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いつかのさけ

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「何頼んだんすか?」

「おすすめだ。何かは来るまで分かんないが、いつも美味いやつだぞ。桂木、お前は初めてだったな? とにかく美味いぞ」

「それはめっちゃ楽しみっすね。岡崎さんの日本酒のセンス、最高っすから」

 楽しみだ、ということを言葉だけでなく表情にまで露わにしている桂木。

 岡崎の開催する飲み会はかつて何度か行われていたが、桂木は常に都合がつかなかったようで、今日ようやく参加できていた。それまでも岡崎の同席する飲み会には参加していたが、幹事は別の者であった。

「桂木さん、岡崎さんのこの会のセンスは本当に最高ですから楽しみにしてくださいよ」

「おう。片倉は何回か参加したことあんのか?」

「二回目です。初めてでも感動ものですよ」

「いやいや、ただの趣味だから。とにかく好きなもの食べて楽しんでくれ」

「……岡崎さんの、奢り、ですか?」

 今まで黙っていた若松はそうボソリと呟いた。
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