32 / 65
2-16. スタバで朝食を
しおりを挟む
「レヴィアおはよ~」
レオは目をこすりながらテーブルのところへ行った。
「おはよう、よく眠れたかの?」
レヴィアはコーヒーを飲みながら微笑んで言う。
「うん、ママにも会わせてもらっちゃった」
「ママ? あ、そう……、それは……良かったのう……」
レヴィアはちょっと言葉に詰まりながら答え、目をつぶってため息をついた。
「あれー? 朝食は?」
シアンは頭をボリボリとかきながら、やってくる。
「朝食、何が良いですか? 相談しようと思って……」
レヴィアはちょっと緊張した声で答えた。
「あー、スタバ行くか、スタバ」
「えっ!? スターバックスですか? どこの?」
「田町だよ、田町。別にシアトルでもどこでもいいけど……」
そう言いながらあくびをするシアン。
「じゃあ、そうしましょうか」
「それじゃ転送するよ~」
シアンはそう言って右手を挙げる。
「ちょ、ちょっと待ってください、その服装で行くんですか?」
ピンクのウサギ模様のふわふわパジャマに身を包んだシアンを指さして言った。
「レヴィアは細かいなぁ……」
「いや、細かくないですって!」
シアンは目をつぶって四人を転送させた。
◇
一行は国道十五号線沿いの歩道に移動した。
シアンは胸元がV字に開いた白ニットのトップスに、カーキ色のタイトスカートをはいていた。
「これならいいでしょ?」
ニコッと笑うシアン。
「……、バッチリです」
レヴィアは渋い顔で答えた。
「ねぇ、僕は?」
レオがパジャマ姿で聞く。
「ゴメンゴメン!」
シアンはそう言うと、ユニクロのボーダーシャツに着替えさせた。
◇
「では、スタバにレッツゴー!」
シアンはそう言って、大きなガラス扉を押し開けた。
「いらっしゃいませー」
若い女性の声が響く。
「うわぁ、すごぉい!」
オディーヌが声を上げる。ピンクのドーナツに緑のクリームバー、色とりどりの食べ物が並んだガラスのショーケースが目に入ったのだ。
レオとオディーヌはガラスをのぞきこんで一生懸命品定めをする。
「チーズタルトがお勧めですよ」
店員がニッコリとしながら声をかける。
するとシアンは、
「じゃあ、この列とこの列、全部一つずつください」
そう言って大人買いする。
「え? お持ち帰りですか?」
驚く店員。
「ここで食べるんでスコーンは温めて」
シアンはニッコリとして言った。
「わ、分かりました……」
「僕はベンティアメリカーノ、ホットね。みんなもコーヒー?」
シアンはそう言って見回す。
すると、レオが
「僕は……ミルクがいいな」
と、恥ずかしそうに言った。
◇
通りに面した、全面ガラス張りの壁のそばに席を取る一行。
国道十五号線は産業道路であり、たくさんのトラックや自動車が行きかっている。
「うわぁ、すごいね……」
レオはその交通量に圧倒される。
「物流は国の要じゃからな。国づくりというのは道も輸送手段も重要じゃぞ」
レヴィアはそう言ってコーヒーをすする。
「そんなの空間繋げちゃえばいいよ」
シアンは呑気にコーヒーをすすりながらいう。
「えぇっ!? そんなの管理局に怒られますよ!」
「僕がいいって言ってたって伝えて」
そう言いながらシアンはピンクのドーナツをパクリと食べた。
「……。報告書が……」
「レヴィアは細かいなぁ、『シアンにやれって言われた』とだけ書いとけばOKだよ」
シアンはそう言って、レヴィアの背中をバンバンと叩いた。
「……。本当にそう書きますからね?」
レヴィアはジト目でシアンを見る。
シアンはうなずきながらスコーンに手を伸ばした。
「空間繋げるってどこ繋げるの?」
レオが聞く。
「主要都市の倉庫になるじゃろうな。各都市に倉庫借りて、そこをうちの倉庫とつなげる。そうしたら輸出入が一瞬でできる……。なんか怖いのう」
「ちょっとやりすぎかな? 利用期間に制限つけようか? 三十年間だけとか」
シアンはそう言ってコーヒーをすすった。
「三十年……、それならいいですな」
レヴィアはうんうんとうなずいた。
レオは目をこすりながらテーブルのところへ行った。
「おはよう、よく眠れたかの?」
レヴィアはコーヒーを飲みながら微笑んで言う。
「うん、ママにも会わせてもらっちゃった」
「ママ? あ、そう……、それは……良かったのう……」
レヴィアはちょっと言葉に詰まりながら答え、目をつぶってため息をついた。
「あれー? 朝食は?」
シアンは頭をボリボリとかきながら、やってくる。
「朝食、何が良いですか? 相談しようと思って……」
レヴィアはちょっと緊張した声で答えた。
「あー、スタバ行くか、スタバ」
「えっ!? スターバックスですか? どこの?」
「田町だよ、田町。別にシアトルでもどこでもいいけど……」
そう言いながらあくびをするシアン。
「じゃあ、そうしましょうか」
「それじゃ転送するよ~」
シアンはそう言って右手を挙げる。
「ちょ、ちょっと待ってください、その服装で行くんですか?」
ピンクのウサギ模様のふわふわパジャマに身を包んだシアンを指さして言った。
「レヴィアは細かいなぁ……」
「いや、細かくないですって!」
シアンは目をつぶって四人を転送させた。
◇
