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2-9. 即死する少女
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「さー、三次会だ! 飲むぞー!」
シアンはうれしそうに併設のバーにみんなを引っ張っていく。
「レヴィア! スパークリングワインをボトルでね!」
そう言ってシアンは夜景が見える特等席に陣取った。
「シアンさんはここで生まれたんですよね?」
オディーヌが聞いた。
「そうだよ、四年前にね。あの塔のふもと辺りで」
そう言ってシアンは東京タワーを指した。
「よ、四年前!? じゃ、シアンさんは……四歳?」
「うふふ、バレちゃったか。きゃははは!」
シアンは楽しそうに笑った。
「え? でも……、私よりは年上……に見えるんですが……?」
困惑するオディーヌ。
「シアン様に時間などあまり関係ないのじゃ」
そう言いながら、レヴィアは持ってきた飲み物とホットドッグをテーブルに置いた。
「じゃあ、東京の夜景にカンパーイ!」
シアンはうれしそうに乾杯の音頭を取る。
「カンパーイ!」「カンパーイ!」「カンパーイ!」
シアンはスパークリングワインをキューっと一気飲みすると、
「クーッ! 綺麗な夜景見ながら飲む酒は格別だねっ!」
と、喜色満面で言った。
「四歳なのにお酒大好きなんですね」
オディーヌが聞く。
「なんだかうちのパパたちが、何かあるごとに酒ばっかり飲んでてね、それが遺伝したみたい」
「神様とお酒は切っても切り離せませんからな」
レヴィアが言う。
「神様!? シアンさんのお父様は神様なんですか?」
オディーヌは驚いて聞く。
「えーと、うーんと……神様のリーダー? なのかな?」
シアンは首をかしげながら答える。
「リーダー? じゃあ、神様がたくさんいらっしゃる?」
「そうだね」
「じゃあ、シアンさんも神様ですか?」
「僕はシアンだよ」
そう言ってニコニコと笑った。
「シアン様は神様を超越されてるのじゃ。例えば、今もこうやってここにいらっしゃるように見えて、他の星で戦ってたりするんじゃ」
「え? レヴィア見えてるの?」
シアンが不思議そうに聞く。
「なんとなく様子で分かるのです」
「ふーん、今ちょうど、レジスタンスの悪い奴を見つけ出して衛星軌道上で交戦中~」
シアンはうれしそうに言った。
「えっ!? シアンは身体がたくさんあるの?」
レオは驚く。
「管理してる星が百万個あるから一つじゃ足りないんだよ」
ニコニコするシアン。
「ふへ――――」
レオは絶句する。レオは『今までに何個も星を消してきた』と言っていたシアンの言葉の背景が何となく分かったような気がした。
「よーし、敵が突っ込んでくるぞ。殲滅してやる。ガンマ線バースト用意!」
シアンがノリノリで言った。
レヴィアが焦って言う。
「ちょ、ちょっと待ってください! ガンマ線バーストって、宇宙最大の爆発現象のことじゃなかったでしたっけ!?」
「そうだよ? 物理攻撃無効の戦艦で突っ込んでくるんだもん。試しに撃ってみようかなって」
「ダメダメ! ダメですって! そんなの撃ったら太陽系ごと吹き飛びますよ!」
「え? そんな?」
「そうですよ、太陽が生み出す百億年分のエネルギーを二十秒で一気に放出するんですよ? 何光年離れてたって全て焼き尽くされるはずです」
「あぁ……もうダメだ、もう止まらないみたい……」
シアンはそう言うと、ビクンビクンと身体を痙攣させた。
そして、しばらく放心状態になってしまった。
「シ、シアン……、大丈夫?」
レオが心配そうに聞く。
レヴィアは、
「ダメって言いましたよ、私は……」
そう言って肩をすくめた。
やがてシアンは目をパチパチとさせると、スパークリングワインのビンをガッとつかみ、一気飲みをした。
そして、ビンをガン!とテーブルに置くと、
「いやー、レヴィアの言う通りだったよ! きゃははは!」
と、うれしそうに笑った。
「え? どうなったんですか?」
「星がね一瞬で蒸発しちゃった。僕も射出口の裏でシールド重ねて隠れてたんだけど瞬殺だったよ」
シアンは自分が死んだことを報告しながら、ケタケタと笑った。
「え? シアン死んじゃったの?」
