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4-1. 建国宣言
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それから一カ月、住民は二万人を超え、スラムからだけじゃなく、平民も参加してくれるようになった。特に手に職を持った職人が、アレグリスの先進的な工業にひかれてやってくるようになり、国としての安定感が出始めてきた。
そして今日はアレグリスの設立記念式典の日だ。
スタジアムに全国民を集め、レオが建国を宣言する。
スタジアムに二万人の人たちが集まり、巨大動画スクリーンを背景に設置された特設ステージを見つめていた。
オディーヌがステージに現れ、照明が当たり、巨大スクリーンにその美貌が余すところなく表示された。
「それでは、アレグリス初代国王、レオ=アレグリスの登場です!」
するとスタジアムの上空に巨大な影が走った。何だろうとみんなが見上げるとそれは巨大なドラゴンだった。
巨大な羽根をはばたかせ、厳ついウロコを誇示し、減速しながらステージへと降りてくる。その巨大な鋭い爪と恐ろしいギョロリとした燃えるような瞳に観客席の住民たちは凍り付き、戦慄が走った……。
そのドラゴンの背中に動く小さな人影……レオだった。レオは黒いスーツに身を包みみんなに手を振っている。
ドラゴンがステージの前に着地する。
ズズーン! とスタジアムが揺れた。そして咆哮を一発。
ギュァァァァ!
その恐るべき重低音は住民たちの腹の底に響いた。
レオは、ピョンとステージの上に飛び移り、
「レヴィアありがとう」
そう言ってレヴィアに声をかけると、レヴィアはウインクをする。そして、バサッバサッと巨大な羽根をはばたかせると大きく飛び上がり、一気に青空へと消えていった。
レオはマイクの前に進むと、観客席をぐるっと見回した。自分を信じてやってきてくれた二万人もの住民たち。その光景はレオにとってまるで夢のようで、思わず胸が熱くなる。
「国王、ご挨拶をお願いします」
オディーヌが声をかける。
「みなさん、こんにちは!」
元気よくレオが声をあげた。
ウオォォォォ!
住民たちは可愛いレオの挨拶に歓声で答えた。
レオはそんな住民たちをニッコリと笑いながら見回し、手を大きく振りながら言った。
「みなさん、来てくれてありがとう!」
オォォォォ!
さらにひときわ大きな歓声が巻き起こった。
レオはその歓声を浴びながら、自分のやってきたことは正しかったのだという確信を得て、胸が熱くなった。
そして語りだした。
「僕は何もできないただの子供です。でも、理不尽な苦痛はこの世界からなくしたい、その想いの強さだけは負けません。そして、この想いに賛同してくれた仲間たち、彼らが僕に力をくれました。そして今日、こんなにたくさんの皆さんを迎え、一人の子供の思い付きが現実の国となり、大いなる一歩を踏み出すことができました!」
パチパチパチ!
住民は拍手で応える。
レオは観客席を見回し、大きく息をつくと、ピンと右手を高く掲げ、
「今日、ここに、アレグリス共和国建国を宣言します!」
と叫んだ。
ワァァァァ!
上がる大歓声。そして上空で花火がポン! ポン! と破裂する。
レオは思わず涙をポロリとこぼした。物心ついた頃にはもう朝から晩まで労働を強いられ、理不尽な暴力におびえていた……。そんな悲惨な日々を思い出したのだ。自分だけじゃない、道端に餓死した浮浪児が転がされていたのは何度も見た。人権のない社会、それはもう終わりにしなければならない。そしてこれが解決への大いなる一歩なのだと感慨を新たにした。
建国の式典は無事終わり、その後、各部門の担当者から業務内容の紹介と人材募集のプレゼンが行われていった。
そして今日はアレグリスの設立記念式典の日だ。
スタジアムに全国民を集め、レオが建国を宣言する。
スタジアムに二万人の人たちが集まり、巨大動画スクリーンを背景に設置された特設ステージを見つめていた。
オディーヌがステージに現れ、照明が当たり、巨大スクリーンにその美貌が余すところなく表示された。
「それでは、アレグリス初代国王、レオ=アレグリスの登場です!」
するとスタジアムの上空に巨大な影が走った。何だろうとみんなが見上げるとそれは巨大なドラゴンだった。
巨大な羽根をはばたかせ、厳ついウロコを誇示し、減速しながらステージへと降りてくる。その巨大な鋭い爪と恐ろしいギョロリとした燃えるような瞳に観客席の住民たちは凍り付き、戦慄が走った……。
そのドラゴンの背中に動く小さな人影……レオだった。レオは黒いスーツに身を包みみんなに手を振っている。
ドラゴンがステージの前に着地する。
ズズーン! とスタジアムが揺れた。そして咆哮を一発。
ギュァァァァ!
その恐るべき重低音は住民たちの腹の底に響いた。
レオは、ピョンとステージの上に飛び移り、
「レヴィアありがとう」
そう言ってレヴィアに声をかけると、レヴィアはウインクをする。そして、バサッバサッと巨大な羽根をはばたかせると大きく飛び上がり、一気に青空へと消えていった。
レオはマイクの前に進むと、観客席をぐるっと見回した。自分を信じてやってきてくれた二万人もの住民たち。その光景はレオにとってまるで夢のようで、思わず胸が熱くなる。
「国王、ご挨拶をお願いします」
オディーヌが声をかける。
「みなさん、こんにちは!」
元気よくレオが声をあげた。
ウオォォォォ!
住民たちは可愛いレオの挨拶に歓声で答えた。
レオはそんな住民たちをニッコリと笑いながら見回し、手を大きく振りながら言った。
「みなさん、来てくれてありがとう!」
オォォォォ!
さらにひときわ大きな歓声が巻き起こった。
レオはその歓声を浴びながら、自分のやってきたことは正しかったのだという確信を得て、胸が熱くなった。
そして語りだした。
「僕は何もできないただの子供です。でも、理不尽な苦痛はこの世界からなくしたい、その想いの強さだけは負けません。そして、この想いに賛同してくれた仲間たち、彼らが僕に力をくれました。そして今日、こんなにたくさんの皆さんを迎え、一人の子供の思い付きが現実の国となり、大いなる一歩を踏み出すことができました!」
パチパチパチ!
住民は拍手で応える。
レオは観客席を見回し、大きく息をつくと、ピンと右手を高く掲げ、
「今日、ここに、アレグリス共和国建国を宣言します!」
と叫んだ。
ワァァァァ!
上がる大歓声。そして上空で花火がポン! ポン! と破裂する。
レオは思わず涙をポロリとこぼした。物心ついた頃にはもう朝から晩まで労働を強いられ、理不尽な暴力におびえていた……。そんな悲惨な日々を思い出したのだ。自分だけじゃない、道端に餓死した浮浪児が転がされていたのは何度も見た。人権のない社会、それはもう終わりにしなければならない。そしてこれが解決への大いなる一歩なのだと感慨を新たにした。
建国の式典は無事終わり、その後、各部門の担当者から業務内容の紹介と人材募集のプレゼンが行われていった。
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