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ほろ酔いサイダー

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 片手で数えられるほどしか飲んでないとはいえ、一杯の量はかなり多かった。俺としては普通の飲み会くらい飲んだつもりでいた。

 宏介の顔を見ると、話していたせいか薄っすらと赤い気がするが、食後よりはだいぶ戻っていて抜けているのも事実かもしれない。それでも、これ以上飲ませようという気にはならない。

 俺はポケットから携帯端末を取り出し、予定表を開く。ほとんど予定の入っていない、真っ白い画面を差し出す。

「宏介、俺の予定が入ってない日でいつなら空いてる? そのときに宅飲みしようぜ」

「ほんと? えぇと……この日! 仕事帰りでやろう!」

 画面を触り、そのまま俺に返してくる。その日は金曜日で、翌日はゆっくりできる日だ。

 俺は開かれた画面に予定を書き込んでいく。

「……よし。これでいいか?」

「宅飲み……ねぇ。了解」

 何か納得していない状態のまま、宏介も自分の端末を取り出して書き込んでいる。

 もしかしてまた同じことをしているのだろうか。
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