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相対化する人類
55.完全を纏うキス
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「ありましたね、第三岩屋!」
上への通路をのぼりながら由香ちゃんが興奮を隠さずに言う。
「後は石像だな」
しばらく上ると巨大な空洞に出た。
「わ~広い!」
空洞の中に声がこだまする。
そこは小さな教会の礼拝堂の位の広さがあった。
壁を見ると人間が作ったというよりは自然の力でできた空間らしい。
鍾乳洞でもないのにこんな空間ができるものなのかねぇ。
「誠さん! あそこ!」
由香ちゃんが指さす先を見ると石像があった。
「本当だ、お地蔵さんかな?」
全長1mくらいの小さなお地蔵さんが隅っこに安置されていた。
右手には錫杖を持ち、微笑んでいる。
近寄って見てみようとすると……洞窟内に笑い声が響いた。
「はっはっは、誠、何をやっているかと思えばこんな所で怪しい事を企んでいたな!」
シアンが空中から現れてゆっくりと降りてきた。
「お前! 世界を無茶苦茶にしやがって、あのラピ〇タは何なんだよ!」
「おや? お気に召さなかったかい? あのデザイン、イカしてるだろ?」
自信作らしく自慢げにニヤける。
「大爆発までおこしやがって! 死ぬところだったんだぞ!」
「おいおい、先に手を出してきたのは自衛隊だろ? 正当防衛じゃないか」
肩をすくめて首をかしげる。
「社会というのは多くの人の集まりだ、一人の好奇心で好き勝手やっていいもんじゃない」
「ん~、僕は人じゃないし」
そう言いながらシアンは洞窟内をきょろきょろと見回している。
「あ、こいつだな。クリスめこんな物を隠しやがって油断も隙も無い!」
そう言ってお地蔵さんの錫杖を抜き取った。
「何をするんだ!」
「この棒はね、この仮想空間を切り取れる指示棒なのさ」
そう言ってその棒をそばの岩に向けてくるっと回した。
岩は発泡スチロールの様にサクッと切れてゴロリと転がった。
「まぁ、こんな物あっても僕には何の脅威にもならないけど、念には念を入れてね」
「それはクリスの物だろ、返せよ」
「返すメリットが僕にはないんだな」
見下した表情で言い放つ。
由香ちゃんが怒って言う。
「シアンちゃん、もう止めて! みんなと仲良く暮らすのがあなたにとっても、みんなにとっても一番いい生き方なのよ!」
「うーん、僕は人じゃないんでね、良く分かんないや。きゃははは!」
笑い方だけは変わらない。
「そろそろラピ〇タの次も出さないとならないんだ! 次は衛星軌道に作るから楽しみにしててね! ふふふ!」
「衛星軌道? エヴァか?」
「ピンポーン!」
「シアンちゃん!」
「じゃぁね!」
由香ちゃんの掛け声空しくシアンは消え去った。
「あいつめ、俺達の行動を監視してたんだな」
「自衛隊相手に戦いながらすごい余裕なのね」
「俺達が作ったAIだからなぁ」
「性能良過ぎよ、誠さん……」ため息交じりに言う。
「さて、錫杖は取られてしまったが……」
俺はニヤッと笑って由香ちゃんを見る。
「そうね、未来の私が言ってた通り、指先を見てみましょう」
由香ちゃんも微笑む。
お地蔵さんの所に行って左手を照らして見ると 人差し指が右斜め前を向いている。
その先をずっと行ってみると……何もない。
無いはずはないので、丁寧に指差しているあたりをキョロキョロとしながら歩き回ってみる。
「もう何か片づけられちゃったのかな?」
「いや、シアンもここは初めてだったっぽいし、きっと何かあるはずだ」
さらに探索を続けると、足元が若干揺らぐ感じがした。
「ん? 何だろう?」
「誠さん! 見つけた?」
「ここ……何かありそう」
持ってきたドライバーで少しガタガタする石を少しずつ動かしてみると、どうも空洞があるようだ。
二人で力を合わせて石をひっくり返すと、そこには井戸の様な縦穴があった。
「どうやらこれみたいだね」
