酒と談話【一部公開】

まつのこ

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いつかのさけ

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「すいません、後で注文お願いします」

「今でも大丈夫ですよ」

 店員が隣の空いているテーブルに空になった皿を置くと、注文を取るためにメモに持ち替えた。

 すると片倉は矢継ぎ早に注文していく。

王禄おうろくをグラスでロックと、梅酒のロックをグラスでお願いします」

「あと明太コロッケと、なす焼き、なめろうを二つずつ……」

「……かしこまりました。失礼致します」

 あっという間に店員は去っていった。

「おい若松。お前、頼みすぎじゃねーか?」

 注文の多さに桂木は思わず心配になり、そう口走っていた。

 しかし、若松からは何の感情も見えてこない。

「……食べたりない」

「気にしないでいいぞ。俺も食べたりないからな」
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