レオがビックリしていると、シアンは
「ふふっ、良くあることだよ」
と言ってニヤッと笑った。
シアンはうれしそうに併設のバーにみんなを引っ張っていく。
「レヴィア! スパークリングワインをボトルでね!」
そう言ってシアンは夜景が見える特等席に陣取った。
「シアンさんはここで生まれたんですよね?」
オディーヌが聞いた。
「そうだよ、四年前にね。あの塔のふもと辺りで」
そう言ってシアンは東京タワーを指した。
「よ、四年前!? じゃ、シアンさんは……四歳?」
「うふふ、バレちゃったか。きゃははは!」
シアンは楽しそうに笑った。
「え? でも……、私よりは年上……に見えるんですが……?」
困惑するオディーヌ。
「シアン様に時間などあまり関係ないのじゃ」
そう言いながら、レヴィアは持ってきた飲み物とホットドッグをテーブルに置いた。
「じゃあ、東京の夜景にカンパーイ!」
シアンはうれしそうに乾杯の音頭を取る。
「カンパーイ!」「カンパーイ!」「カンパーイ!」
シアンはスパークリングワインをキューっと一気飲みすると、
「クーッ! 綺麗な夜景見ながら飲む酒は格別だねっ!」
と、喜色満面で言った。
「四歳なのにお酒大好きなんですね」
オディーヌが聞く。
「なんだかうちのパパたちが、何かあるごとに酒ばっかり飲んでてね、それが遺伝したみたい」
「神様とお酒は切っても切り離せませんからな」
レヴィアが言う。
「神様!? シアンさんのお父様は神様なんですか?」
オディーヌは驚いて聞く。
「えーと、うーんと……神様のリーダー? なのかな?」
シアンは首をかしげながら答える。
「リーダー? じゃあ、神様がたくさんいらっしゃる?」
「そうだね」
「じゃあ、シアンさんも神様ですか?」
「僕はシアンだよ」
そう言ってニコニコと笑った。
「シアン様は神様を超越されてるのじゃ。例えば、今もこうやってここにいらっしゃるように見えて、他の星で戦ってたりするんじゃ」
「え? レヴィア見えてるの?」
シアンが不思議そうに聞く。
「なんとなく様子で分かるのです」
「ふーん、今ちょうど、レジスタンスの悪い奴を見つけ出して衛星軌道上で交戦中~」
シアンはうれしそうに言った。
「えっ!? シアンは身体がたくさんあるの?」
レオは驚く。
「管理してる星が百万個あるから一つじゃ足りないんだよ」
ニコニコするシアン。
「ふへ――――」
レオは絶句する。レオは『今までに何個も星を消してきた』と言っていたシアンの言葉の背景が何となく分かったような気がした。
「よーし、敵が突っ込んでくるぞ。殲滅してやる。ガンマ線バースト用意!」
シアンがノリノリで言った。
レヴィアが焦って言う。
「ちょ、ちょっと待ってください! ガンマ線バーストって、宇宙最大の爆発現象のことじゃなかったでしたっけ!?」
「そうだよ? 物理攻撃無効の戦艦で突っ込んでくるんだもん。試しに撃ってみようかなって」
「ダメダメ! ダメですって! そんなの撃ったら太陽系ごと吹き飛びますよ!」
「え? そんな?」
「そうですよ、太陽が生み出す百億年分のエネルギーを二十秒で一気に放出するんですよ? 何光年離れてたって全て焼き尽くされるはずです」
「あぁ……もうダメだ、もう止まらないみたい……」
シアンはそう言うと、ビクンビクンと身体を痙攣させた。
そして、しばらく放心状態になってしまった。
「シ、シアン……、大丈夫?」
レオが心配そうに聞く。
レヴィアは、
「ダメって言いましたよ、私は……」
そう言って肩をすくめた。
やがてシアンは目をパチパチとさせると、スパークリングワインのビンをガッとつかみ、一気飲みをした。
そして、ビンをガン!とテーブルに置くと、
「いやー、レヴィアの言う通りだったよ! きゃははは!」
と、うれしそうに笑った。
「え? どうなったんですか?」
「星がね一瞬で蒸発しちゃった。僕も射出口の裏でシールド重ねて隠れてたんだけど瞬殺だったよ」
シアンは自分が死んだことを報告しながら、ケタケタと笑った。
「え? シアン死んじゃったの?」
レオがビックリしていると、シアンは
「ふふっ、良くあることだよ」
と言ってニヤッと笑った。
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