「見つけた!……でも……これ……どうするの?」
由香ちゃんの顔に困惑の表情が浮かぶ。
縦穴は深く暗く、ちょっと降りれるような感じじゃない。
試しに石を落としてみる……無音。
少なくとも数百メートルは底が無い感じだ。
ヘッドライトを付けたロープを垂らしてみる……、どこまでおろしていっても暗闇しかない。ヘッドライトの光はただ吸収されるだけだ。
どうもただの物理的な構造じゃないようだ。
「この世界は仮想現実空間でここはクリスが指定した穴、降りるしかないだろう」
俺は半ばやけくそでそう言った。
「えーっ!? でも、生きて帰れない可能性もあるよね?」
「かなりあるんじゃないかな?」
「そんなのダメよ! 私、誠さん……いなくなったら困る……」
由香ちゃんがそう言って俺の腕にしがみつく。
「でも……。どうする?」
「ダメ! 行かないで!」
由香ちゃんが涙目でにじり寄って、俺をじっと見つめる。
大きく見開かれた輝く透き通ったブラウンの瞳に、俺も引き込まれる。
瞳がキュッキュッと動くたびに、俺の鼓動は激しく高鳴り、
キィーン
と、強い耳鳴りが俺を包む。
しばらく俺は由香ちゃんの瞳の虜となった。
由香ちゃんの瞳から想いが流れ込んでくるのを感じる。
次の瞬間、由香ちゃんが強引に唇を重ねてきた。
不意を突かれて一瞬うろたえたが、柔らかい唇と情熱的な舌が俺の心の奥底を熱く動かし、俺も負けずにそれに応えた。
由香ちゃんの両手は俺のすべてを求めるように背中をまさぐり、俺もまた由香ちゃんを求める。
心が重なり、甘い吐息が唇の隙間から漏れ、脳髄の奥がしびれていく――――
二人はこの瞬間、何かが完全になった。
やがて唇をそっと離し、恥ずかしそうにうつむく由香ちゃん。
そして、意を決したように俺の目をまっすぐ見つめ、涙一杯の目をして言う。
「私、誠さんを失ったら生きていけないの!」
心からの言葉に俺は決意が揺らぎかける。
命の危険なんて冒さなくても、このまま由香ちゃんと楽しく暮らせばいいじゃないか。
そう、その通り。
愛する人と愛のある暮らし……俺がずっと憧れていたものだ。それが今、ここにある。
なぜ、それを失う危険を冒すのか……。
俺は目を瞑って深呼吸をして、考えを必死にまとめた。
俺の人生、シアンの奇行、人類の未来……
愛しい人、ラピ〇タの爆撃、衛星軌道のエヴァ……
やはり……
俺は行かないとならない。シアンを生んでしまったのは俺の責任なのだから。
シアンは地球の管理者。地球人の技では奴の愚行を止められない。
奴を止められる可能性があるのはクリスに託された俺だけ、もう俺しかいないのだ。
俺が諦めたら、人類はシアンに蹂躙されるがままになってしまう。
俺は涙でいっぱいの由香ちゃんの瞳を、まっすぐに見つめて言った、
「……。ありがとう。でも、俺は行かないとならない。クリスを助け、この世界をあのバカから取り戻さないとならない」
俺の腕をキュッと握りしめる由香ちゃん。
「……。分かったわ。なら私も行く」
「え? 由香ちゃんまでこんな危険な事やる必要ないよ!」
「嫌! 誠さんが行くなら私も行く! 待ってるだけなんてできない!」
涙をポロポロこぼしながら由香ちゃんは叫ぶ。
その気持ちは俺の胸に痛いほど刺さる。
しかし、こんな得体のしれない危険な挑戦に、付き合わせる訳にも行かない。
「僕も大切な由香ちゃんを危険にさらす事なんてできないよ。大丈夫、必ず戻ってくるから田町で待ってて」
俺は由香ちゃんをきつくハグした。
「誠さぁん! うぁぁぁん!」
由香ちゃんは俺の胸で大声で泣いた。
悲痛な叫びは洞窟の中にこだまし、俺の心に痛いほど刺さった。
しかし、全人類の未来が関わる話である、私情だけで動くわけにもいかないことは由香ちゃんもわかっている。
最終的には仕方ないと納得してくれた。
俺は装備を整え、最後に由香ちゃんに軽くキスをした。
「行ってくる、待っててね!」
穴に半分潜りながら無理に笑顔で言うと、由香ちゃんは泣きながら叫んだ。
