上 下
164 / 213
いつかのさけ

39

しおりを挟む
 鍋と鍋の中身を入れていた器と箸以外の全ての空になっていた器を下げ、テーブルの上はすっきりした様子であった。

 若松以外の三人は、ちびちびと残った酒を飲んでいた。だいぶ満足したようで、上機嫌になっていた。

「片倉と若松はだいぶ席外してたみたいだけど、美味かったか?」

「はい。シメもどんな感じなのかすごい楽しみですね」

「今日も、最高でした」

「桂木は今日初めてだったが、酒の味含めてどうだった?」

「酒も!? そりゃ、後悔するくらい最高。それだけっすよ」

 そんな調子で再び会話が盛り上がっていた。

 桂木を見つめる岡崎の視線、それに気付かずにじっと見つめる桂木の視線。それぞれ特別な想いをは持っていたが、それに気付いているのは他人事として見ている片倉と若松だけであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

花の妖精さん

まつのこ
BL
『素敵な夢ですね──』 毎日規則的に生きるトーマの一日は、不思議な雰囲気を纏う隣人のヨシュアとの挨拶から始まる。 今日も当たり前のように挨拶をしてから仕事に出かけると、いつもと違うことに度々出くわした。 何事かと考えていると、花屋で働くヨシュアとばったり会う。 意外だと話していると、彼から一緒に出かけたいと誘われた──

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

ダメですお義父さん! 妻が起きてしまいます……

周防
BL
居候は肩身が狭い

グラジオラスを捧ぐ

斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
憧れの騎士、アレックスと恋人のような関係になれたリヒターは浮かれていた。まさか彼に本命の相手がいるとも知らずに……。

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

【完結】遍く、歪んだ花たちに。

古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。 和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。 「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」 No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。

処理中です...