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秘密の味

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「今度、俺もそのウイスキーのところに連れてって。カナさんと行きたいよ」

「ん……」

 これは合意という意味なのだろうか。どうせ日程調整があるだろうから、改めて話すことになるだろうが。

 再び沈黙が訪れる。気付けば目的地まであと少しのところまで来ていた。

 交番の角を曲がり、急に建物が密集する狭い道を歩いていく。いくつか建物を通り過ぎたところで、薄緑色の建物が見えてきた。俺の家である。

 俺のバッグから鍵を取り出し、鍵を開けて中へと入る。真っ暗な室内を転ばないように慎重に歩いていく。

 部屋の灯りを点け、ようやく見えるようになったところで、奥の部屋にあるソファへと向かった。

 そこへ金森さんを座らせる。ぐったりとしており、起きているのかどうか見ただけではよく分からなかった。

 荷物を身体から離しながら俺は問い掛ける。

「カナさん、起きてる?」

「水……」

「わかった」
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