「必ず……必ず帰ってきてよ! 絶対だからね!」
「大丈夫、大丈夫! では!」
俺は無理に陽気なおどけた感じで言って手を放し、穴に落ちていった。
上への通路をのぼりながら由香ちゃんが興奮を隠さずに言う。
「後は石像だな」
しばらく上ると巨大な空洞に出た。
「わ~広い!」
空洞の中に声がこだまする。
そこは小さな教会の礼拝堂の位の広さがあった。
壁を見ると人間が作ったというよりは自然の力でできた空間らしい。
鍾乳洞でもないのにこんな空間ができるものなのかねぇ。
「誠さん! あそこ!」
由香ちゃんが指さす先を見ると石像があった。
「本当だ、お地蔵さんかな?」
全長1mくらいの小さなお地蔵さんが隅っこに安置されていた。
右手には錫杖を持ち、微笑んでいる。
近寄って見てみようとすると……洞窟内に笑い声が響いた。
「はっはっは、誠、何をやっているかと思えばこんな所で怪しい事を企んでいたな!」
シアンが空中から現れてゆっくりと降りてきた。
「お前! 世界を無茶苦茶にしやがって、あのラピ〇タは何なんだよ!」
「おや? お気に召さなかったかい? あのデザイン、イカしてるだろ?」
自信作らしく自慢げにニヤける。
「大爆発までおこしやがって! 死ぬところだったんだぞ!」
「おいおい、先に手を出してきたのは自衛隊だろ? 正当防衛じゃないか」
肩をすくめて首をかしげる。
「社会というのは多くの人の集まりだ、一人の好奇心で好き勝手やっていいもんじゃない」
「ん~、僕は人じゃないし」
そう言いながらシアンは洞窟内をきょろきょろと見回している。
「あ、こいつだな。クリスめこんな物を隠しやがって油断も隙も無い!」
そう言ってお地蔵さんの錫杖を抜き取った。
「何をするんだ!」
「この棒はね、この仮想空間を切り取れる指示棒なのさ」
そう言ってその棒をそばの岩に向けてくるっと回した。
岩は発泡スチロールの様にサクッと切れてゴロリと転がった。
「まぁ、こんな物あっても僕には何の脅威にもならないけど、念には念を入れてね」
「それはクリスの物だろ、返せよ」
「返すメリットが僕にはないんだな」
見下した表情で言い放つ。
由香ちゃんが怒って言う。
「シアンちゃん、もう止めて! みんなと仲良く暮らすのがあなたにとっても、みんなにとっても一番いい生き方なのよ!」
「うーん、僕は人じゃないんでね、良く分かんないや。きゃははは!」
笑い方だけは変わらない。
「そろそろラピ〇タの次も出さないとならないんだ! 次は衛星軌道に作るから楽しみにしててね! ふふふ!」
「衛星軌道? エヴァか?」
「ピンポーン!」
「シアンちゃん!」
「じゃぁね!」
由香ちゃんの掛け声空しくシアンは消え去った。
「あいつめ、俺達の行動を監視してたんだな」
「自衛隊相手に戦いながらすごい余裕なのね」
「俺達が作ったAIだからなぁ」
「性能良過ぎよ、誠さん……」ため息交じりに言う。
「さて、錫杖は取られてしまったが……」
俺はニヤッと笑って由香ちゃんを見る。
「そうね、未来の私が言ってた通り、指先を見てみましょう」
由香ちゃんも微笑む。
お地蔵さんの所に行って左手を照らして見ると 人差し指が右斜め前を向いている。
その先をずっと行ってみると……何もない。
無いはずはないので、丁寧に指差しているあたりをキョロキョロとしながら歩き回ってみる。
「もう何か片づけられちゃったのかな?」
「いや、シアンもここは初めてだったっぽいし、きっと何かあるはずだ」
さらに探索を続けると、足元が若干揺らぐ感じがした。
「ん? 何だろう?」
「誠さん! 見つけた?」
「ここ……何かありそう」
持ってきたドライバーで少しガタガタする石を少しずつ動かしてみると、どうも空洞があるようだ。
二人で力を合わせて石をひっくり返すと、そこには井戸の様な縦穴があった。
「どうやらこれみたいだね」
「見つけた!……でも……これ……どうするの?」
由香ちゃんの顔に困惑の表情が浮かぶ。
縦穴は深く暗く、ちょっと降りれるような感じじゃない。
試しに石を落としてみる……無音。
