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3-4. 降り注ぐ命の輝き
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「いやぁぁぁ!」
最愛の人の最期、その激烈な光の洪水を浴びながらユリアは自分がバラバラになってしまうような衝撃で泣き叫ぶ。自分を救ってくれて、そして、大切に優しく慈しんでくれたかけがえのないジェイド。その愛しい命がまばゆい光となって大地に降り注いでいる……。
「あぁぁぁ……、ジェ、ジェイド……」
ユリアは焦点のあわない目でそうつぶやくと、奥歯をカチカチと鳴らしながら、真っ青な顔をして窓辺にもたれかかった。
光が晴れていっても、隕石は輝きながら飛んでいる。ただ、いくつかに分裂し、軌道も大きく変わっていた。
ユリアはジェイドに託された作戦を思い出し、全力のシールドを張るべく体に力を入れようとしたが、手がブルブルと震えて上手くいかない。
「ダ、ダメ、ちゃんとやらなきゃ!」
ユリアはポロポロと涙をこぼしながら深呼吸を繰り返し、意識を集中して超巨大なシールドを隕石の進行方向に斜めに展開した。
秒速ニ十キロの超高速でシールドに突入した隕石群は、衝突の衝撃でさらにバラバラに砕けながら斜め上に弾き飛ばされていく。
隕石の破片群はまるで壮大な花火のように、激しい光の軌跡を描きながらゆっくりと高度を上げていき、やがて宇宙へと帰っていった。
ユリアは両手を夜空に向けたままハァハァと荒い息をしながら、満天の星々が戻ってくるさまを呆然と眺める。
ホウ、ホーウ……。
まるで何もなかったかのように、静けさを取り戻した森からは鳥の鳴き声が聞こえてくる。
「ジェ、ジェイド……?」
ユリアはまだ現実感が湧かず、力なくつぶやく。
必死にジェイドの気配を探索したが……、どこにもジェイドの姿は見つけられなかった。
「ジェイド――――! ねぇ! ジェイド――――!」
ユリアの絶叫はただ静かな森へと吸い込まれていく。
うっうっうっ……。
ユリアはジェイドが消えた辺りの空をじっと見つめながら、涙をポタポタと落とし続けた。
やはりジェイドは身を挺してこの星を守ったのだ。ユリアを残して……。
◇
すると、流れ星のような光跡がツーっと夜空から降りてくる。
「ジェイド……?」
ユリアはその光跡を目で追う。やがてその光は激しく輝きながらグングンと近づいてきてユリアは思わずしゃがみ込む。
きゃぁ!
光は窓を抜け、部屋に入ってきた。室内をまばゆく照らす眩しさに目がくらむユリア。
ひぃぃ!
パリパリ! というスパークがはじける音が部屋中に響き渡った。
「君、すごいね!」
光の中から若い女の声がする。
「えっ!?」
光がおさまって、中から現れたのは水色の髪の女の子、シアンだった。
「隕石を止められたなんて初めてだよ」
そう言ってニコニコと笑う。
「あ、あなたが隕石を落としたんですか!?」
ユリアはシアンに食ってかかる。
「そうだよ?」
シアンは悪びれることなく平然と言った。
あまりのことにユリアは泣き叫びながら喚く。
「な、なんてことするのよ! ジェイドを返してよ!」
「いいよ!」
ニコニコとするシアン。
「え?」
あっさりとOKされてしまって、拍子抜けのユリア。
「ドラゴン、生き返らせてあげるよ」
シアンはサムアップして嬉しそうに言う。
「あ、あ、じゃあ、お願い……します……」
この星を滅ぼそうとしながら、ジェイドを生き返らせるという、この軽い女の子が一体何を考えているのか全く分からず、ユリアは困惑しながら頼む。
「ただ、一応パパの許可を取らないとね。東京行くからついてきて」
シアンはそう言うと、ユリアの手を取って一気に空間を跳んだ。
◇
ユリアが気がつくと、目の前には美しい間接照明を施したガラスづくりの建物がたくさん並んでいた。
「うわぁ……」
思わず目を奪われるユリア。
そこは表参道だった。
最愛の人を失った絶望から急に煌びやかな東京に連れてこられて、ユリアは頭が追いついていかない。
街ゆく人たちはみんな着飾っていて、見たことも無いようなエレガントなファッションに身を包んでいる。ユリアは圧倒され、みすぼらしい自分のワンピースを少し気にした。
「お願いする時はケーキ買わないとね」
シアンはそう言いながら綺麗な歩道を楽しそうに歩きだす。
「えっ? ちょ、ちょっと待って……」
ユリアは初めて見るオシャレな街に気圧されながら、シアンを追いかける。
ショーウィンドウには見たことも無いようなオシャレなドレスやアイテムが煌びやかに展示され、そんな店が次から次へと並んでいるのだ。王都でも見たことがないそのハイセンスなファッションストリートにユリアは気後れし、シアンの陰に隠れるように後ろをついて行った。
最愛の人の最期、その激烈な光の洪水を浴びながらユリアは自分がバラバラになってしまうような衝撃で泣き叫ぶ。自分を救ってくれて、そして、大切に優しく慈しんでくれたかけがえのないジェイド。その愛しい命がまばゆい光となって大地に降り注いでいる……。
「あぁぁぁ……、ジェ、ジェイド……」
ユリアは焦点のあわない目でそうつぶやくと、奥歯をカチカチと鳴らしながら、真っ青な顔をして窓辺にもたれかかった。
光が晴れていっても、隕石は輝きながら飛んでいる。ただ、いくつかに分裂し、軌道も大きく変わっていた。
ユリアはジェイドに託された作戦を思い出し、全力のシールドを張るべく体に力を入れようとしたが、手がブルブルと震えて上手くいかない。
「ダ、ダメ、ちゃんとやらなきゃ!」
ユリアはポロポロと涙をこぼしながら深呼吸を繰り返し、意識を集中して超巨大なシールドを隕石の進行方向に斜めに展開した。
秒速ニ十キロの超高速でシールドに突入した隕石群は、衝突の衝撃でさらにバラバラに砕けながら斜め上に弾き飛ばされていく。
隕石の破片群はまるで壮大な花火のように、激しい光の軌跡を描きながらゆっくりと高度を上げていき、やがて宇宙へと帰っていった。
ユリアは両手を夜空に向けたままハァハァと荒い息をしながら、満天の星々が戻ってくるさまを呆然と眺める。
ホウ、ホーウ……。
まるで何もなかったかのように、静けさを取り戻した森からは鳥の鳴き声が聞こえてくる。
「ジェ、ジェイド……?」
ユリアはまだ現実感が湧かず、力なくつぶやく。
必死にジェイドの気配を探索したが……、どこにもジェイドの姿は見つけられなかった。
「ジェイド――――! ねぇ! ジェイド――――!」
ユリアの絶叫はただ静かな森へと吸い込まれていく。
うっうっうっ……。
ユリアはジェイドが消えた辺りの空をじっと見つめながら、涙をポタポタと落とし続けた。
やはりジェイドは身を挺してこの星を守ったのだ。ユリアを残して……。
◇
すると、流れ星のような光跡がツーっと夜空から降りてくる。
「ジェイド……?」
ユリアはその光跡を目で追う。やがてその光は激しく輝きながらグングンと近づいてきてユリアは思わずしゃがみ込む。
きゃぁ!
光は窓を抜け、部屋に入ってきた。室内をまばゆく照らす眩しさに目がくらむユリア。
ひぃぃ!
パリパリ! というスパークがはじける音が部屋中に響き渡った。
「君、すごいね!」
光の中から若い女の声がする。
「えっ!?」
光がおさまって、中から現れたのは水色の髪の女の子、シアンだった。
「隕石を止められたなんて初めてだよ」
そう言ってニコニコと笑う。
「あ、あなたが隕石を落としたんですか!?」
ユリアはシアンに食ってかかる。
「そうだよ?」
シアンは悪びれることなく平然と言った。
あまりのことにユリアは泣き叫びながら喚く。
「な、なんてことするのよ! ジェイドを返してよ!」
「いいよ!」
ニコニコとするシアン。
「え?」
あっさりとOKされてしまって、拍子抜けのユリア。
「ドラゴン、生き返らせてあげるよ」
シアンはサムアップして嬉しそうに言う。
「あ、あ、じゃあ、お願い……します……」
この星を滅ぼそうとしながら、ジェイドを生き返らせるという、この軽い女の子が一体何を考えているのか全く分からず、ユリアは困惑しながら頼む。
「ただ、一応パパの許可を取らないとね。東京行くからついてきて」
シアンはそう言うと、ユリアの手を取って一気に空間を跳んだ。
◇
ユリアが気がつくと、目の前には美しい間接照明を施したガラスづくりの建物がたくさん並んでいた。
「うわぁ……」
思わず目を奪われるユリア。
そこは表参道だった。
最愛の人を失った絶望から急に煌びやかな東京に連れてこられて、ユリアは頭が追いついていかない。
街ゆく人たちはみんな着飾っていて、見たことも無いようなエレガントなファッションに身を包んでいる。ユリアは圧倒され、みすぼらしい自分のワンピースを少し気にした。
「お願いする時はケーキ買わないとね」
シアンはそう言いながら綺麗な歩道を楽しそうに歩きだす。
「えっ? ちょ、ちょっと待って……」
ユリアは初めて見るオシャレな街に気圧されながら、シアンを追いかける。
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