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プライステイスト
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「あ……これならそのままでも飲めるかも……」
「もう一度言っておくが、あんまり飲み過ぎんなよ。度数そこそこあるからな」
それだけ言い残すと、コウは再びキッチンへと向かった。冷蔵庫に入っている残りのジンジャーエールを全て取り出し、テーブルの上のワインの横に並べていく。
大量のボトルが並んでいく中、タクトはグラスに残っているそれぞれのワインを空にしつつ料理を楽しんでいる。
味の濃い肉と魚の合間に、ピクルスを少しずつ齧っていく。その味の変化が余計にタクトの調子を上げていた。
そんな姿を横目で気にしながら、コウもゆっくりとワインを味わっていた。どうやら白ワインの方が気に入っているらしく、上機嫌になったように見えた。
時折食べ物をつまみながらワインをどんどん空けていき、あっという間に半分以上なくなってしまった。
「コウ~、最後の一本も開けて~」
だいぶ酔っ払ってしまったタクトが残っている一本も飲みたいとせがんでいる。
寄り付いている彼を振り払いながらも、その手付きで最後のワインを開けた。ゆっくりとグラスへ注いでいくと、シュワシュワと音を立てながら薄ピンクの液体が入っていった。ロゼスパークリングワインであった。
「もう一度言っておくが、あんまり飲み過ぎんなよ。度数そこそこあるからな」
それだけ言い残すと、コウは再びキッチンへと向かった。冷蔵庫に入っている残りのジンジャーエールを全て取り出し、テーブルの上のワインの横に並べていく。
大量のボトルが並んでいく中、タクトはグラスに残っているそれぞれのワインを空にしつつ料理を楽しんでいる。
味の濃い肉と魚の合間に、ピクルスを少しずつ齧っていく。その味の変化が余計にタクトの調子を上げていた。
そんな姿を横目で気にしながら、コウもゆっくりとワインを味わっていた。どうやら白ワインの方が気に入っているらしく、上機嫌になったように見えた。
時折食べ物をつまみながらワインをどんどん空けていき、あっという間に半分以上なくなってしまった。
「コウ~、最後の一本も開けて~」
だいぶ酔っ払ってしまったタクトが残っている一本も飲みたいとせがんでいる。
寄り付いている彼を振り払いながらも、その手付きで最後のワインを開けた。ゆっくりとグラスへ注いでいくと、シュワシュワと音を立てながら薄ピンクの液体が入っていった。ロゼスパークリングワインであった。
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