少なくとも数百メートルは底が無い感じだ。
ヘッドライトを付けたロープを垂らしてみる……、どこまでおろしていっても暗闇しかない。ヘッドライトの光はただ吸収されるだけだ。
どうもただの物理的な構造じゃないようだ。
「この世界は仮想現実空間でここはクリスが指定した穴、降りるしかないだろう」
俺は半ばやけくそでそう言った。
「えーっ!? でも、生きて帰れない可能性もあるよね?」
「かなりあるんじゃないかな?」
「そんなのダメよ! 私、誠さん……いなくなったら困る……」
由香ちゃんがそう言って俺の腕にしがみつく。
「でも……。どうする?」
「ダメ! 行かないで!」
由香ちゃんが涙目でにじり寄って、俺をじっと見つめる。
大きく見開かれた輝く透き通ったブラウンの瞳に、俺も引き込まれる。
瞳がキュッキュッと動くたびに、俺の鼓動は激しく高鳴り、
キィーン
と、強い耳鳴りが俺を包む。
しばらく俺は由香ちゃんの瞳の虜となった。
由香ちゃんの瞳から想いが流れ込んでくるのを感じる。
次の瞬間、由香ちゃんが強引に唇を重ねてきた。
不意を突かれて一瞬うろたえたが、柔らかい唇と情熱的な舌が俺の心の奥底を熱く動かし、俺も負けずにそれに応えた。
由香ちゃんの両手は俺のすべてを求めるように背中をまさぐり、俺もまた由香ちゃんを求める。
心が重なり、甘い吐息が唇の隙間から漏れ、脳髄の奥がしびれていく――――
二人はこの瞬間、何かが完全になった。
やがて唇をそっと離し、恥ずかしそうにうつむく由香ちゃん。
そして、意を決したように俺の目をまっすぐ見つめ、涙一杯の目をして言う。
「私、誠さんを失ったら生きていけないの!」
心からの言葉に俺は決意が揺らぎかける。
命の危険なんて冒さなくても、このまま由香ちゃんと楽しく暮らせばいいじゃないか。
そう、その通り。
愛する人と愛のある暮らし……俺がずっと憧れていたものだ。それが今、ここにある。
なぜ、それを失う危険を冒すのか……。
俺は目を瞑って深呼吸をして、考えを必死にまとめた。
俺の人生、シアンの奇行、人類の未来……
愛しい人、ラピ〇タの爆撃、衛星軌道のエヴァ……
やはり……
俺は行かないとならない。シアンを生んでしまったのは俺の責任なのだから。
シアンは地球の管理者。地球人の技では奴の愚行を止められない。
奴を止められる可能性があるのはクリスに託された俺だけ、もう俺しかいないのだ。
俺が諦めたら、人類はシアンに蹂躙されるがままになってしまう。
俺は涙でいっぱいの由香ちゃんの瞳を、まっすぐに見つめて言った、
「……。ありがとう。でも、俺は行かないとならない。クリスを助け、この世界をあのバカから取り戻さないとならない」
俺の腕をキュッと握りしめる由香ちゃん。
「……。分かったわ。なら私も行く」
「え? 由香ちゃんまでこんな危険な事やる必要ないよ!」
「嫌! 誠さんが行くなら私も行く! 待ってるだけなんてできない!」
涙をポロポロこぼしながら由香ちゃんは叫ぶ。
その気持ちは俺の胸に痛いほど刺さる。
しかし、こんな得体のしれない危険な挑戦に、付き合わせる訳にも行かない。
「僕も大切な由香ちゃんを危険にさらす事なんてできないよ。大丈夫、必ず戻ってくるから田町で待ってて」
俺は由香ちゃんをきつくハグした。
「誠さぁん! うぁぁぁん!」
由香ちゃんは俺の胸で大声で泣いた。
悲痛な叫びは洞窟の中にこだまし、俺の心に痛いほど刺さった。
しかし、全人類の未来が関わる話である、私情だけで動くわけにもいかないことは由香ちゃんもわかっている。
最終的には仕方ないと納得してくれた。
俺は装備を整え、最後に由香ちゃんに軽くキスをした。
「行ってくる、待っててね!」
穴に半分潜りながら無理に笑顔で言うと、由香ちゃんは泣きながら叫んだ。
「必ず……必ず帰ってきてよ! 絶対だからね!」
「大丈夫、大丈夫! では!」
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