一行は国道十五号線沿いの歩道に移動した。
シアンは胸元がV字に開いた白ニットのトップスに、カーキ色のタイトスカートをはいていた。
「これならいいでしょ?」
ニコッと笑うシアン。
「……、バッチリです」
レヴィアは渋い顔で答えた。
「ねぇ、僕は?」
レオがパジャマ姿で聞く。
「ゴメンゴメン!」
シアンはそう言うと、ユニクロのボーダーシャツに着替えさせた。
◇
「では、スタバにレッツゴー!」
シアンはそう言って、大きなガラス扉を押し開けた。
「いらっしゃいませー」
若い女性の声が響く。
「うわぁ、すごぉい!」
オディーヌが声を上げる。ピンクのドーナツに緑のクリームバー、色とりどりの食べ物が並んだガラスのショーケースが目に入ったのだ。
レオとオディーヌはガラスをのぞきこんで一生懸命品定めをする。
「チーズタルトがお勧めですよ」
店員がニッコリとしながら声をかける。
するとシアンは、
「じゃあ、この列とこの列、全部一つずつください」
そう言って大人買いする。
「え? お持ち帰りですか?」
驚く店員。
「ここで食べるんでスコーンは温めて」
シアンはニッコリとして言った。
「わ、分かりました……」
「僕はベンティアメリカーノ、ホットね。みんなもコーヒー?」
シアンはそう言って見回す。
すると、レオが
「僕は……ミルクがいいな」
と、恥ずかしそうに言った。
◇
通りに面した、全面ガラス張りの壁のそばに席を取る一行。
国道十五号線は産業道路であり、たくさんのトラックや自動車が行きかっている。
「うわぁ、すごいね……」
レオはその交通量に圧倒される。
「物流は国の要じゃからな。国づくりというのは道も輸送手段も重要じゃぞ」
レヴィアはそう言ってコーヒーをすする。
「そんなの空間繋げちゃえばいいよ」
シアンは呑気にコーヒーをすすりながらいう。
「えぇっ!? そんなの管理局に怒られますよ!」
「僕がいいって言ってたって伝えて」
そう言いながらシアンはピンクのドーナツをパクリと食べた。
「……。報告書が……」
「レヴィアは細かいなぁ、『シアンにやれって言われた』とだけ書いとけばOKだよ」
シアンはそう言って、レヴィアの背中をバンバンと叩いた。
「……。本当にそう書きますからね?」
レヴィアはジト目でシアンを見る。
シアンはうなずきながらスコーンに手を伸ばした。
「空間繋げるってどこ繋げるの?」
レオが聞く。
「主要都市の倉庫になるじゃろうな。各都市に倉庫借りて、そこをうちの倉庫とつなげる。そうしたら輸出入が一瞬でできる……。なんか怖いのう」
「ちょっとやりすぎかな? 利用期間に制限つけようか? 三十年間だけとか」
シアンはそう言ってコーヒーをすすった。
「三十年……、それならいいですな」
レヴィアはうんうんとうなずいた。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
異世界でいきなり経験値2億ポイント手に入れました
雪華慧太
ファンタジー
会社が倒産し無職になった俺は再就職が決まりかけたその日、あっけなく昇天した。
女神の手違いで死亡した俺は、無理やり異世界に飛ばされる。
強引な女神の加護に包まれて凄まじい勢いで異世界に飛ばされた結果、俺はとある王国を滅ぼしかけていた凶悪な邪竜に激突しそれを倒した。
くっころ系姫騎士、少し天然な聖女、ツンデレ魔法使い! アニメ顔負けの世界の中で、無職のままカンストした俺は思わぬ最強スキルを手にすることになったのだが……。
元構造解析研究者の異世界冒険譚
犬社護
ファンタジー
主人公は持水薫、女30歳、独身。趣味はあらゆる物質の立体構造を調べ眺めること、構造解析研究者であったが、地震で後輩を庇い命を落とす。魂となった彼女は女神と出会い、話をした結果、後輩を助けたこともあってスキル2つを持ってすぐに転生することになった。転生先は、地球からはるか遠く離れた惑星ガーランド、エルディア王国のある貴族の娘であった。前世の記憶を持ったまま、持水薫改めシャーロット・エルバランは誕生した。転生の際に選んだスキルは『構造解析』と『構造編集』。2つのスキルと持ち前の知能の高さを生かし、順調な異世界生活を送っていたが、とある女の子と出会った事で、人生が激変することになる。
果たして、シャーロットは新たな人生を生き抜くことが出来るのだろうか?
…………………
7歳序盤まではほのぼのとした話が続きますが、7歳中盤から未開の地へ転移されます。転移以降、物語はスローペースで進んでいきます。読者によっては、早くこの先を知りたいのに、話が進まないよと思う方もおられるかもしれません。のんびりした気持ちで読んで頂けると嬉しいです。
…………………
主人公シャーロットは、チートスキルを持っていますが、最弱スタートです。
レディース異世界満喫禄
日の丸
ファンタジー
〇城県のレディース輝夜の総長篠原連は18才で死んでしまう。
その死に方があまりな死に方だったので運命神の1人に異世界におくられることに。
その世界で出会う仲間と様々な体験をたのしむ!!
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる