ、かかっておいで」
ニヤリとするシアン。
「行きます!」
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